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【体験/新歓】フェスティバル・オブ・チキン


ストーリー Story

 春がどんどん深まる。風の匂いが変わる。新しい季節を迎えようとしている。
 今日がマジック・オブ・ディライト最終日。夜になっても華やかさは少しも薄れることはない。
 祭りが終わってしまう一抹の名残惜しさを感じつつも、これは終わりではなく始まりなのだ。
 広場では後夜祭『フトゥールム・ディライト』のメインである打ち上げ花火を見ようと人でごった返していた。
 喧噪に佇むステージ。その中心に凛と立つのは【テス・ルベラミエ】だ。
「皆様のおかげでマジック・オブ・ディライトも最後を迎えます。初めての試みでしたが、楽しんでいただけたでしょうか?」
 テスが音声拡張魔法でそう話し出すと、観客席からワッと歓声が上がる。
「それでは後夜祭のフィナーレ打ち上げ花火が始まります。では、学園長」
「うむ。チミたち楽しんでるかー! ヒック……楽しい時間ほどあっという間だな、それもよきかな。……だが、我々には後夜祭が残っとる!」
 テスに促されて前に歩み出た【メメ・メメル】校長は酒の瓶をマイク代わりに演説を始めた。
 すでに酔っぱらってるぞ、この学園長。
 出来上がった声に、酒の匂いまで伝わってきそうな酔いっぷりだ。
「……学園長、こちらがマイクとなります。しばしお酒は預かっておきますね」
「ううん? おっとオレサマとしたことが間違えちった☆ ところでテスたん、今日は無礼講だ。お酒を飲みながらでもいいと思わないかね」
 ダメに決まってんだろ、メメたん。
 テスは駄目ですよ、と楚々たる微笑みで、メメルからさらりとお酒の瓶を取り上げて下がっていく。その手際の良さにさすがテス先輩! と拍手を送りたくなる。
「ちぇー、テスたんはお堅いな。そう思わんかね、チミたち?」
 酒を取られふてくされた表情を浮かべたメメルは広場に向かって呼びかける。
「もおーメメたん分かってるんだからなあ。これから花火を背景にフィーバーしたり、イチャイチャしたりするんだろ♪ そう、それこそが若者の真のあるべき姿! こういうときこそハメを外すさんでどうする!」
 そうメメルが握りこぶしを作りながら力強く訴えられると、なんだかそんな気がしてきてソワソワ。
 だが、教職に就く者としてその発言はどうなのか。
「というわけでぇ、オレサマがとっておきの花火を用意したぞ☆」
 メメルはまるで手品のように杖を取り出したかと思うと、
「いでよ、コッコたん!」
 突如メメルの周囲に巨大な魔法陣が現れる。魔法陣は強烈な光を放った。夜だというのに眩くて一面が真っ白になった。
 恐る恐る学生たちが目を開けるとそこには――。

 あ、あれはもしや……!?
 かの伝説のフェニックスでは!?
 フェニックスといえば勇者の前に現れ試練を与え、ときには勇者の命すら救ったとされる伝説の存在。

 炎が祝福するように舞い踊る。全てを灼き尽くさんとする炎はメメルの体を傷つけるどころか守っているようにさえ見えた。
 幻想的なまでに美しい火の鳥はメメルの腕へ羽休めするように止まった。
 新入生どころか在校生すらも固唾を呑んで見守る。
 普段不真面目極まりないあの学園長がまともな魔法使いに見える!
 まるで物語に登場するような偉大な魔法使いのようだ。あの学園長が! 実力はあれどメメ・メメルという人物を知るものならばどれだけの異常事態か分かってもらえるに違いない。

 おぼろげだった火の鳥がより明確に姿をかたどっていく。
 生徒たちのざわめきが大きくなる。
 メメルの腕にいたのはフェニックス――ではなく、燃えさかる鶏だった。そう燃えるチキンだ。
「コッコたん整列☆」
 いつの間に現れたのだろう。メメルに従うようにずらりと並ぶ鶏が並ぶ様は圧巻だった。さながら軍隊のような規律正しさで並ぶ鶏。なんだか鶏がゲシュタルト崩壊を起こしている。
 この鶏、目つきが悪い。まるでマフィアの眼光だ。一般人がいればひと睨みで逃げ出してしまいそうだ。
 コッコッコッコ……、と鳴いているが、鶏の鳴き声と言うよりも猟犬の唸り声のようだった。

 え、あれが伝説のフェニックスなの!?
 勇者を助けたという伝説の不死鳥が鶏……。
 心なしか会場のテンションが下がった。
 その反応を見て燃えさかる鶏が憤慨するように炎をまき散らす。
「チミたち素直でよろしい! コッコたんはな、フェニックスの一種なんだぞ。キング・オブ・チキン! 弱肉強食を乗り越えたニワトリの中のニワトリ! そう、君の名はフィニクスコッコなのだ☆」
 とはいっても、伝説のフェニックスとは別物だがな、とのメメルの言葉に生徒たちは胸を撫でおろす。
 夢が壊されなくてよかった。
 不機嫌そうなフィニクスコッコは鶏と思えぬ尊大な態度で睥睨した。
「どーどーコッコたん。チミの素晴らしさはこれから見せつけてやればいいのだ」
 メメルが勢いよく燃える鶏を宥めると、
「行け、コッコたん1号! 発進だ☆」
 その号令に勇ましくコケッコッコー! と鳴いたかと思うと、鶏は燃える羽を威嚇するように広げ空へ羽ばたいた。
 え。鶏って空を飛ぶっけ?
 そんな疑問が頭によぎりながらも呆気にとられたように空を見上げる。
 そして、鶏は空のお星さまとなった――自爆したのだ。
 美しい花火だ。これが鶏の生命の輝きだと知らなければ文句なく美しい。
 赤や黄や緑の色とりどりの光をぶちまけて消えた後、しんと空が静まりかえった。ついでに地上も静まりかえった。
「なんだなんだ揃いも揃ってお通夜みたいな顔をしおって。安心せい、コッコたんは空からチミたちを見守っておるぞ」
 鬼かよ、メメたん!
「ふーむ、チミたちは素直な花丸良い子だな! 安心ちたまえ! 種明かしするとだな、コッコたんは明日の朝になれば蘇っとる。コッコたんにとって爆発は新陳代謝みたいなもんだからな」
 メメルの言葉を聞いてホッとした空気が流れる。そもそもの元凶は目の前にいる学園長なのだが。
「話は終わりじゃい。さあて酒飲むぞ! テスたん返しとくり」
 メメルはステージから立ち去ろうとして、不意に何かを思い出したように振り返った。
「おっと言い忘れとったな。逃亡したコッコたんがあっちこっちで爆発するかもしれんが、メンゴ☆」
 チミたちなら大丈夫だ、と取って付けた言葉を吐き、メメルは誤魔化すようにウィンクを決めた。
 ドカンッ! という大音響とともに丸く大きな花火が夜空に開いた。
 次々と絶えることなく鶏が空を飛び、花火となって消えていく。
 つまり花火があがる度に燃えさかる鶏が自爆しているということを意味している。
 夜空に咲く刹那の大輪の花。それとは裏腹に地上はいろんな意味でざわめいていた。


エピソード情報 Infomation
タイプ マルチ 相談期間 8日 出発日 2020-05-19

難易度 簡単 報酬 なし 完成予定 2020-06-13

登場人物 16/16 Characters
《新入生》ヘンリー・クラウン
 ドラゴニア Lv3 / 村人・従者 Rank 1
「俺か?俺はヘンリー・クラウン。見た目に反して一応どらごにあ?という種族だ。よく分からないがな」 異世界で有名なパティシエをしていたらしく、幸せに暮らしていたという。 だが、何かの拍子で階段から落下。 その直後に異世界、この世界に飛ばされたという。 王様のシェフやそういう形でならないかと言われていたが断っていた矢先のことだったため、最初は混乱していたらしい。 そして、湖に映った姿を見て驚愕した。 ある小さな街に辺境伯がおり、そこで数ヶ月喫茶店を開いてた。 その噂を聞きつけた一人の貴族がやってきて、味に大変満足したらしく、1年間、貴族様のお抱えシェフとして活躍していた。 だが、貴族に話が持ちかけられ、学園に入ることにした。 ただ、学園に入るには理由がいるので、貴族に迷惑かけないため、安定した生活をするという理由で入ったようだ。 だが、本当の理由ではない。 名前は「ヘンリー・クラウン」 現年齢:24歳 転移前:44歳 現種族:ドラゴニア 元種族:この世界で言うルネサンス 見た目:赤い羽と尻尾があり、角はおでこに鬼のようなものがあり、鱗などがいろんな箇所にある。     美形 補足:前世界では子持ちのパパ    以前から料理やらお菓子作りなどが得意    家事は得意だが、ルーズ    基本クールだが、好きなものは好きと決意が固い 「貴族さまに恩を返す為に俺はなんでもするさ…。なんでも、な。貴族さまに悪意を向けるようなことは俺が許さない」
《新入生》マオ・アルフェード
 ローレライ Lv3 / 魔王・覇王 Rank 1
「ふふっ、お兄さん、ボクと一緒に楽しい思い出、作らない?♥」 名前:マオ・アルフェード 前職業:男娼・男狩り 属性:誘い受けのビッチ 好きなこと:男性を堕としたり、味見すること 嫌いなもの:女性、ぶりっ子(女性の) 特技:色仕掛け、ぶりっ子 元々男娼していたが、自由になれないことの辛さに退屈で窮屈な生活を抜け出し、男をナンパするという「男狩り」を始める。 男狩りをしたら必ず家に一定の期間住ませてもらうということを持ちかける。 お金は出してもらう代わりに、体の関係をもちかける。 それも飽きたあと、学園の近くをフラフラしていた。 ちょっとだらしない感じだが、露出してはないがはだけており短パンを履いてる。 爪はマニュキュアをつけている。 時折派手なエロい服を好む。 ただ、女性が好きではないので男の子と見える服を着る。 見た目はちょっと女の子よりの顔だが、可愛い少年というところだ。 男性ならどんな人も好むという。 同類を見つけたら自分から好意や興味を持って近づいて仲良くなろうとする傾向あり。
《新入生》ディウス・グランディード
 ドラゴニア Lv3 / 王様・貴族 Rank 1
名前:ディウス・グランディード 性別:男性 年齢:38歳 身長:166cm 体重:78kg 職業:*******国王(国の名は伏せられている) 性格:傲慢・非道・******* 備考:*******(伏せられている)
《新進気鋭》アンジェリア・ストロベリアン
 ドラゴニア Lv4 / 王様・貴族 Rank 1
「ご機嫌よう。私はストロベリアン侯爵家のアンジェリア。どうぞ宜しくお願いいたしますわね」 「な、なん……なんつークッッッソみたいな事してくれやがりますの!?神が許しても私の強攻撃が許しませんわよ!?!?ブチ殺して差し上げますわ~~~~!!」 「は???????????????」 「おファッッッック!!!!!!」(台パン ✼••┈┈┈┈••✼ 身長:172cm 体重:秘匿 年齢:16歳 一人称:私(わたくし) ✼••┈┈┈┈••✼ ピンクの豪奢なロングヘアを靡かせ、その髪の間からは相手を見据える、鋭い金色の双眸。 ストロベリアンの名に違わぬ、ストロベリーレッドの角と翼。 女性が羨む、高身長スレンダーなモデル体型。 性格は貴族らしく尊大かつ自信満々な性格。気に食わない相手に挑発を行う事もあるが、力無き相手に強権を奮う事は決して無い気高さも持つ。 愛称はアンジェで、彼女もそう呼ばれる事を好む。 そんな彼女の実態は! 異世界転生(元)ゲーミング台パンお嬢様である!! ✼••┈┈┈┈••✼ 上記の性格も間違いではないが、付け加えるなら。トップを争い、競い合うもの。 勉学やゲームはもとより、戦闘などに関してもとてつもない負けず嫌いで熱くなりがち。 …と言えば聞こえはいいが、ようはメチャクチャのめり込んでバチクソ口が悪くなるお嬢様である。人前では内心に秘める事も多いが、ハイになるとマシンガントーカーと化す。 当たり前だが、残念属性持ち。
《枝豆軍人》オルタネイト・グルタメート
 リバイバル Lv15 / 魔王・覇王 Rank 1
■性別■ えだまめ(不明) ■容姿■ 見た目:小柄で中性的 髪:緑のショートヘア 目:深緑色 服:生前の名残で軍服を好む。 あとなぜが眼帯をしてる。 ※眼帯に深い理由はない。 ■性格■ 元気(アホの子) 意気揚揚と突撃するが、結構ビビりなのでびっくりしていることもしばしば。 ■趣味■ 枝豆布教 ■好き■ 枝豆(愛してる) ■苦手■ 辛いもの(枝豆が絡む場合は頑張る) ■サンプルセリフ■ 「ふはっはー!自分は、オルタネイト・グルタメートであります。」 「世界の半分を枝豆に染めるであります!」 「枝豆を食べるであります!おいしいのであります!!怖くないのであります!」 「これでも軍人さんでありますよ。ビビりじゃないであります!」 「食べないで欲しいでありますー!!自分は食べ物ではないであります。」
《野性のオオカミ》ヘルムート・アーヴィング
 ルネサンス Lv8 / 魔王・覇王 Rank 1
「自分はヘルムート・アーヴィング。誇り高きロイニデッド出身、種族は狼のルネサンスだ。優れた軍人になるべく、この学園へと入学する事となった。諸君らと良い学友になれることを願っている。」                               ―――――――― 【性格】 軍人を目指すだけあって、堅さがある口調だが社交的に見えるよう、人前では口角を意識して上げて笑みを作っている。 己に厳しく、そして他人と一定の距離を置く様にしている。 ポーカーフェイス、冷静で居るよう意識してるが、狼なので尻尾に意識せず感情が現れてしまう。 『優れた軍人であるべき』アーヴィング家の血を引きながら、放蕩な1期生のプラムに嫌悪感をあらわにするが、半年経った現在、態度は軟化してきている。 根が善人の為、厄介事に巻き込まれがち。 【口調】 一人称:自分、僕(感情が高ぶると俺) 二人称:君、諸君、(男女共に)名前+君 「本日の授業の仲間は…諸君らか。勉学ばかりで実戦経験が乏しい自分だが、どうかよろしく頼む。」 「課題を一緒に乗り越えてきた仲間は、一生の宝だ。特に先日のマラソン大会は、少し自分に自信を持てたよ。」 「プラム…貴様さては何も考えてないな????」 【好き】 長姉 家族 酸味 【嫌い】 プラム・アーヴィング 自堕落な人間 侮られる事 傷の舐め合い
《新入生》レナ・コウフィ
 ローレライ Lv3 / 王様・貴族 Rank 1
「私?私は、レナ・コウフィ。ある者をがこちらにいるらしくてね。入れば近づけるかと思ったのだけど、まあ、よろしく頼むわね」 近隣の国の貴族の長女で、学校に入る必要はないがある者を探してやってきたらしい。 ローレライで見た目は25歳とういうくらいで、女性としては背が高め。 姫カットのロングで体が強調されてる服を着ている。 口癖:ちょっとどこにいってたのよ!    やっとみつけたんだから~!    逃げんじゃないわよ! 探し人:コックをしてたドラゴニア その他:甘いものに目がない     可愛い物が好き     ふわふわしてるのが好き 彼氏:なし 「は?貴族の名を継ぐ気?あるわけないでしょ?私は私のやりたいようにやるのよ。あんな狭苦しい家にいるわけないでしょ?だから、来たんだから、邪魔しないでちょうだい?」 性格はかなり悪い。 だが単純なのでからかわれても気づかない。 気づいたらめちゃくちゃ怒る。 照れると可愛い。
《新入生》マリアルト・シャリエ
 ヒューマン Lv10 / 黒幕・暗躍 Rank 1
「…あの……マリアルト、です…」 「…退かない…ですか……なら、仕方がありません」 暗く、引っ込み思案な元奴隷 学園にはある「目的」があって入ったようで…? 容姿 ・プラチナブロンドの髪にバブルピンクの瞳、左目だけ後天的に少し濁っており、眼帯をつけている ・全体的に暗い色の服を好む、有事の時に目立ちにくい服は便利だとか ・体は15歳だが実年齢はもっと上、どうやら実験の後遺症で体の成長が止まっている模様 性格 ・引っ込み思案の卑屈、過去の影響で自分を薄汚い存在だと思い込んでいる ・日向より日陰の方が落ち着く ・懐いた人には尽くすタイプ ・半面、敵に一切の容赦はかけない ・味音痴、なんでも食べちゃう ・実験の影響かトラウマか精神年齢も低い、見た目も相まって一見すると小さい女の子 ・でも自分の実年齢はちゃんと分かってる、わたしおとななのでお酒飲めるんですよ(くいー) 好きなもの あのひとの演奏、掃除、花、■■■ 苦手なもの 注射、日向、■■■■ 二人称:アナタ、名前+~さま、呼び捨て(敵対者のみ) 話し方:……多用、ぼそぼそ喋る。文字数厳しい場合は普通にしゃべらせてもOK
《1期生》カンナ・ソムド
 ルネサンス Lv10 / 芸能・芸術 Rank 1
猫耳と猫の尻尾が生えている女性のルネサンスで体つきはかなりセクシーである。とはいえ年齢は高校生~大学生相当と本人は言っているものの、外見はどうみても中学生相当の若さである、いわゆる合法□リ。 性格はかなり受け身でおとなしい。 よほどの事がない限り喋ってくれないのが玉に瑕。 喋ることはほぼないものの、学園生活は普通に満喫している模様。 普段は踊り子としてお金を稼いでいるらしい。 好きなものはスイーツと猫科の動物、嫌いなものは虫。
《猫の友》パーシア・セントレジャー
 リバイバル Lv19 / 王様・貴族 Rank 1
かなり古い王朝の王族の娘。 とは言っても、すでに国は滅び、王城は朽ち果てた遺跡と化している上、妾腹の生まれ故に生前は疎まれる存在であったが。 と、学園の研究者から自身の出自を告げられた過去の亡霊。 生前が望まれない存在だったせいか、生き残るために計算高くなったが、己の務めは弁えていた。 美しく長い黒髪は羨望の対象だったが、それ故に妬まれたので、自分の髪の色は好きではない。 一族の他の者は金髪だったせいか、心ない者からは、 「我が王家は黄金の獅子と讃えられる血筋。それなのに、どこぞから不吉な黒猫が紛れ込んだ」 等と揶揄されていた。 身長は150cm後半。 スレンダーな体型でCクラスらしい。 安息日の晩餐とともにいただく、一杯の葡萄酒がささやかな贅沢。 目立たなく生きるのが一番と思っている。
《大空の君臨者》ビャッカ・リョウラン
 ドラゴニア Lv22 / 勇者・英雄 Rank 1
とある田舎地方を治め守護するリョウラン家の令嬢。 養子で血の繋がりはないが親子同然に育てられ、 兄弟姉妹との関係も良好でとても仲が良い。 武術に造詣の深い家系で皆何かしらの武術を学んでおり、 自身も幼い頃から剣の修練を続けてきた。 性格は、明るく真面目で頑張り屋。実直で曲がった事が嫌い。 幼児体系で舌足らず、優柔不断で迷うことも多く、 容姿と相まって子供っぽく見られがちだが、 こうと決めたら逃げず折れず貫き通す信念を持っている。 座右の銘は「日々精進」「逃げず折れず諦めず」 食欲は旺盛。食べた分は動き、そして動いた分を食べる。 好き嫌いは特にないが、さすがにゲテモノは苦手。 お酒はそれなりに飲めて、あまり酔っ払わない。 料理の腕前はごく普通に自炊が出来る程度。 趣味は武術関連全般。 鍛錬したり、武術で語り合ったり、観戦したり、腕試ししたり。 剣が一番好みだが他の分野も興味がある。 コンプレックスは身長の低さ。 年の離れた義妹にまで追い抜かれたのはショックだったらしい。 マスコット扱いしないで欲しい。
《2期生》シルワ・カルブクルス
 ドラゴニア Lv15 / 村人・従者 Rank 1
細い三つ編みツインテールとルビーのような紅い目が特徴のドラゴニア 元々彼女が住む村には、大人や数人ぐらいの小さい子供たちしかおらず同い年程度の友達がいないことを心配した両親にこの学校を薦められて今に至る 一見クールに見えるが実際は温厚な性格であり、目的である世界の平和を守ることはいわば結果論、彼女の真の目的は至って単純でただの村人として平穏に暮らしたいようである しかし自分に害をなすとなれば話は別で、ドラゴニアらしく勇猛果敢に戦う 一期生にはたとえ年下だとしても「先輩」呼びをするそうだ 「私はただの村人、できる限りのことをしただけです」 「だれであろうと私の平穏を乱す者はすべて叩き伏せます」 ※口調詳細(親しくなったひとに対して) 年下:~くん、~ちゃん 同い年あるいは年上:~さん ※戦闘スタイル 盾で受け流すか止めるかでダメージを軽減しつつ、斧で反撃するという、いわゆる「肉を切らせて骨を断つ」戦法を得意とする
《幸便の祈祷師》アルフィオーネ・ブランエトワル
 ドラゴニア Lv23 / 教祖・聖職 Rank 1
異世界からやってきたという、ドラゴニアの少女。 「この世界に存在しうる雛形の中で、本来のわたしに近いもの が選択された・・・ってとこかしらね」 その容姿は幼子そのものだが、どこかしら、大人びた雰囲気を纏っている。  髪は青緑。前髪は山形に切り揃え、両サイドに三つ編み。後ろ髪は大きなバレッタで結い上げ、垂らした髪を二つ分け。リボンで結んでいる。  二重のたれ目で、左目の下に泣きぼくろがある。  古竜族の特徴として、半月型の鶏冠状の角。小振りな、翼と尻尾。後頭部から耳裏、鎖骨の辺りまで、竜の皮膚が覆っている。  争いごとを好まない、優しい性格。しかし、幼少より戦闘教育を受けており、戦うことに躊躇することはない。  普段はたおやかだが、戦闘では苛烈であり、特に”悪”と認めた相手には明確な殺意を持って当たる。 「死んであの世で懺悔なさい!」(認めないとは言っていない) 「悪党に神の慈悲など無用よ?」(ないとは言っていない)  感情の起伏が希薄で、長命の種族であった故に、他者との深い関りは避ける傾向にある。加えて、怜悧であるため、冷たい人間と思われがちだが、その実、世話焼きな、所謂、オカン気質。  お饅頭が大のお気に入り  諸般の事情で偽名 ”力なき人々の力になること” ”悪には屈しないこと” ”あきらめないこと” ”仲間を信じること” ”約束は絶対に守ること” 5つの誓いを胸に、学園での日々を過ごしている
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《新入生》セブ・エラルド
 ローレライ Lv10 / 教祖・聖職 Rank 1
エメラルドグリーンなローレライのショタっ子(実は爺) 他人を名前で呼ぶときは~くん、~ちゃん 目上の人でも変わらない 自分の外見がかわいいことを自覚しておりそれを使って他者にに取り入りいろいろして貰うことを信条にしている 「僕ってかわいいからさー、皆世話焼いてくれるんだよねー」 「がんばってー、あとちょっとでいけるいける!それ、りーらぶ、りーらぶ!」 なお神は信仰していない 自分の都合に良いので聖職についている 普段の言動は意識してやってる半ば演技 実際は働きたくない、応援するのも嫌でも自分が働くのはもっと嫌 計算高い腹黒でものぐさ あまりにも性的なお付き合いはNG
《甲冑マラソン覇者》朱璃・拝
 ルネサンス Lv29 / 武神・無双 Rank 1
皆様こんにちは。拝朱璃(おがみ・しゅり)と申します。どうぞお見知りおきを。 私の夢はこの拳で全てを打ち砕く最強の拳士となる事。その為にこの学び舎で経験と鍛錬を積んでいきたいと思っておりますの。 それと、その、私甘い食べ物が大好きで私の知らないお料理やお菓子を教えて頂ければ嬉しいですわ。 それでは、これからよろしくお願いいたしますわね。

解説 Explan

 フィニクスコッコと死闘を繰り広げたり、コッコと仲良くなったり、PC同士で交流を深めたりしながら花火を楽しみましょう。
 フィニクスコッコが爆発しそうな際には空に向かって放り投げてください。

●フトゥールム・ディライト
 19時から22時まで行われる学園関係者だけの後夜祭です。
 広場に設置された観客席から花火を見ることができます。この場所以外にも屋台を回ったり、学園内を散歩したり、一人で静かに過ごすなど自由です。学園内ならば花火はどこからでも見えます。
 ですが、逃亡したコッコがいるので騒動に巻き込まれるかもしれません。運が良ければ何事もなく花火を見ることができるでしょう。

●フィニクスコッコ
 目つきが異様に悪いだけで見た目は普通の鶏と変わりません。ただ空を飛んだり、普通の鶏より凶暴なので要注意です。爪や嘴(くちばし)で容赦なく急所を狙ってきます。それから炎で攻撃すると回復してしまいますので注意しましょう。
 フィニクスコッコは群で生活するので上下関係があります。自分より上の存在だと思えば、従ってくれます。なので、気合いで上下関係を教え込みましょう。
 彼らの性格は誇り高く弱者に優しいです(害を加える者には容赦しない)。誠意をもって接すればチャンスがあるかもしれません。
 自爆する前には鶏冠から燃え上がるので、その前に空へ放り投げてしまいましょう。自爆の巻き添えとなったとしても、(多分)先輩や先生が守ってくれたり、優秀な保健委員が死の淵から生き返らせてくれます。安心して花火を堪能して下さい。

●行き先について
 フトゥールム・スクエア内ならば特に制限はありません。お好きな場所をプラン内にお書きください。


作者コメント Comment
 お久しぶりです。それから初めましてGMのozと申します。
 マジック・オブ・ディライトもこれにて終わりとなります。最後の最後まで波瀾万丈な新入生歓迎会ですが、これもフトゥールム・スクエアらしいのではないのでしょうか。
 後夜祭メインイベントである花火を見るのもよし。コッコ騒動に巻き込まれてそれどころではなくなるのも学生生活の思い出です!
 後夜祭をどう過ごすのかは『あなた』とコッコ次第になるのではないでしょうか。
 あなたのご参加を楽しみにお待ち申し上げます。




個人成績表 Report
ヘンリー・クラウン 個人成績:

獲得経験:0 = 0全体 + 0個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
レナとオルタネイトと行動

枝豆パーティーを開始

枝豆軍人と変態嬢のお世話係
シェフ担当
変態嬢の監視役

常に焼いたり作ったりとこなす
枝豆を焼くだけではないので枝豆軍人の心を掴むだろう

コッコが来たら、美味しいものでつる

他の人との絡みもOK

変態嬢から枝豆軍人を守るべく、鉄板で防御

レナが自爆したらほっとく

マオ・アルフェード 個人成績:

獲得経験:0 = 0全体 + 0個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
カンナと同行

んー、おじさまとかぱっと食べれそうな男の人はいるかな?
てか、暇なんだけど~

てか、あっちからうるさい声が聞こえるんだけど~

ん?僕の方にやってくる?あれって、カンナじゃん
女は嫌いだけど、カンナは別に嫌いじゃないんだよね~

って、あれ、コッコ?
後で八つ裂きにしてやろうか
あとは誰かに押し付けよう

ディウス・グランディード 個人成績:

獲得経験:0 = 0全体 + 0個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
・屋上にいる
・フィニクスコッコが眼下を通った時のみ、節分豆を投げつけて場を混乱させようとする
・向かってきた場合は【挑発】し、自分に注意を向け【権威】
・【権威】で動きが鈍らせ【権威】を維持しつつ【龍爪撃Ⅰ】【部分硬質化】で上下関係を分からせる
・分からせた場合は各地に散るように命令
・その後また眺める

アンジェリア・ストロベリアン 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:0 = 0全体 + 0個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
■目的
コッコを服従させる

■心情
上下関係と聞いてしまえば、鶏だろうと負けるわけにはまいりませんわ!

■行動
逃亡したものを追い
被害が出る前に空へ(ブチ)飛ばします

人を離れさせ、可能なら決闘したい
急所攻撃は【部分硬質化】でガード
鶏冠から燃え上がろうとギリギリまで戦う
被害が出る前に【龍の翼】で飛び、放る

オルタネイト・グルタメート 個人成績:

獲得経験:0 = 0全体 + 0個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
同行者:コウフィ殿、クラウン殿

心情:枝豆を広める

行動:枝豆パーティーを提案
基本的に枝豆優先で動くため、コウフィの抱き着きなどを天然回避していく
枝豆を美味しく料理するクラウンには、尊敬の念を抱いている

コッコのことは、純粋にすごいと感じており、
枝豆をすすめる

また他のPCにも隙あらば枝豆をすすめていく所存


ヘルムート・アーヴィング 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:0 = 0全体 + 0個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
本当に適当というか、奔放な学園だ。

そして同じように無茶苦茶な生物、この鶏だが、序列と規律を重んじる性格なのは好感が持てる。
お前達がルネサンスなら、良い軍人なのだろう。

さて、アーヴィング家の者として他者に見下される訳にはいかん。
僕は『祖流還り』で貴様と対峙する。
我らの序列を決しようじゃないか。

レナ・コウフィ 個人成績:

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獲得努力:100
獲得希望:10

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ヘンリーとオルタネイトと行動

枝豆パーティーを提案に乗り強引に開始

枝豆というよりも、枝豆軍人の少年?少女?に興味があるだけ
枝豆軍人に抱きつこうとしたり、食べ物(枝豆)でつるもシェフに阻止される

嘘泣きするも、冷たい目でシェフに見られる

途中で、コッコと格闘することになり敗北

無残な姿に

目が覚めれば誰もいない

マリアルト・シャリエ 個人成績:
成績優秀者

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…華やかな場所……ワタシには……勿体ないくらい…

とりあえず、あまり人がいなさそうな場所へ
道中花火を見上げて目をぱちぱち
きれい、ですね
そういえば 歓迎会だそうな
ワタシは歓迎されるような そんな立派な人間ではないけど
…何の騒ぎ、でしょう?え?爆発…!?(おろおろ
鳥さん、焼き鳥になるんですか…?

カンナ・ソムド 個人成績:

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終盤はマオと行動

フィニクス…コッコたん…かわいい…
なんというかかわいいな…一羽くらい貰っても大丈夫かな…?
とりあえず捕獲して別の場所に連れて行ってしまおう…

…別の場所にマオがいる…
少し誂ってみよう…あとはこのコッコたんを見せてみようかな…
なんというか、コッコたん好きそうだし…

パーシア・セントレジャー 個人成績:

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折角ですし、挨拶が済んだ学園長と、持ち込んだお酒で一献
それにしても、この鳥はどこから連れてきたので?
あまり飲み過ぎると、学園長の酒気に火花が引火して……派手に爆発するかもしれませんよ

そのときは、私はとっとと退散しますが

まさか、羽交い締めにして、生徒を巻き添えにしたりはしませんよね?
……しませんよね!

ビャッカ・リョウラン 個人成績:
成績優秀者

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■目的
コッコを倒す
一番大きな花火を上げる

■行動
まずはコッコを倒して従ってもらうよ。
コッコの攻撃を流水の構えで受け流し、勇者之斬で叩き伏せる!
来い!どっちが上か、勝負だよ!

従ってもらえたら、コッコを上空に。
コッコにヒドで火を付けて元気になってもらって、掴んで上空に投げ飛ばす!
飛んでけ!たーまやーっ!

シルワ・カルブクルス 個人成績:

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獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

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祭りの最後の夜を楽しみながら、屋台を巡り歩く
そこに逃走したクックを出会う
シルワにおいては今回戦闘する気はまったくなく、仲良くしようと近寄る
急所を狙われると、さすがに攻撃の予兆を『危険察知』して避けるが

アルフィオーネ・ブランエトワル 個人成績:

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獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

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購買部の出張販売でおまんじゅうを購入

コッコがいたら、一緒に食べようと誘い、大人しくさせる。
自爆の合図を見せたら、優しく抱きしめて、天へと還す。

花火により怪我人がでていたら治療。

鶏の確保が間に合わない場合は、ハンマーのアッパースイングで空へ打ち飛ばす


「ご一緒に、おひとついかが?」


アドリブ、アレンジOK

仁和・貴人 個人成績:

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獲得努力:100
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生き物…しかもフィニクスが花火とはな
・・・メメたんがすることだし気にしない方向で行こう
気にしすぎると悪いことが起きそうだしな

取り敢えずこの後夜祭で最後か
プラプラと歩き回るとしようか
つまみとかお菓子とか食べながら

それにしてもメメたん酔っぱらってたけど何かやらかさないよな・・・?

アドリブ、絡み大歓迎

セブ・エラルド 個人成績:

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獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

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皆と楽しく花火見ながら飲み食いするよ

コッコちゃんたちに絡まれても一緒に楽しく飲み食い出来たらうれしいな
自爆したりさせられたりってそれが習性でも再生できるからって痛いのは嫌だよねぇ
荒れるのもわかるわぁ・・・


アドリブ絡み大歓迎

朱璃・拝 個人成績:
成績優秀者

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獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
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焼き鳥屋様の前で仲間が食べられていると思い暴れるコッコ様を見つけ宥めます。聞き分けなければ勝負を挑みますわ

新陳代謝と緊急回避で相手の攻撃を耐えつつ機を伺い、ここという場面で祖流還りから精密行動、即断即決、気合いを用いコッコ様の鼻先三寸に全力攻撃を放ち地面を割ります。恐れて大人しくなれば良いですが

リザルト Result

●Magic of Delight!
 マジック・オブ・ディライトの最後の夜。後夜祭は最高の盛り上がりを見せていた。
 そんな中、学園の大通りである『ファンタジア・ストリート』では、様々なお店が並んでいる。
 ゆえに【朱璃・拝】(しゅり おがみ)の心は弾んでいた。
「やはりお祭りといえば、屋台ですわね!」
 唾液腺を刺激する肉を焼く脂の匂い。じゅうっと脂が滴り焼ける音さえも、胸をざわつかせる。頭はもうお肉一択だ。
 ゆえに足は一直線。だが、ふいにコケコッコー! という鳴き声と悲鳴が聞こえてきた。
「……? 何事ですの?」
 腹を満たすのも大事だが、困ったヒトの声が聞こえれば、見逃せないのが彼女というもの。
 だからこそ朱璃は、歩くスピードを少しずつ速める。

 現在、学園内は野放しにされたコッコが自由に闊歩している。
 そんな中、【カンナ・ソムド】の目を釘付けにしたのはふくふくした白の毛玉だ。
(フィニクス、コッコたん……かわいい)
 カンナは銀の猫耳を震わせ、コッコをじっと見つめる。
 通常のコッコなら、ルネサンスとはいえ猫にじっと見つめられれば、喧嘩を売られたと思うだろう。コッコは血気盛んなのだ。
 だが、このコッコも十分図太かった。自分を見つめるカンナに気付き、お尻を振りながら寄ってくる。
(……一羽くらいなら貰っても、大丈夫かな?)
 カンナはしゃがみ込むと、おいでと優しく呼びかけた。
 するとコッコは、撫でろと言わんばかりにカンナの足元をうろちょろする。
「コッコッコッ……コケーッ!」
「ふふ……」
 思わず笑みが零れて、頭を撫でる。気持ちよさそうにうっとりしている姿が、とてつもなくキュートだ。
 だからそのまま抱っこして、もっと撫でてみる。まるで喜んでいるかのように、コッコはまた声を上げた。
「コケーッ!」
「いいこ、いいこ……」
(……うん。しばらくは、一緒に居てくれそう)
 腕の中で落ち着いているコッコを撫でつつ、カンナは歩き始める。
(マオがいたら、見せてあげようかな。コッコたん、好きそうな気がするし)

 一方その頃、【マオ・アルフェード】は、出会いを求めて彷徨っていた。
「おじさまとか、ぱっと食べられそうなヒトはいるかな? てか、暇なんだけど~……」
 黒のダボッとしたクロップドパーカーを来たマオは、細い腰や中性的な外見も相まって、まるで人魚が人間に化けているかのような美しさだ。
 ショートパンツから除く足は、少女のようにも少年のようにも見える美しいライン。ちなみに袖からは指がちょっと出ている。いわゆる萌え袖だ。
 そんなマオは、当然だが、視線を流すだけで人目を惹きつけて止まない美少年であり、周囲の人間は歩いている姿を見るだけで、浮足立ってしまう。
 とはいえ、声をかける勇気のある者はいないようだ。ゆえに独り歩きを続けていたマオは、ふいに耳に届いた煩さに、眉を顰める。
『コッコッコッ……コケーッ!』
「……もう、勘弁してよ」
 気だるげに視線を向ければ、コッコと戦う生徒たちの姿が見えた。しかも戦闘が激しくなるにつれ、周囲のやかましさも増えていく。
 これではおちおちナンパも出来やしない。なんだかやる気が失せてしまい、マオは肩を竦めた。
(……男漁りはもーいいや。まずは先に、コッコ? とやらを黙らせよ)

 そんな折、後夜祭のある一角では、枝豆パーティーが開催されていた。せっかくだからその始まりまで、時間を遡ってみるとしよう。
「枝豆はすばらしいものであります! 是非! その良さを分かって貰う為にも、枝豆パーティーを提案させていただきたく!」
 軍服を着こなした【オルタネイト・グルタメート】(オルタネイトはこの時、運営委員会に直訴しに来ていた)に、【レナ・コウフィ】が激しく頷く。
「そうよそうよ! こんなに可愛いオルタネイトくんが言ってるんだから、これはもう、やるしかないわっ!!」
 ちなみに当たり前のように一緒にいるが、オルタネイトとはこの日が初対面である。
 しかしレナは可愛いものに目がなく、運営委員会に向かっていたオルタネイトの愛らしさに心を鷲掴みされ、その後ろを堂々とついて来たのだ。
 加えて言うと、レナの言葉の節々から現れている通り、ぶっちゃけ枝豆パーティーに、彼女はひとかけらの興味もなかった。
 だが、可愛い子の願いには協力すべきだし、叶えられて当然だとも思っている。
 さらに言うと、可愛い子は須く自分に可愛がられるべきだと、レナは本気で考えてもいた。
(はぁぁ……もう、オルタネイトくんったら、全てが可愛い……)
 じり、じり……。運営委員と真面目な話をしているオルタネイトへ、少しずつ距離を詰め始めるレナ。
 そんな彼女に気づいたのか、ちょうどその場にいた【ヘンリー・クラウン】(彼は彼で、出店の申請をしに来ていた)が、オルタネイトに声をかける。
「なら、オルタネイト。そのパーティの準備、俺も手伝おうか?」
「!! 本当でありますかっ!」
 きらきらとした瞳で、ヘンリーへと体の向きを変えるオルタネイト。おかげで、伸ばしたレナの両手は思いっきり空(くう)を切った。
 にもかかわらず、瞳を輝かせるオルタネイトを見て、『かわいい~』と両手を頬に寄せるレナに、ヘンリーは思いっきり白い目を向ける。
 ちなみに、タイミングよく声をかけたのだって、もちろん故意的である。ヘンリーは以前からレナと繋がりがあり、彼女のことをよく知っていたのだ。
 ゆえに、オルタネイトが『なら、自分は枝豆を用意してくるであります! 少し待っていてほしいであります!』と駆けだしたあと。
 場に残されたヘンリーとレナは、お互いの素顔を曝け出した。
「ちょっとヘンリー様ったら、なぁんで邪魔するのよーっ! 私はオルタネイトくんをぎゅーっと! したかっただけなのにぃ!」
「いや、完全にアウトだろう……お前、オルタネイトに変なことをしたら、さすがにタダじゃおかないからな?」
「もう、変なことなんてしないわよ。私はただ、可愛いものを愛でるだけっ!」
 それが問題なんだ、とヘンリーは大きなため息をついた。
 レナを監視するために、やはり自分も枝豆パーティに参加しようと、心に決めて。

 時間を進めて、現在。【アルフィオーネ・ブランエトワル】は悩んでいた。
(うーん、どれにしようかしら? 真っ白な、雪眺め饅頭は美しい。でも、スライム饅頭もぷるぷるで涼やかだし……)
 購買部の出張販売所にて、しゃがみ込んだドラゴニアの少女が、首を傾げる。視線の先には色とりどりで、味も様々なお饅頭が並んでいた。
「温泉饅頭は水質がいいのかしら? とっても滑らか。酔いどれ饅頭は香りが芳醇だし。可愛いひよこちゃん姿の、コカトリス饅頭もいいけど……」
 でも、メメたん印の饅頭がわたしを食べてって、誘っている気もするのよね。
 右へ、左へ。視線を彷徨わせながら零される呟きは、無意識でありつつも、彼女の葛藤を強く物語っている。
 なんたって、アルフィオーネはお饅頭に目がないのだ。ちなみにつぶあん派でもこしあん派でもなく、小倉あん派である。
「いっそ全部楽しんでみるのもアリかしら? 今日はお祭りなのだしね」
 言葉と共に、銀と金のオッドアイが細められる。どこか温かさを感じるその表情は、彼女の見た目より、随分と大人びていた。

 そんな中、ぱあん、と音が鳴って。【シルワ・カルブクルス】は空を見上げる。
(祭りが賑やかなのは素晴らしい事なのですが、確かこの花火は、コッコ達が爆発したものでしたか)
 少し儚いというか、切ないというか……お会い出来たら、せっかくですし、仲良くなりたいですね。
 思いつつ、色鮮やかな花火を見守る。その間にも、上空へと飛び上がる風切り音と、炸裂音は続いていた
 ならばこの、色とりどりの光を煌めかせるその全てが、フィニクスコッコという存在の生き様なのだろう。
 華やかな花火は、転じて後夜祭の終わりを意味する。明日になれば学園は賑やかな日常へと戻るのだ。
 寂しさが夜風のように通り抜けるのをシルワは感じ、しかし微笑む。
「……名残惜しいですが、最後まで楽しみましょうか」
 たったの三日間、されど濃密な三日間だった。それはきっと、シルワにとっても忘れられない思い出となって、鮮やかな花を咲かせる。

 一方で、この賑やかさから逃げ出したいと思っている者もいた。【マリアルト・シャリエ】だ。
(……華やかな場所……ワタシには、勿体ないくらい……)
 居心地の悪さを感じて、俯き気味に歩く。そうして人気(ひとけ)のない場所へたどり着くと、やっと肩から力が抜けた。
 このお祭りは新入生歓迎会であり、マリアルトもまた『新入生』の括りではある。
 しかし彼女は気後れしてしまい、この三日間、隠れるように過ごしていた。
「ワタシは誰かに歓迎されるような、そんな人間ではないんです……」
 自嘲するように呟いた言葉は、次の瞬間風のように消える。
 代わりにパッと頭上が明るくなって、マリアルトは空を見上げた。
「わ……」
 視線の先では、大輪の光の花が咲いていた。思わず、マリアルトは花火を見上げる。
「きれい、ですね」
 幸か不幸か、後夜祭開始前のカオティックな挨拶を聞いていなかったマリアルトは、花火の美しさを素直に受け止めていた。
 しかし無情にも、鶏の声が鳴り響く。
『コーケコッコー!』
「……? 何の騒ぎ、でしょう?」
 びくりと肩を震わせたマリアルトではあったが、不思議に思えば答えが欲しくなるのが、ヒトの性(さが)というもの。
 ゆえに彼女は、そろりと足を進め始める。

 しかし、ヒトの数だけ個性はある。マリアルトのように人混みを避ける者もいれば、自ら人混みに飛び込むような者も、当然居た。
 【セブ・エラルド】だ。
「お姉さん、それ美味しい? 僕も食べてみたいな」
 花火観賞用に敷かれたブルーシート(この場所は今、多くの鑑賞客で賑わっている)の上にて、両足を投げ出すように座ったセブがそう言えば。
 声をかけられた女性は彼の口元に食べ物を近づけ、『美味しい! お姉さんと、もっと食べたいなぁ』と告げれば、おかわりを買いに行ってくれる。
 まさに至れり尽くせりであるのだが、それを引き出すための天使の笑みや無邪気さは、全部セブによる計算尽くであった。
 敢えてその理由を言葉にするのなら、可愛さ抜群の自分と過ごせてお姉さんもハッピー! 自分も奢ってもらえて超ハッピー!
 つまり、みんな幸せ! そのための猫かぶりなら合法だね! バンザーイ! というわけである。
「ぼく、皆と楽しく花火を見られて、うれしいな」
 時には上目遣いで保護欲を刺激し、愛らしさを全方向に振りまき、周囲の人々を身悶えさせる。
 自分が可愛いと思われているのを知った上でやっているのだから、なかなかのものだ。
 しかも、かなり堂々と。ジュースに見せかけてお酒を飲んでいるのだから、要領の良さも垣間見える。
(とはいえ、お姉さんにバレるほど、飲むつもりはないけどねぇ)
 ……やはり、これからが末恐ろしい、ショタっ子(外見のみ)である。

 一方その頃、【仁和・貴人】(にわ たかと)はと言うと。
(生き物、しかも不死鳥もどきが花火とは……しかしメメたんがすることだし、気にしない方向で行こう)
 気にしすぎると、悪いことが起きそうだし。
 なんて、件の精霊賢者が聞いたら『なんだとー!!』とぷんすこしそうなことを考えつつ。
 貴人はプラプラと、後夜祭で賑わう校内を歩き回っていた。
 その手にはイカ焼きにわた飴、水ヨーヨーなど、なかなかに楽しんでいる様子がうかがえる。
(まぁ、こういうお祭り騒ぎみたいなのは、オレの世界でもよくあったしな)
 自分が過去に通っていた学校の文化祭と思えば、新鮮さよりは懐かしく、ついつい足も動いてしまう。
(それにしても。後夜祭開幕の挨拶の時、メメたんだいぶ酔っぱらってたけど。何かやらかさないよな……?)
 思わず浮かんだ物思いがやはり彼女の事であるのは、貴人がそれなりに、【メメ・メメル】を気にしているからだろうか。
 ゆえに貴人は、踵を返す。無意識に、青のとんがり帽子を探しながら。

 他方、【パーシア・セントレジャー】の場合。
「パーシアたん、なかなかイケる口じゃの~? 飲め飲め―! もっと飲めー!」
 絶賛絡まれていた。口調から察しはつくだろうが、当学園の管理者である少女(メメたんは無理してないぞ!)にだ。
(まぁ、折角だし。挨拶が済んだ学園長と一献、なんて気持ちで声をかけたのは、私だけれど)
 まさかここまで酔いどれだとは思わなかった。ふくよかな胸の感触を腕に感じつつ、パーシアはワイングラスを傾ける。
 アルコールを含みながらもとろりとした甘さは、豊潤で、比較的新しいものだと教えてくれる。
「……安息日以外で葡萄酒がいただけるなんて、最高の贅沢ですよね」
(でも、特別が当然になったら。人はどんどん贅沢に、これまでと同じでは……いられなくなってしまう)
 思いつつ、息をつく。自分はどうだろうか? あの日『目覚め』、この学園にやって来てから、まだそんなに時間も経ってはいない。
 だからこそ、思うのだ。
「我々は……この学園は、どこに向かっているのでしょう」
 勇者を育て。事を成し。
 その先に――待ち受けるものはなんなのだろうか。
 自問自答するように呟いたその言葉に、彼女が反応する。
「どこへ向かうのかを決めるのは、チミ自身じゃよ。そこに留まるも流されるのも、回り道するのだって、全てチミ自身が決める事だ」
 よっこいせ。なんておじさん臭い言葉と共に居住まいを正しつつ、学園長は笑う。
「だからな、パーシアたん。今何を思うのか、それはどうしてか。なんてことを大切にするのが、オレサマは一番大事だと思うぞ」

 そんなふうにして、お祭り騒ぎを自分なりに楽しむ者も居れば、冷めた視線を向ける者も居た。
 屋上にて一人の時間を過ごしていた、【ディウス・グランディード】がそうだ。
 静かな場所を求めてやってきたが、空に近い屋上では煩いほどに爆発音が聞こえ、それはそれで喧しかった。
 ゆえに、気を紛らわせるよう適当に地上を眺めていると、ふいに料理(枝豆が何とか、とも聞こえてくる)を振舞う人々の姿が目に入る。
 途端に、自分のコックとして召し抱えられる栄光を、傲慢にも断った男を思い出し、不愉快な気持ちになった。
「……くだらん」
 眼差しはさらに冷ややかさを増し、ぽつりとつぶやかれた言葉すらも、氷のようだ。
(どこへ行こうと馬鹿騒ぎばかり。明日になれば、少しはマシになるだろうか)
 そんなことを考えていると、わざわざこんな場所にまで、招かれざる客がやってきた。
「コケーッ!」
 コッコである。

●Phoenix Cocco
 コッコはただならぬ気配の男に、本能的に毛を逆立てる。
 傲慢、非道、永久凍土という言葉を身に纏ったのが、ディウスという男だった。
 ゆえに、コッコが現れても、彼は尊大に腕を組み、歯牙にもかけない態度だ。まるで路傍の石のような扱いを受け、コッコは高らかに鳴いた。
「コーケコッコー!」
 それが始まりの合図だった。羽根を羽ばたかせながら、勢いをつけて、行く。
 そんなコッコにディウスは舌打ちを零してから、
「そぉら、豆でもくれてやる」
 唐突に、節分豆を投げつけた。小さな豆の粒は、走るコッコの足を絡めとり、滑らせ、混乱へといざなう。
 慌ただしく声を上げるコッコを見て、ディウスは哂った。
「弱い奴ほど鳴くというのは、人間ばかりではないらしい」
 王者であるからこその蔑みの視線は、コッコの怖れを引き出すのに十分だった。
「コッコッコ、コケーッ!」
 今度は逃げるように、鶏は駆ける。後には静けさばかりが残った。

「よろしい、ならば決闘ですわ!」
 同じ時、【アンジェリア・ストロベリアン】もまた、臨戦態勢に入っていた。
 ある生徒を追いかけ回していた鶏に白手袋を投げつけ、絹のようなピンク色の髪を、軽く手で後ろに払う。
『コケーッ!』
 甲高い声を上げ、戦闘態勢に入るコッコに、アンジェリアは満足げに頷く。
「良い心がけです。ですが、上下関係と聞いてしまえば、鶏だろうと負けるわけにはまいりませんの」
 麗しい容姿に、美しい言葉使い。それに見合うだけの家柄のアンジェリアではあるが、彼女は生粋の、負けず嫌いであり。
 しかしてその実体は! 異世界転生(元)ゲーミング台パンお嬢様なのである!!
 えっ、台パンの意味が分からないって? 良い子のみんなは、是非そのままで。
「では、行きますわよ……っ!」
「コケーッ!」
 かくして、戦いのゴングが鳴った。コッコは鋭い嘴からなる連撃と、逞しい脚からなる蹴りが主な攻撃方法だ。
 それをアンジェリアは、一時的に硬化させた竜の皮膚で受け止め、流し、その隙を以て、竜の爪で反撃していくスタイルだ。
 だが、コッコもすばしっこい生き物だ。アンジェリアの爪は、たびたびコッコの羽根を掠るに終わる。
「鶏と言えど、その1フレームの隙さえ逃がさぬという姿勢。私、感服いたしました!」
 フレーム? なんて疑問の声が聞こえる中、アンジェリアの表情はみるみる笑みに変わっていく。
 楽しいのだ。こんなふうに、互いの技をぶつけあう高揚感は、きっと何度死んでも、忘れ難い。
 鶏冠が燃え上がる(これはコッコが爆発する前の兆候だ)のを見てもまだ、アンジェリアの拳は止まらなかった。
(ですが、周りの方に被害を出すのはいけませんわね)
 しかしこんな中でも周囲を慮れるのが、彼女が戦闘狂ではない証。
 ゆえにアンジェリアは、翼を広げた。コッコへ振り上げた拳と共に地を蹴り、己ごと、コッコを空高く打ち上げる。
「投げも嫌いではありませんが。飛ばすならアッパーカット1択ですわッ!!」
「コケーッ!!!!!!!」
 \パァン/
 小気味よい音と共に上がった花火は、鮮烈な色を放った。それこそが、終了のゴングの代わりだ。
 その中に麗しのストロベリーカラーが混じっていたかどうかは、その場に居た者のみぞ知る。

 同じく、【ヘルムート・アーヴィング】もまた、コッコと対峙していた。
「お前達がルネサンスなら、良い軍人なのだろう」
 自分より一回りも二回りも大きい相手に対して睨み返す鶏に、ヘルムートは最上の誉め言葉を贈った。
 だからこそ。
「アーヴィング家の者として、他者に見下される訳にはいかん。自分は『祖流還り』で貴様と対峙する」
 我らの序列を、決しようじゃないか。
 ヘルムートは笑い、その姿を白狼へと変え、コッコに牙をむいた。
 しかし、容赦なく噛みつこうとした瞬間、コッコは火花を放つ。
 一瞬の目くらまし。舞い踊る炎が現れ、ヘルムートは急停止する。
 その瞬間、コッコは空を飛んだ。まるで鷹のように空高く旋回すると、一気にヘルムートをめがけて急降下する。
 重力を味方に付けたコッコの嘴が、ヘルムートの目を抉りにかかった。
 ――だが、その瞬間。魔力を瞬時に込めた魔牙と嘴が激突し、火花が散る。
 すると、コッコは鋭い目つきでヘルムートを見ながら、地面に着地した。
 その嘴に、亀裂が走っている。勝敗は決したのだ。
「貴君との戦いは、誉れあるものだった」
 それ以上の言葉はいらなかった。ヘルムートは狼の姿からヒトへ戻ると、しゃがみ込み、コッコと目線を合わせる。
 戦いを経て、種族を越えた絆が生まれた瞬間だった。
「ご武運を」
 そうしてヘルムートは、ぴしりと敬礼。コッコが地から空へと舞い上がる姿を見送る。
 ゆえに火の鳥は、勝利の栄冠の代わりに美しい花を贈った。夜空に咲く大輪の花を。

 その頃、マリアルトが駆け付けた先では、【ビャッカ・リョウラン】が腕まくりをしていた。
「まったく、メメたん学園長は毎度毎度思いつきで面倒なことを……まぁ、アレコレ言っても仕方ない。この状況をなんとかしないとね」
 ビャッカは目の前の惨状……たった複数のコッコが生徒達を追いかけ回しているのを見て、気合いを入れ直す。
 本来ならお酒を飲みながらのんびりと打ち上げ花火を眺めている予定だったが、仕方ない。
「どうせなら私が、一番大きな花火をあげてみせるよ。ということで、来い! 勝負だ!」
 ビャッカはそう言い放つと、剣を構える。しかし先に動いたのは、コッコのほうだった。
 駆けるように空を飛び、縦横無尽に嘴と爪による攻撃を繰り出す。
 対するビャッカは流水の構え。姿を変える水の如く相手の攻撃を受け流す姿は、ゆったりとした動きでありながらも隙がなかった。
 当たらぬ攻撃に、コッコが苛立ちを見せる。その心の緩みを見逃すビャッカではなかった。
 素早く放った勇者之斬によって、コッコが地に叩き伏せられる。
「私の勝ちだね!」
 ビャッカの力強い宣言に、自分が負けたことを理解したコッコ。
 そんなビャッカに手を伸ばされ、コッコは大人しくその腕に抱え上げられた。
「ヒド! これで傷も治ったよね?」
 ビャッカの指先から編み出された火球が、ゆっくりとコッコに吸い込まれ、傷ついていた部分を癒していく。
 それを確認したビャッカは、満足そうに笑ってから、
「よし、飛んでけ! たーまやーっ!」
『コーケコッコー!!』
 コッコの一鳴きを合図に、全力で空へと投げ飛ばす。その勢いに乗って、コッコは飛び上がった。
 それが、その夜一番大きな花火が上がった瞬間だった。

 一方、マリアルトは『どうして鶏が爆発を?』という疑問を抱いていた。
 その間にも、コッコ達は生徒達を追いかけ回し、その身に炎を蓄え始める。
 だから彼女は、反射的に動いた。
「ダメ……ッ!」
 咄嗟に駆け出し、爆発寸前のコッコに悟られぬよう、背後に回り込む。
 それから、自身が火傷するのも躊躇わずコッコを抱きしめ、人気のない場所へ向かって移動した。
 自身が爆発に巻き込まれるのも承知の上の行動である。彼女にとって自分を犠牲にすることは、当たり前の事なのだ。
 だが、コッコはその勇気に敬意を表するよう、マリアルトの腕から抜け出した。
「……え?」
 そのまま空へと飛び立ち、火の鳥はその身を美しい銀花へと変える。
 マリアルトは座り込んだまま、じっとその花火を見上げていた。

 そんなふうに、コッコvs生徒の戦いは各所で起こっていて、朱璃もまた同じ状況だった。
「もう、それはお仲間ではありませんわっ!」
 場所は焼き鳥屋台の前。仲間が文字通り焼き鳥にされていると思って暴れ狂うコッコを、朱璃はなんとか宥めようとする。
 しかし、暫くして説得は無理だと判断した朱璃は、拳を構えた。
「それでは、私が勝ったらおとなしくして下さいませ」
 望む所! とばかりにコッコが鳴く。先制とばかりに空を飛び、突撃してきた。
 それを直感的に回避し、朱璃はゆっくりと息を吸う。
 瞬間的に気を巡らせ、肉体の代謝を加速させることで、たとえ攻撃を受けても、痛みをものともせずに、動く。
 そして、ついに。コッコの嘴の前を拳がかすり、風が巻き起こった。同時に、朱璃の拳が地面を割る。
「……今のはわざと外しました。次は本気で当てますわよ?」
 あまりのことに動きを止めたコッコに、朱璃はにこりと微笑む。
 おかげですっかり大人しくなったコッコは、朱璃の足元にて控えめに『コケッ』と鳴いた。

 そんな中、件の枝豆グループはというと。
「枝豆がおいしい!! 師匠と呼ばせてほしいであります!」
 オルタネイトが枝豆料理と、それを作るヘンリーに目を輝かせていた。
 まず、ヘンリーが最初に作ったのは枝豆の蒸し焼きだった。水を一切使わず、枝豆に含まれている水分だけで通す。
 すると、栄養価が失われることなく、濃厚な枝豆の味がしっかりと引き出されるのだ。
 しかし、このまま食べるても十分美味しいが、ヘンリーにとっては下準備に過ぎない。
 枝豆はサラダやコロッケなどの料理にも使えるのだ。
 さらに、彩り豊かな枝豆のクリームパスタに、枝豆とタマネギのマリネ、カリふわエビと枝豆のフリッターなどなど。
 様々な枝豆料理を、魔法のように作り上げていく。
「せっかくだ、いっぱい食え」
「ありがとうであります! むむっ、この枝豆の味が濃縮されたスープ……まるでヘンリー殿の人柄が出たような、優しい味わいでありますね」
 目を輝かせながら食レポをするオルタネイトにヘンリーが微笑む。ほのぼのとした空間をぶち壊すように女の啜り泣きが突然聞こえ始めた。
「うっう……寂しい……私はひとりぼっちなのね」
 涙を流すレナは悲劇のヒロインに成りきっている。その手に握りしめられているのは目薬だ。
 思わずヘンリーから笑みが消えたが、魅惑の枝豆料理に夢中なオルタネイトはさっぱり気付いていない。
「そこでキモい顔をするな。レナ」
「誰がキモい顔してるのよ! 私はオルタネイトくんを可愛がりたいだけなのに!」
 点…なんてやりとりがなされている間も、オルタネイトは枝豆天国にいた。
「枝豆であります! コッコ殿も食べるのであります!」
 ちょうど近くを通ったコッコに、オルタネイトは焼き枝豆(もちろん、皮から取り出したものだ)を差し出す。
 コッコは豆を嘴でつついた後、ちょっとずつ啄み始めた。
「美味しいでありますか?」
「コケッ!」
 ほのぼのとした雰囲気が流れる中、コッコに大人げなく嫉妬心を燃やすレナ。
「ただの鶏の癖に、オルタネイトくんに媚びを売ろうなんて、百年早いのよ!」
 レナの怒号が響く。それにコッコは激怒した。必ず、かの女を退かねばならぬと決意した。
「ちょ、待ちなさい……いやあああっ!?」
 ついで、レナの悲鳴と共に、鮮やかな花火が上がる。
 しかし、ヘンリーの料理に戻っていたオルタネイトは気づくことなく、夜空に咲いた花火を見上げるのだった。

「ん? こっちにやってくるの、カンナじゃん」
 花火がまた一つ上がる中、マオが歩いていると、見知った顔が近づいてくる事に気付いた。
(女は嫌いだけど、カンナは別に嫌いじゃないんだよね。何でだろ?)
 コッコみたいに煩いのは御免だが、カンナのように居心地の良い静けさなら構わない。が。
「って……コッコ?」
「ん……」
 よく見ればカンナの腕にはコッコがいた。一瞬マオは露骨に嫌そうな表情を浮かべるも、カンナの手前、すぐに引っ込める。
「なに? それ」
「コッコたん、可愛いから。マオに見せたいなって」
「……ボクのほうが、可愛いと思うケド」
 色々言いたいことはあるのだが、カンナが悪気なくそう言っているのが分かって、マオは口ごもった。
 彼女はただ、自分が素敵だと思ったものの、お裾分けをしてくれているだけなのだ。
 だからこそ、何の含みもない真っすぐなカンナの思いに、むしゃくしゃしていた気持ちも薄まっていく。
(コッコは八つ裂きにしてやろうと思ってたけど、コイツは煩くないし。……ま、許してあげよっかな)

「でも、コッコちゃんたちとも一緒に、楽しく過ごせたらいいよね」
 セブはそこら中から聞こえる鶏の声を聞ながら、小鳥の囀るような声で話し出した。
「だって、自爆したりさせられたりって。それが習性であり、再生できるって言っても、痛くないかな」
「どうかしら? 案外心地良いものかもよ?」
 セブの言葉に、『なんて優しいの』と感動する取り巻き(ほぼ女性だ)を差し置いて、アルフィオーネが答える。
 その腕の中には彼女によって捕獲されたらしい、コッコが居た。
「でも、仲良くしたいという気持ちには賛成」
 言葉と共に、アルフィオーネが膝をつく。解放されたコッコは、『コケッ!』とひと鳴きしてから、セブのほうに歩き始めた。
「お、ぉおっ? 可愛いな、何か食べる?」
「コケッ!」
 肯定のような声をあげられて、セブは笑った。その笑みは天使の微笑ではなく、彼本来の、どこか悪戯な笑みだ。
 そんなセブを見てゆったりと笑ったアルフィオーネは、懐の中からお饅頭を取り出すと、
「ご一緒に、おひとついかが? たくさん買ってしまって、困っている所だったの」
「なら頂こうかな、ありがとう」
 微笑むドラゴニアの手から、セブは受け取る。それをコッコはまあるい瞳で、見つめていた。
 どうやらこのコッコは、穏やかな思い出を胸に、空へと飛び立つことになりそうだ。
 きっとその時はまた、アルフィオーネが優しく抱きしめるようにして、送り出してくれることだろう。

 その頃、シルワが屋台を回っていると、コッコが一匹、人混みの中をすり抜けていくのが見えた。
 思わずシルワはコッコを追いかける。が。
「……見失ってしまいましたか」
 折角仲良くなる機会だったのにと、シルワは肩を落とす。
 しかし、ふいに。上空から影が落ちた。
「コケッ!」
 コッコが不意をつく形で、空から落ちて来たのだ。油断しきっていたシルワは、とっさに顔を庇うことしかできず。
 そのまま嘴による連撃を重ねられても、シルワはけして反撃しなかった。
「私は敵ではありません。ですからコッコさん、一緒に後夜祭を回りませんか?」
 もしかしたら、強引に花火として打ち上げられるのを警戒しているのかもしれない。
 そう思ったシルワは、語りかけるように声を掛ける。
 するとコッコは、攻撃を止め、シルワの足元を回り始めた。
「コケッ!」
 そんなコッコを優しく抱き上げ、彼女は再び、祭りの喧騒へと戻っていく。

 一方、メメルの元に辿り着いた貴人は、何とも言えない状況に遭遇していた。
「まさか、生徒を巻き添えにしたりしませんよね?」
「ふははははー! 我学園長ぞー!!」
「しませんよね?????」
 パーシアを後ろから羽交い絞めにしているメメルの前では、今にも爆発しそうなコッコが体を震わせている。
(これは、助けたほうが良いんだよな……?)
 とはいえ今行けば、6割の確率で巻き込まれる。さらに言えば、そのまま酔っ払いのメメルを介抱する流れだ。
「逃がさんぞー! 芸術は、ばくはつだー!」
「教育者の所行じゃなくない!?」
「そういうチミも、敵前逃亡はゆうしゃのたまごとしてどうなんじゃ?」
「こういうときだけ正論! いえ、私は敵前逃亡じゃなく、戦略的撤退をしようとしているだけです!」
「はいはい、それくらいにしましょうね」
 弁舌で殴り合う二人に、見兼ねて貴人が動く。べりっとメメルの身体を離し、ずるずると引きずっていった。
 そのあと彼等がどうなったのかは、空に羽ばたくコッコのみぞ知るのだ。



課題評価
課題経験:0
課題報酬:0
【体験/新歓】フェスティバル・オブ・チキン
執筆:白兎 GM


《【体験/新歓】フェスティバル・オブ・チキン》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《猫の友》 パーシア・セントレジャー (No 1) 2020-05-12 08:41:39
王様・貴族コースのパーシア。よろしくお願いします。
さて、何をしようかしら……学園長と呑むのも楽しそうね。

《2期生》 シルワ・カルブクルス (No 2) 2020-05-13 13:12:24
村人・従者コースのシルワ・カルブクルスです
マジック・オブ・ディライトもこれで最後のようですね
すこし、名残惜しいですが最後まで楽しみましょうか

《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 3) 2020-05-13 19:17:44
武神・無双コースのルネサンス、朱璃・拝と申します。どうぞよろしくお願いしますね。

《新入生》 ヘンリー・クラウン (No 4) 2020-05-13 20:21:30
村人・従者コースのヘンリー・クラウンだ。
ドラゴニアでもある。よろしく頼むな。

今回は、レナとオルタネイトと一緒に行動することになった。

《枝豆軍人》 オルタネイト・グルタメート (No 5) 2020-05-13 22:03:03
遅くなったであります!自分は、オルタネイト・グルタメートであります。
魔王・覇王コースでありますよー!!

クラウン殿とコウフィ殿と動くであります!

フェニックスコッコ…焼き枝豆もいいであります(じゅるり)

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 6) 2020-05-14 14:58:04
わたしはアルフィオーネ。アルフィオーネ・ブランエトワル。
どうぞ、よしなに。

さて・・・おまんじゅうの屋台はどこかしら?

《新入生》 マオ・アルフェード (No 7) 2020-05-16 15:21:53
僕は~、マオ・アルフェードだよ~?
一応、魔王・覇王コースでーす!

あ、一応一緒に回る?人は誘ってるけど、僕の野望はぐふふなことをするk((
規制はいるから、ここでいうのはやめとく~!

《新入生》 レナ・コウフィ (No 8) 2020-05-16 17:13:42
レナ・コウフィよ!
よろしく頼むわね。

オルタネイトくんとヘンリー様と行動するわ!

《野性のオオカミ》 ヘルムート・アーヴィング (No 9) 2020-05-17 09:04:29
この学園は本当に何でもありだな...。
おっと、すまない。
魔王・覇王専攻のヘルムート・アーヴィングだ。

自爆に巻き込まれないよう過ごせると良いが。

《新進気鋭》 アンジェリア・ストロベリアン (No 10) 2020-05-17 21:32:47
御機嫌よう。王様・貴族専攻のアンジェリア・ストロベリアンですわ。
祭事に間に合う形で入学出来、よかったです。まだ学園に慣れる段階ですし、ゆったりと見て回りたいところでしたが……あの不可思議な鶏、上下関係というものがあるとか。

そう聞きますと捨て置けませんわ。たとえ動物であろうと、キッチリとわからせて差し上げますわッ!!

《大空の君臨者》 ビャッカ・リョウラン (No 11) 2020-05-18 00:06:22
勇者・英雄コースのビャッカ・リョウランだよ。
うん、まぁ、メメたん学園長だからね…何でもありなのに慣れてきた自分が怖いよ。

私はコッコと一戦して、従ってもらえたら花火を打ち上げるよ。
花火で一杯…なんて感じでもなくなったから、せめて大きな花火を上げよう!
うん、そんな感じで頑張るよ。

《新入生》 マリアルト・シャリエ (No 12) 2020-05-18 19:09:40
……えっ、と…マリアルトと申します…
ワタシは…隅っこの方にいますので……

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 13) 2020-05-18 22:22:42
魔王・覇王コースの仁和だ。
・・・プラプラしてると思う。

《新入生》 セブ・エラルド (No 14) 2020-05-18 23:18:48
教祖・聖職コースのセブ・エラルドだよっ!
仲良くしてね?

うーん、花火見ながら楽しく飲み食いできるといいなぁ・・・
大きな事件とかに巻き込まれないといいんだけど。