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ドキドキ☆春の個人面談っ!


ストーリー Story

 オレンジ色の夕陽が射し込んでいる。
 中途半端に引かれたカーテンが、春風に吹かれクラゲのように揺れている。
 君はいま教室の中央で、向かいあわせに設置された机のひとつについていた。
 教室は無人だ。君と、【コルネ・ワルフルド】先生以外は……!
「んっと~☆」
 先生がペラペラとめくっている手元のボードには、君に関する情報が集められているようだ。入学願書とかここまでの成績表とか、面談前に書くよう手渡された簡単なアンケートとか、そういったもろもろだろう。付箋がやたらペタペタ張り付けられているあたりが、ちょっと気になるところではある。
 すこし難しい顔をしていたコルネ先生が、資料をめくる手を止めて顔を上げた。
「じゃあ……」
 ぐいと先生は前のめりになった。
「君のこと聞いちゃおっかな~☆」
 はい、と思わず君も前のめりになる。
 なんだか、いい匂いがした。

 ◆ ◆ ◆

 君はなにを語るのだろう。
 授業に対する現状や不満? 学園生活の悩みごと? はたまた学生寮の不備についてだろうか。
 ここまでの生い立ちや好きな教科、クラブ活動の状況や希望、これからの進路や将来の夢など、話題はたくさんあるだろう。
 先生のほうに逆質問したって、まったくもって構わない。むしろ質問責めにして、先生を困らせてしまおうか?

 君の面談を受け持つのは誰だろう。
 コルネ先生はもちろんのこと、いつもマイペースな【メメ・メメル】校長、授業で出会った印象的な教師、憧れの先輩生徒だって話をしてくれる。
 なんとまさかの【ツリーフォレストマン】も出てくるらしい。ツリーとなにを話せと!?

 面談といっても、教室で向かい合うという形式だけじゃない。ここは自由な学園フトゥールム・スクエアなのだ。
 喫茶店で軽食を楽しみながらとか、アウトドアで釣り糸を垂れながらとか、ジョギングで息を切らしながらとか、ありとあらゆる面談スタイルがあると思う。

 期待に胸を膨らませよう。
 ちょっと緊張しても大丈夫。
 ドキドキな春の個人面談が、さあ、はじまる!


エピソード情報 Infomation
タイプ EX 相談期間 6日 出発日 2019-04-13

難易度 とても簡単 報酬 ほんの少し 完成予定 2019-04-23

登場人物 8/8 Characters
《ゆうがく2年生》ナツメ・律華
 ローレライ Lv13 / 賢者・導師 Rank 1
※アレンジ 他の人の絡み歓迎 名前:ナツメ(名前)・リッカ(名字) 目指せ大魔法使い! 追求せよ世界の真理! 【外見】 実年齢:14歳 外見年齢:10歳程度(つるぺた) ……まだ成長期は終わってませんわ! きっとあと数年のうちに素敵なレディにっ! 髪:三つ編み(しないと髪が爆発する…) 【中身】 明るく元気な性格 (よく言えば素直、悪く言えば分かりやすい) 探究心が強く、新たな知識を得るのは大好き 勉強したり本を読むのは大好き 田舎な実家では農作業や牛の世話をしていた。 大魔法使いになって世界の不思議を理解して その力で実家の畑の収穫を楽にするの! という大きいのか小さいのか分からない野望を持つ 田舎から出てきたので、お嬢様キャラで学校デビューを計ろうとするがすすぐにボロが…… 【口調】人と話す時はお嬢様(~ですわ、~かしら) 心の内や慌てたりすると素に戻る(~よ、~ね)
《勇者のライセンサー》フィリン・スタンテッド
 ヒューマン Lv33 / 勇者・英雄 Rank 1
「フィリン・スタンテッド、よ……よろしく」 「こういう時、どうすれば……どうすれば、勇者らしい?」 (※追い詰められた時、焦った時) 「黙って言うこと聞け! 殴られたいの!?」 「ぶっ殺してやる! この(お見せできない下劣下品な罵詈雑言)が!!」   ###    代々勇者を輩出してきた貴族スタンテッド家(辺境伯)の令嬢。  一族の歴史と誇りを胸に、自らもまた英雄を目指してフトゥールム・スクエアへと入学する。  愛と平和のために戦う事を支えとする正義感に溢れた性格で、『勇者らしく人々のために行動する』ことを大事にする。  一方で追い詰められると衝動的に罵声や暴力に訴えてしまう未熟な面もあり、自己嫌悪に捕らわれる事も多い。 『彷徨う黄昏に宵夢を』事件で対峙したルガルとの対話から思うところあったのか、頑なな勇者への拘りは少し角がとれたようだ。 ※2022年8月追記 全校集会『魔王の復活』後、昨年クリスマスに結ばれたルガルとの子供を身籠っていた事が判明 (参考シナリオ) 恋はみずいろ L’amour est bleu https://frontierf.com/5th/episode/episode_top.cgi?act=details&epi_seq=649 ◆口調補足 三人称:〇〇さん(敬語では〇〇様) 口調:~かな、~ね? その他:キレた時は『私、アンタ、(名前で呼び捨て)、(言い捨て)』 ◆Twitter Sirius_B_souku
《人たらし》七枷・陣
 ヒューマン Lv18 / 賢者・導師 Rank 1
異世界:情報旅団テストピアという所に住んでいたが、とある仕事の最中に、この世界に強制転移してしまった。 普段は一人称おじさん。真面目、シリアスな場合はオレ。 本来は50手前のアラフィフおじさんだが、何故か30歳以上若返ってしまった。強制転移した経緯が原因と思われるが真偽は不明。 普段はいかに自分の得意分野だけで楽出来ないかを考えているダメ親父的な人間。 自分や同行する仲間が危機に陥ると気合いを入れて打開しようと真面目モードに。 厄介事に巻き込まれるのは嫌い。お金にならない厄介事はもっと嫌い。でも一度関わってしまったら何だかんだ文句言いながら根気よく取り組む。 やれば出来る人。でも基本ダメ人間。 恋愛事は興味をあまり示さない枯れ気味な人。超若返っても現状は変わらず。 どうにかして元の世界へ戻る為、フトゥールム・スクエアに入学。 転送、転移関係の魔法や装置を徹底的に調べる事が目下の目標。 魔法系の適性があったらしいので、雷系を集中的に伸ばしたいと思っている。自前で転移装置の電源を確保出来るようにしたいのと、未成熟な体躯のフォローとして反応速度メインの自己強化が主な理由。理想は人間ダイナモ。 転移直前まで一緒にいた仲間の女性3名(マナ、マリア、マルタ)の安否を心配している。 「はぁ~…どうしてこんな事になったんだ?…おじさん、ちゃんと元の世界に戻れるんだろうか…こんな厄介事は前代未聞だよ…トホホ」
《マルティナの恋人》タスク・ジム
 ヒューマン Lv36 / 勇者・英雄 Rank 1
村で普通に暮らしていましたが、勇者に憧れていました。 ここで学んで一人前の勇者になって、村に恩返しをするのが夢です。 面白いもので、役所勤めの父の仕事を横で見聞きしたことが、学園の勉強とつながり、日々発見があります。 (技能はそういう方針で取得していきます) また「勇者は全ての命を守るもの、その中には自分の命も含まれる」と仲間に教えられ、モットーとしています。 ※アドリブ大歓迎です! ※家族について デスク・ジム 村役場職員。縁の下の力持ち。【事務机】 (※PL情報 リスクの子) ツィマー・ジム おおらかな肝っ玉母さん。 【事務室・妻】 シオリ・ジム まじめできっちりな妹 【事務処理】 チェン・ジム のんびりマイペースな弟 【事務遅延】 ヒナ・ジム 可愛い末っ子 【事務雛型】 リョウ・ジム 頑固な祖父 【事務量】 マーニー・ジム 優しい祖母。故人 【事務マニュアル】 タックス・ジム 太った叔父。【税務事務】 (※PL情報 リョウの子) リスク・ジム マーニーの元婚約者でリョウの兄。故人【事務リスク】 ルピア・ジム 決まった動作を繰り返すのが大好きなグリフォン。【RPA事務】 ※ご先祖について アスク・ジム 始祖。呼吸するように質問し、膨大なメモを残す。【事務質問】 「あなたのお困りごと、お聞かせいただけませんか?」 セシオ・ジム 中興の祖。学園設立に向けて、土地や制度等に絡む諸手続きに貢献。【事務折衝】 「先祖の約束を今こそ果たす時。例え何徹してもやり遂げる!」
《新入生》バルド・ダールベルク
 カルマ Lv7 / 黒幕・暗躍 Rank 1
とある研究所の実験体として作られたカルマ。 様々な実験と教育を受けていたが、ある日突然研究所が壊滅し、身寄りがなくなり困っていたところを別の研究所の所長に保護され、助手として働いていた事がある。 学園に入学したのは、学園での生活に興味があったのと、もっと色々な知識と技能を身につけて、恩を返したいと思ったから。 保護者のことは「ばあちゃん」と呼び、慕っている。 ・性格 陽気で少々荒っぽい。 元は淡々とした性格だったが、保護してくれた人物が豪快で荒っぽかった為、その影響を受けて現在の性格になった。 ・日課 本を読む事。 ジャンルは、小説、詩、魔導書、漫画、絵本など、日によって様々。 時間があれば黙々と読んでいる。 ・身体構造 かなりヒューマン寄りに作られており、味覚なども感じるように調整されている。 ・魔法陣 左手の甲と腰にある。 ・服装・装具類 ジャケットと長ズボンを着用していることが多い。 両手は黒革の指抜きグローブで手の甲の魔法陣を隠している。 縁にアンティークゴールドのレリーフが施されたゴーグルを常に身につけて、大事にしている。
《甲冑マラソン覇者》ビアンデ・ムート
 ヒューマン Lv20 / 勇者・英雄 Rank 1
●身長 148センチ ●体重 50キロ ●頭 髪型はボブカット。瞳は垂れ目で気弱な印象 顔立ちは少し丸みを帯びている ●体型 胸はCカップ 腰も程よくくびれており女性的なラインが出ている ●口調 です、ます調。基本的に他人であれば年齢関係なく敬語 ●性格 印象に違わず大人しく、前に出る事が苦手 臆病でもあるため、大概の事には真っ先に驚く 誰かと争う事を嫌い、大抵の場合は自分から引き下がったり譲歩したり、とにかく波風を立てないように立ち振舞う 誰にでも優しく接したり気を遣ったり、自分より他者を立てる事になんの躊躇いも見せない 反面、自分の夢や目標のために必要な事など絶対に譲れない事があれば一歩も引かずに立ち向かう 特に自分の後ろに守るべき人がいる場合は自分を犠牲にしてでも守る事になんの躊躇いも見せない その自己犠牲の精神は人助けを生業とする者にとっては尊いものではあるが、一瞬で自分を破滅させる程の狂気も孕んでいる ●服装 肌を多く晒す服はあまり着たがらないため、普段着は長袖やロングスカートである事が多い しかし戦闘などがある依頼をする際は動きやすさを考えて布面積が少ない服を選ぶ傾向にある それでも下着を見せない事にはかなり気を使っており、外で活動する際は確実にスパッツは着用している ●セリフ 「私の力が皆のために……そう思ってるけどやっぱり怖いですよぉ~!」 「ここからは、一歩も、下がりませんから!」
《新入生》ウェルカ・ラティエンヌ
 アークライト Lv15 / 王様・貴族 Rank 1
■身長:152cm ■実年齢:14歳 ■髪形:腰までのストレートロング ■容貌:ややたれ目気味の目元の、大人しそうな容貌の美少女 ■体型:身長は小柄ながら、バストやヒップはかなり大きく、非常に発育は良いが、ウェストや手足等は細めの、極端な体型 ■性格:基本的には内向的で大人しく、穏やかな性格だが、金銭面には非常に厳しく、利害が絡むと冷酷になる面も ■コンプレックス:桁違いに豊満な上、未だに発育途上の胸/[誕生日]の時点で、既に120cmに届くとのこと ■体質:体重が増えるときは、その殆どが胸に集まり、痩せるときは他から痩せるタイプ ■服装:背中の開いたドレス/色は特に決まっておらず、気分次第で変えている ■特技:経営・商売に関連する豊富な知識/一通りの礼儀作法/実は家事全般
《熱華の麗鳥》シキア・エラルド
 ヒューマン Lv25 / 芸能・芸術 Rank 1
音楽と踊りが好きなヒューマンの青年 近況 自我の境界線が時々あやふやになる みっともない姿はさらしたくないんだけどなぁ 容姿 ・薄茶色の髪は腰の長さまで伸びた、今は緩く一つの三つ編みにしている ・翡翠色の瞳 ・ピアスが好きで沢山つけてる、つけるものはその日の気分でころころ変える 性格 ・音楽と踊りが大好きな自由人 ・好奇心>正義感。好き嫌いがハッキリしてきた ・「自分自身であること」に強いこだわりを持っており、自分の姿に他者を見出されることをひどく嫌う ・自分の容姿に自信を持っており、ナルシストな言動も。美しさを追及するためなら女装もする。 好きなもの 音楽、踊り、ともだち 苦手なもの ■■■■、理想を押し付けられること 自己犠牲 二人称:キミ、(気に入らない相手)あんた 初対面は名前+さん、仲良くなると呼び捨て

解説 Explan

 教師、あるいは先輩NPCとの個人面談がはじまります。
 どんな状況での面談か、想定される質問と回答、その際の行動(緊張のあまり水をやたら飲むとか)などをご呈示ください。

 あなたの面談を担当するのは誰でしょう?
 代表的な教師NPCを以下に記しますが、ここに書かれていない人でも大丈夫です。
 登録されていないNPCでも桂木京介が書いたことがある人なら誰でも指定可能です。

【コルネ・ワルフルド】
 新入生担当の教師です。特に相手を指定しなければコルネ先生の担当となります。
 訊いてくるのは健康状態や学園生活の悩み、これまでの経歴など全般的かつ浅い内容です。
 基本優しい人なので意地悪な質問はしてきません。

【メメ・メメル】
 突拍子もない質問をしてきます。「チミのセクシーポイントは?」とか「カレーとラーメンどっちが好き?」とか、学園生活に関係なさげなことも訊いてくるでしょう。
 自分の『まだ表にしていないけど明かしたい』設定がある方はメメル校長に担当してもらいましょう。

【ゴドワルド・ゴドリー】
 男性教諭。無精髭を生やしており前髪も垂れ気味で暗い印象を受けますが、本人もそれを気にしているのかスベリ気味のギャグをたまに言います(そのせいでますます場が暗くなる)。
 脳内妻がいると言っていますが実在は不明です。
 授業や学園生活に関する質問が中心で、過去のことはあまり尋ねません。

【ツリーフォレストマン】
 全校集会『白雪に刻むメモリアル』に登場したラスボスです。屋外で話すことになるでしょう。
 かなりのご長寿さんなので色々忘れっぽくなっており、トンチンカンなコメントをすることも多々あります。変に昔語りをしたり、恋愛アドバイス(役に立たない)をしてきたりもします。
 スリリングな面談を楽しみたい人向け……って、いないでしょうか?

 先輩NPCたちについては、学園生活の悩みや不安を聞いてもらうといいでしょう。親しくなるきっかけになるかもしれませんね。


作者コメント Comment
 桂木京介です。
 学校生活といえば面談はつきものということで、こんなエピソードを用意させていただきました。EXなのでゆとりのある分量、原則個別描写となります。

 自己紹介的に生い立ちを語って、あなたのキャラを掘り下げる機会にしてもよし、色々なシチュエーションで先生や先輩とのおしゃべりを楽しんでもよし(成人キャラクターであれば居酒屋でサシ呑みも可能です)、NPCの知られざる一面を探ってもよし……みなさんそれぞれに、このエピソードを活用してみて下さい。

 アクションプランを楽しみにお待ち申し上げております。
 桂木京介でした。


個人成績表 Report
ナツメ・律華 個人成績:

獲得経験:24 = 20全体 + 4個別
獲得報酬:864 = 720全体 + 144個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
(…え、今回の面談ってネビュラロン先生!?
すでに嫌な予感しかしないんですけどっ
もしかして面談もジッセンなのっ?)

田舎…もとい実家を出てきてしばらく経ちますが
予定では魔法もばりばり使える大魔法使いの片鱗をみせてるはずでしたが
どうすればもっと強い魔法使いになれるでしょうか…?

ジッセンになったら魔力をあげて対応、足りない部分は避けたり隠れたりして対応
他の人がいれば協力

はっ、もしかして自覚を持たせる為にあえてジッセンされたのでしょうか、先生?
…せーんーせーいっ!


面談が終わったら(無事に生きてたら)へろへろ状態で打ち上げ参加
(桜茶を持参)
皆さんは面談どうでした?自分にも通じるものがないか質問してみる


フィリン・スタンテッド 個人成績:

獲得経験:24 = 20全体 + 4個別
獲得報酬:864 = 720全体 + 144個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
(およそ)四半期の振り返りと、決意を改めて打ち上げに

●面接
メメル学園長を希望

●質疑など
自分からの質問は勇者・英雄として今の自分でいいのかと
憧れた人を理想に振舞ってきたけど、追い付けた気はせず、皆を騙し、自分を騙し、間違っているのではと不安を吐露
励ましでも叱責でも、学園長なら何か指針をくれるのでは…と一部の期待を込めて

●打ち上げ
タスク主催の打ち上げに、ジュースや豆菓子など持参
「みんなは何か聞かれた?」
「私は…まだまだ、だけど…それがわかった、かな」
面談の結果にもよりますが、少しだけ気が晴れた明るさで歓談
迷惑にならない範囲で、目標を叫んだり、手紙にしてタイムカプセルとか、何か思い出を残したいかも

七枷・陣 個人成績:

獲得経験:24 = 20全体 + 4個別
獲得報酬:864 = 720全体 + 144個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
【目的】
学園長と個人面談

【行動】
今日も図書館ワイズ・クレバーで転移魔法、若しくは機械関係の資料を漁る日々
いつになったら目的の書にありつけるのか…
いつもの如く途方に暮れそうになる所に突 然 の 死…じゃなくてメメたん
何の前触れも無く個人面談をすることに
丁度良い、おじさんの欲しい転送、転移関係の魔法、装置何でも良い
面談がてらに情報を聞きだそう
食事会の異世界交流で色んな食べ物も出てきた
存在自体はあるって事だ
…禁呪の域だとしても、絶対に糸口を掴んでみせる
おじさんは、どうしても異世界間を行き来する手段を手に入れたい
…ハッキリ言えば、その為だけにココへ入学したんだから

打ち上げは参加
2~3歩引いた位置で見守る風味

タスク・ジム 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:60 = 20全体 + 40個別
獲得報酬:2160 = 720全体 + 1440個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
メメル校長先生を希望。

まずは、入学及び日々の素晴らしい学園生活への感謝を伝える。校長先生を前に緊張するが、この機会を得た嬉しさが勝る。

どんな質問にも誠実に回答するが、真面目すぎてズレた回答も発生。以下想定問答。その他アドリブA。

Q:セクシーポイントは?
A:せくしぃ…?よくわかりませんが、身に付けられるよう頑張ります!

Q:カレーか拉麺か?
A:カレーです。母のカレーは世界一だと思ってます。拉麺は飲み物なので別枠です。

Q:学園でやりたいことは?
A:図書委員になりたいです。どうしたらなれますか?ただ、戦闘訓練ももっとしたくて。どちらかに集中すべきか、両方欲張っていいのか、迷ってます。

バルド・ダールベルク 個人成績:

獲得経験:24 = 20全体 + 4個別
獲得報酬:864 = 720全体 + 144個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
目的
個人面談を受けまーす!

●行動
ツリーフォレストマンのじいちゃんとの面談を希望
屋外での面談にわくわく
再会できたら、しがみついたり
全校集会で怪我を負わせてしまった手をさすったり
肩に乗ったりしたいなとそわそわ
オススメの場所があったらそこでゆっくりと面談をしたい

>昔話
武勇伝や伝承などきけたら、そういう話が大好きなので終止目を輝かせて聞き入る
もし大きな戦いに参加したことがあるなら
そのことについて詳しくきいて
じいちゃんが尊敬している人についても話を聞きたい

>恋愛
じいちゃんの恋ばなを聞くのは大丈夫だけど
自分のほうへ話をふられると上手く答えられず苦笑い

>面談後
皆との集まりに参加
花見に必要なものを準備する

ビアンデ・ムート 個人成績:

獲得経験:24 = 20全体 + 4個別
獲得報酬:864 = 720全体 + 144個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
私が面談するのはネビュラロン・アーミット先生……
初めて授業をした場所で行うという事ですが穏便にすみそうになさそうです
失礼ながら『おおなべ』を持っていきましょう

到着するなり唐突に戦いに!?
決闘式面談ってなんですか!?

ともあれ先生の攻撃を全力で受けながら質問に答えます
騙されて授業に参加する事が多かったりと言いたい事はありますが、それでも自分の取り柄である盾として皆さんを守れる事は素直に嬉しいです
まだ未熟ですが、将来はこの力で自分の手が届く範囲の人々を、そしていつかはより多くの人を守れる盾となりたいと思ってます!
そのためなら良識の範囲内であればなんでもするし、どんな困難も痛みも耐えてみせます!

ウェルカ・ラティエンヌ 個人成績:

獲得経験:24 = 20全体 + 4個別
獲得報酬:864 = 720全体 + 144個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
面談、ですか。
[ミレーヌ・エンブリッシュ様]には、一度お話を伺ってみたいと思っておりましたので、有難い機会ですわ。
折角ですし、何処かで[お茶会]等、如何ですかしら?

まずは、御挨拶からですわね。
【宮廷教養】の基礎は学んでおりますので、其方に則ってきちんと御挨拶させていただきますわ。
【料理】の心得も御座いますから、[お茶会用のお菓子]をご用意してお持ちしますわね。

お尋ねしたいことは幾つか御座いますが、最も聞いてみたいのは[王族としての心構え]ですわね。
私は[商家]の育ちですから、元々[王家の中]で育った先輩に教わりたいですわ。
逆に、何か尋ねたいことなどが御座いましたら、仰って下さいませ。

シキア・エラルド 個人成績:

獲得経験:24 = 20全体 + 4個別
獲得報酬:864 = 720全体 + 144個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
アドリブ◎
面談…メメル先生

第五校舎の空き教室でダンスの練習をしている時に面談

突然やってきた校長にびっくり
面談があるとは聞いてましたけど…まさか校長先生が?
しかも時間まだですよね?
もしかして遅れた…?そんなことはないか

首を傾げつつ、質問にはちゃんと答えます

・学園生活について→楽しいです、この学園に来てよかった
・目玉焼きに何かける?→えぇ…?塩、かなぁ?
・チミ踊り子衣装着なよ→それ最早質問じゃなくないですか!?いや興味はないことはないですけども!

面談後、交流会に参加
俺の夢はみんなを楽しませるパフォーマーさ
芸能・芸術コースに入れたのは本当に幸運だよ
…演奏、よければちょっと聞く?(楽器取り出し

リザルト Result

 咳ひとつしても、響きわたるような静けさだ。
 だから【七枷・陣】は音を立てぬよう緊張しつつ書架をさぐって、カードの塔でも作っている気分で、めぼしい書物を抜いていく。
 本のタイトルは『転移魔法の研究』や『次世代技術とは』といったものが多い。
(『転移魔法』っていっても求めるものがあるかどうか……『次世代技術』なんて銘打ったって、人力に毛が生えたようなものかなあ……)
 分厚い本を何冊も積み重ね、やはり音を立てぬよう抜き足差し足、読書スペース目指して陣は歩みはじめた。
 ここ『ワイズ・クレバー』は、フトゥールム・スクエアじゅうの知識が集まる巨大図書館だ。普段から静寂な場所だが、今日はとりわけ、夜の墓場かと疑うほどに沈黙が支配している。
 陣はこのところ、暇さえあればここに籠もり知識を求めている。しかし目的とする情報にはかすりもしない日々が続いていた。今日も空振りに終わるかもしれない。それでも、
(あきらめちゃダメだ……)
 と自分に言い聞かせ視線を上げたそのとき、
「おーーっす!」
 目の前に巨大なおっぱ、もとい、女性の胸がドーンと飛び出し、迫力のボイスとともに陣の髪を逆立てた。崩れた本の山が、ドサドサドサと散らばり派手な音を加える。
「前触れない突然の死……じゃなくて、校長先生!」
「いかにも! 呼ばれてないのにオレ様参上なのだ☆」
 腰に手を当て、【メメ・メメル】が呵々大笑しているのだった。
「悩める少年よ、今日はこのメメたん校長おんみずからが話を聞きに来てやったぞ! 早い話が個人面談☆ ありがたく思うといいのだ♪」
「いきなりすぎないですか!? ていうかここ図書館……」
 陣の言葉は途切れる。鬼の形相をした司書らしき女性が、マッハの速度でこちらへやってくるのが見えたからだ。

 陣とメメルは図書館裏手のベンチに移っていた。
 おだやかな陽射しが暖かい。かたわらには、陣が貸し出しを受けた書籍が積まれている。
「陣たんはそういう分野に興味があるようだね☆」
 ベイビーフェイスに似合わぬダイナマイトボディを、フリフリしつつメメルは言う。どうやらもう面談は始まっているらしい。
「異世界に興味があるんです」
 メメルは同年代にしか見えないが、いわゆるロリBBA(超高齢幼女)のたぐいだと思っているので陣は敬語である。
「ほう、異世界とな?」
 どこからだしたのかバナナ饅頭をもさもさ食べつつ、
「あると言えばあるし、ないと言えばないかもしれないなー」
 なんとも曖昧にメメルは答えた。
 やはり一筋縄ではいきそうにない。
「そんなことないでしょう。先日の食事会でも、あきらかにこの世界の常識を飛び出した存在がいましたし……」
 直接イエスともノーとも言わず、メメルは逆に問い返してきた。
「で、陣たん。異世界があるとしたら、チミはどうする気なのかな?」
「帰る……いや、行く方法を知りたいんです……」
 少しだけためらったが、意を決して陣は告げた。
「ハッキリ言えば、その為だけにココへ入学したんだから」
 この世界にあって自分は『異物』だ。客のような存在だと思っている――という意思を示したつもりだったが、どう解釈したのかメメルは、ニヤニヤと目を細め問いかけてきたのである。
「陣たん、そこに恋人がいるとか☆」
「恋人!? いえそういうのではなく……なんというか……」
 複雑で、と言いかけた陣の手に、メメルは自分の手を重ねた。マシュマロみたいな感触だ。ほんのりと温かい。
「……寂しいのなら、メメたんが慰めてあげても良いのだぞ?」
 うわキツ! 陣の頭に最初に浮かんだ言葉がこれだった。
 校長ってたぶん千歳は上だぞ! こういうとき妙に陣は冷静なのだ。
「いえ結構ですっ!」
 反射的にベンチから立ち上がる。メメルもこれには驚いたらしくころんとベンチから転げ落ちて言った。
「おう、ならばよし! ところで陣たん、今晩時間あるか?」


 窓の外では、さやさやと桜の枝が揺れている。
 風が吹いたのだ。花びらが散り流されていく。
(そういえばあの夜も……)
 こんな風が吹いた、と【タスク・ジム】は思う。
 タスクがはじめて挑んだ実戦『授業』。あの夜、ジーナフォイロという怪生物の到来を告げたのは、一陣の風が運んだ刺激臭だった。
 作戦は最良の形に帰結した。ジーナフォイロを含め命が失われることはひとつとしてなかった。
 しかしこのときタスクは、仲間より無茶を諫められていた。自分でも、気持ちが逸(はや)ったと痛感している。以来、事前準備と研鑽に励んできたタスクではあるが、逆に自分が、このごろ慎重すぎるとも感じている。
 ……そんなことを考えていたとき、教室のドアが開いた。
「おっすおーす☆」
 タスクは目を見張った。
 放課後にひとり、無人の教室で面談の時間を待っていた。そこまでは予定通り。
 だが想定外だ。面談相手がメメ・メメル校長だとは。
「では面談をはじめるゾ♪」
 メメルは椅子を引き寄せ、机一つを挟んでタスクと向かい合う。両肘を机に乗せた。アゴは合わせた掌の上だ。
「……えっと」
 タスクは言葉を探した。来るのはコルネ先生かなと思っていたのだ。なのに校長が登場、しかもこれほどの至近距離で、リラックスしすぎの様相での面談というのはいささか面食らう。
 うろたえていてもはじまらない、タスクは両手を膝の上に置き背筋を伸ばした。
「まずは入学許可と、日々の素晴らしい学園生活に対する感謝の言葉を述べたいと思います」
 口の中が乾いていた。
「うん、タスクたんも学園生活を満喫してくれているようだな。オレ様からも、学校を代表してお礼を言うよ☆ よく入学してくれた♪」
 メメルは心から嬉しそうに相好を崩した。釣られてタスクの口元も緩む。
 むひょひょ、と含み笑いしてメメルは言う。
「じゃあ色々訊くとしようか……まず、チミのセクシーポイントは?」
「せくしぃ……?」
「そう」
「あの、どういう意味でしょう……?」
「イノセントな反応よのぉ、大変よろしい」
 どうにも意図がつかめないが褒められたらしい。そこでタスクは生真面目に、
「よくわかりませんが、身に付けられるよう頑張ります!」  
 と宣言した。『せくしぃぽいんと』なる言葉はメモしておこう。
「学園でやりたいことは?」
 容易な質問だ。タスクは澄んだ眼で答える。
「図書委員になりたいです。どうしたらなれますか?」
 うっ、と小さな声でメメルはうめいた。図書委員という言葉に含みがあるのか、目をそらしながらぎこちなく言う。
「そ、それはいい。図書館の秩序は……タモタレナケレバナ」
 後半言葉が妙に上滑りしたのだが、幸いにして(?)タスクは気付かない。
 いずれ募集とかがあると思うぞ、とメメルは空咳をした。
 おずおずとタスクは言い足す。
「ただ、戦闘訓練ももっとしたくて……。どちらかに集中すべきか、両方欲張っていいのか、迷ってます」
 それはもちろん、とメメルは即答した。
「うんと欲張るがいい☆ それがフトゥールム・スクエア流なのだ! 大胆に欲張ってくれる子がオレ様は好きだな。それで学ぶことだってあるはず♪」
「ありがとうございます」
 タスクの声も鮮やかさを増している。
 タスクにもいつか卒業の日が訪れることだろう。それまでこの学園で色々なことに挑戦して、メメルの表現なら『大胆に欲張って』、その後の進路を見つければいい――そう言われたような気がした。
 それからもメメルからは二三の謎めいた質問が飛んだが、最後にきたこれが一番謎だった。
「あとチミ、カレーとラーメンはどちらが好きかな?」
 謎だ。しかしその問いなら容易に答えられる。
「カレーです。母のカレーは世界一だと思ってます。ラーメンは飲み物なので別枠です」
「それは結構☆」
 メメルは立ち上がった。
「ところで今夜の予定は空けておいたぞ☆ 皆にも声をかけておくな♪」


 香り豊かな深紅色、淹れたての紅茶のカップがある。
 あざやかな金の輪が茶の表面に映り込んでいた。
 カップが持ち上がると、輪を頭上に冠す【ウェルカ・ラティエンヌ】の姿が深紅色の世界に浮かび上がってくる。
 春空は青く、空気はどこまでも澄んでいる。
 緑地に面した屋外のテーブル。向かい合わせで二人は座っていた。
 豊かなブロンドと光輪、純白の翼と美貌を備えたウェルカは人目を惹く姿だが、相対する彼女も負けてはいない。
「お~っほっほっ!」
 高笑いからして特徴的、くりんくりん螺旋を描く巻き毛は、どうやってセットしているのだろう。彼女は【ミレーヌ・エンブリッシュ】、さる国の王女でありウェルカの先輩学生だ。
「こうしてお目にかかる機会をくださり、ありがとうございました」
 ウェルカが宮廷教養にのっとって丁寧にお辞儀すると、
「私こそ、こんな素敵な場所にご招待いただけるなんて思ってもみませんでしたわ」
 同じく丁寧にミレーヌは礼を返し微笑する。
 茶を淹れたのはウェルカだ。それに加えて、と包みを開けた。
「ささやかですけれど、こちらお茶菓子になります。私が作りました」
 ふんわりと焼かれたマドレーヌがそろっている。砕いたアーモンドも乗っていて、夢見るような色合いだ。
「これはご丁寧に。可愛らしいお菓子ですこと」
 ミレーヌはこぼれるような笑顔である。
「今日は先輩として面談を任されたのですけれども、私から差し上げられるアドバイスなど、ウェルカ様にはなさそうですわね」
 そんなことは、と恥じ入るウェルカに、
「ご謙遜をおっしゃいますな。今日はお友達として歓談したく思っておりますのよ」
 また高笑いする。色々な意味で『浮いている』ミレーヌとしては、波長の合うウェルカと知り合えたことが嬉しくて仕方ないらしい。
「それでは教えていただきたいことがあります」
「遠慮なくおっしゃってくださいまし」
「王族としての心構えです。私は商家の育ちですから、王家の中で育った先輩に教わりたいのですわ」
 しばらく考えてミレーヌは、当たり前と思わないことですかしら、と答えた。
「王族に生まれたこと、高貴な身分であることを当然と思ったときから堕落ははじまるものですわ。この出生を僥倖と考えることで慎みが生まれる、というのが私の意見です」
「ご意見感謝します」
 肝に銘じたいとウェルカは思う。
 しばらく学園生活や授業のことなどとりとめもなく会話を交わして、
「逆に、ミレーヌ様から私に尋ねたいことなどがございましたら、なんなりと仰って下さいませ」
 とウェルカは問いかけた。
「でしたら」
 ミレーヌはその言葉を待っていたかのように、頬を染めつつ言った。
「教えていただけます……?」
 ささやくような声だ。
 なにを、という問い返しに対してさらに小声で、
「どうやったらウェルカ様のように……その、ふくよかなバストになりますの……?」
「いえこれは……!」
 無意識のうちに両腕で胸を隠すようにしながらウェルカは言った。
「好もしくないと思っておりまして……むしろ成長を止めたいと……」
「まだ成長するので!?」
 ミレーヌの声が一段高くなっていた。
「好もしくないなんてとんでもない! 素敵でしてよ、むしろわけてほしいくらいですわ!」
「わけてあげられるものならばわけてさしあげたいです……大きいと下着の種類は減りますし……肩も凝るし……」
「ああ、なんと贅沢な悩みなのでしょう!」
 うらやましいっ! とミレーヌは身をよじった。そこから数秒、ためらっていたようだが、やがておずおずと、
「あの」
 と切り出す。
「……こんなこと申し上げても、私のこと、痴女だとか思わないでくださいましね?」
 どこでそんな言葉を覚えたのだろう。ミレーヌの顔は真っ赤だ。
「は、はい……」
「少しでいいので……ウェルカ様のお胸、さわらせていただいてよろしいですこと……? 感触を知りたくて……」


 たとえそれが冷たい石の床であろうと、【シキア・エラルド】にとっては檜舞台、ステップを踏む足が、振り上げられた腕が、そして弓のように仰け反る上半身が、嵐(テンペスト)のごときダンスビートを刻む。刻み続ける。
 タン! シキアは両膝を床に滑らせフィニッシュを決めた。
 天を仰ぐ姿勢でブロンズ像のように静止する。動から静、一瞬の豹変。汗の浮く額、ひっきりなしに上下する胸の動きがなければ、刻が止まったかと錯覚するほどだ。
「ブラボー☆」
 拍手の音に驚いて振り返る。
「いやあ、見事だな~♪」
 手を叩いているのはメメルだった。頭に乗せた帽子が、ちょっとずり落ちかけている。
「校長先生!?」
 ぎょっとしてシキアは立ち上がった。第五学舎の空き教室を借り、シキアはダンスの練習に精を出していたのだ。このプライベートな時間に来訪者があるとは思ってもみなかった。
「今日、個人面談があると聞いてなかったかい?」
「ええ確かに……でも、まさか校長先生が?」
 面談相手なんですか、と尋ねるまでもないようだ。メメルは教卓にふわりと飛び乗り、足をぶらぶらさせて言ったのである。
「質問の答えは『イエス』! リラックスした状態のほうがいいと思ってな。時間がちょっと早い? まあ、細かいことは気にするな☆」
 そのままでいい、とメメルは告げて、立ち尽くすシキアに問いかけた。
「まず、学園生活は楽しんでおるかね?」
 それなら考えるまでもない。シキアは笑顔で答える。
「はい! 楽しいです、この学園に来てよかった」
「結構結構☆ ところでシキアたんは、目玉焼きには何をかけて食べるのが好きかな?」
 最初の質問と離れすぎではないか。そもそも面談で問うべき内容だろうか。とはいえ黙っているわけにもいかないので、
「えぇ……? 塩、かなぁ?」
 いぶかり回答すると、ふむふむとメメルは腕組みして、
「北枕は気にするほうかね?」
 またも突拍子もないことを訊いた。自由すぎる!
「ええと、縁起悪いとか言うんですよね……? 気にしたことありません」
「ところでチミ、そんなにダンスできるんだから踊り子の衣装着ちゃいないよ☆」
「それもはや質問じゃなくないですか!? いや興味はないことはないですけども……!」
 思わずシキアは前のめりになっている。とはいえ嘘は言っていない。
 うひょひょ、似合いそうじゃのう、とメメルは満足気に(?)笑った。校長はつぎつぎ不統一な質問を飛ばし、こちらの反射神経を鍛えようとでもしているのだろうか。謎だ。
「そうだ、これも訊いておこうかなー」
 メメルが持って回った前置きをしたので、今度は下着のことでも訊かれるのかと、シキアは軽く唇をかんだ。
 だが違っていた。ぽんと鞠でも投げるみたいに校長は言ったのだ。
「ご両親どうしてんの?」
 もしかしたら、これが校長先生の一番聞きたい話かもしれない――。
 そんな気がした。
 けれどもその手には乗るまい。深緑の瞳を明後日の方角に向け、
「……さぁ、知りません。俺には関係のないことです」
 さらりとシキアは言うのである。すっと向き直るとメメルの乗る教卓を指して、
「ところで教卓の引き出しに、楽譜が詰まってるので気をつけて下さい」
 傾けると落ちてきますよ、と彼が言うのと、メメルが体重を後方にかけ、ざらざらと楽譜を落としてしまったのは同時だった。
「うわっち!」
 十数枚の楽譜が散らばっている。まだ舞っているものもある。
「直します」
 しかしシキアが駆け寄るより早く、ちょいちょいっと、と鼻歌交じりにメメルが指を振ると、楽譜はするすると集まり整頓されて、元の場所へと戻ったのである。
「最後に訊いておこうかな☆」
 くすっと笑ってメメルは言った。
「チミは誰だい? 自分ではどう思う?」
「……俺はシキアです」
 シキアは胸を張った。そうすべきだと思ったから。
「シキア・エラルドです。音楽が好きな、ただの人間ですよ」


 木刀ということだが切っ先は鋭い。撲たれれば痛いなんてものではすまないだろう。
「用意はいいか」
 問いかけの体こそとってはいる。だが【ナツメ・律華】にはなんとなくわかっていた。
 どう答えようとも【ネビュラロン・アーミット】は、手にした木刀を打ち込んでくるだろう!
 それでもナツメは言ってみた。
「えっ、ちょ、ちょっと待って下さいっ」
 ネビュラロンが動きを止めた。
 と見えたのは一瞬だった。
 剣尖が白い軌跡を描く。パァンと堅い音を立て、木刀はナツメの、とっさにつきだした杖をしたたかに打擲したのだ。
 やっぱりぃ!
 ナツメはよろめく。両手が痺れるほどの衝撃だ。
「待つわけがあるか。これは『ジッセン』だ」
 甲冑の内側からくぐもった声がした。
 ネビュラロンの言う『ジッセン』とは『実践』かそれとも『実戦』なのか!?

 少し時間をさかのぼる。
 体育館というのは便宜上の名称にすぎなかった。実際は室内型陸上競技場といったほうがいい。もっといえばコロッセウムか。
「失礼します」
 両開きの扉、その右側を両手で押してナツメは入った。
 アリーナ席に囲まれた中央で、今日の面談相手が待っていた。
「よく来た」
 甲冑姿の女性教師だ。白いブーツ白いプレートメイル白いガントレット、フルフェイスの兜すら白い。女性と判別できる理由は声だけだ。
 背はあまり高くない。女性としても低いほうだろう。けれども気合いというか殺意というか、触れられそうな圧力をネビュラロンは帯びている。
(……今回の面談ってネビュラロン先生!? すでに嫌な予感しかしないんですけどっ)
 先日ここで行われた授業の記憶がよみがえる。
(もしかして面談もジッセンなのっ?)
 ナツメの予感は、不幸にして的中したというわけだ。

「黙って話すのは好みではない。動きながら、話す!」
 突き、払い、二打続けて入ってきた。重そうな全身甲冑というのになんというスピードか。ナツメは防ぐのが精一杯だ。
 それでもバックステップして距離をとり、
「よろしくお願いします!」
 勇気と声を振り絞った。
「よく言った。話せ」
 ネビュラロンは刀を八相に握り直し、じりじりと間合いを詰めてくる。
「田舎……もとい実家を出てきてしばらく経ちます……」
 逆に、すり足で距離をあけながらナツメは話す。
「予定では魔法もばりばり使える大魔法使いの片鱗をみせてるはずでしたが、まだ遠いようです。どうすればもっと強い魔法使いになれるでしょうか……?」
「一朝一夕とはいかん」
 ネビュラロンは地を蹴る。
「鍛錬あるのみ!」
 雷光のような袈裟懸け! 幸い空を切ったとはいえ、ナツメはその風圧だけで、産毛が震えるほどの恐怖を味わっていた。
「あわわわ……」
 這うようにしてアリーナの壁までたどりつく。
「遠慮はいらん、打ち返してこい」
 甲冑がきしむ。ネビュラロンが切っ先を前にして突っ込んできたのだ。
「む、無理です……!」
 だって、とナツメは両手で杖を握った。
「私が使うのは魔法ですからっ!」
 破裂音。
 宙を舞ったものがある。
 木刀だ。水魔法の玉が弾き飛ばしたのだ。
 カランと音を立て木刀は地に転がっている。
「ふむ」
 ネビュラロンは立ち止まる。腕組みしていた。
「会話しながらそいつを呼び出していたか。瞬時目を奪われたな……よくやった」
 彼女が指さす『そいつ』とは、浮遊する自然友愛の精霊だった。
「覚えておけ、『強い魔法使い』というのは、今のように抜け目のないものだということを」
 以上だ、と告げるとネビュラロンは背を向けた。
 ナツメは呆然と立ったままだ。
 褒められたのだとはわかる。
 面談が終わったことも。
 ……!
 息を吹き返したようにナツメは駆け出していた。
「もしかして自覚を持たせるためにあえてジッセンされたのでしょうか、先生?」
 ネビュラロンは足を止めない。
「……せーんーせーいっ!」
 やはり止めない。扉を開けて出て行く。
 ナツメはその背を追う。


 緊張で身を固くしながら、【ビアンデ・ムート】は体育館(という名のコロセウム)の扉に手をかけた。
 大きく息を吸い左右に開け放つ。
 この場所で面談と聞いた時点で、ビアンデは面談相手が誰か予想していた。覚悟していた、といったほうがいいかもしれない。
 だから背中には大きなシールド、もとい大鍋(おおなべ)を背負っている。
「よろしくお願いします。ネビュラロン・アーミット先生」
 予想通りだった。白金の鎧を着込んだネビュラロンが、アリーナの中央に佇立していたのである。
「盾を構えろ。始めるぞ」
 ヘルメットに覆われネビュラロンの表情は見えないが、にこりともしていないだろうとはわかる。
「面談……でしたよね」
 鍋裏側の革ベルトに腕を通し、ビアンデはネビュラロンの眼前に進み出た。
「これが私の面談だ。強いて言うなら決闘式面談ということになるか」
 それが微塵も冗談ではないことは、彼女が左手に木刀を構えたところからも明白だろう。 
「決闘式面談ってなんですか!?」
 ビアンデは声を上げるも、踏み込みの一刀が銅鑼のごとく鍋を鳴らす音にかき消されてしまっている! 
「問う。お前の望みは!」
「望みと言われましても!」
 もう一撃。さっきより強い。
「ならば言葉を変える。達成したいものは!」
「それなら言えます!」
 声を上げ両脚と腕に力を込め、ビアンデはネビュラロンを押し戻した。
「将来はこの力で自分の手が届く範囲の人々を、そしていつかはより多くの人を、守れる盾となりたいと思ってます!」
 ふんと息を吐き出して、ネビュラロンは左手の木刀を横殴りにぶつけてきた。ビアンデは反射的にこれをガードする。
 間一髪間に合ったが、衝撃で目から火花が散ったようにビアンデは感じた。打ち込まれていれば肩を骨折していたかもしれない。
「いまひとつ問う! 学園での鍛錬は、その将来に資するものになっているか!」
「それは……!」
 ふたたびビアンデはネビュラロンを押し返していた。
 わずかに迷う。告げるべき言葉に。
 ビアンデとて、鳴らしたい不平もある。
 騙されて授業に参加することが多かったりと、フトゥールム・スクエアの授業は過剰な部分があると。
 けれども、ビアンデの口をついた言葉はこれだった。
「私はこの学園が好きです!」
 多くの仲間と知り合えたから。
 居場所を見つけられたから。
 天命ともいうべき、自分の役割を知ることができたから!
「自分の取り柄である盾として、皆さんを守れることは素直に嬉しいです!」
 ネビュラロンが背後に回り込もうとしている。
「いい答えだ。しかし、盾役を貫く道は厳しいぞ!」
 ビアンデは即応して騎士に向き直った。間髪を入れずそこに、木刀の一閃が叩き落とされている。
 そこで終わらない。
 さらに一撃!
「まず! 戦いにおいて最初に傷つくのは己であること!」
「わかっています!」
 さらに一撃!
「次に、常に肉体の靱(つよ)さを保つ義務があること!」
「怠りません!」
 さらに一撃!
「しかも、ときとして守るべき味方から、誤解を受けることもあるということ!」
「わかっています!」 
 ふとビアンデの脳裏をかすめたのは、かつて郷里の村で、魔物から友達を守り切った記憶だった。ビアンデは彼女をかばって重傷を負い、その後数日、高熱にうなされることになった。
 しかし途切れ途切れの意識であっても、ビアンデの心を占めていたのは、友達が無事であったことへの安堵だった。
「それで人々を守れるのなら、良識の範囲内であればなんでもするし、どんな困難も痛みも耐えてみせます!」
 これまでにない大きな音がした。
 ビアンデはガードを解く。
 ネビュラロンの左手にある木刀が、中ほどから折れていた。
「その決意、忘れるな」
 ネビュラロンは折れた部分を拾った。そして言う。
「そろそろ時間だな」
 ビアンデが入ってきたのとは反対側の扉が開いた。
 扉の向こうで、ナツメが手を振っている。


 夕方の散歩にいかんか? とメメル校長が声をかけてきた。
「散歩、ですか?」
 けれども【フィリン・スタンテッド】にはわかっている。
「本当は個人面談でしょう?」
「あちゃ~」
 ぺたっと額にメメルは手を当てた。
「フィリンたん勘がいいにゃあ~☆」
「そんなことは……ありません……」
 いけない、とフィリンは偽りの自分に戻った。
 勘がいいとか一筋縄ではいかないとか、そういう言葉は、純真無垢な『フィリン』には似合わない。
 フィリンの心の動きをどこまで理解したか不明だが、メメルは楽しげな笑い声を上げた。
 フィリンが校舎を出た頃には空は赤く染まっていた。寮に向け歩いている道すがら、待ち伏せしていたかのようにメメルが木陰からあらわれ、フィリンの隣を歩き出したのである。
「まー散歩しながらの面談だからまんざら嘘でもあるまいよ」
「……校長先生がお相手とは思いませんでした」
「にょほほ、サプライズこそオレ様の生き様だからな☆」
 メメルは寮とは反対方向に歩き出す。歩いている人は他にいない。フィリンも従うと、それで、とメメルは切り出した。
「学園生活はどうだ? 思った通りに進んどるか?」
「勇者・英雄コースの学生として、という意味ですか?」
「おうとも」
 どこから飛んできたのか、見上げたフィリンの頭上を桜の花びらが流れていく。
「順調といえなくはないのですが……迷いもあります」
「迷うのは若者の特権、大いに迷うがいいぞ」
 同じく花びらを目で追いながらメメルは言う。
「して、その迷いとは?」
 どこまで明かすべきだろうか、フィリンはわずかに考えた。
 しかし相手はメメルである。一部では合法ロリなどとあだ名される童顔だがああ見えて海千山千、数千歳だという噂もあるくらいだ。下手に隠しだてしたところで見破られてしまうだろう、と思い意を決す。
「私は……正しく、勇者でしょうか……?」
「ほう」
「私には……ワケありですけど、憧れた人がいました。その人を目標に、勇者になりたいと……」
「その道でよいか、迷いつつあるということかえ?」
 フィリンは黙ってうなずいた。
「前提としているものがな、ちとあやふやだと思うんだな」
 どういう意味ですか? とフィリンが問い返すと、
「だってなあ、『正しい』といっても色々あるからな☆」
 メメルはウインクした。
「たとえば、品行方正で誰からも尊敬されるのも『正しい』勇者かもしれんが、ときどきイタズラはするけど、力なき人々に楽しい日々を提供するのだって『正しい』勇者の姿じゃないかな?」
 フィリンは息を呑んだ。確かに自分は、『正しい』という言葉を硬直した意味でとらえていたかもしれない。
「それに、フィリンたんの目標としている人だって、きっと色んな面があったと思うゾ。どの部分をその人にならい、どの部分を自己流でいくか考えるのもよかろうよ♪」
(私が、『普段のフィリン』を知らないままだということをこの人は知っている……?)
 可能性は否定できない。けれども、あくまで一般論を語っているようにも聞こえる。やはりメメル校長、底が知れない――とフィリンは思った。
 しかしその一方で、話してよかったとも思うのである。メメルであれば、自分の秘密を察したとしても内密にしてくれると信じられるから。これはある種の甘えなのだろうか……?
「はい……アドバイスありがとうございます」
「そうかそうか。ところでフィリンたん」
「ええ」
「お風呂に入ったとき、どこから洗う?」
「えっ?」
 なんのことやらと思うが、仕方なく答える。
「まあ、利き腕でしょうかね……」
 すると突然、なんじゃと☆ とメメルは素っ頓狂な声を上げたのである。
「今のは心理テストでな」
「はあ」
「あなたのエッチ度診断という……」
「ちょ、ちょっと何の話ですか! ていうか結果は!?」
 秘密ぅ、とメメルは小走りになる。待って下さい、とフィリンは追う。


 夕暮れの森。地が揺れる。
 針葉樹が近づいてくるのだ。根を二本の足として、ひときわ長い左右の枝を腕として。
 並大抵のサイズではない。見上げるほどに、というか見上げきれないほどの高さがある。
 周囲を見やり桜の木々を踏まぬようにして、ゆっくりと【ツリーフォレストマン】は腰を下ろした。それでも地面はきしみ、桜の花がはらはらと舞い落ちた。
「じいちゃん、会いたかったー!」
 ヒュッと音がした。
 伸ばしたフォレストマンの腕に鉤爪付ロープが巻き付いたのだ。
「わしも会いたかったぞ」
 グワラグワラ豪快に笑うと、巨大木人は腕をひねってロープを引き上げる。
 ロープから手を放し、ひらりモモンガのように【バルド・ダールベルク】はフォレストマンの肩の上に着地した。
「息災であったか」
 枝葉をかきわけ、フォレストマンは幹から穏やかな顔を見せた。
「調子? 毎日いい感じだなー」
 孫のように返して、あっ、とバルドは声を上げる。
「この間思い切りやっちまった手の方は大丈夫か……?」
 この冬、門松用竹争奪戦の大立ち回りでバルドはフォレストマンの手首を粉砕したのだった。
「心配無用」
 古木は右腕を上げた。
「じき元通りぞ」
 わあ、とバルドはフォレストマンの肩から腕をつたい、生まれたての部位を確認した。右手の形に組み合わさっているのは、今にも花が咲きそうなくらい青々とした枝である。
 春の個人面談、バルドの相手を務めるのはこのツリーフォレストマンなのだ。フォレストマンじきじきの希望だったというのも嬉しい話ではないか。
「学園にこんな場所があったなんて」
 バルドは周囲を見渡す。
 フォレストマンの前方にあるのは、数え切れないほどの桜の木々だった。樹齢は古いらしく、節くれ立ちゴツゴツした樹が多いものの、枝いっぱいの花を咲き競う姿は、夢の中の光景のようである。
「わしのお気に入りの場所じゃよ」
 フォレストマンは笑った。
「バルドよ、学生生活のほうは順調か?」
「そうだね」
 バルドは巨木の肩の位置に戻って言う。
「まだ驚くことばかりだけど、楽しく積極的に活動してるのは間違いないよ!」
 そうかそうか、とフォレストマンはうなずいて、
「わしが若木だった頃もそんなものだったな。ずいぶん無茶をやったものだ。魔王事変のときは、若木連中を集め山火事に挑みかかったり……わしらにとって『火遊び』は文字通り命がけじゃからな。いまでも語りぐさになっておるはずじゃて」
 どこまで真実か不明だが、そんな武勇伝を語るのである。
 バルドは素直に目を輝かせる。
「すごいな、じいちゃん! そんな伝説を残したのかっ。俺もいつかすごいことを残せるような人になりたいな……なれるかな」
「なれるとも。すでにその芽は出ておる。わしの手を砕いた新入生は、お主しかおらなんだわ」
 本当に? とバルドは照れくさげに頭をかいた。
「かつてのような災厄がこの地に起こることはもうないかもしれん。だが、もしものときは頼りにしておるぞ」
「任せて! ……と即答できるように自分を鍛えたいよ」
 ところでと彼は話題を変える。
「じいちゃんが尊敬している人についても話を聞きたいな」
「メメル校長は……ああ見えて傑物じゃよ」
 どういう理由で? とバルドはたたみかけるも古木は笑って答えず、
「それはそうと若者よ、恋愛のほうはどうしておる?」
 意外な方向に話を向けた。
「恋愛は、う~ん……」
 バルドとしては、あまり向かい合いたい話題ではなかった。過去の古傷、苦い記憶から彼はまだ抜け切れていない。
 だから、
「今は、勉強したり部活で叫ぶのに夢中だからないな!」
 むしろじいちゃんの恋愛話を聞かせてよ、と水を向ける。
 フォレストマンのほうはまんざらでもないらしく、
「ではわしの幼馴染み『花ちゃん』の話から……」
 身振り手振りを交え語り始めるのである。

 やがて宵闇が近づく頃、
「そろそろじゃな」
 と、古木は告げた。
 

 ここじゃ、とツリーフォレストマンは呼ばわる。
 バルドはフォレストマンの左手の先まで渡って目を凝らし、メメル校長がこちらに片手を挙げているのを目にした。
「おーい♪」
 メメルだけではない。タスクとシキアも同行していた。少し遅れてフィリン、さらに後方から陣も続いている。
 別の方角からナツメとビアンデも歩いてくるのだが、バルドを驚かせたのは同行者の姿だった。
 全身を白い甲冑に身を固めた騎士だ。ネビュラロン先生に違いない。

「このままお花見、って話でしたよね」
 バルドはフォレストマンから滑り下りて言った。
「葉桜だがまだ見頃☆ 夜桜には最適の時期って感じぃ?」
 と言うメメルはどこから出したか、カーペット大に巻いた敷物をかたわらに置く。
「タスク様の発案ですってね、素敵な提案、ありがとうございました」
 スカートの両端を持ってナツメがお辞儀する。
「偶然同じ日に個人面談の人がいくらかいると聞いて、軽く打ち上げでも、と提案しただけです」
 タスクは照れたように両手をパタパタと振った。
「楽しいですね」
 と敷物をひろげながら、ふと気配を感じてビアンデは振り返った。
 なんとネビュラロンが、敷物が風で飛ばないよう敷物の端に石を置いている。
「先生も……」
 来て下さって嬉しいです――そうビアンデが言いかけたとき、
「お~っほっほっ!」
 手の甲を口にあて、高笑いしながらミレーヌが姿を見せた。ウェルカも一緒だ。面談で親しくなったのだろうか、ここまでふたりは手を繋いできていた。
「本日は楽しい席にお声がけいただき、ありがとうございました」
 ウェルカは深々と頭を下げるのだがミレーヌのほうは、
「将来の女王たる私が、宴の席に来てさしあげました! 末代まで誇っていただいてもよくってよ!」
 などと言い胸を張っている。ウェルカと差し向かいだったときとは明らかに発言の傾向が異なっていた。こちらがミレーヌの素なのだろうか、それとも逆か。

 ほのかに青みがかった、魔法の明かりが頭上に灯る。
 メメルに同行したメンバーが飲食物も運び込んでいたので、賑やかな花見となった。
「おじさんはもうお腹がペコペコだよ」
 とホットサンドを手にした陣にフィリンが声をかける。
「面談どうだった?」 
「そうだねえ……」
 ――メメたんが慰めてあげても良いのだぞ?
 その記憶いらないから、と陣は自分の心にツッコミを入れてから述べた。
「微妙に煙に巻かれたところはあるけど、このまま続けてもいいらしい、って気にはなったねえ」
 そっちは? と訊かれフィリンは答える。
「私は……まだまだ、だけど……それがわかった、かな」
 落ち着いてはいるが明るい口調だった。いいきっかけになったとフィリン自身思っている。
 ナツメも、
「皆さんは面談どうでした?」
 とビアンデとタスクに問いかけていた。
「私は、たぶんナツメさんと同じですね。アクティブな面談でした」
 ビアンデは答え、ちらとネビュラロンを見た。彼女は兜を脱ぐでもなく、木にもたれ黙考している様子だ。
「僕も、いいお話が聞けました」
 タスクが言う。
「これからはもっと臨機応変というか、柔軟な思考をしていきたいと思っています」
 そんな折、シキアがすっくと立ち上がった。
「知ってる人もいるかもしれないけど、俺、芸能・芸術コースなんだよ。将来の夢はみんなを楽しませるパフォーマーさ」
 わかってる、と言うようにメメルが黙ってギターを差し出した。
「ありがとうございます、校長先生。じゃあ演奏、ちょっといいかな?」
 拍手に迎えられ、シキアはツリーフォレストマンの根元に座って弦を爪弾く。
 歌詞のないセレナーデだが、シキアは想いを曲に乗せている。
(俺は俺になりたい。ここでなら、誰でもない自分になれると思う)
 みんなもそれぞれ、みんならしく――そう願う。



課題評価
課題経験:20
課題報酬:720
ドキドキ☆春の個人面談っ!
執筆:桂木京介 GM


《ドキドキ☆春の個人面談っ!》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 1) 2019-04-07 00:15:33
わっ!抽選、当たりました!ありがとうございますっ!
勇者・英雄コースのタスク・ジムです。よろしくお願いします(ぺこり)
校長先生に、是非ともお礼を言いたかったんです。嬉しいなあ♪

個人面談なので、会議する内容は特には無いのかなあ、とは思ったのですが…
せっかくのこのメンバーで、集まったり、何か記念になることができたり、
何かあれば面白いなあ、と、ウィッシュに書いてみようかなあ、と思っています。

《新入生》 ウェルカ・ラティエンヌ (No 2) 2019-04-07 09:58:38
皆様、初めまして、もしくはご機嫌良う。
王様・貴族コース専攻のウェルカ・ラティエンヌと申します。
宜しくお願い致しますわ。

確かに、あまり相談する内容は無さそうですわね。
一応、御挨拶を兼ねて「誰に担当してもらう予定か」の表明くらいはしておいた方がよさそうでしょうか。

私は、「ミレーヌ・エンブリッシュ先輩」にお願いしたいと考えておりますわ。
同じコースの先輩であることに加え、「得意分野」も近いですから、一度お話を伺ってみたかったのですが、これまで機会が御座いませんでしたので。

タスク様の仰る「何か記念になること」を実施するのでしたら、「打ち上げ」の様な形になりますでしょうか?
実施される様であれば、参加させていただきますわね。

《ゆうがく2年生》 ナツメ・律華 (No 3) 2019-04-07 12:23:34
賢者・導師コースのナツメ・律華ですわ。どうぞよろしくお願いします
もしメンバーで集まるのなら私も参加しますわ。

ところで私の面談相手は…………
ネビュラロン・アーミット先生っ!?ひいいいいっ~
(前回の授業を思い出し)ぶ、無事に皆様の元へ戻れるかしら…?

《新入生》 バルド・ダールベルク (No 4) 2019-04-07 12:38:08
黒幕・暗躍コースのバルド・ダールベルクだ。
よろしくお願いします!

俺はツリーフォレストのじいちゃんとの面談を考え中~っ

面談の後でみんなで集まるってことなら、
集まりに参加するって俺も書いておくよ~!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 5) 2019-04-07 16:19:43
皆さん、よろしくお願いします!(ぺこり)
確かに、どなたに希望するかは公開必要ですね。
一人に集中してしまっては、先生大変ですものね!

みんなで集まる企画に賛成の声があり、嬉しいです。
ありがとうございます!
書くのはウィッシュなので、叶うかどうかはわかりませんが、
何人かが書けば、GM様の気持ちが動くかもしれませんね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 6) 2019-04-07 23:00:39
連続ですみません。

僕の面談希望先は、メメル校長先生です。
最初の書き込みが分かりにくかったらいけないと思い、念のため再掲します。

セクシーポイントやカレーのくだりを真面目に答えるプランを書いてみました(笑)

みんなで集まろうの会は、打ち上げメインの方向で微調整してみますね。
(何だか、普通に飲み会の幹事やってるみたいになってきた…)
僕は何となく花見のイメージだったんですが、何かご希望があれば教えてください。
字数によっては、書けるかもしれません。

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 7) 2019-04-08 06:34:45
出遅れごめんなさい。勇者・英雄コースのフィリンよ。
面談希望はまだちょっと考え中…多分、メメル校長か、ツリーフォレストマンさんになると思う。
打ち上げは私も賛成。やるなら参加させてもらうわ。

《熱華の麗鳥》 シキア・エラルド (No 8) 2019-04-08 22:16:54
ん、遅ればせながらみんなよろしく
俺は芸能・芸術コースのシキア・エラルドだよ。

面談…多分メメル校長かな…?俺もまだ考え中
打ち上げは賛成だよ、俺も参加させてもらおうかな

《甲冑マラソン覇者》 ビアンデ・ムート (No 9) 2019-04-08 22:52:00
挨拶が遅れてしまいましたが、勇者・英雄コースのビアンデ・ムートです
皆様よろしくお願いします

私もまだ詳細は決めてませんが、コルネ先生かネビュラロン先生を希望しようかなと思います
打ち上げは私も賛成ですので、よろしければ参加させてもらいます

《新入生》 バルド・ダールベルク (No 10) 2019-04-09 23:23:20
皆で集まるの、季節的にも花見いいとおもうーっ
楽しく絡めると嬉しいなー!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 11) 2019-04-10 00:18:17
よろしくお願いします!
メメル校長先生、やはり大人気ですね♪

打ち上げの出席率がすごいことになっていて、幹事(勝手に自称)として嬉しい限りです。
ありがとうございます!

字数及び、筆力が未熟な関係であまり派手は出来ませんでしたが、
おおむね、『桜の木の下で、夢を語り親交を深め合う』内容の打ち上げにしてみました。
楽しんで頂けたら、というのも、自分が書くわけでもないのに、変な話ですね。
どんなリザルトになるか、みんなで、わくわく出来たらいいな、と思います。

《人たらし》 七枷・陣 (No 12) 2019-04-10 02:45:48
賢者・導師専攻の七枷陣だよ。
おじさんは、校長に面談するかな。聞きたい事も一番知ってそうだし。…あんな性格だから、期待は薄いけどねぇ…はぁ~~(クソでかため息
打ち上げは…まぁ、余裕があればって事で。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 13) 2019-04-10 13:20:24
(おじさん…?ものすごい若く見えるけど…?)

えーと、勇者・英雄コースの、タスク・ジムです。
よろしくお願いいたします(ぺこり)
陣さんも、校長先生希望なんですね。何でも知ってそうですものね。
なんというか、面白すぎるのでテンションを合わせるのが難しそうですが…(笑)

打ち上げは、良かったら是非おいでください。
食べて飲んで、楽しくお話したら、悩みも軽くなると思いますよ。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 14) 2019-04-12 16:46:53
いよいよ、明朝出発ですね。
プランの提出忘れなど、不測の事態が起こらないよう、
お互い気をつけていきましょうね。

皆さん、いろいろな先生と面談なさることと思いますので、
リザルトが本当に楽しみです♪

《新入生》 ウェルカ・ラティエンヌ (No 15) 2019-04-12 20:26:22
注意喚起、有難う御座いますわ。

私の方は、既にプランは提出してありますので、あとは微調整を入れるかどうか、ですわね。

それでは、色々と大変そうでは有りますが、楽しんで参りましょう。