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ミラちゃん家――駒を動かせ


ストーリー Story

●シュターニャ近郊
 時刻は夜。
 【セム・ボルジア】は一人丘の上。シュターニャの町明かりを見下ろしている。
 視線は最初照明に煌々と照らされた『ホテル・ボルジア』本社に向けられていたが、やがてそこからそれ、ひっそり暗がりに沈むボルジア家の大邸宅に注がれる。窓には一つも明かりがついていない――誰もいないのだから、当然だ。
 セムはゆっくりした動作で煙草を胸ポケットから引き出し、火をつける。白い煙を吹かす。
 その横顔を【ラインフラウ】が、うっとり見つめている。
「何を考えてるの、セム?」
「私の家のこととか、指輪のこととか、グラヌーゼのこととか――ラインフラウ、呪いの移し変えの話は進んでいますか?」
「ええ」
「赤猫が、話の信憑性について疑っている素振りはありませんか?」
「いいえ。全面的にこっちを信用しているわよ。信頼はしてないけどね」
「それはもう、お互い様ですね」
 小さくセムは笑い、声を低める。自分の髪を撫でるラインフラウの手をそのままにして。
「……学園の生徒さんたち、呪いの指輪を見つけたかも知れません」
「あら、本当? 間違いなく?」
「断言は出来ません。でも彼らがここ数カ月の間、何度かグラヌーゼへ行ったことは確実なんです。道中の姿を見た人がいますから」
「あなたの情報網、大したものね、セム。悪役まっしぐらなとこ、ほんと好き」
 甘く囁いてラインフラウは、セムの額に口づけする。
 セムはそれに対し特別反応を示さなかった――示さないようにしていた。
「ラインフラウ。あなたの側も、何か情報を掴んでいるでしょう?」
「ふふ、ご名答。赤猫も、あれで意外と地獄耳でね。黒犬が何度もグラヌーゼに出入りしたことを知ってたわ……直近には『幻惑の森』で騒いでいたみたいだって。どうも学園の子たちと争ったようね」
 セムの口元が上向きのカーブを描いた。会心の笑み、といった具合の表情である。
「生徒さんたち、黒犬と揉めたんですね」
「揉める理由があるとすれば、呪い一択よね」
「ええ……生徒さんたちが黒犬に対する態度を一変させたとすれば、呪いにかかわる新しい『何か』を見つけた可能性が高い」
「……『何か』って、呪いの指輪かしら?」
「ええ。付け加えると、その指輪が黒犬に渡った可能性もなくはない。それだけ激しくやりあったのならば――ラインフラウ、ついてきてくれます?」
「どこに?」
「グラヌーゼです。赤猫と話をしたくてね」
「あなたが行かなくても、私が代わりに話をしておくわよ?」
「そういうわけにはいきません。直に見たいですし。相手の反応を」
 呆れた、というふうにラインフラウが天を仰ぎ、両手を広げる。
「好きねえ、渦中に飛び込むのが。あなたいつもそうだわ。私を心配させてばかり」

●グラヌーゼ。サーブル城。
 薄寒い雨の日。城の奥。暖炉の前。
 赤猫はいつも通り、少女の姿で飲んだくれている。取り巻きの猫たちは思い思いにくつろいでいる。訪問者たちに横目を向けながら。

「黒犬が指輪を?」
「そう。手に入れたかもしれないのよ」
 ラインフラウからそう言われた赤猫は、にやにや顔でこう言った。
「それが本当ならあいつ、間違いなく今頃キレまくってる」
 セムは親しげな口ぶりで、目の前にいる魔物に問う。
「どうしてそんなことが分かるんです?」
「だって、指輪を手にいれたところで、絶対に何にも出来ないから。あいつ呪いがどういうものなのか、理解出来る脳みそ持ってないし」
 赤猫の喉がぐるると鳴った。眠そうな、それでいて隙のない猫の眼差し。
「私、一刻も早く呪いをうっちゃりたい。だから、お前、黒犬を捜して、城に来るようにさせてよ。移し替えのためにはどうしても、あいつがいないといけないし」
「……あなたが自分で彼を捜し出すという選択肢はないのですか?」
 当然の反問に赤猫は、派手なあくびで返す。鋭く尖った歯が丸見えになった。
「なーんで私がそんな面倒くさいことしなきゃなんないのー。このところ雨ばーっかり。外に出たくなーい」
 セムはニヤリと笑って、手を広げた。
「分かりました。いいでしょう。黒犬がここに来るよう仕向ければいいんですね?」
 彼女は後ろにいるラインフラウが赤猫と意味ありげな視線を交わしあったことに、気づいていなかった。

●そして、一歩踏み出す
 狼ルネサンス3兄弟【ガブ】【ガル】【ガオ】は、首を傾げていた。
 彼らの前には閉じられた保護施設の門がある。
「あれ、門が閉まってるな」
「留守なのか?」
「んなわけねーだろ」
 そんなことをわやわや言い合っているうちに、施設の扉が開いた。
 多分窓から彼らの姿を認めたのだろう。【トーマス・マン】が飛び出し、門に駆け寄ってくる。
「ガブにいちゃん、ガオにいちゃん、ガルにいちゃん!」
「おー、トーマス!」
「なんだ、いるじゃねえか!」
「元気だったか!」
 トーマスはその問に、うん、と頷いた。
 しかし表情や語調にも、陰りがある。言葉通りの状態ではないことは、明らかだ。
 ガブたちは心配し、聞く。
「どうしたんだ」
「じじいにどやされたか?」
「ケンカで負けたか?」
 トーマスは、頬を押さえて茶を濁した。
「ううん、違うんだ。あのね、その、歯がちょっと痛いんだ」
 嘘である。
 彼が沈んでいる本当の理由は、先の黒犬との会談で【カサンドラ】が負傷し、まだ意識を取り戻さないからだ。
 門が閉められているのは、彼女に対する万一の襲撃を警戒してのこと。黒犬も相当な負傷をしていたので、恐らく学園まで攻め込んではこないものと思われるが、用心はし過ぎるくらいが丁度いい。
「歯かー」
「そりゃいけねえな」
「歯医者ってやだよなー」
 でもそんな事実をトーマスは、ガブたちに告げるわけにはいかなかった。何故なら彼らは、施設にとっての部外者だから。呪いの件についても、また。
「あ、そうだ。トーマスよう、ドリャエモン先生いるか?」
「話があるんだけどよ」
「あ、うん、いるよ。ちょっと待ってて」
 トーマスはきびすを返し、施設の中へ入って行った。
 しばらくして【ドリャエモン】が出てくる。
「なんじゃ、お前達。わしに話とは珍しいではないか」
「んー、まあな」
「別に俺たちも来たくなかったんだけどよ」
「仕事の依頼主が、一応担任に、依頼内容を事前報告してきてくれっていうからな」
「ほう、依頼。それはよいことだ。して依頼主は、どこの方なのだ?」
 ドリャエモンの顔は、以下の名前を聞いてちょっと曇った。
「セム・ボルジアだ」
 依頼内容を聞いてますます曇った。
「例の黒犬って魔物を探しに行くんだと。赤猫からの伝言があるんだってさ」
「でその、護衛を頼まれたんだ」
「あの社長、ラインフラウも一緒だからそんなに危険はないって」
 これは……自分もついて行くべきではあるまいか。
 そんなことを思うドリャエモンの傍らで、トーマスが、急に声を上げた。
「僕も――僕もグラヌーゼに、一緒に行きたい」




エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 6日 出発日 2021-07-08

難易度 普通 報酬 通常 完成予定 2021-07-18

登場人物 8/8 Characters
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。
《甲冑マラソン覇者》朱璃・拝
 ルネサンス Lv29 / 武神・無双 Rank 1
皆様こんにちは。拝朱璃(おがみ・しゅり)と申します。どうぞお見知りおきを。 私の夢はこの拳で全てを打ち砕く最強の拳士となる事。その為にこの学び舎で経験と鍛錬を積んでいきたいと思っておりますの。 それと、その、私甘い食べ物が大好きで私の知らないお料理やお菓子を教えて頂ければ嬉しいですわ。 それでは、これからよろしくお願いいたしますわね。
《幸便の祈祷師》アルフィオーネ・ブランエトワル
 ドラゴニア Lv23 / 教祖・聖職 Rank 1
異世界からやってきたという、ドラゴニアの少女。 「この世界に存在しうる雛形の中で、本来のわたしに近いもの が選択された・・・ってとこかしらね」 その容姿は幼子そのものだが、どこかしら、大人びた雰囲気を纏っている。  髪は青緑。前髪は山形に切り揃え、両サイドに三つ編み。後ろ髪は大きなバレッタで結い上げ、垂らした髪を二つ分け。リボンで結んでいる。  二重のたれ目で、左目の下に泣きぼくろがある。  古竜族の特徴として、半月型の鶏冠状の角。小振りな、翼と尻尾。後頭部から耳裏、鎖骨の辺りまで、竜の皮膚が覆っている。  争いごとを好まない、優しい性格。しかし、幼少より戦闘教育を受けており、戦うことに躊躇することはない。  普段はたおやかだが、戦闘では苛烈であり、特に”悪”と認めた相手には明確な殺意を持って当たる。 「死んであの世で懺悔なさい!」(認めないとは言っていない) 「悪党に神の慈悲など無用よ?」(ないとは言っていない)  感情の起伏が希薄で、長命の種族であった故に、他者との深い関りは避ける傾向にある。加えて、怜悧であるため、冷たい人間と思われがちだが、その実、世話焼きな、所謂、オカン気質。  お饅頭が大のお気に入り  諸般の事情で偽名 ”力なき人々の力になること” ”悪には屈しないこと” ”あきらめないこと” ”仲間を信じること” ”約束は絶対に守ること” 5つの誓いを胸に、学園での日々を過ごしている
《ビキニマン》ソフィーア・ル・ソレイユ
 ドラゴニア Lv12 / 武神・無双 Rank 1
生き別れたパートナーを探して、学園にやってきた、ドラゴニアの少女。 金髪ゆるふわカールのロングヘアー。前髪をひまわりのヘアピンで左にまとめている。褐色肌の筋肉質で、無駄な肉は一切ないのにバストとヒップはかなり豊か。大きな翼と長い尾。火柱のような角。後頭部から下顎、鎖骨辺りまで、サンライトイエローの鱗が覆っている。 いかにも女の子らしい容姿だが、性質は男性的で、なぜ、胸に目が入らないのか、よく、男性に間違えられる。 実直で騎士道精神にあふれている。だが、敵にたいしてはわりと容赦ない。闘争本能が強く、戦いを、とくに強者との対峙を好む。そのため、いつでも戦えるよう、入浴中以外は、ビキニアーマーを着込んでいる 武器収集癖があり、手入れを決して怠らない かなりの大食漢。なんでもおいしそうに食べるが、中でも『地球』で食べた、ラーメン、炒飯、餃子が大好き。彼女曰く、『”食”の宇宙三大至宝』であるとか。 ”力なき人々の力になること” ”悪には屈しないこと” ”あきらめないこと” ”仲間を信じること” ”約束は絶対に守ること” 5つの誓いを貫くために、日々鍛錬を欠かすことはない 諸般の事情で偽名 ある人物に、ずっと片思いをしている。勇気がなくて、告白はしていないが、それとなくアピールはしている。 酒乱なので、酒を飲ませてはいけない
《マルティナの恋人》タスク・ジム
 ヒューマン Lv36 / 勇者・英雄 Rank 1
村で普通に暮らしていましたが、勇者に憧れていました。 ここで学んで一人前の勇者になって、村に恩返しをするのが夢です。 面白いもので、役所勤めの父の仕事を横で見聞きしたことが、学園の勉強とつながり、日々発見があります。 (技能はそういう方針で取得していきます) また「勇者は全ての命を守るもの、その中には自分の命も含まれる」と仲間に教えられ、モットーとしています。 ※アドリブ大歓迎です! ※家族について デスク・ジム 村役場職員。縁の下の力持ち。【事務机】 (※PL情報 リスクの子) ツィマー・ジム おおらかな肝っ玉母さん。 【事務室・妻】 シオリ・ジム まじめできっちりな妹 【事務処理】 チェン・ジム のんびりマイペースな弟 【事務遅延】 ヒナ・ジム 可愛い末っ子 【事務雛型】 リョウ・ジム 頑固な祖父 【事務量】 マーニー・ジム 優しい祖母。故人 【事務マニュアル】 タックス・ジム 太った叔父。【税務事務】 (※PL情報 リョウの子) リスク・ジム マーニーの元婚約者でリョウの兄。故人【事務リスク】 ルピア・ジム 決まった動作を繰り返すのが大好きなグリフォン。【RPA事務】 ※ご先祖について アスク・ジム 始祖。呼吸するように質問し、膨大なメモを残す。【事務質問】 「あなたのお困りごと、お聞かせいただけませんか?」 セシオ・ジム 中興の祖。学園設立に向けて、土地や制度等に絡む諸手続きに貢献。【事務折衝】 「先祖の約束を今こそ果たす時。例え何徹してもやり遂げる!」
《終わりなき守歌を》ベイキ・ミューズフェス
 ローレライ Lv27 / 教祖・聖職 Rank 1
深い海の色を思わすような、深緑の髪と瞳の彷徨者。 何か深く考えてるようにみえて、さして何も考えてなかったり、案外気楽にやってるのかもしれない。 高価そうな装飾品や華美な服装は好まず、質素で地味なものを好む。 本人曰く、「目立つということは、善きものだけでなく悪しきものの関心も引き付けること」らしい。 地味でありふれたものを好むのは、特異な存在として扱われた頃の反動かもしれない。 神には祈るが、「神がすべてをお救いになる」と盲信はしていない。 すべてが救われるなら、この世界に戦いも悪意もないはずだから。 さすがに口に出すほど罰当たりではないが。 ◆外見 背中位まで髪を伸ばし、スレンダーな体型。 身長は160センチ前半程度。 胸囲はやや控えめBクラスで、あまり脅威的ではない。 が、見かけ通りの歳ではない。 時折、無自覚にやたら古くさいことを言ったりする。 ◆嗜好 甘いものも辛いものもおいしくいただく。 肉よりも魚派。タコやイカにも抵抗はない。むしろウェルカム。 タバコやお酒は匂いが苦手。 魚好きが高じて、最近は空いた時間に魚釣りをして、晩ごはんのおかずを増やそうと画策中。 魚だって捌いちゃう。
《新入生》ヒナ・ジム
 アークライト Lv11 / 勇者・英雄 Rank 1
ヒナ・ジムです!【事務雛型】 ひよこがだいすきです! おすとめすはみたらわかります! ひよこがすきすぎて、はねがはえちゃいましたあ! そしたら、にぃにが、がっこうにつれてきてくれました。 かっこいいおにいさん、かわいいおねいさんがいっぱい…! みんな、なかよくしてね! *** ガンダ村の事務職の家系であるジム家の末っ子。 ひよこを愛する普通の子であったが、村の学校で飼っていたひよこをいじめた男子にたいする怒りをきっかけに、アークライトに覚醒! 知らせを受け慌ててタスクの発案により、学園に入学することとなった。 アークライトとしての力と生き方を学び、そして外の世界を知るために…。 ひよこが大好きで、好きすぎて羽根が生えたという本人談もあながち間違いではない経緯ではある。 ひよこのオスメスの区別がつき、人間の顔と同じ精度で個体識別できる。 鶏に対する気持ちは普通で、ひよこの時から可愛がっている個体に対してはその愛着を維持する。 覚醒時のほかにも、夜店のひよこを全員脱走させ親が全額弁償などひよこに関する逸話に事欠かない。 また、覚醒前から同年代にあり得ない怪力で、祖父のお下がりのバトルアックスの素振りが日課である。 とにかく甘えん坊。誰彼構わず甘え、兄タスクをやきもきさせる。 【勇者原則】決め台詞 通常時「ヒナ、負けないもん!」 覚醒時「○○ちゃんを虐める悪い子は、絶ぇっ対に許さない!」
《猫の友》パーシア・セントレジャー
 リバイバル Lv19 / 王様・貴族 Rank 1
かなり古い王朝の王族の娘。 とは言っても、すでに国は滅び、王城は朽ち果てた遺跡と化している上、妾腹の生まれ故に生前は疎まれる存在であったが。 と、学園の研究者から自身の出自を告げられた過去の亡霊。 生前が望まれない存在だったせいか、生き残るために計算高くなったが、己の務めは弁えていた。 美しく長い黒髪は羨望の対象だったが、それ故に妬まれたので、自分の髪の色は好きではない。 一族の他の者は金髪だったせいか、心ない者からは、 「我が王家は黄金の獅子と讃えられる血筋。それなのに、どこぞから不吉な黒猫が紛れ込んだ」 等と揶揄されていた。 身長は150cm後半。 スレンダーな体型でCクラスらしい。 安息日の晩餐とともにいただく、一杯の葡萄酒がささやかな贅沢。 目立たなく生きるのが一番と思っている。

解説 Explan


ミラちゃん家、続きです。
セム・ラインフラウ・赤猫が動き始めます。

セムはガブたちに同行してもらう理由について、このように説明します。
『黒犬に赤猫の伝言を伝えたい。そのために居場所を探したい。
しかし黒犬は攻撃してきた(彼の自業自得だけれど)人間からの話は聞かない確率が高い。それ以前に、姿を見ただけで恐れ逃げてしまう可能性がある。
とくれば、これまで全然利害関係のないガブたちに、護衛してもらうほうがよい。そのほうが向こうも警戒を薄らがせるだろう。すんなり姿を現しやすいだろう。』
それが全部の理由かどうかはわかりませんが、少なくともその言葉どおりのスタンスで行動します。


PCの選択行動は二つ。

1:施設に留まりカサンドラの看病をする(この行動にはNPCアマル・カネグラが参加します)。
2:セム(ガブたち)に同行する(この行動にはNPCドリャエモンが参加します)。

1と2を同時に行うことは出来ません。
後、上記の選択行動に関わりなく、トーマスをグラヌーゼに連れて行くか否かについて、意見表明をお願い致します。
『同行させる』の意見の数が『同行させない』を上回った場合のみ、彼はグラヌーゼに行けることになります。

※状況についての補足説明
セムは呪いの指輪が今、黒犬のもとにあるのか生徒達のもとにあるのか、正確には分かっていません。黒犬、もしくは生徒達との接触によって、そこのあたりを探り当てられれば、と内心思っています。



※これまでのエピソードやNPCの詳細について気になる方は、GMページをご確認くださいませ。
そういうものが特に気にならない方は、確認の必要はありません。そのままプランを作成し、提出してください。エピソードの内容に反しない限り判定は、有利にも不利にもなりません。




作者コメント Comment
Kです。
戦いが終わった直後で何ですが、またしても体力的に負担が来そうな依頼です。
トーマスは自分の立ち位置を決めかねています。
彼もそろそろ決断が必要なときであります。
セムはもとからですが、ラインフラウも個別になんか企んでいる気配であります。




個人成績表 Report
エリカ・エルオンタリエ 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
2:セムさんに同行

前回黒犬と衝突したメンバーのわたしが顔出しで同行すると
黒犬が暴れたりする可能性があるので
変装して顔を隠して行く
顔はジャックの被り物、匂いは線香、種族特徴はエルビジヴィンでカバー
仲間にはカボチャマンと呼んでもらい、口調は男言葉を使う

トーマス君の同行は黒犬が冷静になれているか分からないので危険
暴れたりしたらトーマス君だけでなく他の人も危険に晒してしまうと許可しない
ただし手紙を届けることは請け負う

味方も黒犬も犠牲にしない
危険が予想されるときは間に入って身を盾に被害を防止する
トーマス君が来ていれば最優先で守る
戦闘時は殿を務めて仲間を逃がす

ラインフラウさんが呪いの影響を受けてないか警戒

朱璃・拝 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
私は施設に残りカサンドラ様の看病をいたしますわ。ミラ様のお力も借りればカサンドラ様の状態も大分落ち着くとは思います。後は汗を拭いたり、汗に濡れた服を着替えさせたりして清潔に。傍に居て決して自分は一人ではない、と彼女に思ってもらいたい

トマシーナ様も心配するでしょうが、皆が付いていますしカサンドラ様は大丈夫ですわ、と安心させますわね。タロが施設にいればトマシーナ様と一緒にいてもらえば気も紛れるかもしれませんわ

トーマス様については私は施設に残ってもらう方がよいと思います。残る場合は彼と少し話をしようと思いますわ。もし彼が行く事になった時は一言、自分がトマシーナ様の兄だという事は忘れないで、と伝えます

アルフィオーネ・ブランエトワル 個人成績:

獲得経験:90 = 60全体 + 30個別
獲得報酬:2250 = 1500全体 + 750個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
【1】

同行:〇


カサンドラの看病をする。治療魔法、薬草の使用。滋養があり消化の良い、流動食の作成。

図書館に行き、リバイバルの発生、消滅の仕組み、生体と呪いの影響の違いなど、得られる情報は洗いざらい調べる。

セムの護衛に行く者たちに、帰ってきたら、どんなことがあったのか、セムらや、黒犬の様子など、聞きたいので施設を訪問するように依頼。見返りとして、ご馳走を用意していると伝える。

トーマスに対して、改めて、黒犬は善意ではなく利用するために、助けたのだと断言。前回の黒犬とのやり取りを話し、自分は裏切るつもりだったのに、裏切られたら、激しい怒りをぶつけてくる。そんな者をまだ、友人と呼ぶつもりなのかと問う。

ソフィーア・ル・ソレイユ 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
【2】

同行:〇

事前に黒犬の戦い方や能力について、交戦経験のあるものに聞いておく。セムらにぴったり付いて、徹底ガードするが、同時に不審な行動をとらないか監視もする。


黒犬と戦闘になった場合、【挑発】で敵を引きつけ、狼ズに護衛対象を避難させるように依頼。

「護衛対象の安全が最優先だ。ぼくに構わず、行け!」


今回は討伐が任務ではないので、防御に徹する。護衛対象が十分な距離まで退避したら、真中正拳突きや必殺技で反撃。ひるんだすきに、縮地法&龍の翼で素早く撤退する

「黒犬、きみにもいろいろ事情はあるかもしれないが、今回は彼らの護衛が学園が課した任務だ。応えてやることはできない。だが、手紙を渡すぐらいなら可能だ」

タスク・ジム 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
前回の結末は納得いかないっ!
個人的には指輪はともかくなんですが、カサンドラさんを守れなかったことが痛恨の極みです。

トーマス君同行は反対票。

トーマスが残る場合、
カサンドラに、守りきれなかったことを心からお詫びした上で
カサンドラとトーマス両者に、守られる側の行動として度が過ぎること、
これ以上黒犬にこだわるようなら、
「護衛を降りる」と宣言
仲間に看護を任せてその場を辞去

トーマスがタスクに説得や非難をしてきた場合
「黒犬に会いたいなら僕を倒して行け」と決断を迫りつつ、
・再会するには最低限自分の身を守れる必要がある
・そのための修行なら付けてあげる
・僕から1本取れたら次回連れてってあげてもよい
と提案

アドリブA

ベイキ・ミューズフェス 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
◆目的
カサンドラさんを看護し、少しでも容態を改善
それが難しければ、悪化しないよう対処する

◆分担
私は施設に残り、カサンドラさんの看護

◆トーマスさん
グラヌーゼには同行させない

◆看護
普通の人間のように体温や脈、心音等で容態を判別できないかも
魔法感知で魔力の流れや量、強さ等を確認
必要に応じリーライブ、リーマナスで回復しつつ容態を確認

容態が安定or改善しなければ、アマルさんから所在を聞き、ルサールカさんから情報収集
芸術品には曰く付きの品もある
ルサールカさんなら、カサンドラさんの容態を好転させる方法を知ってるかも

それに……ラインフラウさんは、セムさんの計画以外のことも考えてる気がするので、その辺も探って

ヒナ・ジム 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
「トマシーナちゃ~ん!あ~そ~ぼ~!
ん?どーしたの?ふむふむ、トーマスお兄ちゃんが、
わんわんに会いに、森に行きたがってる??

わかった!ヒナ、トーマスお兄ちゃんを守ってあげる!
ヒナに任せて!!」

「(皆さんに向き直って)はいはいはーい!
ヒナ、ぐらぬーぜに、いきまーす!
じぃじの斧と、なんかすごい盾をもってるから、護衛はばっちりだよ!」

「トーマスお兄ちゃんがわんわんに会いたいって言ってるんだから、会わせてあげようよ!」
(同行させるに一票)

トーマス同行か否かによらず護衛は全うする
必殺技で護衛対象から自分に注意を引付け
不屈の心で護衛対象のカバーリング
大木倒し、勇者之斬は反撃に使用
危機には覚醒
怪我人には医学

パーシア・セントレジャー 個人成績:

獲得経験:90 = 60全体 + 30個別
獲得報酬:2250 = 1500全体 + 750個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
◆分担
セムさん達に同行し、誰一人欠けることなく帰還できるよう努める

◆トーマスさん
個人的には同行させるに賛成
決まった方針に従う

◆指輪
実際にどうなったか知らないので、知らぬ存ぜぬで押し通す

◆道中
魔力感知で黒犬と思われる強力な魔力を探り、黒犬を探す
三兄弟が無礼なことをしないかみつつ、セムさんの言動にも注視
きっと……腹の底で何か企んでる

◆有事
もし黒犬が怒り狂って襲って来たりしたら、まずは王様の命令で勢いを削いで話ができる状態にできないか試みる
それでも交戦を避けられない場合や、退くまでの時間稼ぎや態勢の立て直しが必要なら、号令の鞭で黒犬の気を逸らしたり、行動の合図をしたりと支援

必要ならカカオポッドで回復

リザルト Result

●あなたをおいていく
【エリカ・エルオンタリエ】は『同行したい』という【トーマス・マン】の申し出に対し、難色を示した。
「トーマス君、それは出来ないわ。黒犬はまだ冷静な状態じゃないかもしれないのよ」
 その上で、もし黒犬へ手紙を出すなら届けると申し出る。
 だがトーマスは彼女の妥協案に納得しなかった。
「いやだ。僕は黒犬に会いたいんだ」
 【タスク・ジム】がそれにNOを突きつける。
「駄目だよ。同行はさせられない。トーマス君はここに残っていて」
「でも」
「『でも』はなし」
 いつにない彼の強硬な態度に、自身も反対の立場をとる【朱璃・拝】も、意外さを覚える。
(タスク様、こういう顔もなされるのですねえ……)
 だがタスクの妹――アークライトの【ヒナ・ジム】は、兄と真逆の見解を示す。
「はいはいはーい! ヒナ、ぐらぬーぜに、いきまーす! じぃじの斧と、なんかすごい盾をもってるから、護衛はばっちりだよ!」
 タスクは兄として、こんこんと妹を諭し始める。
「ヒナ、それは駄目」
「どーして。トーマスお兄ちゃんがわんわんに会いたいって言ってるんだから、会わせてあげようよ!」
「駄目だったら。そんな簡単なことじゃないんだよこの話は――」
 その間お留守になったトーマスの説得は【ベイキ・ミューズフェス】が引き受けた。
「トーマスさん、カサンドラ先生が指輪のせいで、おかしくなっていたことは知っているでしょう? 今その指輪は黒犬のもとにあるんです。だから、黒犬もまたおかしくなっているかもしれないのです。あなたを狙ってくるかも……」
 と言いつつも彼女は、トーマス自身についての懸念も抱いていた。同行させれば、予想外の行動に出るかもしれないと。例えば、何らかの形で黒犬が追い詰められたとき、黒犬を苦しめている元凶がセムだと思い込んで、彼女に刃を向けるとか――。
(まあ、そうなったらラインフラウさんがほうってはおかないでしょうけれど……)
 ヒナとタスクの声が高まる。
「にぃにのわからずやっ! だいっきらい!!」
「失敗したら取り返しがつかないんだってば!」
 どうやら兄妹ゲンカになってきたようだ。
 そこで『ねえ』と【パーシア・セントレジャー】が口を挟んだ。
「別に、連れて行ってあげてもいいんじゃないの? 安全な距離を保つなら」
 【アルフィオーネ・ブランエトワル】も、さらりと言う。連れて行ってもいいのではと。その上でトーマスに念を押す。
「でも、忘れないで。黒犬は善意ではなく利用するために、あなたを助けたのよ。教えたでしょう。カサンドラについて黒犬が何を言ったか――それでもまだ、あの魔物を友人と呼ぶつもりなの?」
 痛いところを突かれたトーマスはぐっと言葉を飲み込んで、体の両脇に垂らした手を握り締める。
「……けど、会ってみたいんだ」
 成り行きを見ていた【ドリャエモン】は、まだ意志表明していない【ソフィーア・ル・ソレイユ】に尋ねた。
「おぬしは、どういう考えかの?」
「ぼくはアルフィオーネの考えに一票入れるよ。連れて行っていいと思う」
 肩をすくめた後彼女は、当のアルフィオーネに向き直り、頭を下げる。
「本当はぼくも、先の黒犬との戦いに加わりたかったんだけど、その余裕がなかったんだ。すまない」
「あら、別にいいわよ。わたしは全然気にしてないから」
「……きみはそうでも、ぼくはそうじゃないんだ。次、奴と闘う時は、必ず呼んでくれ。強者と闘うのはぼくの喜びだが、それよりも、ぼくの知らないところで、きみに何かあれば、悔やんでも悔やみきれないからな」
 この時点でトーマスの同行に賛成しているのは、パーシア、アルフィオーネ、ソフィーア、ヒナ。
 反対しているのはエリカ、タスク、朱璃、ベイキ。
 ちょうど4対4。
 タスクの説得に業を煮やしたヒナが、ドリャエモンに顔を向ける。
「おじーちゃん、おじーちゃんはどっち?」
「わしか。わしは、トーマスを連れて行くことに反対だ」
 これで5対4。
 多数決の結果、トーマスは同行出来ないという結論に達する。
 トーマスはこれに反発した。
「なんでだよ! いいよ、連れてってくれないなら僕一人で行くし!」
 タスクはそんなトーマスに、突き放すような眼差しを向ける。
「そう。そこまで黒犬に会いたいなら僕を倒して行け」
 いきなり挑戦を申しだされ、正直どう解釈していいか分からぬトーマスは、返答が出来ない。
「カサンドラさんを守り切れなかったことは、心からお詫びするよ。その上で言わせてくれ。守られる側がそれにふさわしい行動をしてくれなければ、どんな勇者だって守り切れるものじゃないよ――これ以上黒犬にこだわるようなら、僕は、護衛を降りる」
 タスクはきびすを返した。
「カサンドラさんの看護を、頼みます」
 それだけ皆に言い残して、場を去る。ヒナの声に追い立てられるように。
「にぃにの、いじわるー!」

 最終的に【ガブ】【ガオ】【ガル】に同行するのは、ドリャエモン、エリカ、ソフィーア、タスク、ヒナ、パーシアの5名。
 残り3名、朱璃、アルフィオーネ、ベイキは、トーマスと共に施設に残り、カサンドラの看護を引き受けることとなった。

●眠れるリバイバル
 アルフィオーネは看病の合間を縫い、図書館で、リバイバル関係の資料を片端から漁っていた。
 幸いというべきか、施設に戻ってきて以降、カサンドラの容体は快方に向かっている――少なくともそのように見えた。
 失われた腕も再生した。ほかより色が薄いながら、元通り形作られている。
 それ自体は特別でもおかしなことではない。リバイバルの研究書にはどれも、次のことがはっきり明記されていたのだから。
『リバイバルは自身の姿形を魔力によって作り上げている。ダメージを与えられると本物の肉体同様損傷する。だが、本物の肉体と違い、通常は一時間程度から、長くても一週間程度あれば、魔力によって再構築される』
 とにもかくにも、カサンドラの体が元に戻りつつあることに、アルフィオーネはほっとしている。
 ただ手放しで喜んでいるわけではない。魔法感知の能力を持つベイキが、気がかりなことを言ってきたのだ。
『カサンドラさん、確かに容態は安定しているのですが……魔力の強さ自体は、戻ってきていないんです』
 外見はすぐ回復できても、中身についてはそうでもないということなのか。
(この際だから、根本的な体質改善をさせたほうがいいかもね……)
 カサンドラが病弱だった生前の体質を引き継いでいるのは、生まれつき病弱だったせいで、元気な自分の姿がうまくイメージできないからではないか、とアルフィオーネは疑っていた。
(強くなったという思いが、内在する魔力に反応してことを成すのであれば……病弱な者が元気になることも可能なはず)
 目が醒めたら、滋養にいいものをうんと食べさせてやろう。そして自信をつけさせてやろう。
 そんな算段を立てながら、なお資料をあさる。リバイバルに関してのことを、もっと、もっと知りたくて。
 そうして、次の文献にたどり着く。
『リバイバルが発生するのは、死の間際に際し、この世における強い執着があったからであると考えられる。執着が解消されるまで、基本その存在は維持され続ける。外部の力により強制消滅させられる場合は、また別である。』
 アルフィオーネは思わず考えこんでしまう。
(カサンドラのこの世における執着って、何かしら……『死にたくない、もっと生きたい』かしら)
 でも、それだと漠然としすぎているような気がする。死に際の事情を鑑みるに、次のほうがしっくりくるのではないだろうか。
(……『黒犬への復讐を果たしたい』……)
 流れのままに浮かんで通り過ぎようとした思念を、彼女は、すんでのところで取り押さえた。
 とある過程が脳裏を過ぎる。
(もしかして指輪は、彼女のその感情を増幅させて、黒犬のもとへ自分を運ぶよう仕向けたんじゃ……)
 
 眠り続けているカサンドラには、触れようとしても、触れられなかった。
 せめてもと朱璃は、彼女を団扇で扇いでやる。
 そうしながらトーマスに話しかける。
「タスク様があのように言ったのは、あなたやカサンドラ様に腹を立てたからではありませんわ」
 トーマスは椅子の上で膝を抱えたまま、返事しない。
「自分自身に腹を立てておられるのです――今の僕の力では守りきれない、もっと強くならないといけない。それから改めて護衛を申し出たい。そう仰られておりました」
 【アマル・カネグラ】が団扇役を交代した。
 朱璃は改めて、トーマスに向かい合う。
「以前トマシーナ様にはお話ししたのですが、私には兄がおりました――ある時事故があって、兄は未熟な私を庇って亡くなりました。多分同じ状況になれば貴方はきっとトマシーナ様を庇うでしょう。けれど」
 ふと彼から視線を外し、遠くを見つめる。過ぎ去りし日がそこにあるかのように。
「もし貴方が魔物の側に立てば、きっとその思いを失ってしまう。貴方の黒犬への思いを否定はしません。ですが貴方はトマシーナ様のお兄様だという事は忘れないでください」
 長い間を置いてトーマスは、溜息をついた。
 軽い足音を響かせ、当の【トマシーナ・マン】が入ってきた。ここのところ黒犬からのお呼び出しがさっぱりなくて暇そうな【タロ】を連れて。
「かさんどらせんせいー、どーお?」
 と言いながら彼女は、ベッドに近づいた。そして顔を明るくした。
「せんせい、おててがもどってきたわ。よかったわね、たろ」
 カサンドラの枕元に座り、話しかける。
「あのねせんせい、ヒナちゃんがね、でかけるまえに、ひよこのはなししてくれたの。ヒナちゃんはねがおれたひよこ、なおせるの。せんせいのてもきっと、きれいになおるのよ」
 施設の精霊【ミラ様】は、部屋の隅で静かに、それらの光景を眺めている。

 ギャラリーにいた【ルサールカ】はもったいぶった上品さで、訪ねてきたベイキの質問に答える。
「リバイバルを回復させる方法について言えば、私は門外漢ですので、なんとも言えませんねえ……お役に立てなくて申し訳ない」
 悲しげに頭を振った後彼は、次の質問に対し薄笑いを浮かべた。
「ラインフラウさんとは、最近お会いしたりすることはありますか?」
「いいえ、てんで。彼女、恋に燃え狂ってますから。危ないですよ、そういう時は。どんな嘘でもつくし、なんでもする――当の相手に対してさえ。我が物にするためならば」

●うずくまる悪意
 グラヌーゼ東部。クレーターのごとき大穴の近く。
 空は灰色。曇り空。
 タスクはそれを見上げながら、カサンドラ負傷について落ち込んでいた際、ドリャエモンからビンタと共に食らった言葉を思い出す。
『愚か者! よいか、これは皆の行動が出した答えなのだ。むやみに一人で背負おうとするではない。そんなことをしてもなんにもならん!』
 塩辛いものが胸に広がり、口元にせり上がってくる。苦笑いの形で。
(……でも僕は、やっぱりあの結果に納得いかない……同じことは二度と繰り返さない)
 どうもなんだか肩透かしな、とソフィーアは思う。
 『赤猫が、多分あそこにいるのではと教えてくれたので』と言うセムたちについて、黒犬がいるとおぼしきグラヌーゼの東端まで来てみたのだが、肝腎要の当人はさっぱり姿を表さない。気配をちらつかせるだけで。
(これではぼくの腕の見せどころがないな……)
 魔物が姿を見せないことで、ガブたちはがぜん気を強くしているようだ。軽口をたたき出す。
「きっとよ、俺たちにびびってんだぜ」
「だよな。口ほどにもねえ奴だ」
 それをパーシアが、鋭い声で注意した。
「口を謹みなさい。相手が近くにいるのは間違いないのよ。魔力を感じるんだから」
 ジャックの被り物をしたエリカもまた、彼らに注意した。『カボチャマン』として、いつもと違う口調で。
「気を抜くな。僕たちは今、彼の縄張りに入っているんだから」
 ヒナは視線を自分たちの前にある、ぽっかり空いた大きな穴に向ける。
 何十メートルも先にある奥底には闇がわだかまっていた。
 その闇の中、白い柱のようなものが何本も立っている。
 彼女はタスクに聞く。
「ねえねえ、にぃに、あの下にみえてるの、なーに?」
「多分、ノアの猟場……出城跡だと思う。前黒犬から来た手紙に、そこを探してるって書いてあったよ」
 うすら寒い風が、ひゅう、と穴の底から吹き上がってきた。
 ソフィーアが、ゆるゆるタバコを吸って穴をのぞき見る【セム・ボルジア】に、尋ねた。
「で、どこから下に降りて行く?」
 セムはさらりと答えた。
「降りません」
「え? な、なんで?」
「この分じゃ、降りて行ったところで、向こうが出てこないのは一緒ですよ。あちらが、こちらの同行を見張っていることは確か。ならこちらの会話も、聞こえている。とすれば、伝言を伝えることは可能です。別に顔を合わせる必要はない」
 商人らしい見切りの早さである。
 エリカは彼女のこの決断に、難色を示した。
 彼女は黒犬に手紙を渡したかったのだ。自分の分と、それから、トーマスから預かってきた分を。
 だから、待ったをかける。
「待ってよ、魔力を感じるって言っても、それが本当に黒犬のものなのかどうか分からないだろう。会って、確かめてみないことには」
 セムは憂鬱そうな顔で、彼女に答えた。
「黒犬は、あなたがたには会いたがらないのでは? あなたがた、つい最近彼ともめたのでしょう? かなり激しく」
 決裂の情報を相手が早くもつかんでいることに、エリカは内心舌打ちする。
「――ああ、もめたのは確かだよ」
「じゃあ、あなたがたは彼にとって敵になったわけですね。少なくとも向こうはそう思っているはずですよ。自分に危害を加えてきたんですから」
 そこでドリャエモンが反論する。
「わしらの側に危害を加えてきたのは、むしろあ奴のほうだがの」
「それはもちろんそうでしょう。しかしここで重要なのは、客観的事実じゃない。主観的事実です。相手方にとってのね」
 とここで彼女は、視線を宙に向けた。
「どうしても出てきて欲しいなら、あなたがた、『指輪』という最高の切り札を持っておられるでしょう。それをお使いになってはいかがですか? そう、例えば、顔を見せてくれたら指輪を渡すと言ってみるとか――」
 施設関係者一同は思わず無言になった。切り札がもう使えないことを知っているから。
 ここでパーシアは、セムが、指輪の所在を確認しているのだと気づいた。
 指輪を黒犬から奪いたいと思っているのでは、という疑いが彼女の脳裏を掠める。
(黒犬から指輪を取り上げたいと赤猫に提案し、協力させることが出来れば……二匹共倒れにさせるのも可能かも)
 【ラインフラウ】がよく通る声で穴の中に呼びかけた。
「黒犬さん、赤猫からの伝言を伝えるわ。彼女はあなたにこう伝えるよう、言いました。『指輪を手にいれたとしても、何も出来ない。壊せない。自分から手放すことも出来ない。仮に捨てたって戻ってくる。お前の頭を狂わせる。サーブル城の、あのムカツクつがいが住んでた部屋の、宝石箱の中へ戻さない限り。最もお前は、狂うほどの上等な頭なんて、もともと持ってないから、その点は心配要らないね』」
 暗がりの底からは何の返答もない。
 セムはそれにこだわる様子もなく、さっさと背を向けた。
「戻りましょう。長居は無用ですよ」
 不消化な気分のままソフィーアは、穴の中へと呼びかける。
「黒犬、きみにもいろいろ事情はあるかもしれないが、今回は彼らの護衛が学園が課した任務だ。応えてやることはできない。だが、手紙を渡すぐらいなら可能だ」
 こちらに言いたいことはないかという呼びかけだったのだが、返事は、変わらずなかった。
 エリカは自分が書いた手紙とトーマスから預かった手紙を、穴の傍に置いていく。風に飛ばないよう、石を重石にしてして。
「黒犬、気が向いたら読んでちょうだい。待っているから」
 エリカの手紙にはこう書いてあった。
『カサンドラさんは騙された事を思い出したから、あなたに対してあんなに怒った。それはあなたに責任がある。あなたの謝罪なくしては、彼女の心はもう、ほどけることはない。
だけどトーマス君は、変わらずあなたを命の恩人として心配している。どうかそのことを忘れないで。
あなたを危険な魔物として排除したくはない。
呪いは、あなた一人で解けるものじゃない。
あなたが考えているほど単純じゃない。
自分のために他者を踏みつけにする事は、もうやめてほしい。共存こそが自分のためになると理解して欲しい。
いつでもいいから、指輪を返却して。そうすれば、再度調査を行うことを約束する』
 トーマスの手紙にはこう書かれていた。
『黒犬、僕は黒犬の敵じゃない、だから、もう一度会って』

●変化の理由
 学園に戻ってきた一同をアルフィオーネは、やけに気ぜわしく迎えた。
「皆、お帰り。ご馳走出来てるわよ。話も色々聞きたいけど―でも―その前にちょっと、とにかく来て」
 皆はカサンドラの部屋に入り、目を見張った。
 昏睡状態であるカサンドラの外見が激変していたからだ。悪いほうではなく、よいほうに。
 肉がつき、血色が増し、髪の色は濃くなり、見るからに健康体。
 枕元にいるベイキがうろたえながら言った。
「……なんだかどうも、おかしいんです。こんなに元気そうなのに、魔力がどんどん落ちてきているんです」
 なぜ、どうして。
 いくら考えても、よく分からない。
 なので一同は、ミラ様に聞いた。
「ミラ様、どういうことなのか分かりますか?」
 ミラ様は単語帳で答える。
『ハイ』
 勢いを得た一同は、質問を重ねた。
「呪いに関することですか?」
『ハイ』『ソレ』『ココ』『ナイ』『イッタ』『トオク』
「……カサンドラ様はもう、呪いの影響下におかれていないのですか?」
『ハイ』『ダカラ』『カノジョ』『イク』『トオク』

●呪いは
 黒犬は人間がいなくなった後、地上に上がってきた。
 手紙を手に取り、読んだ。
 火炎と唸り声が喉の奥から噴出す。
「やかましい! もうお前らに用はないわ!」
 手紙は燃え尽きた。





課題評価
課題経験:60
課題報酬:1500
ミラちゃん家――駒を動かせ
執筆:K GM


《ミラちゃん家――駒を動かせ》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 1) 2021-07-02 00:12:20
賢者・導師コースのエリカ・エルオンタリエよ。よろしくね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 2) 2021-07-02 19:22:43
勇者・英雄コースのタスク・ジムです。よろしくお願いします!

前回の結末は納得いかないっ!
個人的には指輪はともかくなんですが、カサンドラさんを守れなかったことが痛恨の極みです。

償いもかねて、今回はカサンドラさんの看病一択ですね。
そして、トーマス君はグラヌーゼに行かせないに一票を入れ、
看病がてら、懇々と説得工作に入ります。

あと、余計な心配かもですが、
「黒犬は攻撃してきた(彼の自業自得だけれど)人間からの話は聞かない確率が高い。それ以前に、姿を見ただけで恐れ逃げてしまう可能性がある。」
となると、2を選択できる人って、かなり限られるのでは・・・

となると、これまでシリーズへの関与が少なかった
ニューフェースの参戦が望まれますね。
・・・自分で1枠潰しておいてなんなんですが・・・(すいません)

余談ですが、
「守り切れなかった!!」と拳を地面にガンガン血塗れに打ち付けて
ドリャ先生に「愚か者!!」とかビンタとかされて立ち直るとか
そんなウィッシュを書きたかったのですが、
先生は2に同行するとのことなので断念した、という経緯があります(笑

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 3) 2021-07-02 22:16:13
教祖、聖職者専攻のアルフィオーネ・ブランエトワルです。どうぞ、よしなに

黒犬はトーマスを裏切り者と思っているから、会わせるのは危険だと思うけれども、あの子の意志を尊重したいし、最終的には自分で決断するしかないと思うので、わたしは賛成。

あの者を殺すと宣言した以上、わたしは同行できないので、友人に護衛役を依頼したわ。

わたしは治療や食事もそうだけど、図書館にいって、欠損した手を再生する方法はないか、調べたいと思う。

(PL)
守り切れなかった!!」と拳を地面にガンガン血塗れに打ち付けて
ドリャ先生に「愚か者!!」とかビンタとかされて立ち直る...と、いうことが、あの時、幻惑の森であった。という回想シーンをいれるとかなら、ルート違いでもありかもしれない

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 4) 2021-07-02 23:14:37
武神・無双コースのルネサンス、朱璃・拝と申します。どうぞよろしくお願いしますね。

黒犬を止めきれなかった事、カサンドラ様に怪我をさせてしまった事、痛恨の極みですわ・・・。けれど嘆いているばかりでは何も始まらない、今出来る事を頑張りますわ。

1と2、どちらにするかはまだ決めかねておりますわ。ただセム様の仰っておられる事も(それが全部の理由ではないにせよ)もっともですし、やはり1になるでしょうか。

トーマス様に関しては、私もやはり行かせるのは危険かと思いますわね・・・。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 5) 2021-07-02 23:20:27
教祖・聖職コースのベイキ・ミューズフェスです。よろしくお願いします。
さて、私は黒犬さんとドンパチやった枠なのか未遂枠なのか。
現場には居たんで、前者の前提で考えた方が安全側ですかね。

そうなると、カサンドラさんに付いておく感じでしょうか。
まあ、黒犬が逃げる云々はセムさんが言ってることなんで、実際にどうかは黒犬次第でもあるんですが……。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 6) 2021-07-03 01:05:42
何と言っても短気な黒犬が相手だし、もしもに備えておきたいので
変装して【2】に行こうと思うわ。

トーマス君の動向については、危険が大きいので許可しないという方向で決定かしら?
希望がかなえられないとなると、トーマス君の不満もたまるでしょうし、
その辺りの解消も考えておいた方がいいかもしれないわね。

《ビキニマン》 ソフィーア・ル・ソレイユ (No 7) 2021-07-03 02:45:35
ぼくはソフィーア・ル・ソレイユ。武神・無双コース先行だ。よろしく頼む。

さて、レーヌ・・・アルフィオーネが先に述べた通り、ぼくは、セム一行の護衛につく。トーマスに関しては、賛成だ。人は、いつか、なにかと戦わなければいけない時がやってくる。それが今なのだろうさ。危険は百も承知だが・・・だからこそ、僕が彼女に呼ばれたのだろうしね

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 8) 2021-07-03 08:01:46
みなさん、よろしくお願いします!
それでは、状況をまとめてみますね!

<行動選択>
1 看病 アルフィオーネさん(調査)、朱璃さん、ベイキさん、タスク+アマルくん
2 同行 エリカ部長さん(変装)、ソフィーアさん+ドリャ先生+レッツゴー三匹(世代が・・・(汗

ソフィーアさん参戦のおかげで、NPC含めたら、護衛は充分かな・・・ふむ。

<トーマス投票>
〇同行 アルフィオーネさん、ソフィーアさん
×残す 朱璃さん、タスク

ベイキさんは未表明かと思いますが、引き続きご意見をお待ちしております。
部長さんは、×派かと思われますが、文面から確定は出来なかったので、念のため投票に加算していません。

現状、投票速報は同点ですし、僕もどうすべきか揺れています。
出発日まで、慎重に検討しましょう!

(PL:アルフィオーネさんへ私信)
そ、その手があったかー!本当にやるかもです。ありがとうございます!

《新入生》 ヒナ・ジム (No 9) 2021-07-03 08:28:37
トマシーナちゃ~ん!あ~そ~ぼ~!
ん?どーしたの?ふむふむ、トーマスお兄ちゃんが、
わんわんに会いに、森に行きたがってる??

わかった!ヒナ、トーマスお兄ちゃんを守ってあげる!
ヒナに任せて!!

(皆さんに向き直って)はいはいはーい!
ヒナ、ぐらぬーぜに、いきまーす!
じぃじの斧と、なんかすごい盾をもってるから、護衛はばっちりだよ!

にぃにが黒板になんか書いてるね。ヒナがかきかきしとくね!



<行動選択>
1 看病 アルフィオーネさん(調査)、朱璃さん、ベイキさん、タスク+アマルくん
2 同行 エリカ部長さん(変装)、ソフィーアさん、ヒナ+ドリャ先生+レッツゴー三匹(世代が・・・(汗←にぃになにそれいみわかんない

<トーマス投票>
〇同行 アルフィオーネさん、ソフィーアさん、ヒナ
×残す 朱璃さん、タスク

《猫の友》 パーシア・セントレジャー (No 10) 2021-07-03 08:56:44
王様・貴族コースのパーシア。よろしくお願いします。
そうねえ……私は黒犬と直接の面識はないはずだし、あの三兄弟が無礼なことしそうだから、三兄弟に同行しておくわね。

トーマスさんについては迷うけど……彼も、薄々は状況を理解してるんじゃないかしら。
頭で分かってても、感情としては理解できないのかもしれないけど。
彼が先に踏み出すためにも、黒犬に会わせていいんじゃないかと思うわ。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 11) 2021-07-03 16:39:19
わたしは会わせることには反対だわ。
不安な状態のトーマス君が、突発的な行動に出てしまう可能性はあるし
なにより、黒犬が彼を攻撃してしまいかねず、そうなれば
前回のカサンドラさんの二の舞か、それ以上の惨劇を招いてしまう恐れがあるわ。
長丁場で焦れる人もいるでしょうけど、
ここは慎重すぎるぐらい慎重で事にあたった方がいいと思うわ。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 12) 2021-07-03 19:10:29
これは難しくなってきましたね・・・
トーマス君についてざっくり整理すると、
納得を重視して連れていくか、
安全を期すため残すか、ということなのですが・・・

とにかく、パーシアさんがいらっしゃいましたので、再度状況をまとめますね!

<行動選択>
1 看病 アルフィオーネさん(調査)、朱璃さん、ベイキさん、タスク+アマルくん
2 同行 エリカ部長さん(変装)、ソフィーアさん、ヒナ、パーシアさん+ドリャ先生+狼ズ

<トーマス投票>
〇同行 アルフィオーネさん、ソフィーアさん、ヒナ、パーシアさん
×残す 朱璃さん、タスク、エリカ部長さん

「〇同行」が優勢、ですが、「上回ったら」が条件である以上
同点は「×残す」に決定となるわけですね。

こうなると、ベイキさんの一票が運命を決定づけることに・・・
(プレッシャーをかけるわけではないのですが、状況的にそうなってしまってすみませんm(__)m


<PL談話>
えー、ご存じの方もございましょうが、タスク・ヒナ兄妹は同じ中の人です。

にもかかわらず票が分かれているのは、
中の人にとってはどっちにも理があり決められない、ということでもあり、
また、タスクとヒナ両者のロールプレイが食い違っているが、中の人として両方の心情を尊重したい、ということでもあります。

通常であれば、作戦会議室に中の人の話を持ち出すことは適切ではないのですが、
投票が物語を、NPCの運命や生命を左右する、という特殊な状況であるため、
あえて、中の人の考え方というものを表明させていただきました。

面倒くさい考え方で、大変申し訳ありません。
それでも、納得のいく物語を、トーマス君が一番いい道を、目指していることは、皆さんと同じはずだと、思っています。

《新入生》 ヒナ・ジム (No 13) 2021-07-03 19:24:41
にぃに、トーマスお兄ちゃんを、わんわんに会わせてあげようよ!

(ヒナはまだ幼く勇者として経験が少なすぎるので護衛として不安が大きいこと、失敗したら取り返しがつかないことをこんこんと諭される)

・・・それでも、ぜったい、守るもんっ!!
にぃにのわからずやっ!だいっきらい!!

<PL談話>
以上、トーマス投票に関して、ヒナの所信表明演説をお送りしました。

連れていくとなれば、装備にもプランにも万全を期すつもりですし、
ソフィーアさんとの連携、パーシアさんや部長さんの支援もあり
心強いと思うのですが…

前回リザルトのような反則技みたいなので突破されるかと思うと
最悪の可能性も想定され、怖いんですよね・・・

前回の「炎の足止め」「体を縮めて突破」についての対策を練って
プランに書く、というのが思いつく最善です。
はてさてどうなることか・・・

《新入生》 ヒナ・ジム (No 14) 2021-07-03 19:29:40
<PL補足>ヒナが保護施設に出入りする理由について

ヒナはまだ小さいので、タスクとマーニーで交代で面倒を見ていますが、
タスクと一緒のときは必然的に保護施設に同行することが多く、
ちょうど、トマシーナちゃんに友達が必要だろうということで、
タスクからドリャ先生に相談して、了解を得ました。

・・・ということをウィッシュに書き、余裕があれば学生寮にも書ければ
と思っています。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 15) 2021-07-03 22:06:47
言ってたつもりで言ってませんでした。

>トーマスさん
私は同行させるのには賛成できませんね。
黒犬が彼を狙う可能性もですけど、黒犬に嫌われたと思ってる彼が、予想外の行動に出るかもしれませんし。

例えば……黒犬を苦しめてる元凶は、セムさんだと思い込んで……(少しは該当しちゃうのがあれですが)セムさんに刃を向け、彼女を人質に黒犬を逃がすよう脅してくるとか。

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 16) 2021-07-03 22:50:26
>トーマス様
最終的にどちらになるにせよ、決まった方でトーマス様に何事もないよう努めるだけですわね・・・。今の所同数のようですが、出発までに変わるかもしれませんし。彼の心情や納得という事を考えるなら同行させた方が良いかと私も思わないでもないですが、今回全員で行けない(行けない事はないですが流石に無理かと思いますし)以上やはり危険度の方が大きいかと思いますし・・・。

>行動
カサンドラ様の看病が主になるかと思いますが、それ以外の事はまだ思案中ですわね・・・。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 17) 2021-07-04 22:29:14
<トーマス投票>
〇同行 アルフィオーネさん、ソフィーアさん、ヒナ、パーシアさん
×残す 朱璃さん、タスク、エリカ部長さん、ベイキさん

ということで、作戦会議室内投票結果は、同数=同行が上回らなかった、
ということで、トーマス君は残す、という結果になりました。

しかしながら、もし、プランの段階で意見の変更があった場合は、
リザルトでは逆の結果が描かれる、ということは、想定すべきでしょう。
そのようなことは、禁止されてるわけではないですし、
個人的意見としては、ドラマ的またはロールプレイ的に、あってもいいことだと思っています。

そのため、どっちに転んでもトーマス君に危険がないようなプランを
検討する必要がある、という点で、朱璃さんに賛成します。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 18) 2021-07-04 22:45:05
上記を踏まえて、今個人的に考えてる行動を開示しますので、
何かの参考になれば幸いですし、ご意見ご相談大歓迎です。

まず、会議室内投票結果どおりにトーマス君が残る場合、
カサンドラさんに、守りきれなかったことを心からお詫びした
カサンドラさんとトーマス君両者に、守られる側の行動として度が過ぎること、
(カサンドラさんについては呪いの影響力を差し引いても、限度を越えている
とタスクは感じています)
これ以上(二人それぞれ異なる意味で)黒犬にこだわるようなら、
今後守りきるには支障があることを、二人に釘を刺します。

その上で、トーマス君に
「黒犬に会いたいなら僕を倒して行け」と決断を迫りつつ、
・再会するには最低限自分の身を守れる必要がある
・そのための修行なら付けてあげる
・僕から1本取れたら次回連れてってあげてもよい
という現実的な提案をし、あとは黙々と一人で修行しながら彼の訪れを待ちます。

そして、万一トーマス君が同行することになった場合は、
変装してグラヌーゼに着いていく旨プランに記載し、場合分けを図る作戦です。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 19) 2021-07-04 22:47:01
上記に脱字あります。

四行目
正しくは「心からお詫びした上で」でした。

《猫の友》 パーシア・セントレジャー (No 20) 2021-07-04 23:36:59
タスクさんは各種希望のまとめ感謝するわ。
とりあえず、トーマスさんにはお留守番をお願いね。
まあ、それでいいとも思うわ。カサンドラさんも愛弟子が看病してくれてたら、回復も早いかもしれないしね。

さて、これから先は勝手な推測だから、読み飛ばしてもらっても構わないわ。
例えば……セムさんが呪いの指輪の所在を知ってしまったら、黒犬の手にあるうちに、黒犬の手から指輪を奪うことを考えるんじゃないかしら?

だって、学園と事を構えずに済むし、黒犬相手なら赤猫も手を貸す可能性がありそうだし。
赤猫にとっては、知らないところで黒犬を討たれたら……自分も死んでしまうんだし、殺さない程度に抑えておきたいでしょう?

でも……セムさんは黒犬も赤猫も始末したい様子。
ならば、赤猫と黒犬がやり合って、黒犬が弱ったところに介入して、呪いが生きてるうちに黒犬を討てば……一気に問題は解決。

セムさんには黒犬と相性のよさそうな戦力……ラインフラウさんが居るしね。

だけど、ラインフラウさんも独自に企んでることがありそうよね。
この絡み合った思惑の糸……一気に仕掛けようとしたら、思わぬところで切れてしまいそうね。

《ビキニマン》 ソフィーア・ル・ソレイユ (No 21) 2021-07-06 05:18:57
護衛対象が少なくなれば、その分、任務達成はしやすくなる。トーマスを連れて行かないことが多数の意見なら、ぼくは従うまでだ。

もし、万が一付いてきてしまった場合、かわいそうだが、しばらく眠ってもらうことにする。施設に残る者たちで、うまく引き留めておいてほしい。

想定される状況が少ないほうが、戦術は立てやすく、成功率も高い

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 22) 2021-07-06 19:21:35
看病としては汗を拭いたり着替えさせたり、という事をしていきますわ。トマシーナ様も心配するでしょうけれど、安心させてあげませんとね。

あとはトーマス様が残る場合は彼と少し話をしようと思っておりますわ。

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 23) 2021-07-06 19:55:36
セムはサーブル城周辺から、黒犬らを排除できれば、事業面では問題ないと判断しそうではあるわね。まぁ、よしんば、赤猫との取引でそういう合意を得たとしても、約束を反故にされる可能性を考えて、できれば始末したいとは考えるかもしれないけど、無用な戦闘は、費用面から望まないでしょうね。

もし、セムが黒犬から指輪を奪ったら、虚偽の内容の依頼をしたことになるわ。依頼はあくまで、赤猫のメッセージを届けるための護衛なのだから。今後、学園の手を借りれなくなる。指輪を手に入れればすべてがかなうなら、別だけど、そうであるならば、あの人は、もう、セム・ボルジアではなく、ノア一族ってことになるわね

《新入生》 ヒナ・ジム (No 24) 2021-07-07 05:19:40
ヒナ、トーマスお兄ちゃんがついてきてもこなくても
護衛はちゃんとやるねっ!

【医学】があるから、けががあったときに、たすけになれるかも。

のろいとかのむずかしいことは、よくわかんないや…ごめんねっ!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 25) 2021-07-07 08:26:52
<余談>
アルフィオーネさんとお話した回想シーン、
プラン字数の関係でだいぶ削られましたが、ビンタだけは死守しました
(どうゆうことよ)

<本題>
皆さん、いよいよ出発前日ですね!
看護班の皆さん、護衛班の皆さん、よろしくお願いします。

こちらは、看護班にいながらトーマス君修行編(?)などという
特殊な行動に走ってしまい、恐縮ですが、頑張ります。
【基本回避】(←実際に積んでます)を教え込んで、自衛が出来るように
したい考えです。

また、万一トーマス君が同行する場合に備えて、
プランで場合分けをし、護衛プランも少し充実させてみました。
こちらは、黒犬の前回見せた反則気味の攻撃2種類と、
さらなる未知の攻撃を【第六感】で察知することを重点的に書いてみました。

タスク、ヒナ(喧嘩中ですが・・・苦笑)ともに、
何か協力できることがあれば、対応できると思いますので、
何かありましたらご相談ください。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 26) 2021-07-07 12:28:13
とりあえず、私はカサンドラさんの様子をみておきます。
あと、ラインフラウさんの動きも気になるので……可能ならルサールカさんに探りを入れてみようかと。

ルサールカさんの居場所ならば、アマルさんに聞けばわかるでしょうし。
もしかしたら、ルサールカさんにとっての金づると言えるカサンドラさんの容態を、改善する手段を知ってるかもしれませんし。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 27) 2021-07-07 13:25:37
朱璃さんに看病を、
アルフィオーネさんにお世話をお願いできるなら、安心です。
ベイキさんは様子見プラス情報収集、心強いです。

護衛班はご無事、ご武運を祈ります。
(といいつつ、万一に備えて変装グッズをいそいそと準備)