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メメル&スピッティの必殺技相談室



ストーリー Story

 魔法学園『フトゥールム・スクエア』の校庭。
 授業中、多くの血と汗と涙が流れるこの場所では、放課後も修練に余念がない学生達が居残りを行っている。
「………………」
 黙々と武器の素振りを続ける者。
「フン! フン!」
 全身から大粒の汗を滴らせながら、筋トレに励む者。
「でやああああっ!」
「はあああああっ!!」
 そして、仲間同士で激しく組手を行う者――。
 追い求める大切な『何か』のために、自分自身を鍛え続ける学生達を、校庭の片隅からじっと見つめる2つの人影があった。
「今日もやっとるな~。感心感心!」
「めぇ~」
 学園長【メメ・メメル】。そして、客員教授【メッチェ・スピッティ】。校庭を見守る彼女達の眼差しは限りなく優しい。
 しかし、それと同時に彼女達の目には、最近学生達の中に『迷い』を抱える者が多く映るようになっていた。
「皆キラキラしてるめぇ~。でも……」
「そうだねえ……」
 学生達が、とてつもない素質を持った金の卵である事は間違いない。学園で会得した技能を、己だけの『必殺技』へと昇華させる者が出始めているのもその証拠だろう。
 しかし、誰もが目指す道を最短で往けるとは限らない。
 時にもがき、苦しみながら進まなくてはならないのが人生の常であり、そんな悩める学生に手を差し伸べる事こそが、教師の本分であるだろう。
「高みに至るには、『技』と『体』だけでは不十分だねぇ。『心』を解き放ち、迷いの霧を晴らす事ができれば、きっと道が開けるはずだめぇ」
「メッチェたん、良い事言うねえ! そのために、ちょっと一肌脱いでみよっか!」
 そんな会話を交わした2人は、何やら相談しながら校舎へと引き返していった。

 数日後、学園の掲示板に奇妙な貼り紙がされた。
 文面はたった一行、『必殺技の相談乗ります』。後は日時と、開催場所が保健室である事だけが記されている。
 大半の者が素通りしていくその貼り紙に、不思議な引っかかりを感じた一部の学生は、書かれた内容を心に留めてその場を後にする。
 メメル&スピッティの不思議な修行は、こうして開催される運びとなったのだった。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 5日 出発日 2020-10-05

難易度 簡単 報酬 少し 完成予定 2020-10-15

登場人物 8/8 Characters
《今を駆ける者》ダケン・ヴァルガー
 ルネサンス Lv15 / 魔王・覇王 Rank 1
「姓はヴァルガー、名はダケン。故郷は知れず、世間が呼ぶには流しの無頼。ま、よろしく頼むぜ」 「……って、駄犬じゃねぇ!?」 #####  狼系ルネサンス。  若い頃から正々堂々、スジを通して道理を通さぬ荒くれ者として世間様に迷惑をかけてきた年季の入った無頼。  本人は割とイケていたつもりだったが、ある時襲った貴族の娘から 『獣臭い』『薄汚い』『さっさと死んでくれないかな?』  と容赦ない口撃を浴びて脱落(リタイア)  一念発起して系統立った悪の道を修めるべく、学園の門を叩く。 ◆性格・趣味嗜好  一言で言って『アホの二枚目半』  前提知識が足りない系アホの子で脳筋単細胞。悪人ではないが、パワーオブジャスティス。  ひらめきや発想は普通にあり社交性も悪くないため、決められる場面では最高に二枚目。  いざという時以外は基本三枚目。足して二で割って二枚目半。  脱ダサ悪党を目指して清潔感は増したが、服装センスが致命的でやっぱりダサ悪党。   ◆外見補足  顔立ちは濃いが造りは悪くなく、黙って無難な服を着ればワイルド系イケメンおっちゃん。  服装センスの悪さは『イモっぽい』『田舎もの』といった類。  気合が入ると脱いじゃう系の人。
《イマジネイター》ナノハ・T・アルエクス
 エリアル Lv23 / 賢者・導師 Rank 1
フェアリータイプのエリアル。 その中でも非常に小柄、本人は可愛いから気に入っている。 明るく元気で優しい性格。天真爛漫で裏表がない。 精神年齢的には外見年齢に近い。 気取らず自然体で誰とでも仲良く接する。 一方で、正義感が強くて勇猛果敢なヒーロー気質。 考えるよりも動いて撃ってブン殴る方が得意。 どんな魔物が相手でもどんな困難があろうと凛として挑む。 戦闘スタイルは、高い機動性を生かして立ち回り、弓や魔法で敵を撃ち抜き、時には近接して攻め立てる。 あまり魔法使いらしくない。自分でもそう思っている。 正直、武神・無双コースに行くかで迷った程。 筋トレやパルクールなどのトレーニングを日課にしている。 実は幼い頃は運動音痴で必要に駆られて始めたことだったが、 いつの間にか半分趣味のような形になっていったらしい。 大食漢でガッツリ食べる。フードファイター並みに食べる。 小さな体のどこに消えていくのかは摩訶不思議。 地元ではブラックホールの異名(と食べ放題出禁)を貰うほど。 肉も野菜も好きだが、やっぱり炭水化物が好き。菓子も好き。 目一杯動いた分は目一杯食べて、目一杯食べた分は目一杯動く。 趣味は魔道具弄りで、ギミック満載の機械的な物が好き。 最近繋がった異世界の技術やデザインには興味津々で、 ヒーローチックなものや未来的でSFチックな物が気に入り、 アニメやロボットいうものにも心魅かれている。 (ついでにメカフェチという性癖も拗らせた模様)
《比翼連理の誓い》オズワルド・アンダーソン
 ローレライ Lv22 / 賢者・導師 Rank 1
「初めまして、僕はオズワルド・アンダーソン。医者を志すしがないものです。」 「初見でもフレンド申請していただければお返しいたします。 一言くださると嬉しいです。」 出身:北国(リゼマイヤ)の有力貴族の生まれ 身長:172㎝ 体重:60前後 好きな物:ハーブ、酒 苦手な物:辛い物(酒は除く) 殺意:花粉 補足:医者を志す彼は、控えめながらも図太い芯を持つ。 良く言えば真面目、悪く言えば頑固。 ある日を境に人が触ったもしくは作った食べ物を極力避けていたが、 最近は落ち着き、野営の食事に少しずつ慣れている。 嫌悪を抱くものには口が悪くなるが、基本穏やかである。 ちなみに重度の花粉症。 趣味はハーブ系、柑橘系のアロマ香水調合。 医者を目指す故に保健委員会ではないが、 保健室の先輩方の手伝いをしたり、逃げる患者を仕留める様子が見られる。 悪友と交換した「高級煙管」を常に持ち、煙草を吸う悪い子になりました。
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《2期生》シルワ・カルブクルス
 ドラゴニア Lv15 / 村人・従者 Rank 1
細い三つ編みツインテールとルビーのような紅い目が特徴のドラゴニア 元々彼女が住む村には、大人や数人ぐらいの小さい子供たちしかおらず同い年程度の友達がいないことを心配した両親にこの学校を薦められて今に至る 一見クールに見えるが実際は温厚な性格であり、目的である世界の平和を守ることはいわば結果論、彼女の真の目的は至って単純でただの村人として平穏に暮らしたいようである しかし自分に害をなすとなれば話は別で、ドラゴニアらしく勇猛果敢に戦う 一期生にはたとえ年下だとしても「先輩」呼びをするそうだ 「私はただの村人、できる限りのことをしただけです」 「だれであろうと私の平穏を乱す者はすべて叩き伏せます」 ※口調詳細(親しくなったひとに対して) 年下:~くん、~ちゃん 同い年あるいは年上:~さん ※戦闘スタイル 盾で受け流すか止めるかでダメージを軽減しつつ、斧で反撃するという、いわゆる「肉を切らせて骨を断つ」戦法を得意とする
《枝豆軍人》オルタネイト・グルタメート
 リバイバル Lv15 / 魔王・覇王 Rank 1
■性別■ えだまめ(不明) ■容姿■ 見た目:小柄で中性的 髪:緑のショートヘア 目:深緑色 服:生前の名残で軍服を好む。 あとなぜが眼帯をしてる。 ※眼帯に深い理由はない。 ■性格■ 元気(アホの子) 意気揚揚と突撃するが、結構ビビりなのでびっくりしていることもしばしば。 ■趣味■ 枝豆布教 ■好き■ 枝豆(愛してる) ■苦手■ 辛いもの(枝豆が絡む場合は頑張る) ■サンプルセリフ■ 「ふはっはー!自分は、オルタネイト・グルタメートであります。」 「世界の半分を枝豆に染めるであります!」 「枝豆を食べるであります!おいしいのであります!!怖くないのであります!」 「これでも軍人さんでありますよ。ビビりじゃないであります!」 「食べないで欲しいでありますー!!自分は食べ物ではないであります。」
《熱華の麗鳥》シキア・エラルド
 ヒューマン Lv25 / 芸能・芸術 Rank 1
音楽と踊りが好きなヒューマンの青年 近況 自我の境界線が時々あやふやになる みっともない姿はさらしたくないんだけどなぁ 容姿 ・薄茶色の髪は腰の長さまで伸びた、今は緩く一つの三つ編みにしている ・翡翠色の瞳 ・ピアスが好きで沢山つけてる、つけるものはその日の気分でころころ変える 性格 ・音楽と踊りが大好きな自由人 ・好奇心>正義感。好き嫌いがハッキリしてきた ・「自分自身であること」に強いこだわりを持っており、自分の姿に他者を見出されることをひどく嫌う ・自分の容姿に自信を持っており、ナルシストな言動も。美しさを追及するためなら女装もする。 好きなもの 音楽、踊り、ともだち 苦手なもの ■■■■、理想を押し付けられること 自己犠牲 二人称:キミ、(気に入らない相手)あんた 初対面は名前+さん、仲良くなると呼び捨て
《ゆうがく2年生》蓮花寺・六道丸
 リバイバル Lv13 / 芸能・芸術 Rank 1
名前の読みは『れんげじ・りくどうまる』。 一人称は『拙僧』。ヒューマン時代は生まれ故郷である東の国で琵琶法師をしていた。今でもよく琵琶を背負っているが、今のところまだ戦闘には使っていない。 一人称が示す通り修行僧でもあったのだが、学園の教祖・聖職コースとは宗派が異なっていたため、芸能・芸術コースに属している。 本来は「六道丸」だけが名前であり、「蓮花寺」は育ててもらった寺の名前を苗字の代わりに名乗っている。 若い見た目に不釣り合いな古めかしい話し方をするのは、彼の親代わりでもある和尚の話し方が移ったため。基本的な呼び方は「其方」「〜どの」だが、家族同然に気心が知れた相手、あるいは敵は「お主」と呼んで、名前も呼び捨てにする。 長い黒髪を揺らめかせたミステリアスな出で立ちをしているがその性格は極めて温厚で純真。生前は盲目であったため、死んで初めて出会えた『色のある』世界が新鮮で仕方がない様子。 ベジタリアンであり自分から肉や魚は食べないが、あまり厳密でもなく、『出されたものは残さず食べる』ことの方が優先される。 好きなもの:音楽、良い香りの花、外で体を動かすこと、ちょっとした悪戯、霜柱を踏むこと、手触りのいい陶器、親切な人、物語、小さな生き物、etc... 嫌いなもの:大雨や雷の音

解説 Explan

プロローグの情報と、プロローグに書き切れなかった情報を纏めます。

【課題の目的】
 学園長【メメ・メメル】と客員教授【メッチェ・スピッティ】の手による『幻影空間』で修業を行う。

【幻影空間について】
 学園長の幻影魔法と、メッチェの催眠術のコンボによって生み出された疑似空間。
 メメル&スピッティ特製の催眠導入ヘルメットによって入る事ができ、実際は横たわっているだけだが、まるで現実であるかのような感覚を味わえる。
 活動限界は6時間。(プランに表記が無い場合は、1人きりで修業を行う事とする)
 最初は何もない真っ白なフィールドに立った状態からスタート。ガイド役のメメたんに頼む事で、フィールドの状態を様々に設定できる。
 設定可能な項目は以下の2つ。
  
・地形の選択
 修行を行う場所を『山』や『平野』といった好みの地形に変える。(宇宙空間等、生存が不可能と思われる場所への変更は不可)

・キャラクター配置
 倒すべき敵キャラと、護衛対象とすべき一般人を登場させる事が可能。
 敵キャラは、ゴブリン・リザードマン・ワイバーン・ゴーレムの4種類。一般人がいる場合は、そちらを優先して攻撃しようとする。
 一般人は敵キャラを見ると逃げ出す行動を取る。指示に従って身を隠す・逃走経路を変える程度の行動を取る事が可能だが、あまり複雑な内容には対応できない。
 数や登場の仕方は自由に調整できるが、メメたんがこれ以上の戦闘は無理と判断した場合はそこで終了となる。
 メメたん・メッチェと戦闘を行う事はできない。

【必殺技について】
 装備品は身に付けていた物をそのまま持ち込む形になるが、職業技能の制限は無いものとする。
 想像力の赴くままに、自由に好きな技を放つ事が可能。(公序良俗に反したり、過度に残酷な描写は不可)

※文字数やその他の事情により、プランに書かれた内容が一部変更・省略される可能性があります。


作者コメント Comment
 正木猫弥です。
 かつて他社PBWでPLをしていた経験から言えるのですが、新たなシステムが生まれるというのは、楽しみであると同時に戸惑いもあると思います。
 そんな昔の事を思い出している内に、今回のエピソードを考え付きました。

 メメル&スピッティの『幻影空間』は、言ってみればゆうがく世界のVRです。
 完全オリジナルの必殺技をぶっ放しても良いですし、勇者・英雄コースのPCに、魔王・覇王コースの職業技能を使った必殺技を使っても構いません。
 ぜひ心の赴くままに必殺技を考え、ご自身のお子さんの魅力を輝かせるためのヒントにしてみて下さい。
 皆様のご参加、お待ちしております。

※リザルトノベルで描写された必殺技は、あくまで本エピソード内に限ったものになります。
 実際の『必殺技獲得』を保証するものではありませんのでご了承下さい。


個人成績表 Report
ダケン・ヴァルガー 個人成績:

獲得経験:48 = 40全体 + 8個別
獲得報酬:960 = 800全体 + 160個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
●方針
極める(必殺技申請する)方向性の検討をしたい。
戦闘以外に振るのもありだろうか?


●行動
「なぁメメたん先生、メッさん先生…必殺って、別に『殺』な技でなくてもいいのかな?」

プロフ参照の怪傑についていく、助けられるのはと考えた結果、
攻撃・戦闘的なもの以外を極められないかと。
『逃走中』みたいな、勝てない敵(能力、数など)を逃げたり罠で何とかするみたいなステージが可能ならそれで。
試してみたいのが『全力撤退』による『必逃技』、『破壊工作』で怪盗的な逃走経路確保
あるいは『立体機動』でのアクロバットなどで何かできないか試したい。


無理そうなら『覇道行進』で、ノックバック重視した技にできないかなど。

ナノハ・T・アルエクス 個人成績:

獲得経験:48 = 40全体 + 8個別
獲得報酬:960 = 800全体 + 160個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
■目的
必殺技をイメージする

■行動
地形は真っ白のまま、敵はゴーレム1体を棒立ちで。
トレーニングモードが一番欲しい。

僕の必殺技のコンセプトは「魔法と技術の融合」。
今までも魔法と射撃の技術要素を組み合わせて来た、僕の必殺技はこの至りかなって。
メメたんみたいな魔法も技術力もまだ届かないけれど…出来た姿をイメージ。

飛燕弓を構えて、魔法陣を展開。
最上位の風魔法を力を、ギュッと圧縮して収束。
自然友愛で精霊の力を借りて、さらに増強圧縮収束。
疾風で狙い定めた矢と共に、指向性を持たせて解き放つ。
ただ一体の敵を倒すためだけに放たれる一撃必殺の超暴風の魔砲。
「全力全開フルドライブ!いっけぇぇぇぇーーーーーーっ!!」


オズワルド・アンダーソン 個人成績:

獲得経験:48 = 40全体 + 8個別
獲得報酬:960 = 800全体 + 160個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
【エリア】
一人で行動。
教師に
「医者として、ゆうがくのサポーターとして、
【どのような状況になっても対応できる練習のため「複数人の一般人」以外すべては先生にお任せ】します」と伝える。
最初は1体、そこから敵の数を増やしていく。


【戦闘】
基本守りに徹することを考え行動。
地形を推測し、【防御拠点】で一般人の
また【雨の恵み】を発動し、雨によって泥濘んだ地を生かし「全力攻撃」で敵の足元を攻撃。
また、一般人への攻撃を【千代古令糖の守り】で体を張って防御。

その行動を行った上で、自身の切り札(必殺技)を生んでいきたい。

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:48 = 40全体 + 8個別
獲得報酬:960 = 800全体 + 160個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
必殺技か・・・
いろいろと試してみるにはちょうどいい機会だな
何個か考えてるのはあったんだがどうなるかやってみるか

まずは
陣地作成をベースにしたものだな
元はハウスや拠点を構築する技能やノウハウだが
瞬間的とまではいかないがある程度自分に有利になる空間を作れないか試してみよう

二つ目
切り落としだな
元々がただの物理攻撃
文字通りの必殺技にするには使い勝手の良いものになるだろうな

メメたんやスピッティ先生にアドバイス貰いながら試行錯誤してみようか

アドリブA 絡み大歓迎


シルワ・カルブクルス 個人成績:

獲得経験:48 = 40全体 + 8個別
獲得報酬:960 = 800全体 + 160個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
【ロケーション:平野】
【エネミー:ゴーレム1体、ゴブリン3体】

この空間にて、防御系の必殺技を編み出すための修行を行う

逃げまどっている人たちは攻撃に巻き込まれないようにに指示を出して、自分は『挑発』で注意を引き付ける

敵の攻撃に合わせて『衝撃享受』や『忍耐』で自分のダメージを減らしつつ、『攻防一体』で体力を削る

ゴブリン戦では、囲まれないように注意しながら『灼けつく息吹』で反撃で一体一体確実に倒していく
ゴーレム戦では、一撃が重いものに対しては『部分硬質化』も入れて

オルタネイト・グルタメート 個人成績:

獲得経験:48 = 40全体 + 8個別
獲得報酬:960 = 800全体 + 160個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
心情:
「必殺技といわれても…何がいいでありますかね?」

修行前:
枝豆を食べて、考えを膨らませる
地形選択は山、キャラクター配置は一般人なしであることを伝える

修行中:
まずはいつも通り、戦闘を行う
【事前調査】【気配察知Ⅰ】で地形や敵の位置情報を確認
【楽園楽土Ⅰ】【威圧感】でデバフを付与
近くい敵狙いで通常攻撃
敵が多い場合には【絶対王セイッ!】で攻撃
攻撃を受けた場合は、【リ2】【リ1】で攻撃を受ける

暫く訓練を行い、何かを思いついたように
「必殺技…必ず殺すための技……はっ!なら自分はこれであります!」
とずんだ餅を相手の口にぶち込むことをする

おいしさで相手を倒す

修行後:
修行参加者に枝豆を振る舞う

シキア・エラルド 個人成績:

獲得経験:48 = 40全体 + 8個別
獲得報酬:960 = 800全体 + 160個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
目下、必殺技の強化と開発に勤しむ
……もっと、勉強してたらまた違ったんだろうけど
いいもんねー俺は俺のやりたいことやってるだけだしー

舞踏音楽(踊りながら戦う技術)の強化と必殺技をメインに
戦闘時は対地上戦がやりやすい平原で
多数のゴブリンを相手に
リズムを取りながら「踊り」 近い敵に【二連斬り】
いつまでもこの楽器に頼るわけにはいかないけど…

っ、よし!リズムを保ったまま詠唱、動きは止めずに【アレグロ・インベル】
……簡易的な発動だと、これが限界か
本来はもっと大掛かりなものであることを思い出しながら
メインは支援だからいいんだけど
…もっと、何か 敵を妨害できるような…
……あ(思い出す)

蓮花寺・六道丸 個人成績:

獲得経験:48 = 40全体 + 8個別
獲得報酬:960 = 800全体 + 160個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
アドリブ絡み歓迎

拙僧も男子ゆえ、物語に出てくるようなド派手で摩訶不思議な術の数々に憧れが無いと言ったら嘘になる
申請するための単位が足りぬので実際に使えるのは当面は先になるだろうが、使ってみたかった奥義の案はいくらでもあるのだ

幻影とはいえ、生き物の姿をしたものに攻撃を加えるのは気が咎めるので
場所は武道場、仮想敵は剣の試し斬りに使うような畳表を指定
動かず、命のない敵なら現実空間でいいのではないか、というとそんな事はない。畳の文化が伝統的でないこの地では、畳もそう簡単に数が集まるものではないし、もし練習中に何かあって貴重な仕込み琵琶(現在入手困難)を失うわけにはいかないからだ

リザルト Result

 某日、魔法学園『フトゥールム・スクエア』の保健室。
「成功だめぇ」
 客員教授【メッチェ・スピッティ】が、ほっと息をつきながら呟いた。
 床一面に展開された魔法陣、その上に置かれた8台のベッドには、ヘルメットを装着した学生達が横たわっている。
「おしおし! 見た目はめっちゃ怪しいけどな!」
 そんな学生達を眺めながら、学園長【メメ・メメル】が満足げに微笑む。
 ここであって、ここでない場所。
 『幻影空間』での不思議な修行は、こうして奇妙な静けさと共に始まったのだった。


 一方、幻影空間に送り込まれた学生達は――。

「――最上位の風魔法?」
「うん。学園長の全力が見てみたくて」
 【ナノハ・T・アルエクス】が求めるのは、必殺技の方向性とコンセプトを形にするための強烈なインパクトだ。
 しかし、メメたんの答えはつれない。
「ごめんね。実はオレサマ、本物のメメ・メメルではないんだ。ナノハたんの意識内にあるイメージの具現化、というか」
 つまり、外見は同じでも本人のような力はないらしい。
「そうなんだ。残念だな……」
「大丈夫だよ。試しに『フド』を出してごらん」
 ナノハの掌に発生したフドの球体は、一瞬にして超巨大な嵐と化した。
「うわわっ!?」
「ここでなら想像力次第で、フドでもこんな事ができるんだよ。これでどうかな?」
「……分かった。やってみるよ!」
 メメたんに力強く頷いたナノハは、改めて幻影空間での修行に闘志を燃やした。


 メメたんがパチリと指を鳴らすと、白一色のフィールドが平野に切り替わる。
「わあ……」
 実際にはあり得ない現象に、【シルワ・カルブクルス】は目を丸くした。
「それじゃ、始めたくなったら言ってね」
「はい、ありがとうございます」
 メメたんに礼を述べてから、装備の最終確認を行うシルワ。片手斧『ムーン・タイラント』を握ると、現実と遜色のない重みと手触りが伝わってくる。
(この感じ……。催眠術とはいえ、メメ先生やメッチェ先生が作った幻影空間は凄いですね……)
 シルワの期待はいやが上にも高まる。これなら思う存分戦えそうだ。
「メメ先生! お願いします!」
 準備を終えたシルワが合図を送ると、たちまちの内に虚空からゴブリン達が現れる。
(これなら、必殺技の修行にもってこい。遠慮なく励むとしましょう)
 ムーン・タイラントを構えながら、シルワは気合に満ちた表情を浮かべた。


「必殺技といわれても……。何がいいでありますかね?」
 常備の枝豆を食べながら、【オルタネイト・グルタメート】は独り思案に暮れていた。
 オルタネイトがいる場所は、メメたんに出してもらった山の頂上。絶景を眺めていると、枝豆の美味さが一層増すようだ。
「……むむっ? 何と!?」
 しばし無心で枝豆を口に入れていたオルタネイトだったが、ポケットの枝豆が全く減らない事に気付いた。
「実に素晴らしい! ここなら無限に枝豆を楽しめるでありますな!」
 枝豆軍人にして、秘密結社『えだまめん』総統。そんなオルタネイトの空間で、枝豆が尽きる事などあるはずもない。
「おっ、調子出てきたね」
 感動するオルタネイトに、メメたんが話しかける。
「枝豆がある限り、怖いものなどないであります! さあ、始めるでありますよ!」
 『無限枝豆』を一粒口に放り込んでから、オルタネイトは高らかに修業開始を宣言した。


「……必殺技って、別に『殺』でなくてもいいのかな?」
 腕枕で寝転がった【ダケン・ヴァルガー】が、傍らのメメたんに話しかける。
「ふむ。というと?」
「戦闘技以外を極める道もありかと思ってよ。例えば、勝てない敵から逃げる技とか」
「へえ、面白い。どうしてそう思うのか、オレサマに教えてよ?」
「まあ、いいけどよ……」
 このメメたんは実際の学園長とは異なるそうだが、話し相手としては不足あるまい。
 ダケンはぽつり、ぽつりとある課題で遭遇した『怪傑』について語り始めた。
「その先輩を助けるためかあ。ダケンたんも隅に置けないなあ。うりうり!」
「や、止めろ! 本物もやりそうで腹立つな!」
 赤面しながら、ダケンは脇腹を突いてくるメメたんの手を振り払う。
「ごめんごめん! お詫びに素敵なステージを用意してあげるから、期待してね☆」
 現実同様のウインクを見せながら、メメたんはとっておきの修行を約束した。


「ではメメたんどの、よろしくお願いいたします」
 【蓮花寺・六道丸】が指定したのは、東方の武芸者達が修練を行う『武道場』と呼ばれる部屋であった。
「後は『畳表』ね。普通の敵も出せるけど?」
「これで構いませぬ。幻とはいえ、殺生は気が咎めますゆえ」
「ん、了解」
 次に出現したのは、細い草で編まれた敷物。六道丸はこれを巻き締め、杭に突き立てたものを標的とするつもりである。
(フフフ、心が躍るのう。命も取らず、物も壊さず。幻影空間とは良いものよなぁ)
 仕込み琵琶、『青嵐』の刀身を抜き放つ。現実であれば貴重な逸品を失いたくない気持ちが先に立つが、ここではその心配をする必要がない。
 刃の切っ先を畳表へと向けながら、六道丸は楽しそうに微笑んだ。


「うわ!? 本当に出てきた」
 【仁和・貴人】が念じると、一瞬にして目の前に漆黒のキューブが出現した。
 学園で会得した『陣地作成』は、あくまで自分に有利な拠点を構築するための技能だ。魔力で陣地を発生させる訳ではないのだが、幻影空間ではそれが可能となるらしい。
「では、この技を『魔王の空間』(オレノキョテン)とでも名付けるか。後は……」
 物思いにふけりながら、さらなるイメージを膨らませる貴人。このキューブにどんな効果を付与するか。色々と悩み所だ。
 しかも、貴人には他にも必殺技の案がある。
「よし、後は本番で試してみるか。……すみません、そろそろお願いします!」
 考えてばかりいても仕方がない。実戦で試行錯誤する事を決めた貴人は、修行開始の合図をメメたんに送った。


「敵の出現は全てお任せ。それでいいね?」
「はい」
 困難な修行は承知の上。メメたんの鋭い視線を、【オズワルド・アンダーソン】はしっかりと受け止めた。
(必殺技なんて、去年の僕なら考えもしなかっただろうけど……)
 そんなオズワルドの心境に変化を生じさせたのは、フトゥールム・スクエアでの多くの出会いであった。
 課題で関わった一般人。共に戦った親友達。思いを寄せるあの子、昔からの悪友。
 オズワルドには、かけがえのない存在を守り抜くための『切り札』が必要であったのだ。
「敵数は1体からスタート。そこから数を増やしていくよ。……覚悟はいいね?」
「お願いします!」
 幻影空間は仮初めの世界。しかし、オズワルドが抱く決意は紛れもない本物であった。


(……もっと勉強してたら、また違ったんだろうけど)
 益体もない事を考えている自分に気付き、【シキア・エラルド】は小さくため息をついた。
 シキアが立つのは、見渡す限りの平原。ゴブリンとの戦闘で、必殺技の強化と開発に勤しむつもりでいる。
 シキアの必殺技『アレグロ・インベル』は、味方を強化する効果をもたらす術式だ。魔術について考える事は、シキアからすれば自らのルーツと向き合うのに等しい。
「いいもんねー。俺は俺のやりたい事やってるだけだし」
 軽口を叩いても、シキアの顔色は晴れない。『シェルシア』の名と共に捨てたはずの過去を掘り起こす事は、シキアにとって気の重い作業でもあった。
(シェルシア、それだけは駄目だ)
「? 今のは……?」
 そして、それがある種の『危険』を孕んでいる事を、シキア自身も未だ知らずにいたのだった。


 修行開始からおよそ3時間が経過した頃。
 学園長とメッチェは、保健室から学生達の様子をモニターし続けている。
「全員、本格的な修行に入っているめぇ。疲労の色が濃くなるこれからが正念場だねぇ」
「皆、思う存分やるんだよ。オレサマ達が付いてるからな!」
「めぇ~」
 学園長とメッチェはそう語り合うと、再び学生達を見つめながら差し入れの枝豆を食べるのだった。


「――どんなもんだぁ!? 必殺ならぬ、必『逃』技ってな!」
 塀を、人垣を、家々を飛び越えて逃げ続けるダケンの動きは、すでに現実離れの領域に達している。
 メメたんが設定した街のフィールドには、通りにも建物内にも現実さながらの人数が配置されているらしい。正に1人対街の鬼ごっこだ。
「やるねえ。じゃ、お次はこれだ!」
「っ!?」
 メメたんが指を鳴らすと、ダケンの前方にある教会の屋根に、1人の女性が出現した。
 リボンとフリルで飾られたセーラー服。腰に佩いたレイピア。後ろ姿でも、あの日心を射抜かれた麗人を見間違うはずがない。
「怪傑【ミロワール・ド・スクレ】。どう? もっとやる気出たでしょ?」
「……おかげさんで。こうなりゃとことんやってやるぜ」
 偽者だと分かっていても、胸の高鳴りが抑えられない自分がおかしい。
「行くぜ! いつか絶対、本当のあんたに追い付いてやるからなあ!!」
 上着を脱ぎ捨て、全力で惚れた女の尻を追いかけ回すダケン。その顔には、どこか楽しそうな笑みが浮かんでいた。


「必ず殺すための技……なら自分はこれであります!」
 戦闘中、何かを閃いた様子のオルタネイトが、ポケットの枝豆を空高く放り投げる。
 ばら撒かれた枝豆は餅へと変じ、山頂を取り囲んだ敵キャラの口に次々と吸い込まれた。
(え、どゆこと!?)
 驚くメメたんをよそに、餅を食べたゴブリン達がバタバタと倒れていく。
「死因は美味しさ。ずんだは罪でありますなあ」
(いや、のどに詰まったんじゃないかな)
 ドヤ顔で呟くオルタネイトに、メメたんは内心でツッコんだ。
 想いの力が物を言う幻影空間では、『無限枝豆』を食べて精神力を回復できるオルタネイトは正に無敵。
 オルタネイトに、全く疲れた様子がないのがその証拠と言える。
「ふはっはー! 自分は、オルタネイト・グルタメート! いずれ自分は、世界の半分を枝豆に染める所存! お子様のおやつに! ビールのお供に! ビバ! 枝豆!」
 オルタネイトの勢いは止まる所を知らない。幻影空間のオルタネイトは、えだまめん総統としての威厳に満ち溢れていた。


 呼吸を整え、静かに畳表を見やる六道丸。その全身に、突如水色の炎が灯った。
「――――っ!!」
 裂帛の気合いを込めて、六道丸が青嵐の刃を一閃する。燃え盛る暇もなく、畳表は一瞬にして灰と化した。
「……名付けて『鬼火変化ノ術』。芸術は爆発というのを、分かりやすい形に変えてみたくてのう」
(お見事。ボイニデッドの加護と、六道丸たんの芸術センスの賜物だね)
 武道場の片隅で見守っていたメメたんが、六道丸の『ソウルバースト』を分析する。
 一撃に魔力を込めて爆発させるその技能を、六道丸は一応体得していたが、完全に己のものにしたとは考えていなかった。
 脳裏に思い描いたのは、かつて耳にした派手で摩訶不思議な術の数々。必殺技を編み出す上で、物語に出てくる多くの秘技が影響を与えたのかもしれない。
「何か楽しそうだね。まだ大丈夫?」
「勿論。拙僧も男子ゆえ、たまにはこういう日があっても良いでしょう」
 いぐさの香りが、武道場の厳粛な雰囲気が、過去の記憶を呼び覚ましたのであろうか。
 メメたんに話しかけられた六道丸は、童心に帰ったような笑みを浮かべて頷くのだった。


「うーん……」
 『ペリドット・サイス』をくるくる回しながら考え込む貴人の周囲には、無数のリザードマン達が倒れている。貴人が形成した漆黒のキューブの中では、敵は否応なしに魔力によって圧し潰され、強制的に平伏を強いられるのだ。
(魔王の空間はこれでいい。だが、こっちは物理攻撃だしな……)
 2つ目の必殺技作りは、予想以上に難航していた。
 『切り落とし』の技能が、鎌使いにとって有用である事は間違いない。しかし、単純である分アレンジの選択肢が多過ぎるのだ。
(優先すべきは、速さか、手数か)
 貴人がキューブを解除すると、拘束を解かれたリザードマン達が貴人目がけて襲いかかってくる。
「いや。……両方だ!!」
 そう叫びながら、貴人が鎌を振るった次の瞬間。殺到したリザードマン達は、1体残らず細切れとなって霧散していった。
「数えきれないほどの斬撃による先制攻撃。これじゃ敵はひとたまりもないね」
「どうせ作るなら、使い勝手の良い技をと思って。何とか上手く行きました」
 メメたんからのお褒めの言葉に、貴人は仮面の裏でほっとした表情を浮かべるのだった。


(くっ、油断した……!)
 終わりの見えない波状攻撃に、シルワの精神力は限界に近づいていた。
 シルワの『攻防一体』は、敵の攻撃を待ち受け、崩し、反撃するカウンタータイプの必殺技だ。
 始めは上手く敵を捌けていたのだが、疲れが溜まればどうしてもガードは緩み、注意力は散漫になっていく。
 一般人がゴブリンに襲われた事に気を取られ、シルワはゴーレムのパンチをもろに喰らってしまったのだった。
「どうする、シルワたん?」
「やれます!」
 メメたんの探るような言葉に、思わず大声で反応するシルワ。自分が強情になっている事に一番驚いたのは、シルワ本人であったかもしれない。
 敵襲が再開され、シルワの元にゴブリン達が群がる。
(負けない! 最後までやり抜く!)
 敵の攻撃を耐え抜き、『灼けつく息吹』で動きを止め、確実に1体ずつ仕留める。愚直でひたむきなシルワの戦法は、この期に及んでも揺らぐ事はない。
(ここまで追い詰められて自分を貫く事は、中々できるものじゃない。この修行で何を掴むか……後はシルワたん次第だよ)
 厳しい表情で敵を送り込みながら、メメたんは内心密かにシルワを応援するのだった。


 目の前には的代わりのゴーレムが設置されているが、地形は真っ白な空間のまま。
 『飛燕弓』を手にしたナノハが瞑想に入ってから、かなりの時間が経過していた。
(『精霊賢者』の力は見れなかったけど……)
 先ほど作り上げた、巨大フドの強烈な印象を思い起こす。
 ナノハが目指す、魔法と技術を融合させた必殺技は、きっとあれすらも凌駕しているはずだ。
「精霊よ、僕に力を!」
 遂に目を見開いたナノハの頭上に、再び巨大な風の球体が召喚された。
 風の精霊の加護の元、ピンポン玉ほどの大きさに圧縮したその嵐を矢に込める。魔力が充填された矢を弓につがえると、ナノハの足元に特大の魔法陣が展開された。
「全力全開フルドライブ! いっけぇぇぇぇーーーーーーっ!!」
 鳴動と共に解き放たれたその一撃は、異常な出力の魔力弾と化してゴーレムに叩きつけられたのだった。
「――あ、あれ? どうなったの?」
 集中するあまり、しばし意識が飛んでいたらしい。ナノハが我に返ると、当のゴーレムが影も形も見当たらない。
「あれじゃあ塵も残らないよ。とんでもない一撃だったね」
「や……やった! でも、疲れた……」
 メメたんに会心の笑みを向けたナノハだったが、そのまま精魂尽き果てて地面にへたり込んだ。


「ぐっ!」
 自分で作ったはずのぬかるみに、足を取られたオズワルドが倒れ込む。
「まだ終わってないよ。もしギブアップなら……」
「大丈夫……です……」
 全身泥にまみれながら、オズワルドは辛うじてメメたんに答えた。
 陣地とした建物には数えきれないほどの敵が取り付き、閉め切った扉をゴーレムが殴り続けている。
 奮戦虚しく、オズワルドのいる戦場は恐怖と混乱の極みにある。『雨の恵み』を利用し、建物を取り囲むようにして作り上げた沼地は、今や無用の長物と化していた。
 とうとう扉が破壊され、建物の中に無数のゴブリンとリザードマンがなだれ込んだ。中には避難させた沢山の一般人達がいる。疲労の極みにあるオズワルドからは、いつしかそれが幻であるという認識は消えていた。
「や、め、ろおおおおおおおっ!!」
 絶叫したオズワルドの全身から、突然黄金の光が溢れ出した。
 放たれた光がフィールド全体を覆い尽くした次の瞬間、全ての敵キャラの動きは、例外なくピタリと静止した。
(……全ての戦闘行為の強制終了は、流石に実際には難しいけど。近い物が実現できれば、切り札になる可能性はあるかもね)
 意識を失ったオズワルドに近づきながら、メメたんは修行の終了処理に入った。


(……分かってくれ。これは、綺麗な魔法なんかじゃない)
 どこか遠い所から、懐かしい父の声が聞こえてくる。
 リズムを取りながらゴブリンに『二連斬り』を喰らわせ、タイミングを見計らってアレグロ・インベルを詠唱する。
 修行に没頭するあまり、トランス状態で舞い続けるシキア。『シェルシア』が己の内に封じ込めていた呪いの枷は、徐々に外れつつあったのだ。
「其は祈り 其は悲願」
 父の書物を盗み見て、その『呪文』を唱えた時の事を思い出す。
「翠の茨 紫の鎖」
 詠唱を続ける幼いシェルシアを制止する父の顔は、苦渋に満ちたものであったはずだ。
 それでも、シキアは止まらない。止められない。そんなシキアの唇が、いよいよ呪文の終盤を紡ぐ形へと動いていく。
「檻となれ 誰も逃――――」
「おっと、そこまで」
 メメたんの飄々とした言葉と態度が、シキアを急速に『今』へと引き戻した。
「……あれ、もう終わり?」
 呆けた顔で、メメたんに尋ねるシキア。
「これ以上、シキアたんにそれを続けさせる訳には行かないねえ。だから、少し眠っててね☆」
 幼い子供に言い聞かせるように、メメたんはシキアにウインクをしてから幻影空間を終了させるのだった。


「――皆よく頑張ったね! メメル&スピッティの修行はどうだったかな?」
 幻影空間から帰還した学生達に、学園長はとびきりの笑顔を向けた。
「あの中で色々な経験をしたと思うけど、あれはあくまで仮想の世界だめぇ。実際に同じ事ができるかと言えば、それはまた違う話だねぇ。だけど……」
「願わなければ、望む結果が得られる可能性は0%のままだよ。皆が思い描いた光景が少しでも現実に近づくよう、フトゥールム・スクエアはこれからも全力で支えるからね!」
 そう語りかけたメッチェと学園長は、優しい眼差しを学生達に向けるのだった。



課題評価
課題経験:40
課題報酬:800
メメル&スピッティの必殺技相談室
執筆:正木 猫弥 GM


《メメル&スピッティの必殺技相談室》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《今を駆ける者》 ダケン・ヴァルガー (No 1) 2020-09-30 12:10:18
魔王・覇王コースのダケンだ、よろしくな。

必殺技、未だ悩んでるんだよなぁ…ちょうど渡りに船で色々試してみるか

《イマジネイター》 ナノハ・T・アルエクス (No 2) 2020-09-30 22:28:45
賢者・導師コースのナノハ・T・アルエクスだよ♪
よろしくね♪

必殺技…僕は方向性とかコンセプトみたいなのはあるんだけど、
イメージが固まらないというか納得いかなくて形にできてないんだよねぇ。
何というか、インパクトが足りなくて。IMDみたいなインパクトが。

幻影空間の中なら色々出来るみたいだし、
今の実力じゃ出来ないようなことを試してみようかな…