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【泡麗】Red,Black and Red


ストーリー Story

 指を交差させパチンと鳴らす。
 執務机の隅においやられていた酒瓶が、氷上をすべるように移動した。
「うむ」
 酒瓶がぴたりとおさまった場所、それは【メメ・メメル】の手のなかである。メメルは片手でコルク栓を抜き、ウイスキーをとくとくとグラスに注いで、
「ちょっと!」
 その手を【コルネ・ワルフルド】に止められた。
「仕事中ですよ!」
「休憩時間だ☆」
「だとしても勤務時間内でしょうがっ!」
 コルネはメメルの手からウイスキーをひったくる。
「……オレサマは年中無休の二十四時間勤務みたいなものだがなァ」
 ぶつぶつ言いながらもメメルは、グラスに残った琥珀色の液体を愛おしげになめていた。
「このところますます酒量が増えてますよ。もっとお体のことを……」
「知っとるだろ」
「はい?」
「オレサマの『お体』のことなら知っとるだろ? 酒でごまかすしかないんだよ」
「ですが……」
 最近急激にメメルが衰え、日に一、二度のペースで発作を起こしていることをコルネも熟知している。魔王軍の動きが活発化してからはじまった現象だ。
 発作は一時的な行動不能である。時間は短くて数十秒、長くても数分でしかない。幸いにして公的な場所で発生したことはないため、この事実は教職員にしか知られていないはずだ。
 しかもこの発作の頻度が増えつつあり、時間もすこしずつ長くなっているようにコルネは思う。それも、先日リーベラントを訪問し、ローレライとアークライト、両種族の代表と会談を終えてから加速しているような気がしてならない。
 メメルの発作にコルネは何度も遭遇した。そのたびに学園長が、二度と動かなくなるのではないかという不安に駆られてもいた。大丈夫だとメメルは言う。でも無邪気に信じる気にはなれなかった。
「それで、午後は出席されるんですよね?」
「何に?」
 あきれた、と言うかわりにコルネは、腰の左右に拳をあてた。
「ご自身が呼びかけた芋煮会じゃないですか。先月から言ってたでしょう」
 芋煮会というのは、ひらたくいえば屋外で行う鍋パーティだ。サトイモをつかった鍋が一般的なのでこのように呼ばれているが、実際には鍋限定ではなく、バーベキューと同時開催のことも多い。紅葉を楽しみつつの、秋バージョンの花見というおもむきもある。
「本来はもう少し早い時期にすべきが、今年は学園の紅葉が遅れとかなんとかで……」
「そうだったそうだった! つまりおおっぴらに飲めるわけだな、酒が♪」
「学園長はお酒のことしか考えてないんですか!」
「まさか」
 おだやかにメメルは言ったのである。
「オレサマがいつも、一番に考えとるのは生徒たちのことだよ。この身よりもな」
 メメルは笑顔だったが。いつもの自信満々なスマイルではなく、どことなく愁いのある笑みだった。
「学園長」
「なんだね」
「……ちょっと、感動しました」
 コルネの目が、水面に映る月のようにうるんでいる。
「教育者として当たり前のことを言ったにすぎん、いちいちカンドーなんぞしなくてよいぞ♪」
 目をごしごしとぬぐって、
「会場は川沿いに準備してます。ではまたあとで」
 と学園長室を出ていきかけたコルネだったが、
「でもこれは没収ということで」
 ウイスキーのボトルを持っていくことも忘れなかった。
「あー!」
「どうせ芋煮会でたらふく呑むんでしょうがっ!」
 ドアがバタンと閉じる。やれやれ昼まで我慢か、と首をすくめていたメメルだが、
「なーんてな♪」
 引き出しを開け、新しいウイスキー瓶を取り出したのである。
「まさかもう一本あるとは思わんかったようだな☆」
 がっはっはと独り言(ご)ちて封を切ったところで、ドアが内側にカチリと開いた。ウヒャ! タンチョウヅルのような声を漏らしメメルはボトルを隠す。
「こ、これは酒ではなくて薬でな、般若湯と呼ばれてお……うん?」
「あら~?」
 闖入者はコルネではなかった。ひょいと伸ばした首はコルネ同様ルネサンス、しかし黒猫のルネサンスだった。二十歳前の少女に見えた。
 少女はするりと入ってきて、好奇心に満ちた目で室内をキョロキョロと見回す。
 彼女は耳も、長い尾もつやつやした黒い毛並みに覆われていた。肌もチョコレート色である。ビビッドな赤いコートを着ている。
「学園長さんのお部屋って、ここで合(お)うとります?」
 羊から狼へ。メメルの目つきは瞬時にして鋭いものへと変わった。
「どうやって入ってきた?」
「学園長さんで? お邪魔します~」
「質問に答えろ!」
 メメルが声を荒げると同時に、少女の背後でドアが力強く閉じた。けれど少女は驚くそぶりも見せない。なぞなぞの答でも考えるような顔をするばかりだ。
「どうやって、って……ドアからですけど?」
 気分を害した風はなく、ひたすらに戸惑っているような口調だった。
「そのドアにはな、学園関係者以外は開けられないよう魔法をかけてある」
「あっ、それはすんませんでした」
 この口調――メメルは見極められない。演技なのか本当なのか。
「どうもごあいさつにうかがいました。えーと、うち、いや私は」
「知っとるよ。リーベラント第一公女【マルティナ・シーネフォス】だろ。というか会ったこともあるわい。十何年か前だけどな」
「でしたっけ?」
「すくなくともオレサマは覚えとる。まあ、チミはずいぶんおチビちゃんだったから、記憶になくても仕方がないが」
 それで、とメメルはすこし緊張を解いた口調で述べた。
「公然と学園に敵対宣言を出したリーベラントの王族がなんの用かな?」
 どうしても言葉がトゲをおびるのは仕方がないだろう。
「それは」
 と言いかけたもののマルティナは硬直する。
「……こんなときに……ッ!」
 うめき声をあげメメルが胸を押さえて机に突っ伏したからだ。顔色は蒼白、額には脂汗が浮いている。
「学園長はん大丈夫ですか!?」
 回答のかわりにメメルは右手を突き上げた。
「知ったな……! 知った、からには……」
 空中から輝く輪が数個たてつづけに降り、マルティナの身を拘束する。
「無事でここを出て行けると思うな……っ!」
 通常の相手なら、いや、少々腕におぼえがあっても、ここで完全に身動きがとれなくなっただろう。たとえ発作の最中であったとしても、メメ・メメルの魔法を破れる者は滅多にない。
 ところが、
「いやホンマ大丈夫ですのん!? 誰か呼びましょか?」
 輪がチリ紙でできていたかのようにあっさりと拘束をやぶり、マルティナはメメルに駆け寄り背をさすった。
 学園長の発作が収束したのは十数秒後だった。
 あまり上品ではない言葉でしばらく毒づいてから、メメルはいまいましそうに事情を明かした。
「いい土産話ができたろう、チミの兄貴たちに」
「そんなことしまへんて」
 だってうち、とマルティナは満面の笑みを浮かべたのである。
「友達つくりにきましてん。学園生の!」

 炊煙がゆらぎ鍋が煮え、肉の焼ける香りがただよう。
 広大な学園敷地の一角、さらさらと流れる小川のほとりで芋煮会が開催されている。
 受付席、と書かれた簡易デスクの向こう側から、
「学外参加のかたは、こちらにご記名をお願いします」
 薄手の台帳をとりだし、【ラビーリャ・シェムエリヤ】は羽ペンとともに差し出す。
「こんなもの前はなかったと思うがねえ」
 女は露骨に嫌な顔をしたが、ラビーリャはいささかも表情を変えずに言った。
「警備上の措置です」
 面倒だねぇとぼやきながら、女はミミズののたくったような字で【シャ・ノワール】と書き入れた。


エピソード情報 Infomation
タイプ EX 相談期間 5日 出発日 2021-12-01

難易度 普通 報酬 少し 完成予定 2021-12-11

登場人物 5/5 Characters
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《大空の君臨者》ビャッカ・リョウラン
 ドラゴニア Lv22 / 勇者・英雄 Rank 1
とある田舎地方を治め守護するリョウラン家の令嬢。 養子で血の繋がりはないが親子同然に育てられ、 兄弟姉妹との関係も良好でとても仲が良い。 武術に造詣の深い家系で皆何かしらの武術を学んでおり、 自身も幼い頃から剣の修練を続けてきた。 性格は、明るく真面目で頑張り屋。実直で曲がった事が嫌い。 幼児体系で舌足らず、優柔不断で迷うことも多く、 容姿と相まって子供っぽく見られがちだが、 こうと決めたら逃げず折れず貫き通す信念を持っている。 座右の銘は「日々精進」「逃げず折れず諦めず」 食欲は旺盛。食べた分は動き、そして動いた分を食べる。 好き嫌いは特にないが、さすがにゲテモノは苦手。 お酒はそれなりに飲めて、あまり酔っ払わない。 料理の腕前はごく普通に自炊が出来る程度。 趣味は武術関連全般。 鍛錬したり、武術で語り合ったり、観戦したり、腕試ししたり。 剣が一番好みだが他の分野も興味がある。 コンプレックスは身長の低さ。 年の離れた義妹にまで追い抜かれたのはショックだったらしい。 マスコット扱いしないで欲しい。
《マルティナの恋人》タスク・ジム
 ヒューマン Lv36 / 勇者・英雄 Rank 1
村で普通に暮らしていましたが、勇者に憧れていました。 ここで学んで一人前の勇者になって、村に恩返しをするのが夢です。 面白いもので、役所勤めの父の仕事を横で見聞きしたことが、学園の勉強とつながり、日々発見があります。 (技能はそういう方針で取得していきます) また「勇者は全ての命を守るもの、その中には自分の命も含まれる」と仲間に教えられ、モットーとしています。 ※アドリブ大歓迎です! ※家族について デスク・ジム 村役場職員。縁の下の力持ち。【事務机】 (※PL情報 リスクの子) ツィマー・ジム おおらかな肝っ玉母さん。 【事務室・妻】 シオリ・ジム まじめできっちりな妹 【事務処理】 チェン・ジム のんびりマイペースな弟 【事務遅延】 ヒナ・ジム 可愛い末っ子 【事務雛型】 リョウ・ジム 頑固な祖父 【事務量】 マーニー・ジム 優しい祖母。故人 【事務マニュアル】 タックス・ジム 太った叔父。【税務事務】 (※PL情報 リョウの子) リスク・ジム マーニーの元婚約者でリョウの兄。故人【事務リスク】 ルピア・ジム 決まった動作を繰り返すのが大好きなグリフォン。【RPA事務】 ※ご先祖について アスク・ジム 始祖。呼吸するように質問し、膨大なメモを残す。【事務質問】 「あなたのお困りごと、お聞かせいただけませんか?」 セシオ・ジム 中興の祖。学園設立に向けて、土地や制度等に絡む諸手続きに貢献。【事務折衝】 「先祖の約束を今こそ果たす時。例え何徹してもやり遂げる!」
《勇者のライセンサー》フィリン・スタンテッド
 ヒューマン Lv33 / 勇者・英雄 Rank 1
「フィリン・スタンテッド、よ……よろしく」 「こういう時、どうすれば……どうすれば、勇者らしい?」 (※追い詰められた時、焦った時) 「黙って言うこと聞け! 殴られたいの!?」 「ぶっ殺してやる! この(お見せできない下劣下品な罵詈雑言)が!!」   ###    代々勇者を輩出してきた貴族スタンテッド家(辺境伯)の令嬢。  一族の歴史と誇りを胸に、自らもまた英雄を目指してフトゥールム・スクエアへと入学する。  愛と平和のために戦う事を支えとする正義感に溢れた性格で、『勇者らしく人々のために行動する』ことを大事にする。  一方で追い詰められると衝動的に罵声や暴力に訴えてしまう未熟な面もあり、自己嫌悪に捕らわれる事も多い。 『彷徨う黄昏に宵夢を』事件で対峙したルガルとの対話から思うところあったのか、頑なな勇者への拘りは少し角がとれたようだ。 ※2022年8月追記 全校集会『魔王の復活』後、昨年クリスマスに結ばれたルガルとの子供を身籠っていた事が判明 (参考シナリオ) 恋はみずいろ L’amour est bleu https://frontierf.com/5th/episode/episode_top.cgi?act=details&epi_seq=649 ◆口調補足 三人称:〇〇さん(敬語では〇〇様) 口調:~かな、~ね? その他:キレた時は『私、アンタ、(名前で呼び捨て)、(言い捨て)』 ◆Twitter Sirius_B_souku

解説 Explan

 舞台は学園敷地内の河原。晩秋の午後、学園長の呼びかけで芋煮会が開催されています。具だくさんの鍋、バーベキューなどを楽しむ屋外パーティと思ってください。
 会場にはコルネ、ラビーリャはもちろん、数人の学園職員・先輩NPCが来ています。(アクションプランで指定すれば学園NPCは洩れなく登場するでしょう)
 鍋をつつき交流したり、ローレライ国家リーベラントからの客人をもてなしたりして楽しみましょう!
 ここまでをリザルトノベルの約半分とする予定です。

 後半には【シャ・ノワール】なる女性が会場に姿を見せます。
 この名は偽名で、彼女の正体は魔王軍幹部【ドクトラ・シュバルツ】です。(シュバルツについては拙作『【メイルストラムの終焉】Red』をご参照いただけると幸いです)
 今回シュバルツは戦闘目的ではなく、『平和的な』話し合いに来たのだと主張することでしょう!
 物語はここから舌戦のような流れとなります。シュバルツをしりぞけ、同盟国リーベラントとの決裂を回避できるでしょうか!? シュバルツを撤退させることができれば成功とします。

★登場NPC
【メメ・メメル】
 マルティナの真意をいまだ測りかねています。舌戦には極力口を出さず、生徒の自主性に任せる考えです。
 シュバルツが『客人である限りは』交戦しないと宣言します。

【マルティナ・シーネフォス】
 リーベラント国王の娘でルネサンスです。(血のつながりはなく養女です)
 学園との戦いは望んでいないように見えますが……本心はわかりません。
 彼女については拙作『【泡麗】バザールで御座る』をご覧ください。

【ドクトラ・シュバルツ】
 魔王軍幹部。こともあろうに学園に魔王軍参加を呼びかけます。彼女の考えかたは適者生存で、学園も生き残るべき『強者』の集団とみなしているようです。自分と組めば渾沌のあとの秩序を築くことができると主張するのです。
 学園が拒否すればリーベラントを誘うかもしれません。


作者コメント Comment
 桂木京介です。

 拙作の【泡麗】も四作目、交流エピソードと思わせて、後半は敵地に単身乗り込んできた魔王軍幹部との精神戦がくりひろげられる予定です!

 シュバルツは弁が立ちます。魔王は世界を滅ぼす存在ではなく、学園生のような才能のある者たちにとっての絶対善で、恒久的な平和をもたらすものであると説くことでしょう。
 また、シュバルツにリーベラントが取り込まれないようにも気をつけたいものです。(※ただし、リーベラントが魔王側に寝返っても、内容によっては成功判定にする場合があります)

 これまで私が【泡麗】シリーズで描いてきたリーベラントNPCのうち、【パオロ・パスクヮーレ】【マグダ・マヌエーラ】【リリィ・リッカルダ】【バルバラ・ブッフ】の四人は指定があれば登場します(マルティナの護衛という立場になると予想されます)。

 それではつぎはリザルトノベルで会いましょう。
 桂木京介でした!



個人成績表 Report
エリカ・エルオンタリエ 個人成績:

獲得経験:93 = 78全体 + 15個別
獲得報酬:3840 = 3200全体 + 640個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
芋煮会前に校長室訪問

課題『【天遣】諦観天使は世界平和を願う』を踏まえ
メメたんも自分の心や命を封印に使ったのではないか
幼さやハチャメチャな言動、そして不調はその反動かも

魔王事変について曖昧な所を補強したい
例えば魔族が迫害されていて、彼らを守るために
魔王が自らの心を殺し、恐怖を喰らう存在になったのではないか

メメたんも「知ると恐怖させてしまう」から黙ってたとして
「知ってなお恐れず対処するしかない」それが勇者
または恐れても動揺はせず、できる事を精一杯やるべき
生徒たちを信じて任せて欲しい

心から恐怖を無くす事は不可能
光ある所には闇もあるのが当然
悩んだりぶつかったりしながらも破滅は回避できるよう
皆で頑張ろう

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:93 = 78全体 + 15個別
獲得報酬:3840 = 3200全体 + 640個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
芋煮会なぁ・・・
たしか地域によっては芋の種類とか味付けとかで戦争になるという・・・
戦争回避のためにに数種類作ればいいたらそうじゃないって言われたことあったなぁ
あと、メメたん、お酒ブランデーとかよりも焼酎とか清酒とかの方が合わない?
・・・いや、飲んだことないからイメージだけだけど

ここ最近体調の事や心労の事もあってメメたん安定してないから基本的にはメメたんのお世話係(フォローとか含む)するとしていい機会だし色んな人と交友を取ってみようか

後はシーネフォスくんとかシュバルツくんとか話を聞いてみたい
こう、個人的な主義主張とか、気になるアレコレの事とか

アドリブA、絡み大歓迎

ビャッカ・リョウラン 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:234 = 78全体 + 156個別
獲得報酬:9600 = 3200全体 + 6400個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
■行動(舌戦)
シュバルツの話に答えるよ。
論戦は他の人に任せて、私は素直に想いで返すよ。

適者生存?生き残るべき強者?混沌の後に秩序?
それって、ごく普通の人達はどうなるって言うの?
戦う力のない者はどうなっても構わないっていうの?

ふざけるな!
何かを犠牲にする前提の絶対善なんて認めるもんか!

私の、私達の力は、誰かを、皆を守るための力だ!
私はこの力で助けたい守りたい!
決して簡単なことじゃないけれど…
それを成そうとする人達が居たから、私は生きてこられた。
そんな人達に憧れたから、私はこの道を選んだ。

綺麗事と笑いたければ笑え!綺麗事なのは分かってる!
だけどね、綺麗事も言えない世界なんてクソ食らえだよ!!

タスク・ジム 個人成績:

獲得経験:93 = 78全体 + 15個別
獲得報酬:3840 = 3200全体 + 640個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
前半
設計(設営)と料理で準備に後見
リーベラント勢とバザールで御座った話などで盛り上がりつつもてなす
リリィさんと本の話で意気投合

校長の発作を察知したらフォロー
傍目には飲み過ぎを装う


後半
当然のこととして「学園は絶対に懐柔されない」と改めて突き付けた上で
「リーベラントも懐柔されない」という状況を作り上げる論陣を張り
シュバルツに「これ以上説得を続けてもメリットがない」と感じさせることにより撤退を狙う
仲間と連携する

「あなた方の目論見は僕達を分断し孤独にさせ恐怖をあおること
そうであるなら、僕たちは逆を行くまでです。
すなわち、団結し、手を取り合って恐怖を乗り越える。
あなた方の目論見通りには決してならない!」

フィリン・スタンテッド 個人成績:

獲得経験:117 = 78全体 + 39個別
獲得報酬:4800 = 3200全体 + 1600個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
●方針
リーベラント側との交流メイン
バザーでの事を織り込みつつ、学院と組むメリット、魔王軍と組む危険を説く

●事前準備
必要に応じ、芋煮会のお手伝い。
手ずから食べさせられた方が交流にもいいかなと

●行動
リーベラント組にはパオロたちの事を中心に、バザーでのお礼を。
(関与をとぼけるなら『同じローレライですし』とそれとなく)
向こうからも差し入れあれば受け取り。

後半の舌戦はリーベラントの誘惑を断ち切る方向で
『強者だから組むというのは、弱くなったら見捨てるという事では?』
『常に強者で居続けることはできない』
『手を組むのは今の強弱でない信頼が大事』
という論で…バザーで魔法学園は実戦したとマルティナに再同盟を誘う

リザルト Result

「入っていいぞ」
 失礼しますと告げ【エリカ・エルオンタリエ】はドアノブに手をかけた。とたんエリカの手首に、緑色のツタが伸びてきて絡みつく。植物は鍵穴から生えていた。
「学園長」
 たしなめるように声をかけると、
「スマンスマン」
 ドア向こうから【メメ・メメル】の声がして、ツタはするすると鍵穴に戻っていった。メメルがこういったイタズラをするのは毎度のことなので、エリカは特に気にもとめず学園長室に足を踏み入れる。
「オレサマの魔法はちゃんと作動するよなぁ……」
 なにやらブツブツ言ってから、メメルはエリカに席を勧めた。
「で、折り入って訊きたいこととは?」
 そろそろ芋煮会なんだが、とそわそわしているメメルに、手短にしますからと断ってエリカは言う。
「先日報告したように、魔法国家ミストルテインにてわたしたちは、アークライト代表も列席する会談を行いました」
「おう。いい結果になったと思っとるぞ☆」
「その後考えたことです。私見ですが……お答え願っていいですか」
「単刀直入に訊くがいい」
「学園長、あなたも、魔王封印にご自身の心や命を使われたのでは?」
「失敬な」
 と返したので怒ったのかと思いきや、エリカの目に映るメメルはニヤニヤしている。
「つまりチミは、オレサマがオトナになりきれてないと言いたいわけか♪ まーオレサマってばいつもハチャメチャだし酒ばかり飲んどるし、それにベイビーフェイスだし~。あ、これ童顔って意味だぞ♪」
 メメルは楽しげだが、軽口にまぎれさせようという意図をエリカは感じ取っている。表情を硬くしてつづけた。
「このところ学園長が不調なのは、魔王が復活しつつある因縁ではないかと思ったからです」
 メメルは眉間にしわを寄せた。
「……バレとったか」
「申し訳ないです」
 いい、と告げてメメルは手を振る。
「強大なエネルギーを封じるには犠牲が必要、ということだ」
 もう笑っていない。まなざしが暗い。
「学園長が不老なのもその影響で?」
「どうせならもうちょっとアダルトな容貌になってから止まりたかったよ。これマジな」
「仮に……仮にですが魔王が復活したとき、魔王と対峙するわたしたちも」
「不老の呪いくらいですめば幸運だ。もっと悲惨なことになるやもしれん」
 だから怖い、とメメルはぽそりと告げた。
「オレサマは『勇者の学校』を作って、教え子たちに苦しみを負わせようとしているのかもしれん。それを考えるとたまらなく怖いよ。この事実をチミらに知らせることもな」
 大丈夫です、とエリカは席を立った。
「信じてください、あなたの生徒を。『知ってなお立ち向かう』、それが勇者だとわたしたちは覚悟しています。たとえ恐怖に襲われようと、できることを精一杯やりぬくでしょう」
 メメルが何か言う前に、エリカはドアへと向かった。
「ではまた、芋煮会の会場で!」

 ◆ ◆ ◆

 浅い水の流れは静かで、河原は天然の玉砂利に埋められている。芋煮会の会場はすでに、おおかたの準備がととのっていた。
 肌寒いが凍えるというほどではない。溶き卵のような雲ただよう好天のもと、【タスク・ジム】は額に汗して働いている。
「あちっ」
 油が跳ねたがものともせずに、焼けたカボチャやニンジン、シイタケなど火の通りにくいものを裏返し、肉汁したたるカルビ、ぷりぷりのロースに皮目のきれいな手羽先など、たくさんの肉を網の上に乗せていく。まもなく香ばしい匂いがたちはじめた。
「貴人さん、お鍋のほうはどうですか?」
「いい感じだよ」
 期待してくれ、と三角巾にエプロン姿の【仁和・貴人】は大鍋を背にしてふふふと笑う。
 貴人が担当するのは鍋だ。三つもある。いずれも学食の厨房から運んできたもので、風呂釜かと思うほどの特大サイズだ。
「一口にイモと言っても」
 鍋に目を向けてタスクが言った。
「里芋にサツマイモ、それにジャガイモもあるんですね。鍋のベースも味噌味に醤油味、あとこれカレー鍋ですか? バラエティゆたかです」
「『芋煮』の言葉が指すテイストには幅があるそうだ。だから芋もさまざま、鍋だって三種類用意したってわけだ。皆こだわりがあるそうだから」
「こだわりですか?」
「らしいぞ。数種類作ればいい……ってわけじゃないと言われたこともあったが、まあ、そこはな。無駄に紛争の火種を作りたくないし」
「紛争の火種とは物騒だな」
 貴人同様の扮装をした【ヒノエ・ゲム】が口を挟む。今日もヒノエは手伝いにきたのだった。
「地域によっては芋の種類とか味付けとかで戦争になるというぞ」
「まさか大げさな」
「大げさであってほしいが……」
 とまで言いかけて、貴人は言葉をのみこんだ。
(マジで戦争勃発、なんてことないだろうな?)
 もちろん芋煮鍋の話ではない。
 貴人の目はパールレッドの軍服――リーベラント国の正規装備をとらえたのだ。
 何をしに来た? と露骨に言葉に出す者こそなけれど、リラックスしていた会場の空気が硬化したのは誰の目にもあきらかだった。
 同盟者とはいえ、リーベラントは公式にフトゥールム・スクエアを力不足であると非難し、対魔王の舵取りを自国がとることを主張したのである。以来かの国は一度となく学園の行動を妨害している。学園生の引き抜きを図ったことも記憶に新しい。
 腰の剣に手をかける血の気の多い学園生、小声で魔法の詠唱をはじめる学園生もいた。一触即発、火がつけば止められないだろう。そんな彼らを制するかのように、【フィリン・スタンテッド】はいちはやく進み出た。
「ご来校歓迎いたします。【マルティナ・シーネフォス】殿下」
 直立して右拳を左胸に押し当てる。リーベラント流の略礼だ。略式とはいえ公式の敬意の示しかたである。これはリーベラント人【パオロ・パスクヮーレ】の見よう見まねだった。マルティナの背後にひかえるパオロその人が、フィリンにだけわかる程度に頬をゆるめたあたりからして、まちがってはいないようだ。
「バザーでは王国の方にお世話になりました。今日は野外の宴です。ささやかな飲食の場でしかありませんが、どうぞお召し上がりください」
 フィリンの声色に緊張がこもるのは仕方のないところだっただろう。しかしマルティナはにこやかに、おなじく略礼をフィリンに返して言ったのである。
「おおきに~」
 訛りのある口調ではあるが、やわらかい毛布でくるんだような効果があった。学園生たちの露骨な敵意が薄れたのはフィリンにもわかった。
「バザーでお世話になったんはむしろうちらや。そないにかしこまらんといてな。今日は、フトゥールム・スクエアが楽しそうなイベントやるて聞いてお呼ばれにきたんや~」
 フィリンは瞬時にマルティナ、およびその随員の装備に目を走らせた。鎧で武装している者はない。受付で預けたのか剣すら外している。
 マルティナに騙す意図はない――すくなくともそう信じたい。
 リーベラントはローレライ国家と称されることが多い。実際、九割ちかい国民が泡麗(ローレライ)族だと言われている。しかし広い国土には異種族もいる。たとえばマルティナがそうだ。彼女は現王の養女で、褐色の肌をもつ黒猫のルネサンス族である。『王女』と呼ばれることが多いしそれもまちがいではないが、正式には王族に準じた『公女』だ。
 彼女はリーベラントのなかの異邦人(ストレンジャー)――だから信じられる、というのは楽観的すぎるだろうかとフィリンは思う。
 でも。
 信頼を勝ち得るためには、自分たちも相手を信用する必要がある。これがフィリンの考えだ。相好を崩して、
「ようこそ」
 と迎え入れる。
「よろしうに。ごちそうになります~」
 一礼してマルティナは会場に入ったのである。
 これが芋煮会の開始の合図となった。
 小さな鍔鳴りと、詠唱の中断がほうぼうから聞こえた。マルティナもこれを耳にしているだろうに、平然としているのはさすがだとフィリンは思う。
「フィリン」
 パオロがフィリンのもとに駆け寄ってきた。
「また会えて嬉しい」
 見目麗しい青年は、真心のこもった目でフィリンを見ている。
「そうなの? ありがとう」
 十歳は年長の男であろうに、フィリンはパオロを見るたび、尻尾を振る子犬に似ていると思う。
「今日は表敬訪問でなんの企みもない。マルティナ公女殿下はフトゥールム・スクエアとの関係修復を希望されている。僕も同じだ。それに僕は君を……」
「よして。今は」
 フィリンは人差し指を唇にあて、パオロにグラスを渡した。
「姫様の護衛として来てるんでしょ?」
「あ……うん」
(子犬さん、あなたのこと嫌いじゃないわ)
 うっすらとフィリンは笑みを浮かべ、パオロのグラスに赤いワインをそそぐ。
(でもごめんね。私がほしいのは子犬じゃなくて……狼だから)

 マルティナの来訪を認識するやいなや、無意識のうちに【ビャッカ・リョウラン】は左の踵(かかと)を浮かせていた。
 妖刀に手を伸ばすまでにはいたらなかったが、いざとなればリーベラント勢と一戦交える覚悟だった。
 しかし杞憂に終わったようだ。マルティナが会場に溶け込むとともにビャッカは静かに息を吐く。
(それとも私は――)
 ちらりと周囲をうかがった。
 大半の生徒は落ち着きを取りもどした風とはいえ、いまなお熾火のように、リーベラントへの敵意を内にかかえこんでいるような学園生も散見された。
(リーベラントの王女様と、みんなの間に割って入るつもりだったのかな)
 そちらのほうが可能性が高そうだ。
 リーベラントからすれば茨の園のようなこの場所に、わずかな随員だけをつれてマルティナはやってきたのだ。そんな相手に攻撃を加えるのはまちがっていると思う。
(とにかく、戦いにならなくてよかった)
 安堵するとともにビャッカは、リーベラント一行のあとにそっと会場入りした姿に気がついた。
 教師の【ユリ・ネオネ】だ。紫と黒の装束。鎖帷子に覆面。こういった場をユリが訪れることは珍しい。口元が真一文字に結ばれているところからして、やはり彼女もリーベラントを警戒して来たのだろうか。
 折悪しくユリは出張がつづき、ここ数回の授業は連続して休講だった。だからこうして公の場でビャッカがユリを目にするのは久々となる。
 木の椀ふたつに味噌鍋をよそってもらい、ビャッカは手にしてユリのもとにおもむいた。
「先生、おひとついかがですか?」
 彼女に尋ねたいことがあった。

 鍋係は忙しい。求められるまま椀によそって、希望者には白米のおにぎりなど渡しつつ、貴人は鍋をかきまわしながら周囲に呼びかける。
「そろそろカレー鍋もいけるぞ」
「おい」
 貴人のわき腹をヒノエがつついた。つつくというより打撃で、限りなくエルボーバットに近い。
「痛っ! なんだよ!?」
 ほれ、とヒノエは赤い髪を揺らしてあごをしゃくった。
 酒瓶を片手にしたメメルの姿が見えていた。ちょうど来たばかりらしい。
「話、してこいよ。最近、学園長ちょっと安定してないみたいだからな。お前がなんか元気づけてやれ。鍋は見ておいてやる」
「すまん。頼む」
 ヒノエが両手を伸ばしたので、三角巾とエプロンをたたんで貴人は渡した。
「まだ」
「うん?」
「……まだ、私はあきらめたわけじゃないからな」
「え?」
 どういう意味だと言う前に、行け! とヒノエに貴人は背を押された。
 鍋の中身を入れた椀をもち、小走りで貴人はメメルの前に出た。
「どうぞメメたん」
「おう貴人たんか」
「お酒、ブランデーとかよりも焼酎とか清酒とかのほうが合わない? ……いや、飲んだことないからイメージだけど」
 メメルは手元を見た。たしかにウイスキーのボトルであった。
「そうだな。ところ変われば酒変わる、鍋には焼酎がベストだな☆」
 ぱっとメメルは受付に走り、一升瓶と湯飲みをつかんで戻ってきた。
「世に駆けつけ三杯という言葉がある♪ まずは貴人たん、ぐっといけ」
「いやいやいやオレ未成年ですから」
 などと言いながら貴人は瓶をとり、メメルの湯呑みに酌するのである。
(というかメメたん、湯呑み、ひとつしか用意してないんだけど)
 最初から貴人が断ると見越していたのか。
 それとも、間接キスでもぜんぜんオーケーという意味だったのか。
 旺盛に呑み、かつ食べているメメルに聞いても教えてくれそうもない。

 わずか数名のマルティナの随員には、【リリィ・リッカルダ】の姿もあった。積極的に学園生と話すマルティナとはちがい、リリィは黙って会場の隅にいる。もともとリーベラント勢でも目立つほうではないが、こうしているとほとんど壁の花だ。
 タスクが近づいて、
「バザー以来ですね。焼肉、いかがですか」
 と話しかけると、リリィはもともと小さな体をさらに縮ませるようにして言った。
「……はい」
「あのあと本は売れました?」
「あまり……」
「本、お好きなんですよね」
 バザーのときタスクは目にしていた。リリィは本を丁寧に取り扱い、できるだけジャンルごとに集めようとしていた。オークションに出す本も、選びに選んでいたのが印象的だった。きっと書物に愛情があるのだろう。けれどそのことを指摘しようとしても、
「ほ……本くらいしか趣味がありませんから……私」
 むしろ恥ずかしいことであるかのようにリリィはうつむくのである。
 読書家同士の話に花を咲かせようと思っていたのだが、リリィは会話を望んでいないようだった。

 そろそろ、とユリは言った。
「訊かれると思ってたわ。【怪獣王女】のことを」
 ビャッカはユリから目をそらさない。しかしユリは受け止めきれないとでも言うかのように、顔を川のせせらぎに向けていた。
 怪獣王女を名乗る【ドーラ・ゴーリキ】とビャッカが火の霊玉をめぐって争ったのは少し前のことだ。ドーラは霊玉とともに姿をくらまし、以来魔王軍の動きは活発化した。
 ビャッカが知りたいのは、ドーラが言い残した一言についてだ。
「ドーラは言っていました。ユリ先生が『パパ上の仇』だって」
「ええ」
 ユリの顔は川に向けられたままだ。
「魔族ゴーリキを討ったのは私。それが私の仕事だったのよ。当時ゴーリキは魔王復活をもくろむ人物のひとりだったから」
「……何があったのか、教えてもらっていいですか」
「知ってどうするの? 起こってしまったことは取り返しがつかないし、たとえまた同じ状況におかれたとしても、私は同じことをすると思うわ」
「事実をどうこう言うつもりはないです」
 毅然とした口調で、ビャッカはユリの顔を自分に向けさせた。
「けれど、知らなきゃ私はドーラと向き合えないから」
 少しの間をおいて、ユリは話しはじめた。
「ゴーリキは魔王の信奉者だったわ。彼は……愛娘の心臓を魔王復活のために捧げようとしていた」
「ドーラの、ですか?」
 ユリはうなずく。
「あの子は知らなかったでしょうね。私も後から知ったわ。『コズミックエッグ』というのは霊玉そのものじゃないの、本当は、霊玉の代理にもなりえる高い魔力をもつ生贄(いけにえ)の別称よ。……怪獣王女の心臓にはその素質があった」
 ビャッカは息を呑む。探していたものが自身の胸のなかにあったなどと、ドーラは夢にも思わなかっただろう。
「でも素質があっただけじゃ足りない。供物に捧げようという本人が、心から愛する者の心臓でなければならなかった」
「じゃあドーラのお父さんは、魔王復活のため娘を犠牲にしようとしたんですか!?」
「ゴーリキ自身が涙を流して私に頼んだの。自分を止めてくれ、と」
 私は後悔していないとユリは言い、河原の大きな石に腰を下ろした。
「自身の凶行をくい止めるよう頼んだゴーリキと、非情な決断をしようとしていたゴーリキ、どちらも同じ人物なのはたしかよ。あの子に、恨まれても仕方がないと私は思ってる。でもあの子が、怪獣王女と名乗って現れるとは思っていなかった」
「ユリ先生……」
「しばらく独りにしてくれる?」
 静かに、しかし凜然と告げてユリは膝をかかえた。

 メメルと貴人のもとにマルティナがやってくる。
「外で食べるとみんなおいしいね~。おイモさんもホクホクやわ」
 マルティナの両脇に、ストーンゴーレムみたいにがっしりした護衛がふたりついているが、彼らは一切口をきかない。なので本当にゴーレムだとでもみなすことにして貴人は応じた。
「えと、シーネフォスくんでいいかな? 呼び方」
「ええよ」
「シーネフォスくん、お兄さんのシーネフォス氏がどう思ってるかは知らないけど……」
「うーん、ややこしいから、うちのことは『マル』でお願いするわぁ」
「で、ではメメたんにならって『マルたん』で」
 ピクッとゴーレムたちが動いた気がするが貴人は意図的に無視した。
「ええなぁ~。マルたんな。で、『貴人たん』がなんの質問なん?」
「一応真意は聞いておきたい。オレたちとリーベラントは」
「仲良うするべきやと思ってる。代王の考えが国の総意ちゃうんやで。せやから今日も交流しにきてん。そうや、今度、返礼にうちらのクリスマスパーティに来てくれへん?」
 屈託がない。すべて演技という疑いはあるが、と考えつつも貴人は期待する。マルティナが両陣営の架け橋になってくれるのではないかと。
 一方でメメルは、マルティナとは話したくないのか背を向けていた。
「校長先生」
 タスクが来て声をかける。
「ご多忙のところ恐れ入ります。本当は会場前にうかがいたかったのですが」
 と断って、タスクはメメルに平綴じした紙束をさしだした。
「レポートを提出に参りました。バザールで御座ったこと、種族を超えた交流で学んだことなどを踏まえた僕の考えです。読んでいただけませんか」
「よいとも♪」
 ぐいと焼酎をあおると、メメルはその場にあぐらをかいた。河原に直接座ったのではない。どこからかするすると、空飛ぶ絨毯のようなものが浮游してきてメメルの体を乗せたのだった。
 メメルはさっそく表紙をめくっている。
「読むのは後でもいいですよ」
「タスクたんがイイ顔してたからな。そうはいかんて☆」
「お酒が抜けてからでも……」
「安心せよ。オレサマは起きてる時間の八割は酔っ払いだ♪」
 金の刺繍が入った赤いカーペットがすうっと音もなく浮きあがる、もうメメルは手の届かない高さに行ってしまった。
 そこにエリカが加わる。
「遅くなって」
 と言いかけたところでエリカは長い金髪をかきあげ、いまやハンカチほどのサイズまで上昇した絨毯を見上げた。
「あれ校長?」
「はい。翔(と)んでる人ですから」
「うまいこと言うじゃない」
 けれどエリカの笑みは、満開に咲くよりさきに凍りついた。
「ちょっと待って、あの人……!」
 マルティナなどリーベラント勢に驚いたのではない。エリカも彼らの来訪は聞いていた。
 いつからそこにいたのだろう。白衣を着た三十前後の女性が見えた。
 ただの女性ではない。火であぶって曲げたガラス管のように極端なまでの猫背だった。肌の色は蒼白、髪は真っ黒で長い。目の下には濃い隈ができており、大きな口は三日月型だ。
 エリカには見覚えがあった。
「ドクトラ……【ドクトラ・シュバルツ】!」
 返事をするかわりに、シュバルツはニタリと笑った。 

 今度は学園生たちも容赦しない。一斉に剣を抜き杖を構えた。ユリはもちろん【コルネ・ワルフルド】もいる。リーベラント随員たちも同様である。このときばかりは学園、リーベラントの別なく一丸となってドクトラを包囲する。
「……おやおや……ご挨拶だねえ」
 シュバルツ登場の影響だろうか、太陽はゆっくりと雲に覆われた。
 学園長――! ビャッカは空を見上げる。しかし空飛ぶ絨毯は降りてくる気配がない。メメルはあえて動かず、生徒たちにこの場を任せようという考えなのか。
 それとも、とエリカは思った。
(また発作が……!?)
 可能性はある。メメルの姿が見えないゆえ真相はわからないが。
 貴人が鎌を構えるのを見て、シュバルツは大きな手をひらいて突きだした。
「まあ短気はよしなよ……今日は一般人【シャ・ノワール】として話し合いに来たんだ。もうちょっと歓迎してくれたっていいじゃないか」
 黙れクソ女! と叫び出したい衝動を歯噛みしてフィリンは抑える。【ルガル・ラッセル】はどこだ! とも食ってかかりたかったが必死で耐えた。戦をしかけてこない相手に先制攻撃するつもりはない。それは、勇者の戦い方ではない。
 なのでフィリンは、怒りで震えそうになる手で網から肉を集めて皿に盛ったのである。乱雑ながら山盛りにし、進み出てシュバルツに渡す。
「ようこそ芋煮会へ。歓迎はしませんが、お話なら付き合います」
「そうこなくっちゃ」
 ヒヒヒと笑ってシュバルツは、片手で皿を取ると肉と言わず野菜といわず、手づかみで口にほうり込んで平らげると舌なめずりした。口の端から垂れる肉汁をぬぐって、
「うまかった。さすがイイ物喰ってるねぇ……ところで今日は、あんたたちを誘いに来たんだよ……学園の皆、魔王軍に参加しないかい?」
 その発言のどこが一般人だよ? と貴人が一歩前に出て言う。
「ていうか、せっかくお話ししにきてくれたとこ恐縮だが、それはあまりに矛盾した発言と思うぞ。魔王軍と学園は正反対の存在じゃないか。そもそもここは、魔王復活に対抗するための『ゆうしゃのがっこ~!』だろ?」
「モノは考えようさ。あたしらはコインの両面、強さを目指すという意味では同じだろう? 強さは正義、手をたずさえて、強者による秩序を作り上げようじゃないか」
「待って。それはわたしの知っている魔王軍の考えとはちがうわ」
 声の主はエリカだった。
「闇に追いやられていた魔族が世界の支配権を取り戻す――それが魔王軍の目的じゃないの?」
「そういう考えの幹部もいるね。……【ガスペロ】とか。あの【ナソーグ・ベルジ】もそのたぐいだと思うよ。でもあたしは賛成しない。魔族とそれ以外が殺し合いをつづけるなんて、どちらかが滅ぶまで終わらない全面戦争にしかならないだろう?」
 エリカは口ごもった。内心、似た疑念を抱いたことがあるからだ。
「闇か光か、じゃない。闇も光も必要なんだ。あたしの願いは渾沌のあとの新秩序を構築することさ……! 適者生存、真に力あるものがそれ以外を支配する。それだけさね。シンプルな絶対善だろう? 果てなき殺し合いを終えるにはこれしかないんだ。あんたらならそれがわかるはずだよ。だってあんたらは……」
 ぐるりと首をめぐらせてシュバルツは言った。
「まちがいなく強者なんだからねえ!」
 やはり、とエリカは思った。魔王軍を名乗る人々はかならずしも一枚岩ではない。
 魔王に心酔するあまり狂信者となる者がいる。魔の軍勢で光の世界を覆いつくそうとする者がいる。
 しかしシュバルツのように、魔王を手段として利用し理想を達成しようという者もいるのだ。たとえ、その理想がどれほど歪んでいようとも。
「だから組もうよ。なんならあたしが学園に入ってもいい。その制服いいデザインだしね。あたしなら、たとえ魔王軍でも旧態依然の考え方した連中なら一緒に倒してやるよ……」
 と、なおも口上を述べようとするシュバルツを、
「ふざけるな!」
 鋭い一喝が黙らせた。
 ビャッカだった。
 ビャッカがふるうのは剣ではない。しかしみずからの信念に根ざした魂の剣である。
「適者生存? 生き残るべき強者? 混沌の後に秩序? それって、ごく普通の人たちはどうなるって言うの? 戦う力のない者はどうなっても構わないっていうの? 私は認めない! 何かを犠牲にする前提の絶対善なんて認めるもんか!」
 つかつかと歩み出て、ビャッカはシュバルツの眼前に立った。
「私の、私たちの力は、誰かを、皆を守るための力だ!」
 シュバルツはオーバー気味にため息をついてみせた。
「……おやおやお嬢ちゃん、それはまた優等生らしい発言だねぇ」
 揶揄されてもビャッカはひるまない。
「私はこの力で助けたい。守りたい。決して簡単なことじゃないけれど……それを成そうとする人たちがいたから、私は生きてこられた。そんな人たちに憧れたから、私はこの道を選んだ」
 ビャッカの熱を受け流すように、シュバルツは肩をすくめて冷笑する。
「出たよ、いつもの綺麗事だ。リアリズムってのはそういうものじゃないよ」
 けれどもビャッカの答は、
「笑いたければ笑え!」
 だった。
「綺麗事なのはわかってる! だけどね、綺麗事も言えない世界なんてクソ食らえだよ!!」
 ちっ、とシュバルツは舌打ちした。どうも不利な立場になってきたと思ったらしい。
「私からも質問があります。ドクトラに」
 フィリンが手をあげ、発言する。
「強者だから組むというのは、弱くなったら見捨てるということですか? 盛者必衰、常に強者でいつづけることはできませんよね? 老いたり病にかかったり、大きな負傷をして弱者になったら、ドクトラ、あなたも喜んで淘汰されるということですか?」 
 ドクトラ・シュバルツの顔から薄笑みが消えた。
 返事を待たずフィリンは言った。
「世界の真理が適者生存なら、私はここにいませんよ」
 一瞬、目を閉じる。
 脳裏に浮かぶのは決して忘れ得ぬ記憶、『勇者』の背中だ。
「かつて私にも驕りがありました……窮地にあった私を助けたのは、あなたがたが切り捨てた命です」
 逃亡奴隷の身であった自分を、身を挺してかばった本物の勇者。
 勇者は凶刃に斃(たお)れ、奴隷だった少女は難を逃れた。
 表向きのストーリーはこの反対になっている。勇者をかばって少女は死んだと伝えられた。しかし少女は真実を知っている。
 命が助かった少女は、死んだ勇者の名と過去を自分のものとした。ずっと盗んだと思っていた。
 しかし本当は盗んだのではない。今ならわかる。
 奴隷だった少女【ライア】は、勇者『フィリン・スタンテッド』の名だけではなく、その高潔な精神を彼女から引き継いだのだ。
「誰だって弱者になるかもしれない。そのときにどうするかです」
「……」
 フィリンに対し、シュバルツは返す言葉がないらしい。
「今日のところはお引き取り下さい」
 と告げるエリカの口調は悠然としながらも、眼差しには有無を言わせぬものがあった。
「わたしはあなたを全否定しない。あなたが、怖がっていることがわかったから。弱者になるのが恐いのでしょう? 心から恐怖をなくすことは不可能です。それに、光あるところには闇もあるのが当然、という発言にも同意します。果てなき殺し合いを望まないところも。だからできれば、共存の道を探しましょう」
 あんたらは――と視線を向けたシュバルツに、マルティナは優しく首をふった。
「あかんて。リーベラントが魔王軍と組むなんてありえんわぁ。というか、うち学園のみんなの発言に胸打たれたし。ちびっと涙でたくらい。自分の立場さえなかったら、むしろうちが学園入りしたいくらいや。……なあ、校長はん」
 両手を口の左右にあて、拡声器のようにしてマルティナは赤いカーペットに呼びかける。
「校長はんの教育は、なんもまちがってないで~! 自信もちや~!」
 なあ、とマルティナは貴人に言う。
「貴人たん校長はんのカレシなんやろ? うちらそろそろ帰るよって、ちょっと挨拶したいから降りてくるよう頼まれへん?」
「ち、ちがっ……!」
 意表を突かれ怪鳥のごとく甲高い声が出てしまった貴人のかわりに、
「ちがうぞ!」
 なぜかヒノエが、力強く割りこんできてマルティナに宣言した。
「ちがうからな! あと、うちの学園長はときどきああいう状態になる。挨拶なら伝えておくから安心して国に帰ってくれ」
(おっと、あのヒノエくんが、『うちの学園長』って言ってるぞ)
 カレシうんぬんは置いておくとして、貴人はちょっとだけ愉快な気持ちになった。たしかヒノエは学園生になることを、嫌がっていたのではなかったか。
「さよか? ほな」
 あんたも途中まで一緒に帰る? とごく当然のようにマルティナはシュバルツに呼びかけたが、
「……ありえないね!」
 一言で断じ、シュバルツは白衣をひるがえしたのである。
「お土産です。帰路で食べてください」
 タスクがシュバルツの手に包みを持たせる。
 鍋で煮た芋、焼いた肉などをくるんだものだ。手提げに入れている。
 しっかり手渡して告げた。
「あなたがたの目論見は、僕たちを分断し孤独にさせ恐怖をあおること……そうであるなら、僕たちは逆を行くまでです。すなわち、団結し、手を取り合って恐怖を乗り越える。忘れないでください。僕たちは、それにきっとリーベラントも、あなたがたの望み通りにはなりません」
 タスクは一瞬思った。シュバルツが怒気を発し、包みを投げ捨てるのではないかと。
 しかし、
「ありがたくいただくよ」
 ふっとため息してシュバルツは頭を下げたのである。
「……今日のところは完敗だ。次は腕ずくでいくさね」
 去りかけたシュバルツの背に、待って、とビャッカが呼びかけた。
「ひとつ大事なこと聞き忘れたよ」
「……土産の礼だよ、ひとつだけなら質問に答える」
「ドーラは? 彼女は一緒じゃないの?」
「あたしらも探しているところさ。嘘は言わない」
 煙になったり飛翔したりはしない。ドクトラはそのまま、徒歩で立ち去ったのだった。

 ◆ ◆ ◆

 リーベラントも引き上げて、冬の夕暮れが訪れていた。
 河原の片付けも終わり、芋煮会の痕跡らしいものは石で組んだかまどの焦げ跡くらいになっている。
 それでも変わらず、赤い絨毯は浮いている。
 座っているのはメメルと、タスクだった。
 結局メメルは降りてこず、気になって戻ってきたタスクを拾うだけしてまた浮上したのだ。絨毯上の空間は春の午後みたいに温かい。ホットカーペットというわけか。
「レポート、読んだよ」
「ありがとうございます」
「タスクたんからの敬愛の念がいっぱいで、ちっと面映(おもは)ゆいくらいだったわい」
 タスクも照れ笑いした。
「僕らの総意と思ってください」
 またまた~、とメメルははにかんで言う。
「途中で発作が出たせいもあるが、ヤツとのやりとりには口を出さず見るにとどめた。今日はオレサマもいっぱい学ばせてもらったよ」
「学園の教えのおかげです。校長先生、あなたは独りじゃない。僕たちがそばにいます」
 そうか、とメメルは目を細めた。そして、
「そうだな」
 噛みしめるようにくりかえした。



課題評価
課題経験:78
課題報酬:3200
【泡麗】Red,Black and Red
執筆:桂木京介 GM


《【泡麗】Red,Black and Red》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 1) 2021-11-26 00:02:03
賢者・導師コースのエリカ・エルオンタリエよ。よろしくね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 2) 2021-11-26 00:09:29
勇者・英雄コースのタスク・ジムです。よろしくお願いいたします。
校長先生のことも心配ですし、ドクトラとかいう人は何としても論破したい!
良い結果になるよう、みんなで頑張りましょう!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 3) 2021-11-26 19:13:29
取り急ぎ、ドクトラを論破する案をいくつか考えてみましたので、ご意見やブラッシュアップをいただければと思います。

(1)進化論
適者生存というけど恐竜(←世界観補正必要)は滅びた。
最強の捕食者たる彼らは氷河期(←世界観補正必要)を生き延びられず、彼らより弱い被食者たる小動物は生き延びた。
魔王とそれに連なるあなた方は、食べるしかないゆえほろんだ恐竜(←以下略)と同じ道をたどろうとしている。
そんなことも分からないなんてドクトラ(博士)の名が聞いてあきれますね!

(2)当方の説話
東方の説話でこんなものがあります。
神は長すぎる匙を天国と地獄に与えたが、天国は満たされ地獄は飢えた。
何故か。
前者はお互い食べさせることでお互いを満たし、後者はそれをしなかったから。
恐怖と暴力で奪うしかない魔王とそれに連なるあなた方は(略)
そんなことも分からないなんてドクトラの名が(略)

(3)「【天遣】諦観天使は世界平和を願う」を踏まえて
魔王の正体が分かりました。
魔王はこの世界の生物が抱く恐怖が実体化したもの。
あなた方の目論見は僕達を分断し出来るだけ孤独にさせ恐怖をあおること。
それが分かったからには、あとは逆を行けば良いだけ。
僕たちは団結し、手を取り合って恐怖を乗り越える。
あなた方の目論見通りには決してならない!

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 4) 2021-11-26 22:51:21
勇者・英雄コースのフィリンよ。よろしく。

うーん、まさか魔王軍から直々にお誘いとはね…
ここで乗せられるのが出てくると人類側の内戦状態になってしまうし、なんとしても懐柔は避けないと不味いわ。

>舌戦の方向性

個人的感情は置いておけば、シャ・ノワール……もといドクトラ・シュバルツを論破する必要性はあまりないと思うわ。
(というか論破した、されたって主観だから図太く負けを認めない無敵の人が勝つだけなのよね…かなり不毛)

私たちが目的にすべきは人類側、リーベラントが魔王軍に懐柔されない事。
その手段として魔法学園側につくメリット、魔王軍が信用ならない事や、ついた後のデメリットを上げて納得させること…だと思う。

…まぁ方向性としてはタスクの上げてるあたりでいいと思うけど、
『適者生存』『強者必生』って事は、こちらが弱れば切られるし、弱めて力を奪おうとする危険もあるって事よね。
国家に真の友情は存在しないといえ、弱っている時に付け込まれる可能性を公言している同盟は危険と言っていいんじゃないかしら

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 5) 2021-11-28 00:19:01
なるほど、勝利条件がシュバルツの「撤退」となっているので、論破するイメージを持っていましたが、確かに「無敵の人」なら論破が通じない(というか、話が通じない)危険性はありますね。

それよりも、
当然のこととして「学園は絶対に懐柔されない」と改めて突き付けた上で
「リーベラントも懐柔されない」という状況を作り上げることによって
シュバルツに「これ以上説得を続けてもメリットがない」と感じさせる、
そういう方向性の方が、撤退につながりやすいかもしれませんね。

そして、フィリンさんの文末の考え方は、相手の論の弱点であり、
突き付ければかなり有効な気がします。
是非とも、フィリンさんにビシっと決めてほしいと思います!

僕は、今のところ、3を中心にセリフを組んでみる予定です。
これまでの経過からしても、「分断⇔協力」が重要キーワードだと思いますので。

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 6) 2021-11-28 23:02:43
>タスク

わかったわ。
じゃあ私の方はリーベラントの方重視で攻めてみる。
バザーでの事とか、実績も織り交ぜて話をしてみようと思うわ

《大空の君臨者》 ビャッカ・リョウラン (No 7) 2021-11-28 23:05:45
勇者・英雄コースのビャッカ・リョウランだよ。よろしくね。

舌戦についてはまだ考え中だけど、
たぶん素直に適者生存や混沌が前提の考え方を否定する感じになると思うよ。

それとは別にだけど、
ユリ先生とシュバルツに、ドーラ(怪獣王女)のことを聞いてみるつもりだよ。
ドーラの過去…ゴーリキ家のことを知らなきゃ彼女と向き合えないし、
今の行方も気になっているからね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 8) 2021-11-28 23:25:47
(3)を中心に台詞を組むつもりでしたが、方針転換を検討しているので報告します。
「【天遣】諦観天使は世界平和を願う」で判明した魔王の正体は、今回は明言しないことにします。

何故かというと、この事実を公の場に知らしめることには大きな危険が伴い、
少なくとも今の時点ではまだまだ時期尚早と思えるからです。

まず、魔王の正体が人々の恐怖、という情報自体、多くの人々が知っちゃったら余計恐くなり、かえって状況が悪くなる可能性が高いこと。
それゆえ、この情報を知る人は少数に限られている、と上記エピソードに明示されてます。

そして、魔王封印の代償として、「現在までに生きるアークライトの寿命」を現在進行形で消費し続けており、それがそもそもアークライト短命の原因だった、という驚愕の事実。

仮に、シュバルツに魔王の正体は恐怖だと突き付けたとして、
関連してアークライトの問題を公の場で持ち出されてしまっては、
芋煮会は、そして学園は蜂の巣をつついた大騒ぎになるだろうと強く懸念します。
アークライトの問題はどこかで決着、出来れば解決すべき問題ですが、
それは今ではないと思います。

そこで、今回の芋煮会においては、上記エピソードを前提とした議論はせず、
あくまで一般論として、「あんたがたは恐怖と分断を煽ろうとしてるが、そうはいかないゾ」と主張する方向で検討中です。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 9) 2021-11-28 23:43:21
あとはですね…。

プロローグのメメタンが、あんまりにも可哀想なので、
励ましてあげたいウィッシュプランを書いてます。

公には開示せずメメタンへの報告という前提で、
「【天遣】諦観天使は世界平和を願う」で知った魔王の正体、
対策案として、分断を乗り越え協力することで恐怖を減らそう、
という内容のレポートを提出していたことにしたい、というウィッシュです。

そういったことを全部隠して一人で背負い、一人で傷つき続けたメメタン。
でも、僕たちも世界の真実の一端を知ったからには、メメタンは一人じゃないよ、
微力だけど力になりたいんだよ、という思いを込めて。

文字がきちきちすぎて、同行や連携歓迎みたいな文言は入りませんでしたが、
同じような思いを持ってる方がいたら、是非ご一緒しませんか?

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 10) 2021-11-30 00:52:39
メメたんにはわたしも聞きたい事や確認したいことがあるので、会いに行こうと思うわ。

そして、シャ・ノワールさんの話も、真っ向から否定したりはせずに
まずは一度、彼らの考えや主張を一通り聞いておきたいわ。

リーベラントがどう判断してどう動くかについては、今回わたしは介入しないから、
マルティナさんや他の参加者のみんなに任せるわね。