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波乱のBaby狂奏曲


ストーリー Story

 『ふぎゃーふぎゃー』と学園長こと【メメ・メメル】が乗り飛ぶ箒から、不思議な子供の泣くような声が聞こえる。
 しかもメメルの懐の中から、その声は聞こえるよう。
「よーし、よーし。もう少しだからな、大人しくしちくり~」
 片手で箒を掴み、もう片方の手は大事そうに己の懐を支えながら、メメルはフラフラと空を飛ぶ。
 年明け早々、メメルは何をしているのだろう?

 フトゥールム・スクエアにたどり着いたメメルは、一目散に学生寮に飛び込む。
 ……そう、懐の中に居る『なにか』を、学生たちに預けるために。
「チミたち聞くんだ~!!」
 急に現れたメメルに、学生たちもビックリ! ……と思いきや、いつものことなので、驚くのは半々。それだけメメルが、毎回学生寮に飛び込んでいるということ。
「ほ~ら見て見て~、新しい新入生なのだ~!」
 軽くざわつく学生などお構いなく、メメルは懐に抱いていた、その『新入生』を優しく表に出した。
「……はぁぁー!?」
「こ、これは!」
 お騒がせに慣れた学生たちが驚くのは無理もない、メメルが『新入生』と言ったのは幼子。しかも産まれて数ヵ月であろう赤ん坊だった。
「少々ワケがあり、オレサマが連れて来た。チミたちは、この子の面倒を見る、OK?」
 いきなり幼子を渡されても、学生たちだって赤ん坊の面倒の見方など分かりはしない。
 『ムリ~!』と、不服を言う学生たち、だがメメルは、
「メメたん超多忙で、面倒はちょームリって感じぃ~。だから……ほ~い!」
 渡すというより、赤ん坊を空高く飛ばしてしまったメメル。
「うっわわわーー!!??」
 ポーンと宙を舞う赤ん坊を落とせば、怪我では済まないと、右往左往する学生たち。
 だが、赤ん坊にはメメルの魔法がかけられており、赤ん坊は近くに居た学生の腕の中にフワフワと収まった。
「じゃあ頼んだよチミたち。あぁ、この子はライオンのルネサンスだ~か~ら~、力には注意なのだぁ~」
 意味深な言葉を吐き、寮から出て行ってしまうメメル……と思ったら?
「その子はまだ名前すら無いのだ。チミたちが名前をつける。フトゥールム・スクエアの赤ん坊ってイメージで、超いいカンジぃ~♪ ではではなのだぁ~!」
『………………』
 今度こそ本当に行ってしまったメメルと、赤ん坊を託されたまま唖然と残された学生たち。
 ちょっと待て! 現実問題を忘れていないか?
「私、幼子の面倒なんてみたことがないわ」
「それよりミルクとかオムツとか、どうするんだよ?」
「誰があやして眠るの?」
「名前すらない赤ん坊。なんて呼ぼう」
 次々と沸き起こる疑問質問。それに答えをくれそうな者も居なく、その場に残された学生たちは途方にくれるしかない。
 だけど……。
「ふ……ふぁぁぁ~ん!!」
「……へ!?」
 突然泣き出した赤ん坊。
 泣くということは、なにかを欲求するサイン。
 そこまでは分かる、そこまでは。
「ミ、ミルクかな? それともオムツ? ど……どうしたんでちゅかー?」
 ――人というものは、なぜ赤ん坊相手になると自分も赤ちゃん言葉になるのだろうか?
「ふぁぁ~ん! ふぁぁ~ん!」
 赤ん坊の心は理解しがたい。……そんなことを思っていた、メメルから赤ん坊を受け取った男子学生。
 とりあえずオムツかと思い、赤ん坊が包まれている布を解こうとしたその時!
『ボスッ!!』
「……は? うあぁーー!?」
「危ないっ!」
 な、なんと、赤ん坊の小さな拳が男子学生にヒットした途端、男子学生は赤ん坊を放り投げながらも壁まで飛ばされた。そのあり得ないほどの赤ん坊の一撃!
 これに慌てた女子学生がスライディングで飛び込み、落ちる赤ん坊をギリギリでキャッチし事なきを得る。
 ……しかし今のはなんだ!?
「これって……祖流還り?」
 黄金の髪と耳。新たに背中は金色の毛に覆われ、爪は鋭く長い。
「確かライオンのルネサンスだと……。だけど赤ん坊でこの力は凄い」
 メメルは言った。『ライオンのルネサンスだから力に注意』と。
 これがその理由? そしてフトゥールム・スクエアに連れて来られた原因?
「この種族って、どうなっているんだ?」
 壁に飛ばされた……幸いにも魔法で激突だけは避けた男子学生が、茫然とつぶやく。
「ルネサンスの細かい種族までは、流石に分からないわ。この子だけが特別かもしれないわよ?」
「誰が分かる人は居ないだろうか?」
 泣く赤ん坊を慎重にあやしながらも、寮内に居る学生たちに重い空気が走る。
 この種族に通じる人。その人が居ない限り手に負えないのではないかと。
「……そうだ! フィンブル先生だ!」
「フィンブル……あぁー!」
 学生たちが言うのは【フィンブル・リディル】先生。
 魔王・覇王コースの教員であり、この子と同じライオンのルネサンス。
「でもフィンブル先生は、いつも鍛練でどこに居るか分からないのよね」
「授業はしているんだから、学園内には居るはずだ」
「探すといっても、赤ん坊を連れてだぞ? 俺たちだけでは手が足りない」
 そこに通りかかったのは『あなたたち』。
 ちょっとパワフルな赤ん坊を連れながら、フィンブル先生を探し出す。そして赤ん坊の名前もつけて欲しいと、面倒ごとを一度に頼まれてしまった。
「……どうするのよー!」
 誰かの叫びが木霊する。
 上手く赤ん坊をあやしながら、鍛練大好きフィンブル先生を探し、なおかつ名前も決めてあげなければいけない。
 小さな赤ん坊に、メメルが託した想いを実行するのは君たちしかいないのだ。
 赤ん坊を抱いて、学園中を駆けめぐれ!


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 5日 出発日 2020-01-09

難易度 普通 報酬 通常 完成予定 2020-01-19

登場人物 8/8 Characters
《勇往邁進》オリヴァー・アンダーソン
 ローレライ Lv14 / 武神・無双 Rank 1
「あいつを殺す、邪魔はするな」 出身:北国の有力貴族の生まれ 身長:186㎝ 体重:80前後 好きな物:戦争、酒、チェス 苦手な物:__ 殺意:弟→無し 補足:大きな期待を受けた男は一人の男によってあっさり見棄てられた。 傲慢な男は氷のような外道だった。 補足②:斬れば早いと思ってる脳筋であり、 冷酷かと思いきや実はツンデレで心配性なところがある、ガッカリしてくれ。 補足③:彼は思う以上に不器用な男であり、 褒められたがりな所がある。
《比翼連理の誓い》オズワルド・アンダーソン
 ローレライ Lv22 / 賢者・導師 Rank 1
「初めまして、僕はオズワルド・アンダーソン。医者を志すしがないものです。」 「初見でもフレンド申請していただければお返しいたします。 一言くださると嬉しいです。」 出身:北国(リゼマイヤ)の有力貴族の生まれ 身長:172㎝ 体重:60前後 好きな物:ハーブ、酒 苦手な物:辛い物(酒は除く) 殺意:花粉 補足:医者を志す彼は、控えめながらも図太い芯を持つ。 良く言えば真面目、悪く言えば頑固。 ある日を境に人が触ったもしくは作った食べ物を極力避けていたが、 最近は落ち着き、野営の食事に少しずつ慣れている。 嫌悪を抱くものには口が悪くなるが、基本穏やかである。 ちなみに重度の花粉症。 趣味はハーブ系、柑橘系のアロマ香水調合。 医者を目指す故に保健委員会ではないが、 保健室の先輩方の手伝いをしたり、逃げる患者を仕留める様子が見られる。 悪友と交換した「高級煙管」を常に持ち、煙草を吸う悪い子になりました。
《甲冑マラソン覇者》朱璃・拝
 ルネサンス Lv29 / 武神・無双 Rank 1
皆様こんにちは。拝朱璃(おがみ・しゅり)と申します。どうぞお見知りおきを。 私の夢はこの拳で全てを打ち砕く最強の拳士となる事。その為にこの学び舎で経験と鍛錬を積んでいきたいと思っておりますの。 それと、その、私甘い食べ物が大好きで私の知らないお料理やお菓子を教えて頂ければ嬉しいですわ。 それでは、これからよろしくお願いいたしますわね。
《未来を願いし者》エトワール・フィデール
 ヒューマン Lv8 / 教祖・聖職 Rank 1
私は恵まれている、愛されている。だから…今度は私が愛を返す番です ーーーーーーーーーーーーーーーー 容姿 ・緩くミツ編みにした腰まである長い黒髪、丸い大きな青い目にうっすらと紅い頬。何処か人形めいた容姿に柔らかく穏やかな表情が人間味を与えている。 ・学園の制服以外では孤児院を出る際にマザーとシスターから貰った修道服を着て過ごしている 名前 ・教会のマザーにつけてもらった。愛称はエト ・姓は孤児院のものである 【PL】 ・友達申請ご自由に
《未来を願いし者》アルシェ・スレット
 ヒューマン Lv7 / 賢者・導師 Rank 1
アルシェ・スレット、対外的にはそう名乗っている長身で病的な痩躯の学園生。おおよそ艶というものの感じられない銀髪を長く伸ばし、紫色の瞳から感情は読み取れない。肌の色を表すならば、最も適切な語句は恐らく「死体」。 コミュニケーションと礼儀の概念はあるようで、普通に話は通じる、というか誰に対しても異様に慇懃な「御座います」調で喋る。 口癖は、「ははア。」 なお、このような幽鬼じみた外見をしておきながら結構な健啖家で、料理もする。得意料理は白米にかける前提のクリームシチュー。   普段は服の中にしまっているが、白い粉状の物体が入った小瓶を首飾りにしている。。
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《奏天の護り姫》レーネ・ブリーズ
 エリアル Lv29 / 芸能・芸術 Rank 1
いろいろなところをあるいてきたエルフタイプのエリアルです。 きれいな虹がよりそっている滝、 松明の炎にきらめく鍾乳石、 海の中でおどる魚たち、 世界にはふしぎなものがいっぱいだから、 わたくしはそれを大切にしたいとおもいます。
《ココの大好きな人》アンリ・ミラーヴ
 ルネサンス Lv18 / 教祖・聖職 Rank 1
純種が馬のルネサンス。馬の耳と尻尾を持つ。 身長175cm。体重56kg。 16歳。 性格は温厚。 あまり表情を変えず寡黙。 喋る際は、言葉に短く間を置きながら発していく。 少しのんびりした性格と、言葉を選びながら喋るため。 思考や文章は比較的普通に言葉を紡ぐ。 表現が下手なだけで、年相応に感情は豊か。 好奇心も強く、珍しいものを見つけては、つぶらな瞳を輝かせながら眺めている。 群れで暮らす馬の遺伝により、少し寂しがり屋な面もある。 やや天然で、草原出身の世間知らずも合わさって時折、突拍子の無い発言をする。 好きな食べ物はニンジン。 食べていると美味しそうに目を細めて表情を和らげる。 趣味はランニング。運動自体を好む。 武術だけは、傷付ける行為を好まないため苦手。 入学の目的は、生者を癒し死者を慰める力を身に着ける事。

解説 Explan

●目的
 フィンブル先生を探しつつ、赤ん坊が生活出来るように面倒を見ること。

●行動
 赤ん坊の欲求というのは、食欲や睡眠欲、後は不快なオムツを取り替えてあげること。そして一人ぼっちなこの子に、手を差し伸べてあげることになります。

●赤ん坊に必要な物
 粉ミルク、哺乳瓶、オムツ、着替え、温かいベッド。
 この5点を、学園内外から調達して下さい。
 
●選択
 上手くあやし、夜までに必要な物を揃え取り替えて、ベッドに寝かしつけられれば成功。(この場合種族特性が発動する可能性があります)
 または、フィンブル先生を頼り、ルネサンスの種族特性を抑えて貰ってから、お世話してあげるでも成功になります。

 赤ん坊が満足し、ベッドでスヤスヤと眠ってしまえば成功になり、フィンブル先生を探す必要はありませんが、学生では赤ん坊を育てるのは無理ですので、最終的には気づいたフィンブル先生に託すことにはなります。
 赤ん坊はライオンのルネサンスであり、無意識に『祖流還り』や『やせーの勘』を使ってしまいますので、泣き始めたら注意が必要です。

●ここ重要
 そしてこの子に、みんなが呼べる名前をつけてあげて下さい。

※フィンブル先生は公認NPCとなります。
詳細は、
http://frontierf.com/5th/mypage/mypage_top.cgi?act=room&pc_seq=754&view=other
よりご確認いただけます。


作者コメント Comment
 こんにちは鞠りんです。
 今回は赤ん坊もの……。ただの赤ん坊と侮る事なかれ、百獣の王ライオンの赤ん坊。
 無意識のパワフルさはもう、先輩を軽々と吹っ飛ばしています。
 でもね、ポーンと預けたメメたんですが、しっかりと心配しているんです。
 もしかしたら、影から皆さんのことを見ているかも知れません。
 では、赤ん坊の健やかな成長のお手伝いをよろしくお願いいたします。


個人成績表 Report
オリヴァー・アンダーソン 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:180 = 60全体 + 120個別
獲得報酬:4500 = 1500全体 + 3000個別
獲得友情:5
獲得努力:5
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---
ハッ。こんな糞ガキなど、その辺で放っておけば………今回はこのガキに免じて復讐はやめだ。
「オレは物集めに徹す………おい、手を離せ。離さんかこのガキ。」
他の女子の手伝いを行なう。

保健室付近の教室を借り、陣地作成で部屋の片付け、準備を行なう。
仲間のアドバイスを元に赤ん坊の世話を手伝う。
嗅覚強化を使い、尿臭すれば声掛けして指示をだす。

子供が種族特性を発動し仲間に何かあろうとすれば、
仲間を庇い心頭滅却で防御を行なう。
怪我人がいれば弟だろうと応急処置を行なう。

名前:ここは勇者を目指す学園だ、こいつは勇者になるべくして来たんだろうよ。
勇者に準えた名前にすればいい。

オズワルド・アンダーソン 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
自分の役目:部屋の作成に陣地作成を利用。
赤ん坊の必要なものを探しに出かけたり、赤ん坊のベッド運びを行います。
オムツ用の布とベッドは保健室ですかね、
保健室の先輩は別件でお世話になったので僕が行った方がいいかな。
あとは赤ちゃんのお世話に気をつけるべきこととかあれば教授願いたい。
オムツ替え等々で布の追加があると思うので保健室で借りるか、購買部で購入します。

自然友愛で精霊を召喚し、可能であれば物運びの手伝いをお願いします。
仲間に何か危険事があれば身代わりうさぎで助けます。

もし落ち着きが無ければ、なんかもう、
言の葉の師:ノクターンで安らぎを与えましょうか。(雑)

朱璃・拝 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
私はエトワール様達と赤ちゃんのお世話を主に行います。一先ず鞄の中から厚手の布を取り出して赤ちゃんをくるみますわ。寒い中このまま連れ歩く訳には参りませんし

それから星屑の砂時計を取り出し砂に光を蓄えると

「ほうら、綺麗ですわね~♪」

と砂時計を傾け光の流れる様を赤ちゃんに見せてみますわ。機嫌が良くなるかもしれません

もし赤ちゃんがむずがったら危険察知ややせーの勘でいち早く祖流還りの兆候を掴み、他の方を下がらせ私も祖流還りを行い攻撃を心頭滅却、新陳代謝で耐え

「赤ちゃんはこれくらい元気でないと♪」

と子供親和も用い笑顔を見せ安心させますわ

お別れの際は指を握ってもらっての握手を。私も赤ちゃん、欲しくなりましたわ

エトワール・フィデール 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
【目的】
お子に名前を付けてお世話をする

【行動】
子守り担当
手に入った道具を臨機応変に使ってお子が眠りにつくまでお世話をします。

・食事の後はげっぷをさせる事を忘れない様にしなければ
・お子の下着は常に清潔に心がけます
・寝かしつけには子守唄でも歌いましょうか

【アドリブ】
B…お子のお世話にアクシデントは付き物かと。

【セリフ】
・愛らしいお子ですね
・大丈夫…皆、ここにおりますよ。あなたは独りではありません…安心なさいな


アルシェ・スレット 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
フィンブル先生を探すことと致します。
皆様と手分けして、探す場所が被らないように致ししょう。

第一に普段鍛錬をしているという第五校舎の修練場で御座いますが、そちらに不在であれば職員室、覇王・魔王コースの教室と探して参りましょう。

関係者とすれ違った時には聞き込みと、先生を見かけたら伝えていただくようにお願いをいたしましょう。

校長より預かったルネサンスの赤子が祖流還りを起こしているためフィンブル先生の力をお貸し願いたい。医務室近くの教室へいらしていただきとう御座います。と。

購買部・服飾系クラブ・芸術コースなど布の在りそうな所の近くに来たら、清潔な布を譲っていただけるよう事情を話して交渉も致します。

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
赤ん坊のお世話か・・・


まずは仮でもいいからベッドとか物資とか部屋が欲しいよな
取り敢えず医務室近くの教室を確保だな
医務室だったら清潔な布とかすぐ確保できそうだしな
確保出来たら陣地作成、防御拠点である程度環境を整える
その際清廉のオルゴールとエンジュワカイロも使えないか・・・?
松竹梅のブローチでハネパンダの召喚を試してみる
それなりに動く動物で知恵と意思がありこの学園にいるんだ赤ん坊に危害は加えないだろ
こういうの赤ん坊とかがすきそうだしな

赤ん坊の世話をちゃんと上手くできるかわからないから買い物に行って来よう
・・・赤ん坊用とはいえベッドとか一人で運ぶのには大変そうだしな


レーネ・ブリーズ 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
あかちゃんに必要なものをあつめます。
(粉ミルク、哺乳瓶、オムツ、着替え、温かいベッド)

まず、仲間の人たちと行動を打ち合わせてから
学園と直結した学園都市居住区域「レゼント」にいって
超大型商業施設「クイドクアム」でお買い物をします。
揃えられないものがあったら卒業生さんたちが集まるお店
「スタリウム」に行って卒業生さんたちに相談します。
大人になって結婚して子育てした人もいると思いますもの。

それであつめたものを打ち合わせ通りにあかちゃんのところへ
届けます。

最後に学園長先生に領収書とたすけてくれた卒業生さんの
お名前のメモをわたしますね。

アンリ・ミラーヴ 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:3
獲得努力:3
獲得希望:3

獲得単位:0
獲得称号:---
俺も、学園長が赤ちゃんを預けた場にいた。
赤ちゃん、大事。これからを生きていく、大切な命。
お世話、手伝う。
ウサギのぬいぐるみ、ちょうど持ってた。赤ちゃんをあやす人に、預ける。
俺は、フィンブル先生、探す。
コース違うから、見かけた事あるだけ。
第5校舎の修練場、よくいるらしい。まずそこへ。
次に第5校舎周り、探す。
いないなら、先生が皆のところ、来てると期待して、戻る。
赤ちゃんのそば、俺もいる時は、あやしたり、様子伺う。
赤ちゃんの動きから、肉体言語と心理学で、気持ちを推測。
俺、笑うの苦手だけど、大きく頬を膨らませたり、歯を剥いたり、変顔で楽しませる。子供親和。
不意打ちは、やせーの勘、緊急回避で、避ける。

リザルト Result


「ハッ。こんな糞ガキなぞ放ってお……」
 赤ん坊の首根っこを掴み、つまみ上げようとしたその時。
「ふぁーん!」
 ボスッ!
「うわっ!!」
 危機感からなのか、祖流還りを発動させ小さな拳が胸にヒットした途端、壁までぶっ飛ばされたのは【オリヴァー・アンダーソン】。
「こ、このガキ、なんて力だ」
 寮の共有スペースに向かっていた、【朱璃・拝】と【エトワール・フィデール】は、大きな物音に驚き、慌てて室内へと飛び込んで来た。
「なにがありましたの!?」
 そこで見たのは、椅子に置かれている赤ん坊と、壁に体を打ちつけ床に座っているオリヴァーの姿。
「愛らしいお子ですね」
「赤ちゃん、可愛いですわね。ですが祖流還りをしていますわ」
 素早く状況を察知した朱璃は、持って来た厚手の布で赤ん坊をくるみ、落ち着かせようと試みる。
「赤ちゃんは、これくらい元気でないと♪」
 両耳をピョコピョコ動かし、つり目などの変顔を披露すれば、赤ん坊は穏やかになり、その力も弱まってゆく。
「もう大丈夫のようですね。孤児院でお子たちのお世話をしていましたので、扱いには慣れているつもりです」
「俺、学園長が赤ちゃんを預けた場にいた。さっきも先輩、ぶっ飛ばされた」
 エトワールたちに近づいてくるのは【アンリ・ミラーヴ】。
 どうしようかと、しきりに耳を動かしながら思案していると、オリヴァーが入って来て……一部始終を見てしまった。
「ウサギだウサ。初めましてウサ」
 声を高くし、持っていたピンク色のウサギになりきるアンリ。
「友達になろうウサ。今日から仲良しウサ」
「あ~あ~」
 ご機嫌のような声を発し、小さなウサギを握り締めて遊んでいる。
 こうしていると普通の赤ん坊であり、その仕草に胸が温かくなるのを感じていた。
 
 次に入って来たのは【オズワルド・アンダーソン】、【仁和・貴人】、【アルシェ・スレット】、【レーネ・ブリーズ】。
「わあー、可愛いあかちゃんですね」
 レーネはエトワールが抱く赤ん坊に、にっこり笑顔を見せ、
「子供こそは国、ひいては世界の宝でございます。安心して過ごせるようにいたしませんと、ええ、ええ」
「見たところ、赤ちゃんに必要な物が無さそうですから、早めに調達しなければなりませんね」
 アルシェとオズワルドの『安心して過ごす』、『必要な物』に、皆それぞれに頷く。そんな中、
「赤ん坊が仮でもいいから眠れるベッドとか欲しいだろ。それにオムツがないと大変だ」
 貴人の的確な言葉に、皆ここでは話にならないと考える。
「では保健室ですかね。清潔な布と、ベッドくらいは借りられるでしょうね」
 オズワルドの声を聞いたせいか、オリヴァーが反応し立ち上がり、その冷たい目で睨みつけた。
 オズワルドは恐怖に身動きすらとれず、部屋の中は独特な緊張感に包まれる中、その静寂を破ったのは……オリヴァー。
「今は治めることに集中しろ」
「……」
 予想外の言葉に驚いたのはオズワルド。
 戸惑い、しかし兄の『治めること』にハッと我に返る。
「この寮から移動することを考えるべきですね」
「お子のためにも、近くの教室を借りられないでしょうか?」
「確保だけならオレに任せろ。話を通せばいいだろう?」
 しかし一部始終を見ていたアンリは別のことを考える。
「先輩言っていた。フィンブル先生を探したほうがいいらしいんだ」
「【フィンブル・リディル】先生でございますか? ……ははア、フィンブル先生も赤子と同じライオンのルネサンスでございましたねぇ」
 同族ならば、赤ん坊の力を抑えることが出来るのではないか?
「アルシェは、フィンブル先生をお探しすることにいたしましょう」
「俺も、フィンブル先生、探す」
「じゃあオレは、一足早く教室の確保に向い合流すればいいな」
 アルシェ、アンリ、貴人は、皆を置いて先に寮を出た。


「俺は物集めに徹する……?」
「アーブァー」
「おい、手を離せ、離さんかこのガキ」
 なんと、赤ん坊がオリヴァーのマントを掴み離さない。
「赤ちゃんに気に入られましたねオリヴァー様」
「ちっ」
 離せとは言っているが、強引にマントを引っ張るわけでもない。こんな威厳がないオリヴァーは凄く珍しい。
「わたくしは買い物にいきます」
「僕も買い出しに向かいますね」
 レーネとオズワルドは買い出しを志願。
「ではお子を連れて、寮から移動しましょう」
 エトワールが椅子から立ち上がると、赤ん坊は少しだけ嫌がる素振りを見せたが、
「大丈夫……皆、ここにおります。あなたは独りではありません安心なさいな」
 微笑みと共に優しい言葉を口にすれば、赤ん坊は大人しくエトワールに抱かれ、一行は年明けの寒空へと歩き出した。

「あかちゃんに名前がないと困りますね」
「このガキが男か女すら分からんだろ」
「お子が女の子でしたら、私はユスラ、輝きという花言葉を提案したいです」
「私は男の子ですと、リオンという名前がよろしいと思いますわ」
「僕はライリーですね。由来は勇敢な者。勇者にピッタリな名前でしょう?」
 校舎までの話題は赤ん坊の名前。
 候補はあるのだから全員が集まった時に決めればいいと、道中は和やかムード。
 ただオズワルドの警戒心が完全に抜けたわけではない。
 でも赤ん坊に翻弄されるオリヴァーを見て、いつもよりは恐怖が薄れている気はしている。

 教室を確保したのを確認し、保健室に来たオズワルド。
「こんにちは」
「やぁ君か。前は世話になったね」
 オズワルドの挨拶に足を止めたのは、以前知り合った治療士たちの1人。
「今日は赤ちゃんに使えそうな、オムツ用の布が欲しいです。ベッドも借りられませんか?」
「赤ん坊? この学園では珍しい話だね」
 オズワルドは、かいつまんで赤ん坊の経緯を説明。
「布は幾らでも提供出来るから持って行きなさい」
「ありがとうございます。ベッドのほうは」
 治療士は近くのベッドに目を移す。
「フェアリーエリアル用のベッドしかないのがね、少し改造して使って欲しい」
「赤ちゃんのお世話で気をつけることはありますか?」
「体を清潔にしてあげること。小まめに食事を取らすこと、だね」
 借りたベッドに布を詰め込んで、オズワルドは近くの教室まで移動。
「ベッドも借りて来ましたが、大きいので四方全てを布で囲めば、赤ちゃんは落ちないそうです」
「それはいい案ですね。みなさんベッドを作りましょう」
 エトワールが丁重に赤ん坊をベッドへと降ろし、貴人とレーネが周りを布で囲む。
「エンジュワカイロを持って来たんだけど使う?」
「赤ちゃんは温かくさせないといけませんわ」
「他にも清廉のオルゴールや、運試しだけど、はねぱんだもあるんだ」
 魔法のポケットのように、貴人は赤ん坊が喜びそうな物を沢山取り出した。
 そして松竹梅のブローチから飛び出したのは……はねぱんだ。
「お、ツイてるな」
 机の上にはねぱんだを置き、貴人は満足顔。
「オルゴールを私がお借りしてもいいでしょうか貴人さん?」
「いいよ。赤ん坊の世話をちゃんと上手くできるかわからないから、オレも買い物に行って来よう」
「僕は身代りうさぎを置いていきます」
 教室に残る朱璃たちにアイテムを託し、オズワルド、貴人、レーネは、レゼントに向けて出発した。


 レゼントに入り、ベビー用品を売っている店を探す3人。
「街中より『クイドクアム』のほうが、みつけやすいと、わたくしはおもいます」
 超大型商業施設『クイドクアム』。ここで揃わない物など、ほぼないだろう。
 入り口すぐの案内板を眺めるレーネ。
「えーとですね」
 レーネが指差すのは、数少ないベビー用品専門店。
「もし見つからなかったら『スタリウム』にいって、卒業生さんたちに話を聞いてみようとおもいます」
 疑問を持つ貴人に、レーネは『経験豊富ですもの』と、にっこり笑う。
 目指すはベビー用品、いざゆかん。

「あかちゃんの服がかわいいです」
「ベッドって小さいんだな」
「粉ミルクに哺乳瓶もありますね」
 あまり見たことがないベビー用品に感動。
「こんなものでしょうかね?」
「オレはこれでいいと思うけどな」
 ベッド、オムツ、着替え、粉ミルク、哺乳瓶。
 必要な物を全て手に入れたと思ったら。
「あの、領収書をお願いします」
『はぁ!?』
 オズワルドや貴人、いや店員さえも驚くレーネの一言。
 学生が『領収書』と言うことは少ない。
「まあいいや、これ運ぶだろう?」
「勿論です」
「わたくしも持ちますね」
「では粉ミルクと哺乳瓶をお願い出来ますか?」
 レーネが小さな袋に入れて貰った物を持ち、オズワルドと貴人が2人がかりでベッドを持ちレゼントの街を歩く。
「……【ハナ】」
 自然友愛で精霊を召喚してみたけれど、幼い精霊では哺乳瓶1つ持つのも難しい。
「仕方ないね。近くを回って僕たちを癒してくれる?」
 オズワルドの呼びかけに精霊は3人の周りを飛び遊び、みんなの心を癒してくれる。
「こんなのも楽しいですね」
 フワフワと飛ぶ精霊を見ながら、3人は学園への帰路に着いた。


 残ったのは、エトワール、朱璃、オリヴァー。
「赤ちゃんのために色々なアイテムを持ち寄ってくださったのですわね」
「これも主と精霊のお導き、有効に使わせていただきましょう」
 そんな中で、慣れない子守りに困っている者が1人。
「おい、俺は何をすればいいんだ」
「オリヴァー様は、はねぱんだを押さえて貰えないでしょうか?」
「ふんっ、面倒なものを置いていきやがって」
 そう言いながらも、はねぱんだの腰(?)を掴み押さえるオリヴァー。
 捕まりながら『シャキーン! ビシッ!』と、決めポーズをとる、はねぱんだがまた面白い。
「見てください、お子も喜んでおります」
「まぁ、本当ですわ」
 朱璃は星屑の砂時計を出し、光を吸収させ赤ん坊の横にそっと置いた。
「ほうら、綺麗ですわね~」
「アーウー」
 喜ぶ姿に嬉しそうな朱璃。
 エトワールは笑みを絶やさず教室は穏やか。

「随分と時間が経ちましたね」
「赤ちゃんのオムツ替えや、食事など必要ですわねエトワール様」
「オムツはまだ必要ない、そんな臭いはせんからな」
 さりげなく体調を見ているのが、不器用なオリヴァーらしい。
「食事のほうがよろしいかしら?」
「朱璃さん、今はミルクもなにもないです」
「保健室で重湯を作れないかしら?」
 保健室には重湯を作れる環境があると朱璃は考える。
「私、聞いて来ますわね」
「えぇ、お待ちしております」
 颯爽と飛び出し、治療士を捕まえ作れるかどうかを確認。
「重湯程度は作れるよ」
「少々お借りしてよろしいかしら?」
「勿論。食器とかも自由に使っていいよ」
 覗くと、今欲しい物が揃っていることに気づいた。
「お米は少なく、水を多めに」
 記憶を頼りに、重湯を作る朱璃。
「エトワール様が木の食器がいいと言っていましたわ」
 木の器とスプーンを選び教室へと運ぶ。
「これでよろしいでしょうか?」
 エトワールに重湯を渡すと赤ん坊をベッドから膝の上に乗せて、少量の重湯をすくい赤ん坊の口へと運ぶ。
「食べてくださいな」
 初めは嫌がる素振りを見せていたが、エトワールの根気に、赤ん坊は僅かながらでも重湯を口に含み飲み込む。
「食べましたわ」
「これでミルクが来るまで安心です。朱璃さんのお陰ですね」
 ポンポンと軽く背を叩き、赤ん坊が『げっぷ』をするのを見届けるエトワール。
「お腹がいっぱいになり、お子が眠りについてくれるのが一番なのですが」
「赤ちゃんは全く眠ろうとはしませんわね」
 普通食欲が満たされれば睡眠に入る、でも。
「ふあぁーん!」
「オムツを取り替えろだと」
 オリヴァーの嗅覚が、オムツの替え時を知らせてくれたが、
「泣いていますわ」
「これは祖流還りですよね?」
「替えなければ、このガキはいつまでも泣き続けるだろうよ」
 先ほどのオリヴァーのように、能力を発動している時に赤ん坊に触れるのは危険。
「私が赤ちゃんと同じように祖流還りをしますわ。その間にエトワール様とオリヴァー様は、オムツを取り替えてくださいませんか?」
「だが蹴りでも相当な力があるぞ。……ちっ、これを持っていろ」
 オリヴァーがエトワールに渡したのは、身代りうさぎ。
「ですが私がこれを使ってしまいましたら、オリヴァーさんが危険です」
「俺はどうにでもなる。……持て!」
 半ば強制的に身代りうさぎを押しつけ、オリヴァーはぎこちなくオムツを外しにかかる。
 朱璃が赤ん坊の腕を持ち、オリヴァーがオムツを外した後両足を持ち上げ、その間にエトワールが消毒液を浸した布で赤ん坊のお尻を綺麗に拭き即座に新しい布と交換、という連携プレイを披露。
「お子のオムツ交換終わりです」
「もう大丈夫かしら?」
 少々情けない格好のオリヴァーと朱璃。そんな最中にアンリとフィンブルが教室の中に入って来た。


 広い校舎を渡り歩くたびに、アルシェはすれ違う学生に訪ね歩く。
「もし、魔王・覇王コースのフィンブル先生を、お見かけになりませんでしたか?」
「フィンブル先生? 第5校舎で修練じゃないの?」
 アルシェとアンリが修練場を覗くと、沢山の学生たちが格闘の修練を行っている中、隅のほうで黒い服装のまま活発に動くルネサンスの男性が居る。
「あれ、フィンブル先生?」
「ライオンのルネサンスのようですし、そうでございましょう」
 近寄りがたいものはあるが、2人はフィンブルのもとに行き思いきって話かけた。
「学園長より預かりました、ライオンのルネサンスの赤子が祖流還りをおこしておりまして、フィンブル先生のお力をお貸し願いたいと思う所存でございます。ご一緒に保健室近くの教室へ、いらしていただきたいとうございます」
「赤ちゃん、強い力。先輩、仲間、みんな壁にぶっ飛ばされた」
 2人の話を聞いて、フィンブルは少し考える。
「赤子の力で大人を飛ばすほどの祖流還りですか? まずは赤子の力を止めることが重要ですね」
 フィンブルは話を十分に加味した上で、アルシェとアンリに同行することを承諾。
「アルシェは帰り道がてら布を集めたいと思いますが、よろしいでございましょうか?」
「フィンブル先生、教室連れていく」
 アルシェは途中でアンリと別れ、フィンブルとアンリだけが教室に到着。
「フィンブル先生ですわ!」
「おい、早くこのガキの能力を抑えてくれ」
 教室に入ってみれば、泣き祖流還りを起こした赤ん坊を、朱璃とオリヴァーが押さえている真っ最中。
 フィンブルはすかさず赤ん坊を捕まえ抱き上げた。
「分かりますか? もう不安がることはないのです」
 目を見つめ合えば赤ん坊の力が徐々に収まり、フィンブルに甘える仕草。
「今はこれでいいでしょう、私は学園長に詳しく話を聞いて来ます」
「お任せくださいフィンブル先生」
 笑顔で赤ん坊を受け取るエトワールに安心し、フィンブルは教室を出て学園長室へと向かった。

 2人と別れて布を貰えそうなクラブなどを探すアルシェ。
「演劇部の部室があったと記憶にございます。そこをお尋ねいたしましょう」
 部室に入り事情を説明したら、沢山の布を頂いてしまった。
「このように山ほど頂けるとは、アルシェ感激でございます」
 持たされた布を一度置き、時々『ボキッ』、『バキッ』と、不思議な関節音を鳴らしながら、不健康そうな出で立ちで1枚ずつ折り目正しく布をたたむ姿は、演劇部員でさえも目を見張るものがある。
「これでよろしゅうございいます、ええ、ええ」
 ビシッとたたまれた布をカバンに詰め込み、アルシェは部室を後にした。


 フィンブルと入れ違いで、アルシェが布を持って教室に到着。
 そのすぐ後に、オズワルド、貴人、レーネも戻って来た。
「赤ちゃん用品がいっぱいですわ」
「ベッドを替えるだろ、服を着せてミルクもやるよな?」
 貴人がテキパキと専用のベッドを整え、赤ん坊は居心地のいい場所へ移動。
「男女どちらの服も買ったです」
 両方の服を持ち思案するレーネ。
「お子の性別は男の子です」
「本当に坊主だったな」
 オムツを替えた時にしっかりと見ている。
「ライリーとリオン、どちらがいいでしょう?」
 必要な物が揃い、残るは保留にしていた赤ん坊の名前。
「男の子なんだからリオン、それでいいだろう」
「どちらも捨てがたい名でございますねぇ」
「リオン。ライオンの意味、赤ちゃんに合う」
 lion(リオン)、とある国ではライオンを指す言葉の意。
 アンリの説明に、全員がリオンに傾いたよう。
「アーアー」
「気に入っているみたいですね」
 レーネは微笑み、近くにあったオルゴールの蓋を開いた。
 響く音色に乗せて、エトワールが子守唄替わりに唄う。
 満足したのかリオンはゆっくりと目を閉じ、完全に寝てしまった。
「寝てしまいましたね」
 レーネが覗いても、リオンは起きる気配さえない。
「スヤスヤと眠る顔はなんて可愛いのでしょう。私も赤ちゃん欲しくなりましたわ」
 朱璃の発言に、皆が『えぇー!?』と驚く中、フィンブルが教室に入って来た。
「??」
「朱璃さん、赤ちゃん欲しい、言った」
 アンリがフィンブルに説明し、朱璃は恥ずかしさにうつむいてしまった。
「学園長から話を伺いました。この子が居ると授業の妨げになってしまうでしょう、ですから私がその子の面倒を見ることになります」
 リオンを見つめていた朱璃が、フィンブルを見る。
「この子のこと、よろしくお願いいたしますわね」
「もし心配であれば、私の部屋に来てリオンと遊んであげてくれるでしょうか?」
「勿論ですわ!」
 眠るリオンを抱き上げるフィンブル。でも、いつでも会いに行けると、皆は微笑んでリオンを送り出した。

「終わりましたでございますねぇ」
 どこかホッとしたようなアルシェの口振り。でもオズワルドたちは違うよう。
「今回はリオンに免じて、お前を見なかったことにする。次は無い」
「兄さん」
 オリヴァーを『兄さん』と呼んだのは、いつぶりだろう? そうオズワルドが考えているうちに、オリヴァーの姿は教室から消えてしまっていた。

 次の日、学園長室に2枚の紙が置いてあった。
 それは領収書という名の催促の紙と、たすけてくれた卒業生の名前のメモ。犯人は勿論、領収書をくださいと言ったレーネである。



課題評価
課題経験:60
課題報酬:1500
波乱のBaby狂奏曲
執筆:鞠りん GM


《波乱のBaby狂奏曲》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 1) 2020-01-04 09:11:29
武神・無双コースのルネサンス、朱璃・拝と申します。どうぞよろしくお願いしますね。

赤ちゃん、可愛いですわね…♪

《未来を願いし者》 エトワール・フィデール (No 2) 2020-01-04 10:25:19
ごきげんよう。教祖・聖職コースのエトワール・フィデールと申します。

本当に、可愛らしいお子ですね。

《勇往邁進》 オリヴァー・アンダーソン (No 3) 2020-01-04 12:19:51
くだらん、なぜ俺がガキの面倒を見なくては…しかも弟と…(ギロリと睨み)
俺は帰らせてもら…(赤ん坊にマントを握られる)…おい、離せ。離さんか。

………チッ。寝るまで付き合ってやる。

《比翼連理の誓い》 オズワルド・アンダーソン (No 4) 2020-01-04 12:43:01
………(兄の姿にビクビクしつつ)

ぼ、僕は先生を探しつつ必要なものを調達する係を希望しますね。

《未来を願いし者》 アルシェ・スレット (No 5) 2020-01-04 13:12:44
賢者・導師コース、アルシェ・スレットで御座います。

ええ、ええ、子供は国の宝で御座います。当地でも変わるものでは御座いますまい。

《未来を願いし者》 エトワール・フィデール (No 6) 2020-01-04 13:32:53
では、お子のお世話はお任せ下さい。
孤児院(いえ)ではよく幼き子の面倒を見ておりましたので

【子供親和Lv4】

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 7) 2020-01-04 18:39:44
では私も赤ちゃんのお世話をお手伝いいたしますわね。泣きださないよう気をつけますがもし祖流還りを使ってしまっても一応私も祖流還りややせーの勘で対応できるかと思いますので。

《未来を願いし者》 アルシェ・スレット (No 8) 2020-01-04 21:51:38
エトワール様も拝様も、心強い限りで御座います。

ははア……アルシェの思うことには、「粉ミルクと哺乳瓶」の組み合わせ、そして「オムツと着替え」の組み合わせ。
これらはほぼ同じ場所で売っているのではないだろうかと考える次第で御座います。使うシーンがほぼ同じで御座いますからねえ。

ゆえ、提示されております5点の必要物についてそのように3つに分かれたうえで手分けするのが上策と思う次第で御座いますが、皆様如何思われましょうか?

《未来を願いし者》 エトワール・フィデール (No 9) 2020-01-05 09:52:21
まぁ!それは良い案だと思います。
後は…フィンブル先生をお探しするのと、お子の名前を決めなくてはいけませんね

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 10) 2020-01-05 20:50:56
ええと、赤ちゃんを抱えながらフィンブル先生を探す事になりますのよね?それなら「暖かいベッド」はどうします?一先ず「厚手の布」等で体をくるんで腕に抱える等して「暖かいベッド」に致しますか?それか何方かのお部屋へ一先ず入ります?

>名前
赤ちゃんの性別、どちらでしょう?OPを見た限りでは書いていないような気が。一応ベタですけどライオンのルネサンスという事でリオンというのは考えましたが。これなら男女どちらでもいけそうですので。

《未来を願いし者》 エトワール・フィデール (No 11) 2020-01-05 21:22:32
そうですね、医務室のベッドをお借り出来れば良いのですが…

私からもお子の名前を1つ提案させて頂きますね。「ユスラ」はいかがでしょうか?「輝き」という花言葉を持ったとある植物が由来です

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 12) 2020-01-06 07:58:22
お手伝いに来ましたエルフのレーネ・ブリーズです。よろしくお願いします。
え、ええと、今のところ、
オリヴァーさん「あかちゃんにマントをにぎられちゃったまま、よりそってあげる」
フィデールさん「思い出と技能をいかしてあかちゃんをお世話してあげる」
拝さん「フィデールさんのお手伝いをして、あかちゃんがないちゃったときは種族特性でとめてあげる」
オズワルドさん「先生をさがしながら必要なものをあつめる」
こんなかんじでいいでしょうか。

先生は職員室か魔王・覇王コースの教室とかか、あと、第5校舎の修練場によくいるみたいですね。

わたくしはオズワルドさんと手分けして、学園の外で必要なものをあつめたいです。
入学のときにみた学園案内には学園の周辺施設で大抵のものがそろってる「クイドクアム」、卒業生さんたちがあつまる「スタリウム」というお店がある学園都市がありました。
そちらにいってみますね。
名前についてはどちらもすてきだとおもいます。
意味合いで、男の子でしたらリオンくん、女の子でしたらユスラちゃん、とかはいかがでしょうか。

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 13) 2020-01-06 11:57:11
っと、挨拶が遅れてしまってすまない
魔王・覇王コースの仁和だ。
ベッドを探しに行く前に代替え品を用意しておくのは賛成だ。
他の物も代替え品を用意できるといいんだが・・・何かないか?
あと、布は大目にあっても困らないと思う。
オムツにしたりとかくるんだりだとか清潔ならおしゃぶりの代わりにも…ってさすがに無理か。

名前はそれでいいんじゃないか?
男女別の候補があっても。

あ、オレは買い物に行こうと思う。
ベッドを運ぶの一人だと大変だろうからな。

《未来を願いし者》 アルシェ・スレット (No 14) 2020-01-06 12:35:03
おむつは最悪幅広の清潔な布が御座いましたら布おむつになりましょうしねえ。

代替品……哺乳瓶と粉ミルクは厳しゅう御座いましょう。
ベッドはそれこそ、フェアリータイプのエリアル用のベッドが一時的に代用できますまいか?
周りに毛布を高めに盛って転落防止兼サイズ調整に。

アルシェはフィンブル先生を探すことをメインに動く事に致しましょう。

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 15) 2020-01-06 20:41:29
粉ミルクの代用品になるかは解りませんが、重湯ならお米と水があれば作れるのでミルクが届くまではそれを作るのもいいかもしれませんわね。お米なら何処かしら直ぐに見つかりそうですし。

名前はそれでは男の子ならリオン、女の子ならユスラで一先ず考えておきますか?

《未来を願いし者》 エトワール・フィデール (No 16) 2020-01-06 23:44:53
哺乳瓶が見付からなかった場合はカップとスプーンでもなんとかなるとは思います。ただ、スプーンはお子の事を考えると木製の物が良いかと。後は…布を1枚、お子のよだれ掛けに使いたいと思っているのですが

名前は私も男女の候補ということで良いと思います。

《ココの大好きな人》 アンリ・ミラーヴ (No 17) 2020-01-07 06:59:52
教祖・聖職コース、アンリ・ミラーヴ。よろしく。
赤ちゃん、大事。手伝う。赤ちゃんの名前、両方とも了解。
俺も子供親和Lv2ある。心理学Lv1も、赤ちゃんの気持ち、察するのに活きたら、良いな。
ぬいぐるみ、持ってる。赤ちゃん、喜ぶかな。

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 18) 2020-01-07 21:34:28
いま、こんな感じでいいでしょうか。
オリヴァーさん「あかちゃんにマントをにぎられちゃったまま、よりそってあげる」
フィデールさん「思い出と技能をいかしてあかちゃんをお世話してあげるのと女の子のときの名前」
拝さん「フィデールさんのお手伝いをして、あかちゃんがないちゃったときは種族特性でとめてあげるのと男の子のときの名前」
オズワルドさん「先生をさがしながら必要なものをあつめる」
わたくし「学園のまわりのお店で必要なものをあつめる」
貴人さん「お買い物、ベッドとかを協力してはこぶ」
スレットさん「先生を探す」
ミラーヴさん「あかちゃんのきもちをみてあげて、ぬいぐるみとかでよろこばせてあげる」
見落としがあったらおしえてください。

それで、きれいな布でしたら医務室にあると思います。
きれいなお水や消毒液とかも役に立ちそうです。
ただ、医務室はカゼをひいちゃった人とかもきますから、
あかちゃんはちかづけない方がいいと思います。

フェアリーさんのベッドはとってもいいと思います。

粉ミルクの代用品……いったん沸かしてぬるくなるまで
さました牛乳とかもいいかもしれません。
ただ、上に張った膜はよけてあげた方がいいと思います。

《未来を願いし者》 エトワール・フィデール (No 19) 2020-01-08 00:36:29
レーネさん、まとめて下さり有難うございます。

医務室のベットをと思いもしましたが確かにお子の健康には良くありませんね…私もまだまだ考えが未熟です…レーネさん有難うございます。

《ココの大好きな人》 アンリ・ミラーヴ (No 20) 2020-01-08 00:47:36
レーネさん、まとめてくれて、ありがとう。
俺も先生を探す。ぬいぐるみは、フィデールさん達に、預ける。ウサギの、ぬいぐるみ。
探す間、赤ちゃんと皆が、どこにいるか、決めてくれたら、先生見つけた後、早く戻れる。

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 21) 2020-01-08 06:37:05
ううん、みんなでかんがえてあげるのがたいせつです。
積極的な相談をフィデールさんたちががんばっておられたので遅れてきたわたくしもスムーズに相談にはいれたと思ってます。
それにあかちゃんのそばにいるみなさんたいへんですよね。
『やせーの勘』をつかえるって、レベル2以上かもしれないですもの。
だから参考にしていただける意見を出せてうれしいです。

あかちゃんの場所は、医務室の近くの教室とかを学園長先生のお手伝いということでつかわせてもらうとかはいかがでしょうか。
きれいな布や水とかすぐもらってこれますし、フィデールさんのご意見に近いようにベッドを借りることもできます。
なにかあったとき保健の先生にすぐあかちゃんをみてもらえるかもしれませんし、フィンブル先生の指示で別の部屋にいくときには保健の先生に伝言をしていただけたら学園の外のお店でお買い物したのもすぐもっていけますから。

学園長先生があかちゃんを最初につれてきてたの学生寮なんですけど男の子と女の子、いっしょにははいれないみたいなんですよね。

《ココの大好きな人》 アンリ・ミラーヴ (No 22) 2020-01-08 07:08:16
決めてくれたらは、人任せだった。ごめん。
医務室近くの教室、良いと思う。
オムツは、トイレでかえられる?

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 23) 2020-01-08 20:32:39
間が空いてしまいましたわね。医務室近くの教室ですか。私は異論はありませんわ。

>おむつ
学校のトイレですから交換台はないのではないでしょうか?どうなのでしょう?

《比翼連理の誓い》 オズワルド・アンダーソン (No 24) 2020-01-08 20:56:44
そういえば先生探しですが、場所指定できたので先輩や先生方に声掛けして来てもらうようにお願いするのも一つの手ですね。
僕はそうしようと思います。

オムツやベッドは医務室は僕が行って借りれるか聞きますね、
苛烈な保険委員の先輩方がいらっしゃったのを覚えてますのできっとベッド運びも造作ないでしょう。(無責任)
気をつけるべきこととかあるかもしれないのでそれも聞いたりしましょうか。


《比翼連理の誓い》 オズワルド・アンダーソン (No 25) 2020-01-08 21:26:33
まぁ、無いとは思いますがもし赤ん坊に落ち着きがなかったら
言の葉の詩ノクターン使えますので必要であれば言ってくださいね。

《未来を願いし者》 エトワール・フィデール (No 26) 2020-01-08 21:46:17
お世話をする場所は私も異論ありません。

オムツの交換ですが、交換台はないかもしれませんがトイレのふたをアルコール消毒してからその上で替えることが出来ますよ。この学校のトイレでしたらあまりにも汚れている、という事は無いでしょうし…

《未来を願いし者》 エトワール・フィデール (No 27) 2020-01-08 22:20:15
あ、もちろんアルコールで消毒をしたからといってトイレのふたに直接お子を寝かせる事は致しません。タオル等を下にひいてから寝かせて交換します

《未来を願いし者》 アルシェ・スレット (No 28) 2020-01-08 23:12:59
ははア……何はともあれ、清潔な布はいくらあっても困ることはない、という状況で御座いますねえ。
フィンブル先生を探すとともに布もいくばくか確保して参りましょう。ええ、ええ。

《未来を願いし者》 エトワール・フィデール (No 29) 2020-01-08 23:57:11
相談した内容でなんとかお世話をしてみます(プランを出してきました)
皆さん、宜しくお願い致します。

(赤ちゃんに微笑みながら)