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雨ニモマケズ呪ニモマケズ


ストーリー Story

 フトゥールム・スクエア、工房の一角。
 さながら、伝説に聞く選定の剣が如く、しかしてかの聖剣のような美しさはない禍々しい刀が、一行の目の前に鎮座していた。
 内側に孕んだ禍々しい魔力を垂れ流し、輝かせる刀身は艶やかながら、極めて鋭利。
 完成に近づくに連れ、自然と刀身に刻まれていったと言う文字は、今や廃れた昔の文故、未だ解読は済んでいない。が、刀身から鍔、柄へと通じて、ただ一言、握れ、と訴えて来るのだけは伝わってくる。
 剣士であれば尚更に、強く、感じられる物があった。
「これが、例の怪物から作った刀か」
 ローレライ、【ネル・シュワルツ】。クマのルネサンス、通称【クマさん】の見守る中、【灰原・焔】(はいばら ほむら)が抜刀に挑む。
 剣技の練度。実戦経験値。過去、雨の怪物――驟雨(しゅうう)と名付けられた刀の怪物と戦った師匠の弟子と言う三点から、刀の使い手に選ばれた。
 しかし、名人ならざる者。刀匠とも言い難き生徒らでも、理解出来る。
 多くを学んで得た知識と、数をこなして得た技術とを結集させ、匠ならざるも、業物に近しい物を作り上げたと自負している。
 が、良くも悪くも素材の性質故か、完成してしまった。
 業物と呼ぶにはあまりにも禍々しく、妖しく、艶めかしい刀が。
「驟雨を斬る刀故、斬雨《きりさめ》と命銘した。が、見ての通り普通の刀ではない。妖刀、怨刀、とにかくそう言った類の物だ」
「それでも、誰かが取らないとならない。そうだろ?」
 小、薬、中、一指、親の順で握り取る。
 直後、同じ順の指を伝って刀から魔力が流れ込み、焔がそのまま項垂れた。
 体に一切の力み無く。立ち尽くす姿に淀み無く。瞳に一切、光無く。
「おい、クマ」
 刀を作った生徒は即座に退避。
 二人は、想定していた万が一に備え、構えた。
「おい、意識はあるか。あるなら返事。ないなら無言で答えろ」
 ゆっくりと、ゆっくりと、刀を抜く。
 鞘は、目の前。敵は、何処。
 斬れ、切れ、キレ――頭の中で反芻されし言の葉が響き、脳を構成する細胞の一つ一つに染み込むように溶けていく。それ以外の思考が、消えていく。
 紙、木材、石。何でも良い。
 動物、魔物、人。何でも良い。
 斬れ、切れ、キレ――繰り返される言葉は、禍々しき呪いを帯びて、焔の体を蝕んでいく。犯していく。穢して行く。
 ダメだと抗う理性さえ、溶けて、微睡み、落ちて、代わりに、起こされる。過去の悔恨。若気の至り。己の力に果ては無しと信じていた頃、犯した過ち。
 海馬の最奥に封じ込めた、己が罪。
 天上天下唯我独尊――この世に我が敵はなしと言う意味と勘違いしていた頃、連ねて名付けた剣技と共に、心に封じた記憶が燃え上がる。
「炎上蓮華(えんじょうれんげ)……唯火独占(ゆいがどくせん)……!」
 捕えんと伸びた水の触手を薙ぎ斬り払い、背後から迫るクマの巨体を、剣圧が生み出す熱風が疾く、吹き払う。
 刀を握る腕から肩、首を駆け抜け、顔の右半分に、水面に雫が落ちて広がったような波紋模様が広がり、刺青のように刻まれた。
 淡く濁る瞳孔の内側で、水に落とされた墨汁のような細い黒が泳いでいる。
「斬る……斬る……斬る……」
「それ、殺すって意味のキルと掛かってるんじゃねぇだろうな。笑えねぇぞ、この野郎」
 赫赫と、炯炯、明明と輝く妖刀にて、火の粉を払い、斬る。
 燃え上がり、輝ける妖刀を握る焔の目が映すのは、斬るべき雨の怪物ではない。が、斬ると繰り返し宣う口と目に、冗談と返す様子無し。
 向かわねばやられる。それだけはごめんだ。
「おい、外の連中に連絡だ。灰原は失敗した」
 工房の外で待っていた一行は、連絡を受ける。
 直接連絡を受けた生徒は溜息を零し、緊張の面持ちで構えていた一行に改めて告げる。
「焔くんが斬雨による精神支配を受け、暴走しました。私達四人は学園の四方に散り、彼が外に出ないよう迎え撃つ体勢を整えます。あなた方はネル、クマと共に彼の捕縛に勤しんで下さい。ですが、決して無理はしないように。あくまでも、自分の命を優先して行動して下さい」
 それだけ言って、四人の先輩らは各方面に散る。
 計ったかのようなタイミングで工房の出入り口である鉄扉が焼き斬られて、壺から落とされたタコが如く、太い水流の触手を操るネルが、クマを引っ張って抜け出て来る。
 直後、入口より更に外側の内が焼き斬られて、崩れ落ちた瓦礫を踏み締めながら、燃える妖刀を握り締める焔が、悠然と闊歩して現れた。
 灰色の眼光の中、屈折した光の中で、薄い墨の線が揺らめくようにうねり、這う。一瞥だけでゾクリと背筋を逆撫でられたような悪寒が走って、一瞬だが震えた。
「ビビるな! 後れを取るぞ! おまえ達は他三人の兄妹弟子に託されたんだ! 気を引き締めて掛かれ! 今のこいつは、加減なんて知らないぞ!」
 火の粉を払い、火の粉を斬る。
 斬る、斬ると念仏のように繰り返し、握る刀と反して冷酷な眼光を差す目が告げる。
 おまえを、斬る。
「炎上、蓮華……!」
「来るぞ! 構えろ!」
 躊躇えば斬られる。
 背を向けても言わずもがな。
 故に彼の兄妹弟子らは、この戦いに参加させてすら貰えなかった。
 自分達は託されたのだ。
 躊躇をするな。背を向けるな。決して、固めた意思を揺るがすな。己が力、全身全霊で以て止めろ。全神経を張り詰め、戦意を震え上がらせろ。
 目の前にいるそれは、いつか倒すべき、雨の怪物に次ぐ怪物と思え。
「唯火、独、占!!!」
 いざ、尋常に、勝負――!


エピソード情報 Infomation
タイプ EX 相談期間 6日 出発日 2021-04-14

難易度 とても難しい 報酬 通常 完成予定 2021-04-24

登場人物 6/6 Characters
《勇者のライセンサー》フィリン・スタンテッド
 ヒューマン Lv33 / 勇者・英雄 Rank 1
「フィリン・スタンテッド、よ……よろしく」 「こういう時、どうすれば……どうすれば、勇者らしい?」 (※追い詰められた時、焦った時) 「黙って言うこと聞け! 殴られたいの!?」 「ぶっ殺してやる! この(お見せできない下劣下品な罵詈雑言)が!!」   ###    代々勇者を輩出してきた貴族スタンテッド家(辺境伯)の令嬢。  一族の歴史と誇りを胸に、自らもまた英雄を目指してフトゥールム・スクエアへと入学する。  愛と平和のために戦う事を支えとする正義感に溢れた性格で、『勇者らしく人々のために行動する』ことを大事にする。  一方で追い詰められると衝動的に罵声や暴力に訴えてしまう未熟な面もあり、自己嫌悪に捕らわれる事も多い。 『彷徨う黄昏に宵夢を』事件で対峙したルガルとの対話から思うところあったのか、頑なな勇者への拘りは少し角がとれたようだ。 ※2022年8月追記 全校集会『魔王の復活』後、昨年クリスマスに結ばれたルガルとの子供を身籠っていた事が判明 (参考シナリオ) 恋はみずいろ L’amour est bleu https://frontierf.com/5th/episode/episode_top.cgi?act=details&epi_seq=649 ◆口調補足 三人称:〇〇さん(敬語では〇〇様) 口調:~かな、~ね? その他:キレた時は『私、アンタ、(名前で呼び捨て)、(言い捨て)』 ◆Twitter Sirius_B_souku
《大空の君臨者》ビャッカ・リョウラン
 ドラゴニア Lv22 / 勇者・英雄 Rank 1
とある田舎地方を治め守護するリョウラン家の令嬢。 養子で血の繋がりはないが親子同然に育てられ、 兄弟姉妹との関係も良好でとても仲が良い。 武術に造詣の深い家系で皆何かしらの武術を学んでおり、 自身も幼い頃から剣の修練を続けてきた。 性格は、明るく真面目で頑張り屋。実直で曲がった事が嫌い。 幼児体系で舌足らず、優柔不断で迷うことも多く、 容姿と相まって子供っぽく見られがちだが、 こうと決めたら逃げず折れず貫き通す信念を持っている。 座右の銘は「日々精進」「逃げず折れず諦めず」 食欲は旺盛。食べた分は動き、そして動いた分を食べる。 好き嫌いは特にないが、さすがにゲテモノは苦手。 お酒はそれなりに飲めて、あまり酔っ払わない。 料理の腕前はごく普通に自炊が出来る程度。 趣味は武術関連全般。 鍛錬したり、武術で語り合ったり、観戦したり、腕試ししたり。 剣が一番好みだが他の分野も興味がある。 コンプレックスは身長の低さ。 年の離れた義妹にまで追い抜かれたのはショックだったらしい。 マスコット扱いしないで欲しい。
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。
《マルティナの恋人》タスク・ジム
 ヒューマン Lv36 / 勇者・英雄 Rank 1
村で普通に暮らしていましたが、勇者に憧れていました。 ここで学んで一人前の勇者になって、村に恩返しをするのが夢です。 面白いもので、役所勤めの父の仕事を横で見聞きしたことが、学園の勉強とつながり、日々発見があります。 (技能はそういう方針で取得していきます) また「勇者は全ての命を守るもの、その中には自分の命も含まれる」と仲間に教えられ、モットーとしています。 ※アドリブ大歓迎です! ※家族について デスク・ジム 村役場職員。縁の下の力持ち。【事務机】 (※PL情報 リスクの子) ツィマー・ジム おおらかな肝っ玉母さん。 【事務室・妻】 シオリ・ジム まじめできっちりな妹 【事務処理】 チェン・ジム のんびりマイペースな弟 【事務遅延】 ヒナ・ジム 可愛い末っ子 【事務雛型】 リョウ・ジム 頑固な祖父 【事務量】 マーニー・ジム 優しい祖母。故人 【事務マニュアル】 タックス・ジム 太った叔父。【税務事務】 (※PL情報 リョウの子) リスク・ジム マーニーの元婚約者でリョウの兄。故人【事務リスク】 ルピア・ジム 決まった動作を繰り返すのが大好きなグリフォン。【RPA事務】 ※ご先祖について アスク・ジム 始祖。呼吸するように質問し、膨大なメモを残す。【事務質問】 「あなたのお困りごと、お聞かせいただけませんか?」 セシオ・ジム 中興の祖。学園設立に向けて、土地や制度等に絡む諸手続きに貢献。【事務折衝】 「先祖の約束を今こそ果たす時。例え何徹してもやり遂げる!」
《奏天の護り姫》レーネ・ブリーズ
 エリアル Lv29 / 芸能・芸術 Rank 1
いろいろなところをあるいてきたエルフタイプのエリアルです。 きれいな虹がよりそっている滝、 松明の炎にきらめく鍾乳石、 海の中でおどる魚たち、 世界にはふしぎなものがいっぱいだから、 わたくしはそれを大切にしたいとおもいます。
《1期生》アケルナー・エリダヌス
 ローレライ Lv20 / 勇者・英雄 Rank 1
目元を仮面で隠したローレライの旅人。 自分のことはあまり喋りたがらない。適当にはぐらかす。 ふとした仕草や立ち居振舞いをみる限りでは、貴族の礼儀作法を叩き込まれてるようにもみえる。 ショートヘアーで普段は男物の服を纏い、戦いでは槍や剣を用いることが多い。 他人の前では、基本的に仮面を外すことはなかったが、魔王との戦いのあとは、仮面が壊れてしまったせいか、仮面を被ることはほとんどなくなったとか。 身長は160cm後半で、細身ながらも驚異のF。 さすがに男装はきつくなってきたと、思ったり思わなかったり。 まれに女装して、別人になりすましているかも? ◆口調補足 先輩、教職員には○○先輩、○○先生と敬称付け。 同級生には○○君。 女装時は「~です。~ですね。」と女性的な口調に戻る。

解説 Explan

 雨の怪物、驟雨(しゅうう)打倒のために開発された刀、斬雨(きりさめ)を持った【灰原・焔】(はいばら ほむら)を行動不能、もしくは、戦闘不能にするのが今回の課題です。
・敵NPC情報
【灰原・焔】……大太刀使いの剣士。片足が木製の義足となっているヒューマン。炎属性の魔法が使えるが、長、中距離戦より炎を剣にまとわせて戦う接近戦が得意。必殺技、“炎上蓮華(えんじょうれんげ)・唯火独占(ゆいがどくせん)”は、剣に乗せた炎を広範囲に広げて放つ、燃える斬撃。
【斬雨】……雨の中現れる刀剣の怪物を倒すため、学園で作られた刀。今回、試作段階にあった物を使えるかどうか実験したところ、手に取った焔の心を蝕み、暴走へと追いやった。作った学園側でも、未だ謎の多い代物。サイズは、ロングソード程度。
・味方NPC情報
【ネル・シュワルツ】……神経質な老け顔のローレライ。指先から放つ水鉄砲と、太く巨大な水流を八本発現し、操る必殺技“クラーケン”を使う。魔力消耗が激しく、燃費が悪い。
【クマ】……本名不明のクマのルネサンス。巨体から繰り出される力と巨体に合わない速度での肉弾戦が得意。人一人なら軽く投げられる。無口故、ほとんどの人が喋る姿を見た事がない。
 以上、二人のNPCと協力して【灰原・焔】を止めて下さい。戦場は、フトゥールム・スクエアの校庭とします。
 敵NPCの生死、刀の破壊の有無については、一切問いません。どのような形で結末を迎えるか、どのような終わりを望むかは、参加者の皆様次第となります。
 何卒、参加者の皆様で相談し合い、望む結末へと導くため、奮闘して頂きたく思います。


作者コメント Comment
 こんにちは、こんばんは。お疲れ様です。七四六明(ななしむめい)です。
 このGM、戦闘エピソードもこれで何度目だろうと言った具合ですが、飽きず懲りずにご用意させて頂きました。
 此度は六月もまだ先ですが、雨の怪物に因んだエピソードとなります。
 ただし今回は、怪物本体ではなく怪物の刀との対峙、と言う形であり、皆様の決断次第で人の命が関わるエピソードです。今後のエピソードをも左右する事でしょう。
 何卒挙ってご参加頂き、皆様の求める結果で終わるよう、相談し合って頂きたく思います。
 では、今回もよろしくお願い申し上げます。


個人成績表 Report
フィリン・スタンテッド 個人成績:

獲得経験:157 = 157全体 + 0個別
獲得報酬:4600 = 4600全体 + 0個別
獲得友情:300
獲得努力:50
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
●作戦と分担
焔先輩の拘束
事件解決に向けた驟雨についての推理・分析

●事前準備
過去に同様の妖刀の事例についてないか確認
シナリオ『豪雨収める鞘』で調達したはずの鞘の所在確認、手元にあるなら持ち出し
また確認しておきたい。なぜ驟雨と関わりないはずの焔に対驟雨の刀を握らせたのか?

●行動
基本方針『刀は可能なら奪還』
無傷での撃破、焔救出が困難な場合は破壊に切替

エリカ、レーネたち盾役を引き受けつつ、後の先で着実に消耗させて一撃。
義足狙いと攻撃が単調化しそうなので、あえて拘らず義足ゆえの弱点(踏ん張りが弱い、義足側の鈍い等『推測』)を突くように。

隙を付けたら『精密行動』『部位破壊』で刀狙い。速やかに鞘へと収納

ビャッカ・リョウラン 個人成績:

獲得経験:189 = 157全体 + 32個別
獲得報酬:5520 = 4600全体 + 920個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
■目的
灰原先輩を止めて救う。

■行動
私は正面から打ち合うよ。
何か仕掛けるにしても、誰かが引き付けないとだからね。

まずは受け。
相手の攻撃を見切って避けたり、流水の構えで受け流して回避。
避け切れない時は部分硬質化で軽減。
防戦一方でも構わない、気持ちだけは前に出続ける!

そして攻め。切り込む隙が出来たら仕掛ける。
チャンスは一度きり。臆さず突き進め。
龍の大翼で前に飛び込んで全速力で突貫、炎には種族的な耐性で強引に切り込む。
そして必殺の耀閃斬。
狙うは斬雨。断てれば重畳、そうでなければそのまま力強く振り切って弾き飛ばす。
一意専心!その怨念を断つ!チェストォォォォーーーーーーーーッ!!!

エリカ・エルオンタリエ 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:472 = 157全体 + 315個別
獲得報酬:13800 = 4600全体 + 9200個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
優先事項:人命最優先。被害者を出さない。灰原さんを助ける(多少のケガはやむを得ない)

可能であれば:刀は回収し、暴走しない物を作るために分析する。
刀を破壊しなければ暴走が止められないと思われる場合は破壊もやむを得ないとする。

灰原さんに対し、【博愛主義I】を【基本杖術V】で強化して、【説得】を行う。
この類の呪いは、人の心の隙に付け込んでそれを操るものだと思われるので、
灰原さん自身の心の中にある光を信じて、呪いを打ち破ってもらう。
「わたしたちは片足を失っても誰よりも努力して、そのハンディを克服したあなたの強さを知っているわ。悪魔の囁きになんか負けないで!」

正気に戻すために【正妻の制裁】も試してみる。

タスク・ジム 個人成績:

獲得経験:157 = 157全体 + 0個別
獲得報酬:4600 = 4600全体 + 0個別
獲得友情:300
獲得努力:50
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
焔先輩を信じているが、最悪を想定して
仲間が精神汚染された状態の対処や救出方法を【事前調査】
まず、校長に面会を申し込み、仲間が精神汚染された場合どうするか、
校長の経験や見解を尋ねる
その言葉を手掛かりに
【勇者司書】で僅かな時間を最大限に活用しその方面の本を読みまくる

また、焔先輩の精神汚染を目の当たりしても心を強く保つため
そして汚染回復の手掛かりになりえる情報として
先輩の過去と今を兄妹弟子から聞けるだけ聞く
刃先輩には特訓を兼ねて特に念入りに聞く
彼の想いを連れていくためにも(メイン装備EX解説参照)

上記を元に最悪の事態を最良に持っていく方法を【推測】し
作戦立案
仲間に共有

戦闘では、囮・壁に専念

アドリブA

レーネ・ブリーズ 個人成績:

獲得経験:236 = 157全体 + 79個別
獲得報酬:6900 = 4600全体 + 2300個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
『天使の歌』を装備し、消耗の少ない『風の旋律』で味方を回復します。
『絶対音感Ⅰ』と『調律』もつかって回復量をたかめます。
味方が状態異常をうけたら『福の針』と『備えあれば何とやら』でなおします。
もちろんシュワルツさんとクマさんも味方です。
そして、灰原さんは味方ではなく……敵です。

わたくしはたたかう味方のささえ。
だからがんじょうさをたかめて、『勇猛果敢』で『萎縮』を防ぎます。
また『沈黙』対策に『お喋りし草』も用意してます。

そして、たたかいのあと、灰原さんを種族特性の『言の葉の詩:ラブ・キャロル』でなおします。

敵としてたたかう、でも、灰原さんは……おなじ学園の仲間だから。

アケルナー・エリダヌス 個人成績:

獲得経験:189 = 157全体 + 32個別
獲得報酬:5520 = 4600全体 + 920個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
◆目的
灰原先輩から斬雨を奪うor破壊し戦闘終結を図る
それでも戦闘終結とならなければ、灰原先輩を戦闘不能にし戦闘終結を狙う

◆応戦
私も前に立ち、他の前衛の隙をカバーするように立ち回る等、援護しつつ先輩に畳み掛ける隙を探る

基本は、剣突きで応戦したり衝撃享受で攻撃を受け止めつつ、先輩が仲間の隙を狙おうとするなら我が身を盾にで仲間を庇い、不意討ち等での仲間への大打撃を回避

先輩の思惑が外れて焦ったり、仲間の攻撃で先輩に隙が出来たら、その隙を逃さず部位破壊で先輩の義足の破壊を狙う

勿論、先輩も弱点を狙われる想定はしてるだろう
それでも、弱点をカバーさせることで、更に仲間がつけこむ隙ができるなら……試す価値はある

リザルト Result

 遡る事、数日前。
「本気で言ってるんだよね? それ」
 指先で机を小突く【メメ・メメル】の口調は、いつになく真剣だ。声音からも、普段の明るく軽快な様子は感じられない。
 彼女の前には【灰原・焔】(はいばら ほむら)と、刀の製作を担当する生徒の一人とが並び立っていた。
「今更冗談です、じゃ済まさないゼ? あれが相当にヤバい代物だって事は承知の上で、それでもやるって言うのかい?」
「俺は驟雨掃討作戦にはほとんど参加してませんが、あの刀がヤバい代物だって事くらいはわかります。そんな物を、兄妹弟子は疎か、あいつらが大事にしてる後輩の誰かに握らせるのは、安全が確保出来てからが良いでしょう。だから……俺が被検体になります。どうなるかわからないですが、万が一の場合は殺してでも、俺を止めて下さい」
「死にたがりと勇者は違うぞ」
「弁えてますよ。ですが、どっちみち必要な犠牲です。本番で驟雨と戦うって時に、暴走して生徒が死にましたって方が、よっぽど質が悪い。それに、暴走した俺程度止められないで、驟雨なんて怪物が倒せますか」
 沈黙が劈く。静寂が轟く。
 メメがそれらを破るまで、脚が震える程の緊張が二人を圧し潰さんとしていた。
「死なせないゼ、焔ちゃん。キミの仲間を、後輩達を信じな。だから、信じてるゼ」
「もちろん。俺だって、そう簡単に堕ちるつもりはありませんよ。信頼は裏切りません」

 【ビャッカ・リョウラン】の体が舞い上がる。
 地を這う炎熱が横に薙ぎ、校庭一帯を灼熱の砂地に変えて、距離を詰めようとした【アケルナー・エリダヌス】を後退させた。
 さすがにあり得ないだろうが、ローレライが蒸発してしまいそうな灼熱を振り回す焔の剣を相手に、アケルナーはなかなか距離を詰められない。
 代わりに、アケルナーよりも比較的焔の剣筋を知っている【タスク・ジム】が距離を詰め、赫く光る剣撃を受けた。
「焔先輩! 気を確かに持って下さい! 呪いになんか負けるあなたではないはずです!」
 無言。返答はない。
 代わりに、赫く光る妖刀が燃え上がる。
「タスクさん!」
「――突焼牙(つけやきば)!!!」
 【エリカ・エルオンタリエ】に呼ばれて危機を察したタスクが下がる。
 タスクのいた地面が焼き切れて、砂粒が赤く溶けている。【白尾・刃】(しらお じん)から焔の剣技について前以て聞いていたが、聞いていた以上の威力だ。本来なら、これで必殺技の域にないと言うのだから恐ろしい。
「タスク! あんた、刃先輩から色々聞いてるんじゃないの?! 何か、あの人の弱点とか打開策とか!」
 【フィリン・スタンテッド】の言う通り、タスクは前以て刃に話を聞きに行った。
 使って来るだろう術技の内容と弱点はもちろん、刀に付け入れられそうな隙――いわば、心の闇と言う物を。しかし前者については教えてくれたものの、後者について訊こうとすると、刃に脳天を手刀で叩かれた。
「阿呆。いくら兄弟弟子でも、踏み込んじゃならへん領分ちゅうもんがある。そう言うんは本人に訊け。ま、そこらはナイーブやさかい、訊いても教えてくれへん思うけどな。それになぁ、タスク。戦場に行くんはうちらやのうて、自分らやろ。ならぶつけるのはうちらやのうて……己の想い違うんか?」
 そこんところ間違うな、と指先で弾かれた眉間がまだ痛む。
 校長も、これと言った明確な指示は出さなかった。ただ、自分が真一文字・改を持っていく事を告げると一言だけ、君の想いを持って行け、と言っただけだった。
 結局、フィリンや他の皆が求めるような対策は――ない。
「リョウランさん! エリダヌスさん!」
 灼熱の剣圧が熱風と変わって、前後から同時に迫った二人を吹き飛ばす。
 どこからともなく伸びて来た水流が二人を捕まえると、【レーネ・ブリーズ】の前に乱暴に投げ渡した。回復させろ、と言う意味合いらしい。
「おい焔。学園長に、殺してでも止めろって宣ったらしいな。めんどくせぇ……要望通りにしてやるから、泣いて命乞いだけはするんじゃねぇぞ」
 【ネル・シュワルツ】が構え、【クマ】が吠える。
 両者を並べて見た焔は斬雨を振り払い、無言で来いと誘う。
 さっさと方針を決めろと言いたげな一瞥が、ネルから一行へと向けられた直後、クマと焔がぶつかり、ネルも水の魔法で応戦し始めた。
「で、どうすんの?」
 全員の視線がタスクに向く。
 焔の戦い方を一番知っているのも、調査したのもタスクだ。
 後者に関しては残念ながら、これと言った成果は得られてないが、彼の戦い方に関しては、この場で一番理解している事だけは確かである。
「……僕が何とか、カウンターを叩き込みます。皆さん、協力して下さい」
 拳を打ち鳴らし、走る炎熱を振り払いながら、クマが走る。
 風を切って繰り出される拳を受け止めた焔の斬撃が真一文字の赤い剣閃を描き、目の前の巨体を赤い閃光と熱風とが吹き飛ばした。
 直後、側面から水の塊が指先から放たれ、刀で受けた焔を軽く浮かせる。わずかに溶けている校庭を滑る焔に向かって伸びる水流の塊が、鎌首をもたげた蛇が如く襲い掛かった。
 赫く光る斬雨が炎熱を纏い、水流を焼き斬る焔へと、より速く伸びる水流が一本。水流を両断しようと振り下ろされた剣撃を、水流の中に潜んでいたアケルナーが受け止める。
 水流の中に潜んで一挙に接近したアケルナーは、ゼロ距離でミドを発射。焔の体を舞い上げる。
 その着地地点へと、ドラゴニアの翼を広げ、地面と平行に滑空する形で伸びるように跳躍するビャッカが跳ぶ。
 疾風が如く駆け抜け、雷光が如く振り切って、雲耀へと至る斬撃を振り被る。斬撃の名は耀閃斬。リョウラン家の奥義にして攻めの極意――!
「チェェェストォォォッッッ!!!」
「焔射太刀(ほむらいたち)――!」
 振り下ろされた妖刀の一撃と、全身を捻って回転させて繰り出された薙ぎ払いの一撃とが激突。互いの魔力と妖刀が放つ妖気とが、大気に亀裂を入れるが如く響き渡る。
 片脚が義足の焔は踏ん張りが効かないはずだが、腕力と斬雨の魔力とで押し切り、ビャッカを剣撃諸共薙ぎ払った。
 が、吹き飛ばされたビャッカは一度刀を収めて空中で態勢を立て直す。
「ヒドーガ!」
 紫色の双眸が、わずかに赤みを帯びて光る。
 目の前に展開された赤い魔法陣が輝き、魔力を灼熱に変えて収束させていく。
 無論、焔はそれを見逃さなかったが、上から降って来たクマのドロップキックを躱し、着地直後に繰り出された後ろ回し蹴りを籠手で受けて、義足を狙って迫り来たアケルナーと共に、再び火炎の横薙ぎで一掃した。
 しかし同時、ビャッカのヒドーガが飛ぶ。
 途中、エリカのフドを受け、火力を増したヒドーガが加速。熱量を上げて、焔に炸裂した。
 炸裂したヒドーガを掻き分け、斬り払う焔へと、黒煙を煙幕にしてタスクが肉薄。気付いた焔は刀を返し、迫り来るタスクへと翻す。
 無理矢理懐に入って来た剣撃を受け流して気を引いている間に、フィリンが肉薄。連撃、還襲斬星断にて、追撃に次ぐ追撃を仕掛ける。
 片脚が義足の焔は踏ん張りが弱く、連撃に押し込まれる。反撃のために斬雨を振り上げようとして側面からクマに脇腹を殴られ、体勢が崩れたところにクマの半分もない小さな拳が、焔の頬を打ち抜いた。
「まったく……世話を掛けないで頂戴? 焔先ぱ……」
 焔の手から、斬雨を回収しようと柄を取った瞬間。フィリンの動きが止まる。
 一瞬の内に脳裏を過ぎった凄惨な過去。
 盗賊団の情婦として過ごし、悪事にも加担した日々。
 そこから救い出すため戦ってくれた人の存在。彼女から流れる血。そして――死。
 何度も、何度も、何度も何度も何度も、彼女が殺される。彼女が死ぬ。彼女が、フィリン・スタンテッドが死に絶える。
 数秒の中に凝縮された数百数千の過去が一瞬の間に過ぎって、フィリンは頭を抱えて絶叫した。
 直後、舌を打ったネルの水流が、フィリンを跳ね飛ばし、クマが受け止めてエリカとレーネのいる後方まで下がった。
「軽率に触れんなぁ! 剣士殺しの化け物の刀だぞ。少なくとも、剣士が気安く触れちゃあいけねぇよ」
 指先にミドを圧縮。ネル特有の高圧水鉄砲にて、四肢に風穴を開けてやらんと狙い撃つ。
 が、先に跳ね起きた焔の斬撃にすべて斬り捨てられ、蒸発させられた。ネルは再び大きく舌打ちする。
「同族! 時間を稼ぐぞ、付き合え!」
「は!」
 呼び方には異議ありだが、今この場においては捨て置くべき些事。アケルナーは先と同様にネルの繰り出す水流に身を任せ、鞭打のように繰り出される水流に紛れて斬り掛かった。
「私だって、負けないぞぉぉぉっっっ!!! チェェェストォォォッッッ!!!」
 クマの全力投擲に投げ飛ばされたビャッカが、翼を広げて滑空。幾度も繰り出された水流で足場が濡れ、踏ん張りが効かない焔を、振り下ろした剣撃で押し込んで倒す。
「奪えないなら、怨念ごとその刀を叩き斬るまで、だ――っ?!」
 腹部に鈍痛が響く。
 腹を蹴られて怯んだ一瞬で剣に薙ぎ払われる。
 胃液を嘔吐したビャッカの目の前で、斬雨が赫い妖炎を纏って燃えていた。
「炎上蓮華(えんじょうれんげ)……!!!」
 今までとは比較にならない熱量。
 回避は不可能。ならば、受ける以外に道はない。
「唯火(ゆいが)、独占(どくせん)――!!!」
 振り下ろされた斬撃が、天を衝く火柱を上げる。
 広がる剣圧が熱波に変わって校庭に広がり、攻撃力こそないものの、全員に防御の姿勢を取らせるに至り、生徒らが纏う防具は排熱を促される。
「ビャッカさん!」
「リョウランさ――ふぇ?!」
 レーネが変な声を上げてしまったのも無理はない。
 天高く上った火柱の下にいると思っていたビャッカが、いつの間にか自分のすぐ側でヘタリと座り込んでいたからである。
「りょ、リョウランさん?! 今の一撃を躱されたのですか!?」
「いつの間に……」
「ち、違うよ! ただ、襟を掴まれたと思ったら凄い力で引っ張られて……」
 レーネとエリカに説明して、先に気付いた。
 焔が一撃を振り下ろした先で、全身から黒煙を上げるクマが、ガードしたままの状態で立ち尽くしていた。
「クマ先輩!」
 片膝を突いたクマが揺らぐ。
 倒れそうになる体を片手で支えるクマの首筋へと、刀を突き付ける焔はそのまま大きく振り被って、刀身に赫い炎を携えた。
「タスク! アケルナー! 何ボーっとしてるの、走りなさい!」
 クマに近い距離にいる二人へ、フィリンが叫ぶ。
 炎と剣の圧で一拍――いや、二拍遅れて動いた二人だったが、間に合わないのは目に見えている。フィリンもマドーガの発射体勢に入ってはいるが、とても間に合う気がしない。
「斬る」
 斬首――クマの首が飛んだ、と、誰もが思ったその瞬間、凄まじい量の激流が焔へとなだれ込み、鎌首をもたげた水流が、焔を攫って行った。
 状況把握のために立ち尽くす全員に、水流の轟音を超える怒号が飛ぶ。
「ボーっとしてんなぁ! 態勢立て直すなら今だろうが! 死にたがり以外は今すぐ動け!」
 迫っていたタスクとアケルナーをも流し、一年生六人を一か所に纏める。クマは放置だ。何せ重い。その分の魔力は、水の中で剣を構える焔へと注ぐ。
「焔射太刀……!」
 アクラで作った波を、灼熱の一太刀が蒸発させる。
 舌打ちしたネルは足下に水を広げ、八本の水流を持ち上げた。彼の必殺技、クラーケンだ。
「妖刀が魔力を倍増させてるのか。それとも、命を削って魔力を生成してるのか? いずれにしても、長引かせるのはどっちにとってもメリットは少なそうだ」
 魔力回復の薬を一息で飲み干し、人差し指に凝縮させた水鉄砲で威圧する。
 今の焔に反応は希薄で、刀を構えるだけだったが、少なくとも、意識は向けられた。
 これで態勢を整えるだけの時間は稼げるだろう。何なら一人で倒してしまっても構わない――と言いたいところだが、さすがにそれは厳しいか。
 なら、せめて。
「回復薬はもう一本ある。妖刀の底上げした魔力と、根競べしようじゃねぇか」
 うねる八又の水流が、赫赫炯々と輝ける妖刀とぶつかり合う。
 そのすぐ側で、片膝と片手を突いた状態のまま動かないクマの身を案じてレーネが回復に向かおうとしたが、二人の戦いに巻き込まれる事を危惧したフィリンに止められた。
 ネルがクマを残した以上、何か考えがあると見るべきだろうし、一か所に六人纏められたからには、再度立て直せ、という事に違いない。
 備えこそあったものの、ネルも暴走した焔の力の上がり様は想定外だったようだ。
「……ビャッカさん。あれを受け止める自信は、ありますか?」
 ドラゴニアの持つ炎への耐性に合わせ、流水の構えでの受け流し、もしくは部分硬質化での受け止めを考えていたが、今さっき目前にした火柱がその考え方を焼き焦がした。
 受け流すならまだしも、受け止める自信はない。が、勝機まで失った訳ではない。
「最大火力は無理だけど、ある程度消耗させた上でなら、もしかしたら……!」
 ネルの繰り出した水を被っただけの状態で受けたクマが、戦線にこそ立てていないものの、未だ倒れていないのだ。最大火力でさえなければ、ビャッカにも充分可能性はある。
 彼女の返事を聞いたエリカは、決心を固めたように短く吐息した。
「フィリンさん。レーネさんの護衛をお願いします。こうなれば、より多くの面々で前線に立って、先輩を消耗させる他ないでしょう。私も……出ます」
「そんな、危険ですエリカ部長!」
「危険はみんな、覚悟の上でしょう? ビャッカさんが止められれば、一番大きな隙が作れる。そうしたら、あなたの出番よ、タスクさん。刃先輩から、託されてるんでしょう」
 自分の想いをこそぶつけろと、指先で弾かれた眉間に触れる。
 握り締める筆の重さ程はあるだろう、先輩の口には出されなかった想いを連れて行くため、選び取った渾身の一筆。
 刃の想いに応えるためにも、焔の心に届けるためにも、決める。決めて見せる。
「……はい!」
「ならわたくしも――!」
「……あんたは大事な回復役でしょ? そう軽率に前に出せないわ」
 でも、と食い下がろうとして、レーネは一歩退く。
 エリカも前線に出るとなれば、二重奏を奏でるレーネは今回、チームの大事な回復の要。そう簡単に倒れてはならない。そのために前線に出るなどご法度だ。
 我ながら出過ぎた真似をしてしまったと悔やんでいると、注意を促したフィリンが強く肩を叩いて来た。
「あんたは私の後ろ。だから、私にちゃんとついて来なさい?」
「は、はい!」
 格好付けて言ってみたものの、フィリンは内心反省していた。
 今回の作戦で、例の刀を焔が取ると聞いた時、どこか思うところがあったのだ。
 何故今まで関わりの無かった彼に決まったのか。何故自分達の誰かではなかったのか。
 何とも言い難き、お前達無意味ですと宣言されたかのような疎外感と寂寥感が胸を蝕み、今まで懸命に刀作りのために戦って来たと言うのに、今更意味があるのかなんて考えて、子供みたいに不貞腐れて、拗ねていた部分もあったかもしれない。
 だけど、刀を触ってわかった。
 斬雨は驟雨を理解する上で重要な代物だ。
 それに刀に触れてから、ネルに弾かれるまでに、何か熱い物に触れた気がした。もしもその何かが、刀の内で抗う焔の意思ならば、助けたいと思わないはずはない。
 一瞬だけ触れた自分でさえ、地獄だと思える光景の中に未だいる彼を救うためなら、何だってやれる。
 拗ねてた自分を叱咤して、自ら背中を押して進む覚悟が、彼女の中で固まっていたのだった。
「……仕方ない。では私も、改めて覚悟を決めよう。怪物驟雨の前の前哨戦。みんなで華々しく飾ろうじゃないか」
 水色の閃光が、焼ける大地を穿ち斬る。
 叩き込まれる水流と水流の間を縫うように抜けて、風を切って迫り来る焔へと水鉄砲で牽制。取らせた距離の先で水流を重ねて叩き付けた。
 が、高く上がる火柱が水流を蒸発させる。
 火柱から躍り出て来た焔に向けて放たれた水鉄砲が焔の頬を掠め切ったが、振り下ろされた剣に両断される。しかしそれは水の塊で作られた偽物で、本物は水流を叩き付けて出来た水溜りの中から入れ替わるように這い出て来た。
「火力は増してるが、勘は鈍ってるな」
 三本の水流を絡め、一本の太い水流にして真っ直ぐに叩き込む。
 人が抗いようのない水量が焔を流し、彼の元へと流した。未だ片膝と片手を突いたまま倒れない、巨躯の獣へと。
「そら、行ったぞ! そろそろ根性見せろ、クマ!」
 双眸赫然として、祖流へと還る。
 元より巨大な肉体が更に筋肉を膨らませ、満身創痍の体を起こす。
 怪物と呼ぶに相応しい純種の獣に近しい姿になったクマは、立ち上がろうとしていた焔へと迫り、風を切る巨岩の拳で殴り飛ばした。
 二転、三転と後ろに転げた焔は突進して来たクマの拳を受け止めながらも上に跳ね上げられ、跳んで追い付いて来たクマの拳に叩き落される。
 が、着地と同時に飛び込んで来たクマの拳を、数メートル押されながらも受け止めた焔のアッパーカットがクマの下顎を打ち抜き、共に振り上げた斬雨の刀身が、赫く、燃え上がった。
「――!!!」
 炎上蓮華・唯火独占。
 より赫く。より熱く。繰り出す度に威力を増す灼熱の斬撃が、再び夜の帳を衝く火柱を上げる。広がる熱波は校庭を撫で、夏の砂浜にも負けない熱を籠らせた。
 それだけの一撃を真正面から受けたクマの体は切り傷まで焼け焦げて、辛うじて倒れてはなかったものの、意識は完全に失っていた。
 あいつ、最期まで立ったまま迎えそうだな、などと考えていたネルは、持っていた最後の回復薬を飲み干し、瓶を叩き割る。
 祖流還りしたクマならば、今暫く回復させずとも少しは持つだろう。が、回復させた方が良いには違いない。故に全魔力を攻撃に注ぎ、溺死だろうと窒息死だろうとさせて止めるつもりだったが――遅い、と言いたげに溜め息を漏らす。
「任せて良いんだな。俺はクマの回復に全力を注ぐ。戦線には戻って来ないと思え」
「はい! クマ先輩をよろしくお願いします!」
「ここから先へは、わたくし達が行かせません! 火の粉一つ、通しはしません!」
「あぁそうかい。じゃあ、任せたぞ」
 エリカとレーネに一瞥を配って、クマを水流で絡め取って行く。
 その背中を見つめる焔に、追いかける姿勢は見られない。
 何せ眼前に、より興味をそそらされる物が現れたのだから。
 鋭利にして端麗妖美。握り取る感覚も去ることながら、向けられる事に対して感じる高揚感。
 剣、刀、刃――剣士。胸の内側から訴えかけられる。斬れ、切れ、キレ、と、繰り返し反芻され、命令を受ける。
 これはきっと呪いなのだろうと理解する頭がありながら、抗う必要はないとさえ思える狂気の奥に時折見える猟奇的興奮は、歯止めと言う言葉を知らずに掻き立てられ続ける。
 かつてその興奮と好奇心とが絡み合って、自らが犯した罪の名を、自分は知っているはずなのに、止まる事を、忘れてしまったかのようだ。
「驟雨と同じね。刀、ガン見してるわ」
「そういう意味じゃ、タスク君が視線から外れているのは不幸中の幸いかもしれない」
「そっか、筆だもんね!」
「ですが、驟雨と同じで、反撃はしてくるはず。三人に対しての攻撃の方がキツいと思われますが……何とか、お願いします!」
 妖刀、斬雨が唸る。赫く輝き、魔力を解き放って、焔の双眸の中で怨念らしき得体の知れない何かを揺らめかせた刀は、灼熱を抱いて燃えた。
「よっしゃぁ! 行くよ、アケルナーくん!」
「あぁ!」
 灼熱一閃。
 真横に薙ぎ払われた赫き一閃の上をビャッカが飛び、下をアケルナーがリンボーダンスさながらに体を反って潜り抜ける。
 一歩、二歩と助走を付けたビャッカは高く跳躍。風を切って飛来し、焔の側を通過。背後から、斬雨を断つ勢いで妖刀を振るう。
 焔の重い一撃に翻弄されながらも食い付くビャッカが囮となって、背後から義足を狙って迫るアケルナーにとって攻撃のチャンスとなった。
 地を這う様に体を前傾にして、木製の義足を刺突で狙う。
 だが、あと一歩まで迫ったところで焔に気付かれ、跳び上がった焔の義足に顔面を蹴り飛ばされた。更に身を捻って繰り出された灼熱が、今の一瞬を逃すまいとしたビャッカを捉え、部分硬質で固めた腕に入った亀裂に入り込み、燃やす。
 二人が倒れた事でわずかに生じた油断と着地の瞬間とを狙い、一直線に駆け抜けて来たフィリンのスタンテッドキャリバーが焔を押し込む。
 義足故、踏ん張りが効かない焔が遠ざかると、レーネは回復のラッパを吹いて二人を立ち上がらせた。
「――突焼牙!」
 フィリンの剣を弾いた焔は、自身の剣術の中で、最も速度のある技を繰り出す。
 フィリンは還襲斬星断で応戦。斬撃より伸びる炎が幾度か襲い来るも、一歩も引かずに斬撃と言う斬撃を叩き込み、赫い斬撃を受け切る。
 が、不意に打ち込まれた正拳に腹を抉られ、殴り飛ばされた。
 そうしてフィリンが稼いでくれた時間で背後に回ったタスクだったが、先に気付かれた焔の灼熱が薙ぎ払う。
「タスクさん!」
「大丈夫です!」
 回避は出来た。わずかに頬を焦がされたが、回復させるほどでもない、とエリカに手を出して制する。
 意識がタスクへと向いていたところにフィリンが負けじと斬りかかるが、タスクの時と同様に薙ぎ払われた灼熱で一蹴された。
「驟雨みたいとか思ったけど、あれなんかよりよっぽど質が悪いわ! 焔先輩って、あの四人の中でも飛び切りの化け物なんじゃない?!」
「そんな事はないです! 最強は刃先輩です!」
「そこ、張り合うところ?!」
 高々と掲げられた斬雨が、徐々に速度を増しながら回される。
 回転の速度を増すごとに斬雨が纏う炎が火力を増し、長く伸びて、攻撃範囲を拡大させていく。後方から攻めようとしていたビャッカとアケルナーでさえ、躊躇せざるを得ない火力にまで成長した一撃は、いつ、誰に向かって繰り出されてもおかしくなかった。
 だが、こちらの戦法はもう決まっている。
 フィリン。タスク。ビャッカ。アケルナー。四人の間で視線が巡り、合図を配り合った。
 実のところ、焔が誰を狙うのか大体の見当は付いていた。今の焔は、驟雨の刀を持ってはいるものの、驟雨ではない。剣士相手に興奮こそしているようだが、蹴りだったり拳だったりと、戦い方は剣にこだわっておらず、狂気に呑まれても失せぬ体捌きには、改めて感服させられる。
 が、だからこそ読める。
 仮にタスクを剣士として数え、焔を驟雨と同じ特性と考えれば、選択肢は四つあった。
 しかし普通に考えれば、前線に四人。中距離に一人。後方に、回復役が一人となれば、焔が狙うのはたった一人。
「ヒドーガ!」
「アクラ!」
「マドーガ!」
「炎転焔(えんてんほむら)!!!」
 振り回されていた刀を両手で握り締め、回転によって増した火力を一直線にレーネへと解き放つ。ビャッカとアケルナー、そして攻撃する方向を読み切って回り込んでいたフィリンの放つ三つの魔法がこれを相殺し、掻き混ぜられた炎が上に伸びた。
 その炎の風圧を翼に受けて、舞い上がったビャッカは翼を羽ばたかせ、突っ込む。
 大技の反動で動きが鈍っている今、攻撃の最大のチャンス。
 斬雨程とは行かずとも、妖しさを纏う刀剣に己が渾身と勇気を籠めて、振り被る。
「チェェェストォォォッッッ!!!」
 ビャッカの耀閃斬に、焔は赫く輝ける斬雨で迎え撃つ。
 今までより火力が無い。確実に消耗しているが、未だ、真正面から受け切って来る。
 耀閃斬を受け切った焔の手がビャッカの顔を掴み、地面に叩き付けてから両腕を添えた斬雨を振り被った。
 来る――!
「炎上蓮華……」
「来い! 私は絶対、負けはしない!!!」
「唯火、独占――!!!」
 天を衝く火柱。広がる熱波。
 だが、いくら魔力を底上げしたとしても、大技を連発し過ぎた。先程は狂気に呑まれようとも失せぬ体捌きと称えたが、底上げしたとはいえ、限りある魔力を無駄に使い過ぎていた事は明白。
 結果、それはビャッカの思惑通り、彼女が耐えきれるだけの火力しか発せられず、ドラゴニアの持つ耐久力で耐え忍んだビャッカは、不適に笑って見せた。
「赦しは乞いません、先輩」
 先程、ネルの水流に呑まれて飛び込んだのを思い出し、自らの水流に乗って滑走したアケルナーの繰り出した刺突が、背後から焔の義足に亀裂を入れた。
 その義足を振り回され、二人共蹴り飛ばされたが、蹴りの衝撃で自ら義足を壊す。不安定ながらも片足で着地した焔へと、タスクが走っていた。
 高々と振り上げられる斬雨。赫く燃える炎。この戦いで、もう何度も見て来た。灰原・焔、最強の大技。
「炎上蓮華――」
「晴天、灰陣!!!」
「唯火……独せぇぇぇんっっっ!!!」
 魔力、体力の限りを尽くして振り下ろした一撃に、周囲の皆が吹き荒ぶ熱波に踏ん張りながら耐え忍ぶ。
 燃え上がる火柱。炯々と光り輝く炎が渦巻く中、片足のない焔は見る。
 炎上蓮華の炎を巻き込み、巡り廻る筆の先が赤く染まって、烈火を纏う渾身の一筆が、がら空きになった胴体に打ち込むための軌道を描いていた。
「月下、白刃――!!!」
 白銀の魔力が、焔の体を突き抜ける。
 タスクの全身全霊、想いを乗せた一撃が衝撃と共に全身を駆け巡り、焔の動きを静止させた。
「焔、先輩……」
「……き、っ、斬るぁぁぁっっっ!!!」
 受け止めた一撃。そして繰り出したカウンターの反動で、タスクはまるで動けなかった。
 故に反応できなかった。焔の反撃にも、エリカが横から突き飛ばして来るのにも。
「エリカ部長!」
 振り下ろされた妖刀斬雨。自分を庇うため突き飛ばし、入れ替わったエリカ。そして、彼女から流れる、赤い体液。
 以上の三つがタスクの目に入り、言葉を奪った光景だった。
「焔、先輩……」
 一歩、一歩と距離を詰める。身体的に限界だったのか、それとも精神的に力尽きたのか、焔はその間動く事なく、エリカを懐に入れても尚、動く事はなかった。
「例え、深手を負おうとも……例え、片足になろう、とも……誰よりも努力し、ハンデなんてものともせず、みんなを引っ張ったあなたの強さを……みんな、みん、な……知って、いますよ。だから、もう、戻れる、でしょう? ……だから、そんな刀の怨念なんかに……負け、ないで……」
「――!」
 フィリンの一撃が、焔の手から妖刀を弾き落とす。
 フィリンから鞘を預かっていたレーネが駆け寄り、転がった刀には触れないようにしながら鞘を押し込むように収めると、妖しい雰囲気は夢幻のように消え失せて、何事もなかったかのように沈黙した。
「エリカ?!」
 膝から崩れ落ちそうになったエリカを、受け止める。しかしそれは、駆け付けようとしたフィリンでも、状況把握が大きく遅れたタスクでも、ビャッカでも、アケルナーでもない。
 心魂燃え尽きたような灰色の髪を乱す焔が、優しく抱き留め、抱き締めていた。
 死んだフリを明かそうとしていたエリカも困惑の顔色で、どうしたらいいかアタフタし過ぎて、ドッキリみたいな感じで出そうとしていた身代わりうさぎ・改を落としてしまった。
 まさか抱き締められるだなんて、思ってもみなかった。
「せ、先輩……えっと、その……ご、ごめんなさい。私はその、大丈夫で……」
「知ってる……だけど、少し、少しだけ……良いかな……ね。少し、だけ……さ……」

 後日、学園長室。
「灰原は、斬雨の使用を辞退しました。本人曰く、もう懲り懲りだとか」
「ま、だよねぇ。弟子のみんなからも、二度と持たせるなって脅されちゃったぁ♪ クマくんも重傷だしさぁ……でさぁ、どうだった? ネルたん。あの刀なら、驟雨も倒せそう?」
「攻撃力と、魔力の増幅具合だけを見れば、間違いなく倒せるでしょう。ただ、味方の被害も顧みないと言う条件付きで、ではありますが」
「うぅん……これは、焔くんの不安が的中しちゃったかな? さすが、驟雨と戦った経験のあるおじいちゃんの……」
「……学園長、それはあいつらが嫌がると思いますが」
「でもさぁ……あれを倒すためだしぃ、仕方ないよねぇ♪」

 同時刻、医務室。
 指の間で、アジサイリングが陽光を浴びて輝いている。指輪は光の有無に関係なく、人々の祈りの数に応じて花を咲かせる。
 ならば彼の指で輝く指輪が満開なのは、彼のことを思い、祈る者達の数がそれだけ多い事の証と言えるだろう。
「で、本当に憶えてないんですか?」
「うん……タスクのキツい一撃までは何となぁく憶えてるんだけどな。そっから先がよく覚えてなくて……何だ、俺なんか、変な事でも言ってたか?」
「言ってたと言うか、何と言うか……」
 当時の事を思い出すと、エリカは未だに体の火照りを感じてならない。
 きっと自分に向けられた言葉ではなく、斬雨によって呼び起こされた過去の誰かに向けられた言葉なのだろうけれど、消え入りそうな声音で優しく囁かれると自分でなくても照れてしまう甘い言葉。
 焔の過去を知る上でも必要な情報かもと思ったのだが、エリカに聞くと恥ずかしいとかで顔を覆って黙ってしまうし、焔は憶えていない、の一点張り。
 過去については直接聞けと言われたものの、話の流れがそちらに向くとことごとくはぐらかされて、結局話してはくれなかった。
 それよりも、と妖刀の方に上手く話を逸らされる。
「フィリンはどうした? 俺が斬雨を使うとなった時、随分悔しがってたって聞いたが」
「今頃、リョウランさんとエリダヌスさんと、特訓していますよ。次は私だぁって」
 レーネが見舞いにやって来た。
 度々焔の元を訪れては、癒しの音楽を提供しにやって来る。自分の器に合わない魔力を放出し続け、酷使した体の回復を促す、魔法薬のおまけ付きだ。
「そっか。でももう暫く、あの妖刀は誰にも使わないで貰いたいけど……時期も近いからな」
「あれは、過去のトラウマを呼び起こす……のですか?」
「いや、似てるようで違うな。今回は偶々、俺のそういう部分と重なっただけ。本質はもっと別の……ただ敵を斬りたい。斬り殺したいって言うだけの空しい心が、ずっと俺の中で渦巻いていて、俺はその無念に近しい感情を晴らそうと、必死に刀を振っていた。だから、トラウマを呼び起こすって言うのは、中らずとも遠からず、ってところかな」
「そう、ですか……」
 刃も、似たような事を言っていた。
 刀を取った者全員が抱き、嘆いていた空しさ。
 剣士に対する憎悪、もしくは憤怒。そう言った類の感情が入り乱れた結果の上、成立するただ斬りたいと言う感情に、誰もが抱いた空しさが、今回の騒動を引き起こした原因らしい。
 未だ、掴み切れない感覚。実際に刀を触らなければ、きっと理解する事など出来ないのだろうが、事件以降、刀は鞘に収められた状態で厳重に保管されている。
「ま、学園長もこの結果を受けて何かしらの対策をするだろう。なんか嫌な予感もするが……ま、それまでひたすら特訓だな。今年こそ倒すだろ、驟雨」
「はい! もちろん!」
「はい、先輩も早く治るためにお薬を」
「いや、その薬苦い……」
「どうぞ」
「……はい」
 こうして、灰原・焔暴走事件は終息した。
 後日、焔の言う悪い予感は見事的中。学園に一枚の手紙が届く事となるのだが、それは今の彼らでは、知る由もない話である。



課題評価
課題経験:157
課題報酬:4600
雨ニモマケズ呪ニモマケズ
執筆:七四六明 GM


《雨ニモマケズ呪ニモマケズ》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 1) 2021-04-08 00:19:29
賢者・導師コースのエリカ・エルオンタリエよ。よろしくね。
被害は最小限度にとどめつつ、事態の収拾にあたるのは当然だけど、
できればそれに加えて、次回以降の刀作りに役立つ道筋を見つけたいわね……

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 2) 2021-04-08 06:43:01
芸能・芸術コースのエルフ、レーネです。
楽器「天使の歌」とかでのみなさんのたいりょく回復をかんがえてます。
よろしくおねがいします。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 3) 2021-04-08 08:18:59
勇者・英雄コースのタスク・ジムです!よろしくお願いいたします。
いつもお世話になっている先輩・・・今度は僕たちが助ける番ですね!

今回はこの課題に備えて、「不屈の心」の必殺技を申請してみました!
申請が通れば職業技能枠が一つ浮きますので、戦略に幅を出せると思います。

そして、【事前課題】で、仲間の精神汚染について色々研究して、
皆さんに役に立つ情報を共有するようなプランを書いてみます。

戦闘では、囮・壁をやりつつ【武器破壊】を狙い、
できれば柄を切り飛ばすなど、刃を保ったまま武装解除できればベストかな、と。

以上が、取り急ぎ自分の行動方針ですが・・・
相手は背中を追い続けた先輩プラス正体不明の魔剣です。
みんなの力を合わせて、ベストな作戦を立てましょう!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 4) 2021-04-08 08:19:09

《1期生》 アケルナー・エリダヌス (No 5) 2021-04-08 20:31:39
やあ。私は勇者・英雄コースのアケルナー。よろしく頼むよ。
相手は灰原先輩か……正面から相手したら、逆に返り討ちに遭いそうだね。

武器狙いなんかも有効だと思うけど……先輩の弱点を狙うのも、今回はやむを得ないんじゃないかな。
つまり、部位破壊で義足を狙う……ということだけど。

お行儀のいい戦い方ではないし、先輩も狙ってくる前提で備えてるだろう。
だけど、弱点を庇おうとすれば、そこに隙ができるのも確かだと思う。

更に畳み掛ける一手として、武器破壊を試みる。
うまくいけば、タスクさんが狙うような展開も望めるかもしれない。

ただし、相手の弱みにつけこむような策には賛成できない。という意見もあるだろう。
だから、あくまでも選択肢のひとつとして提示しておくよ。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 6) 2021-04-09 02:45:18
義足は修理できるでしょうし、破壊しても取り返しがつくんじゃないかしら?
本人や周囲の学園関係者の命を守ることを思えば、十分検討していい選択だと思うわ。

刀は暴走の原因究明や今後、暴走しない安全なものを作るための礎にするために
破壊しないで済めばいいのだけど、そうも言えないほど状況がひっ迫すれば
やむを得ないわね……

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 7) 2021-04-09 07:31:58
わたくしも足への攻撃がおかしいとはかんじません。
そして、楽器の範囲回復をつかう関係で、「灰原さんは味方じゃない」とわざわざ明確にしないといけないわたくしとしましてはエルオンタリエさんのおかんがえに共感します。

ただ、どちらかとこれって灰原さん御自身よりも攻撃する側の問題にみえます。
「このましくない闘い方じゃ集中できない」、
「灰原さんに心をとりもどしてもらうための語りかけがやりにくくなりそう」、
「そもそも灰原さん、山賊相手とかで足をねらわれることに慣れてるはずだし、カウンターとかされるんじゃ?」
こんなかんじにいろいろありえるかなって。

ですから、エリダヌスさんのおっしゃるとおり「選択肢のひとつ」としてそれぞれの方のご判断でいいとおもいます。

灰原さんのおけがについては……戦闘後に種族特性の「言の葉の詩:ラブ・キャロル」もつかってがんばります。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 8) 2021-04-09 08:10:25
義足狙い、うーむ。
ありうる作戦だと思いますが、僕は2つの点で心配があります。

①武器破壊ではなく部位破壊にあたらないか?
決して揚げ足取るつもりではないのですが、GM様の裁定で作戦が空振りになるのだけは避けたいので、慎重に考えたいと思いました。

②状況を悪化させないか?
まだ自分の中でも考察が足りませんが・・・

これは、【斬雨】による精神汚染であり、
その性質は、過去のトラウマの刺激なのではないか、と思います。
今は義足になっている足・・・足の喪失がトラウマの重要な一部だとしたら、
それを斬り飛ばすのはそこを刺激してしまい、
焔先輩の帰還への悪影響も懸念されるし、それ以前に、
精神汚染下においてはトラウマ刺激はパワーアップにつながる最悪の結果も想定できるのですよね・・・

ぜーんぶ、あくまで仮設なんですけどね・・・(頭かきかき)

戦い方はそれぞれの判断で、ということなら、僕はあくまで
正々堂々とぶつかることにしようと思っています。
その方が、精神汚染をくぐり抜けて、本当の焔先輩へ、僕らの声が届くと、信じているので。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 9) 2021-04-09 08:12:19
「強襲・驟雨」で刃先輩がおっしゃった、この言葉が、かなり重要キーワードになると思うんですよね・・・

『「あれの正体は未だ不明。せやけど、あれの刀であれを斬る。刺した皆が言う。手応えよりも、虚しさばかりがあったと。うちも華凛も、経験あるからわかる。もしかしたら、うちらはあれと対峙せんと、対面せんといかんのかもしれん――』

この「虚しさ」というところに、焔先輩をむしばむ状況、ひいては解決のヒントが隠されているような気がしてなりません。

ずーっと考え続けているんですが・・・皆さんもご意見あれば教えていただけると嬉しいです。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 10) 2021-04-09 08:13:36
>仮設なんですけどね

仮説、でした(再度頭かきかき)

敬愛する先輩の危機に、僕も動揺しているようです・・・


《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 11) 2021-04-09 08:23:29
刀の武器破壊はなるべく避けたい、という点はエリカ部長さんに同意です。
つまり、ダーク焔先輩本人の無力化が最重要課題ですね。

そこで今回、メイン装備を片手鈍器にしてみました!
僕の必殺技は突き技なのですが、これで、全力を出しても深刻な殺傷の心配はないと思います!

片手盾「ダイアモンドホープ」があるので、剣技も特化科目技能も使用することができます!

《1期生》 アケルナー・エリダヌス (No 12) 2021-04-09 18:45:19
>義足狙い
ああ、私が想定してるのは、部位破壊による義足破壊狙いからの、武器破壊による武装解除のコンボ的な運用を考えてたよ。

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 13) 2021-04-09 20:23:36
ごめん、ちょっと出遅れ…勇者・英雄コースのフィリンよ、よろしく。

あれだけ制作に苦労させられて先輩が使います暴走しましたってどうなのかな…ん。こういうのは勇者らしくないわね。ゴメン。

>刀は破壊か奪取か

今のところ奪取が優勢?
私としては『同じ刀を使って驟雨を対抗する』という作戦が
根本的に間違っているんじゃないかって思うし、破壊でもいいかなと思うけど…方針には従っておくわ。

義足については外すのもある種の破壊でしょうし、壊すつもりでいいんじゃないかな?

ただ一番の弱点というのは別っているでしょうし、破壊された時の対策もしている可能性が高そうだから、あまりこだわり過ぎない方がいいかも?

あえて破壊せず、義足特有の弱点…踏ん張りがきかないとか、軸足にならないとかを狙ってみるっていうのもありかな…

《1期生》 アケルナー・エリダヌス (No 14) 2021-04-10 07:44:20
>義足狙い
私も、実際に壊すことには拘らないかな。
あくまでも、次の一手に繋げる隙を生み出す手段と捉えてるよ。

もちろん、壊せたら機動力を一気に削げる。

まあ、反対がないならだけど、部位破壊は私が持ち込もうか。

《大空の君臨者》 ビャッカ・リョウラン (No 15) 2021-04-10 16:40:38
勇者・英雄コースのビャッカ・リョウランだよ。
挨拶が遅くなったけど、よろしくね。

立ち回りはまだ色々考え中だけど、たぶん正面から打ち合いになるかな。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 16) 2021-04-10 23:40:49
今更ながら、義足の破壊に関して、アケルナーさんは最初から部位破壊と明言されてたので、
僕の指摘①「武器破壊か部位破壊か」は取り下げます。大変失礼しました~

《1期生》 アケルナー・エリダヌス (No 17) 2021-04-11 07:39:01
>事態悪化の可能性
タスクさんの懸念の、義足を狙うことでトラウマを刺激しないかとの点だけど、まあ……そうなる可能性は否定しない。
それなりに可能性はあると思うよ。

だけど、隙を生み出す可能性があって、あわよくば先輩の機動力を大きく削ぐことができる代替手段が現状あるかと言えば……難しいよね。
そう考えると、リスクもあるけどやる価値はあるんじゃないかとも思うよ。

それに、暴走してることに加えて、更に激しく暴れてくれるなら……消耗も相当なものだろう。
その間は時間稼ぎに徹して、消耗で動きが鈍るまで待つ手もあるんじゃないかな。

《1期生》 アケルナー・エリダヌス (No 18) 2021-04-11 07:45:13
>義足狙い
フィリンさんの言うような、義足特有の弱点を狙うのもいいと思うよ。
確かに、生身の足ほどは軸足には向かないかもしれないし、踏ん張りも利きにくいかもしれない。
形状によっては、軸足をバネにして跳躍したりできそうだけど、その分、義足への負担も大きくなる。

あと、義足の素材は木や鉄だろうし、火で攻撃されるのは嫌がるかもしれないね。
自分で出す火なら、うまく調整できても、火による攻撃で義足に燃え移ったりしたら……相当辛いんじゃないかな。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 19) 2021-04-11 08:00:07
いつもながら、皆さんと活発な議論ができて、
策士見習い志望としては、とってもワクワクして楽しいです!

今回は、各自で検討されているいろんな戦い方を、それぞれ相手にぶつければ、
相手は、それぞれの戦術に対応を迫られ、意識や動きが分散され、いい感じにこちらが押していけそうな気がしますね!

そこで、現状の書き込みをもとに、まとめをしてみますね。
主に自分のための覚書であって、決定とかでも何でもないですが、
皆さんのプランの参考になれば幸いです。

<事前準備>
情報収集 タスク(精神汚染対策)

<戦術関係>
囮・壁 タスク
正面から打ち合い ビャッカさん
義足狙い アケルナーさん(部位破壊)
※義足への火属性攻撃 どなたか出来ればお願いします!
義足の弱みを踏まえた攻撃 フィリンさん
回復 レーネさん(焔先輩の事後回復含む)

<刀をどうするか>
奪取(今後のため/難易度の壁)と破壊(達成しやすい/今後困る)で割れてますが・・・
状況を見て、奪取優先→難しければ破壊、という方針でどうでしょうか?

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 20) 2021-04-11 08:04:28
【お尋ね】必殺技申請とアイテムEX

標記の件につきまして、やったことがある方がいらっしゃったら、お尋ねです。
各申請後、実装されるのって、何日後ぐらいでしたか?

要は、必殺技を8日に申請、アイテムEXを9日に申請しましたが、
14日零時の出発に間に合うかな~、というお尋ねです。
間に合わないとなると、プランの根本的な見直しが必要になるので・・・

非常に個人的なお尋ねで申し訳ありませんが、やったことがあってご存じの方は、教えていただけたら幸いです。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 21) 2021-04-11 14:13:35
『妖精の踊り』が、11/29 1:11に申請して、12/2 23:52に承認。
『生命の息吹』が、1/4 1:07に申請して、1/4 20:13に承認だったわ。

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 22) 2021-04-11 22:37:26
>義足

そっか、木なら火攻めって手もあるわね…
トラウマに関してはやむを得ないと思うけど…ただそれで妖刀がパワーアップしたりすると、ちょっと面倒なことになる、かも?

>必殺技や道具の申請
結構、学内の状況(PL註.運営さん次第)な感じね…
私は最初が申請から4日、次が3日だったから、少しずつ短くはなっているみたいだけど

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 23) 2021-04-12 16:37:45
エリカ部長さん、フィリンさん、ありがとうございます!
運営様次第だが平均4日前後見ておけば、ということでしょうね…!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 24) 2021-04-13 23:03:00
お陰さまで、アイテムEXは間に合いました!
もしよかったら、新機能の【装備品表示】で確認いただけると幸いです。

必殺技は現時点でまだ来ていなく、間に合いそうにないので…
元技能はセットして、プランには「申請中」と明記の上内容書いたうえで、
お問い合わせを投げておきました。

あとは、これまで記載したことのほか、以下のことを追加しました!
・焔先輩必殺技のモーションを観察して発生タイミングを推測し仲間に伝える
・仲間の攻撃や想いと連携する

今回もご一緒いただきありがとうございました!
こんなに一生懸命考えたのですから、きっとうまくいきます!
プラン送信忘れ、装備の変え忘れなどにご注意くださいね。
お互い、ご武運を!!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 25) 2021-04-13 23:06:18
【装備品表示】が全員分表示されている光景、安心感が半端ないですね!

少なくとも白紙の人はいない、ということですから(笑)