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毛糸に想いを込めて、あなたと


ストーリー Story

●その毛糸は誰のために?
「……んしょ……よいしょっと」
 大きな木箱が学園の廊下を左右に行ったり来たり。
 幽霊少女の【メルティ・リリン】が珍しく大きな箱を抱えて学園寮に向かっている。
 そこに丁度居合わせたのは女教師の【ペトラ・バラクラヴァ】。
 彼女はメルティの抱える箱をひょい、と持ち上げると『思ったより軽いな。こいつはどうした』と問うた。
「あの……それは毛糸の箱です。そろそろ本格的に寒くなりますし、それに12月の行事でも靴下とか……必要とされる子供達もいるのではと思って。先生にご迷惑をおかけするわけにはいきませんので、これぐらいは自分で……」
「いいっていいって。どうせ寮まで大した距離はねえんだ。それにしても年末に向けて編み物で奉仕活動ってわけか。真面目な優等生だねェ」
 ペトラはそう茶化すように言いながらもメルティの歩調にあわせて寮へ向かう。
 彼女は授業がいかにスパルタ方式であろうとも学生のプライベートに関しては意外と親切なのだ。
 事実、ペトラは砕けた口調でメルティの活動に関心を示す。
「毛糸っつーとあれか、靴下以外にも色々作んのか?」
「はい。帽子や手袋にマフラー。時間がある時は毛糸のパンツやベストを作ることもあります」
「へー、アタシゃあんな細かい作業耐えらんないね。木の棒とか鉤付きの棒でちくちくやるんだろ?」
「でも良い毛糸で作ったものは何年も使えますから……」
 メルティはそう言うと箱から毛糸を一玉取り出した。
「トルミンのように身体を温められる場所があるのならともかく、グラヌーゼのように冷えやすい地域では体を壊される方も少なくないでしょう。そういう場所でもし長く愛用されるのならきっとこの子達も幸せだと思います」
「ふぅん。でもこの量は消化しきれんのか? ぶっちゃけひとりでやるには無理だろ」
「ふふ、大物を作るとあっという間になくなってしまうのですよ。赤ちゃんのお帽子や靴下ぐらいならほんの数玉で十分ですけれど、羽織物だと時折足りなくなってしまうこともあるのです」
 そんな会話を重ねていくうちに――メルティの私室に到着。デスク脇に木箱をどかんと置くとペトラはふう、と息を吐いた。
「……にしても、お前って今年からやっと課題を始めたばかりだろ。授業での成績は悪かねえが、課題はきっちりこなさねえと色々間に合わなくなるんじゃねえか?」
「それはまぁ……でも私、リバイバルですから! 体がない分、気合で乗り切ります!」
「いや、それは駄目だろ……リバイバルだって精魂尽きりゃ消失するんだからよ。ま、今年はある程度割り切って時間を使えよ。でないとぶっ倒れちまっても仕方ねえんだからな」
 ペトラはそう言って退室、扉を閉めたところで肩を竦めた。
(メルティか……ああ見えて頑固だからなぁ。こうなったら仲間に声をかけてみるか)
 大きな角をポリポリ掻いてペトラは課題案内板のもとへ行く。
 ボランティア活動兼編み物の手習いなら学生達も気軽に参加できるだろうし、完成品を寒冷地に贈れば学園の知名度も上がり頼りにしてくれる地域も増えるかもしれないと。

●ペトラ先生の課題内容
 案内板の前でどーんと仁王立ちするペトラの前に無理矢理集められた学生達は明らかに怯えていた。
 何しろ鬼の如き厳しい授業で名の知れた彼女のこと。
 きっと格の高い魔物相手に軽装で突撃してこいとか、冬山の難関ルートを時間制限付きで攻略してこいというような難題を突き付けてくると思っていたのだ。
 しかし彼女は言う。
「あー、今回の課題は『編み物』だ。年末の奉仕活動だと思って、靴下とか防寒具とか作ってこい。これも寒冷地で向かう際には必要な経験になるかもしれないからな」
 ――不器用だが、要は毛糸を有効活用して世の中に役に立つようにと。
 そのほんわかした内容に学生達は思わず目を丸くする。
 もしかしたら明日あたり槍が空から降ってくるのではと逆に不安になる学生がいたぐらいに。
 そこで毛糸の扱いを知らぬ学生が手を挙げた
「あの、自分は編み物をしたことがないのですが……教えてくれる先生がいるのでしょうか」
 するとペトラはにっと笑った。
「ああ、その点は大丈夫だ。この学園には編み物に気合の入った奴がいるからな。そいつに聞きゃあどうにかなんだろ」
 この点のいい加減さにおいてはやはりいつも通りだが――こうして学生達はメルティとともに編み物に興じることになるのだった。


エピソード情報 Infomation
タイプ マルチ 相談期間 5日 出発日 2020-12-10

難易度 とても簡単 報酬 ほんの少し 完成予定 2020-12-20

登場人物 6/16 Characters
《2期生》ナイル・レズニック
 アークライト Lv12 / 賢者・導師 Rank 1
「やぁ、ぼくはナイル。ナイル・レズニックさ。この布?かっこいいだろう?」 「顔が見たい?ふふ、タダじゃ見せれないね。ごめんね。」 【容姿】 体型→細マッチョ 髪 →黒髪 瞳 →桃色/猫目 服装→キャスケット帽、雑面 【好き】 魔法、散歩、料理 【性格】 優しい 【雑面】 いつも雑面をつけている。 雑面のイラストはコロコロ変わる。 雑面の下は見せようとはしない。 顔にできたケロイドを見せたくないから。
《真心はその先に》マーニー・ジム
 リバイバル Lv18 / 賢者・導師 Rank 1
マーニー・ジムよ。 普通のおばあちゃんとして、孫に看取られて静かに逝ったはずなんだけど…なんの因果か、リバイバルとして蘇ったの。 何故か学生の時の姿だし。 実は、人を探していてね。 もし危ないことをしていたら、止めなければならないの。 生きてる間は諦めてたんだけど…せっかく蘇ったのだから、また探してみるつもりよ。 それに、もうひとつ夢があるの。 私の青春、生涯をかけた行政学のことを、先生として、みんなに伝えること。 これも、生前は叶える前に家庭持っちゃったけど、蘇ったいま、改めて全力で目指してみるわ。 ※マーニーの思い出※ 「僕と一緒に来てくれませんか?」 地方自治の授業の一環でガンダ村に視察に行ったとき、そこの新規採用職員であったリスク・ジムからかけられた言葉だ。 この時点で、その言葉に深い意味はなく、そのときは、農地の手続きの案内で農家を回る手伝いといった用件だった。 「よろしくお願いします。」 これ以降、私たちの間では、このやり取りが幾度となく繰り返されることとなる。 その後、例のやり取りを経て婚約に至る。 しかし、幸せの日々は長くは続かない。 結婚式の前夜、リスクは出奔。著作「事務の危機管理」での訴えが理解されない現状に絶望したとのことだが… 「現状の事務には限界がある。同じことの繰り返しじゃ、世界は滅ぶよ」 結婚前夜の非道な仕打ちよりも、消息を絶つほど思い詰めた彼の支えになれなかったことを今も後悔している。 ※消滅キー※(PL情報) リスク及びリョウに感謝を伝えること 片方に伝えると存在が半分消える(薄くなる) メメ・メメル校長はこのことを把握しているようで、これを逆手にとって消滅を遠ざけてくれたことがある。 (「宿り木の下に唇を盗んで」(桂木京介 GM)参照)
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《ゆう×ドラ》アレイシア・ドゥラメトリー
 リバイバル Lv11 / 村人・従者 Rank 1
「あたしはアレイシア、あなたは?」 姉妹の片割れ、妹 思考を重ね、最善を探す 奥底に、消えない炎を抱えながら 容姿 ・淡い薄紫のミディアムウェーブ、色は紫色寄り ・目は姉よりやや釣り目、同じくやや水色がかった銀色 ・眼鏡着用、目が悪いというわけではない。つまるところ伊達眼鏡 性格 ・妹と対照的に、考えで動くタイプ。人当たりは良く、社交的 ・好奇心旺盛、知りたいことはたくさんあるの! ・重度のシスコン、姉の為ならなんだってする ・結構子供っぽい所も、地は激情家 ・なぜか炎を見るとテンションが上がるらしい、熱いのが好き、というわけではない模様 姉について ・姉が全て、基本的に姉・自分・それ以外 ・人当たり良くして姉の居場所を増やしたい 好きなもの 姉、本 二人称:基本は「あなた」 先輩生徒「センパイ」 初対面には基本敬語
《奏天の護り姫》レーネ・ブリーズ
 エリアル Lv29 / 芸能・芸術 Rank 1
いろいろなところをあるいてきたエルフタイプのエリアルです。 きれいな虹がよりそっている滝、 松明の炎にきらめく鍾乳石、 海の中でおどる魚たち、 世界にはふしぎなものがいっぱいだから、 わたくしはそれを大切にしたいとおもいます。
《ココの大好きな人》アンリ・ミラーヴ
 ルネサンス Lv18 / 教祖・聖職 Rank 1
純種が馬のルネサンス。馬の耳と尻尾を持つ。 身長175cm。体重56kg。 16歳。 性格は温厚。 あまり表情を変えず寡黙。 喋る際は、言葉に短く間を置きながら発していく。 少しのんびりした性格と、言葉を選びながら喋るため。 思考や文章は比較的普通に言葉を紡ぐ。 表現が下手なだけで、年相応に感情は豊か。 好奇心も強く、珍しいものを見つけては、つぶらな瞳を輝かせながら眺めている。 群れで暮らす馬の遺伝により、少し寂しがり屋な面もある。 やや天然で、草原出身の世間知らずも合わさって時折、突拍子の無い発言をする。 好きな食べ物はニンジン。 食べていると美味しそうに目を細めて表情を和らげる。 趣味はランニング。運動自体を好む。 武術だけは、傷付ける行為を好まないため苦手。 入学の目的は、生者を癒し死者を慰める力を身に着ける事。

解説 Explan

●目的
 毛糸を使って誰かに贈り物をする

●場所
 少人数であればメルティの部屋、大人数の場合は学園の会議室などを借りる予定

●やりたいこと・やれること
 正規ルート:編み物をしたり、仲間に技術を教えたりします。
 お手伝いルート:頑張っている仲間達に差し入れをしたり、お茶を淹れて雰囲気を楽しくします。

●毛糸について
 色は多彩で種類も豊富。飾り用のレース糸も用意されていますので自由に使ってください。

●同行者について
 お友達やカップル、ご家族と参加される場合はプランにお相手の名前をご明記ください。
 誤ってすれ違いが発生するとリザルトノベルが悲しいことになりますのでよろしくお願いします。

●登場NPC
 メルティ・リリン
 手芸大好きなリバイバル。自分も精一杯編みますが、初心者さんにも優しく指導します。
 ただし毛糸をわざと無碍に扱うと怒る可能性も……物資は大切に!

●備考
 今回はのんびり編み物をしてみませんか……というエピソードです。
 毛糸はメルティの部屋に山のようにありますので
 ボランティアとして靴下や防寒具を真面目に作るもよし。
 友達や恋人、家族へのプレゼントに心を込めたとっておきの作品を作るもよし。
 お好きなものを作ってみてください。
 なお作成する品については自由で、髪飾りや靴下のような小物なら簡単に作れるでしょう。
 しかしベストやカーディガンのような大物は一日では作り切れませんので、
 お茶会をしながらできる範囲まで頑張るといった流れになることはご了承ください。


作者コメント Comment
いつも大変お世話になっております、ことねです。

今回は冬らしく温かいエピソードをお届けします。
12月は寒いけれど楽しい催しが沢山あるはず!
それを盛り上げるためにも誰かのために毛糸を編んでみませんか?
例えボランティア目的でなくても、
大好きなヒトの心に灯火のような温かさを届けたい……それが今回は大切なことです。
ご参加、心よりお待ちしております!


個人成績表 Report
ナイル・レズニック 個人成績:

獲得経験:21 = 18全体 + 3個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:顔文字お兄さん
〇役割
お手伝いを行う

〇行動
一般スキル「料理」でお菓子を用意する
飲み物を用意して作成組を手伝う

お菓子はクッキーやマシュマロなどの片手で食べられるものを作る
飲み物は温かい紅茶やコーヒー、お茶を入れるようにする

一通り終わったら、制作に困っている人の手伝いを行う。

マーニー・ジム 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:54 = 18全体 + 36個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:真心はその先に
メルティに【信用】で挨拶し
孫(タスク・ジムとヒナ・ジム)がお世話になったお礼を言う

靴下を編みながら自分の人生と家族のことを語る間に
山のような靴下が量産されている

生前大家族の繕い物を全部やってたので半端なく速いのだ

教導の才で周囲にコツを教え
メルティに教えるコツを教え
二人の指導で生産性急上昇

アドリブA

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:21 = 18全体 + 3個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
リリンくんと編み物だな
作るのは初心者向けだろうと思われるマフラーにしておこうか
柄とか凝った編込みとかしなければそう難しくは無いだろう

後はこの機会だリリンくんとお喋りしようか

アドリブA、絡み大歓迎

アレイシア・ドゥラメトリー 個人成績:

獲得経験:21 = 18全体 + 3個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
あぁ、毛糸だらけだったのはそういうこと…
これから寒くなるし、姉さんに作ってみようかな

・目標
姉にあげる靴下を作る
お部屋用なら姉さんもいいかなって
ほっとくと裸足で歩き出すから…

一応「裁縫」の心得はあるが、編み物は初めてなので経験者に教わりたい
ということで編み物センパイ方、よろしくお願いします

レーネ・ブリーズ 個人成績:

獲得経験:27 = 18全体 + 9個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
毛糸でつくる、でも編み物じゃないのを希望します。

編むのではなく、織る、ふつうの布のように毛糸を織ってつくる毛織物。

これでしたら送った先の方が裁断して縫い合わせて、
そこで必要なものをつくれるんじゃないかなって。

リリンさんたちが完成させて送る優しい編み物を
自由につかえる毛織物がおぎなえるように。


アンリ・ミラーヴ 個人成績:

獲得経験:21 = 18全体 + 3個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
正規ルート
ミトンを編む。
俺は寒くなると、手が冷たくなるの、苦手だから。でも自分用じゃない。
子供用のサイズ。ニンジンみたいな赤色。
ソーイングセットと、編み物の本も持参。
まずメルティさんに、子供用のミトンの、編み方を聞く。
それから、本も参考に、一人で編む。
時々、メルティさんに、アドバイスを、求める。

リザルト Result

●救世主現る!
 【メルティ・リリン】はデスク脇の木箱から崩れんばかりの山の体をなしている毛糸玉を見ると、小さくため息を吐いた。
(今からだと靴下だけならどうにかなっても……服は難しいかもしれないです)
 課題では外出の機会が多く、出向先では編み物ができるほど悠長な時間もない。引きこもり時代だった昨年ほどの量はこなせないだろうとメルティが諦めかけた――その時。
 控えめがちにドアがノックされた。
 彼女が慌ててドアを開けば、顏を模した記号が描かれた布を顔に掛けている青年【ナイル・レズニック】が菓子を乗せたトレーを手に、記号をほっこりした笑みに変える。
「こんにちは。ぼくはナイル。バラクラヴァ先生からリリンさんが編み物を頑張ってると話を聞いて、手伝えることがあるならと思ったんだ。細かい作業ばかりだと疲れるだろう? たまには甘いものを食べてリフレッシュしないとね」
「ナイルさん、お心遣いとても嬉しいです。ありがとうございます。ところで……ペトラ先生がお声掛けを?」
 するとナイルに次いで【マーニー・ジム】が入室、『あらあら、まぁまぁ!』と声を弾ませながらメルティの両手を優しく握った。その手は雲のように儚い、リバイバルのもの。
「初めまして、私はマーニー・ジム。先生から年末の奉仕活動の一環として編み物の課題をいただいたの。何より、以前私の孫がメルティちゃんにお世話になっているから一度ご挨拶しなければと思っていたの」
「お孫さん?」
「ええ、そうよ。御霊送りやワイバーン退治の時にご一緒したそうね」
「あ! 姓がジムさんの? でもあのおふたりのお婆様にしては……」
 マーニーは妙齢にも至らぬ若々しい女性だ。もしかして不幸にも若くして亡くなった人物なのだろうか……そんな不安を吹き飛ばすようにマーニーは明るく笑う。
「ふふっ、こういうのもなんだけど、私は立派なおばあちゃんよ? 大切な人達と年を重ねて可愛い孫達に看取られて、幸せな人生を送ったの。でもなぜか、気がついたらこの姿でこの世に残ってしまった。不思議だわ」
 しみじみと語るマーニー。
 と、その時……彼女の背後から突然部屋に大きな音が響き渡った。
 突如部屋に運び込まれたのは機織り機。それを支える【レーネ・ブリーズ】は驚く仲間達を前で愛らしく微笑む。
「初めまして、リリンさん。わたくしはレーネと申します。この度の課題は易しいようでなかなかの難題とお見受けしました。そこでまずは機織り機で毛織物を作り、加工という流れを作れば短時間で編み物を仕上げられるのではと思いまして。……この機織り機でお手伝いさせていただきたいのですが」
「え、ええ! 喜んで! ぜひよろしくお願いしますっ」
 そんなやりとりに重なるように機織り機の向こう側にいる誰かが『……レーネさん……そろそろこれ、どこかに設置、しないと』と呟く。
 その声の主は【アンリ・ミラーヴ】。彼はレーネが学園内から機織り機を運ぶことに難儀しているのを見かね、ここまでふたりで協力して運んで来たらしい。
 メルティが慌てて『どうぞ、窓際なら十分に置けると思います!』と告げ、レーネとアンリ、そしてメルティの3人で機織り機を配置すると揃って『ふうっ』とため息を吐いた。
 そこでようやくアンリは乱れた髪を整え、メルティへ柔らかな笑みを湛える。
「アンリ・ミラーヴです、よろしくお願いします、師匠」
「えっ、そんな! 私は皆さんと同じ学園生ですから。気楽にメルティと呼んでください」
 その返答にたちまちアンリは朴訥かつ朗らかな笑みを浮かべる。
「じゃあ、メルティさん。俺、編み物、前から興味あった。……良い機会、嬉しい」
 表現こそほんの少し不器用であれど、気持ちは本物。彼は図書室から借りてきた編み物の本に栞を挟み、つぶらな瞳を輝かせている。
 それと同時に久方ぶりの顔にもめぐり会う。メルティ曰く世界を幸福に導く主君【仁和・貴人】(にわ たかと)とメルティにとって大切な友人である【アレイシア・ドゥラメトリー】。
 アレイシアは毛糸の山を見て思わず『あぁ、学園の搬入口が毛糸だらけだったのはそういうこと……』と呟くと、鞄から早速編み物の教本を取り出し、柔らかな色合いの段染め毛糸を手に取った。
「メルティ、久しぶり。元気そうで何よりだわ。……ところで姉さんにあげる靴下を作りたいのだけれどこの毛糸をいただいていい? ルームソックスなら姉さんも履くかなって。姉さん、ほっとくと裸足で歩き出すから……」
「アレイシアさん、こちらこそ。来てくださって嬉しいです。毛糸はどうぞ、お使いになって。ところでアレイシアさんのお姉様は以前に気丈な方と伺いましたが、お体も壮健なのですね。冬も裸足だなんて」
「そうなのよ。でも姉さんはあたしと違って生身、もっと自分を労ってほしいのよね。……死んだ妹に心配させるなんて、良くないことだわ」
 そう言いながらもアレイシアはどこか楽しそうだ。
 彼女は元々好奇心旺盛で読書好き。裁縫の心得もある。編み物も本で原理を理解していた。しかし直に編み物をするのは初めてなのである。
 そこでアレイシアはベテランの風格を漂わせるマーニーに真摯に願い出た。
「今日はよろしくお願いします、編み物センパイ! 本当は姉さんにあったかい服を着せたいんだけど、あんまりふわふわした奴だと姉さんってば脱いでしまうから。これから寒いし、足元ぐらいはあったかくしないと!」
「それは大切ね。年頃の娘さんが体を冷やすのは良くないわ。お互い、頑張りましょう」
「はいっ!」
 その頃、貴人はメルティにいつもの仮面を向けると僅かなはにかみを声に乗せた。
「……なんだかんだと、ここ最近リリンくんとは課題に行けてなくてすまないと思っている」
「それは……でも貴人さんには貴人さんが必要とされる大切なお役目があるということ、素晴らしいことだと思います。それに私はまだ、その……力不足で。貴人さんの足手まといになってしまいますから。まだしばらくは課題を頑張らないと駄目かなって……」
 我が配下の自制的な面は相変わらずか。そこで貴人はメルティの頭を優しく撫でると『急ぐことはない、オレはリリンくんのことを信じているからな』と囁いた。
 途端に顔を赤らめるメルティ。その反応に貴人は仮面の奥で眉を落とした。
(オレ自身は魔王になりたいんだが。頭に触れると畏怖されるどころか喜ばれているのは……あれか、昔読んでた少年向け小説のアレか? でもあれは勇者の能力だろう? 何故だ、何故魔王になりきれないんだ……)
 ……その理由は彼自身が本質的に悪人ではないことと、単にメルティがそれ系の小説に登場するサブヒロインの如くチョロい小娘だからである。
 何はともあれ、これでボランティアメンバーは揃った。レーネは機織り機へ、他6人はテーブルを囲んで作業を始める。
 毛糸にそれぞれの想いを込めながら。

●楽しい編み物時間
 レーネが小気味良い音を立てながら毛糸を一枚の布に仕立てている間、アレイシアは教本を参考に毛糸を指に掛けていた。当然使用する毛糸やかぎ針も教本通りの太さ。挿絵を見ながら丁寧に作業を始める。
「えっと……毛糸はまず左手の小指と薬指の間に挟んで、そこから……」
 その様子を微笑ましく眺めるマーニーはしっかりと自分の手を動かしつつ、アレイシアにさりげなく問う。
「たしかアレイシアさんのお姉さんは自然体の女性なのよね? ふわふわ感が強いと脱いでしまうということだったけれど、ぴったりしたものはお好みなのかしら?」
「えーと……多分、それもそれで嫌がるかも。キツイとか言って」
「それなら教本指定のものより太めの毛糸でざっくり編んだ方がいいかもしれないわね。今の毛糸は細いから完成したら柔らかくて触り心地が良い靴下になるけれど、お姉さんの足にぴたっとした感じになるから」
「そうなんだ……。姉さんは締め付けもゆるふわも苦手だけど、太めの毛糸ならいい感じで優しく包んでくれそう。マーニーさん、その編み方教えてくれますか?」
「ええ、もちろん。私で良ければね?」
 マーニーは一旦自分の手を止め、教本を捲りながら編み方のコツをアレイシアの手をとり丁寧に指導する。
 その様子をナイルは微笑ましく眺め、温かい紅茶を淹れ、テーブルの邪魔にならない場所へ並べていく。
「細かい作業って目が疲れるからね。時々お茶やお菓子を楽しんでくれると嬉しいな」
「ナイルさん、ありがとうございます。……ところでそのお顔に掛けられた布は? お茶を飲むのにひと手間かかるのではないですか?」
 メルティがナイルの顔の雑面を不思議そうに見つめる。すると布の中の顔が『ショボーン』とした表情に切り替わった。
「あ、これ? ……ちょっと話すのは気が引けるんだけど、昔勉強中に火傷を負ってしまってね。今は傷が塞がって生活には支障はないんだけれど、傷痕が……その、目立つから」
 雑面の隙間から見える桃色の瞳がそっと伏せられる。その仕草にメルティは胸が痛くなった。
「ごめんなさい、ナイルさん。私……」
「大丈夫、もう痛くはないからね。リリンさん、気にしないで。それにこれを被って食事をするのも慣れたものだよ。……うん、今日の紅茶も良い味だ」
 そう言いながらナイルは紅茶にマシュマロを入れ、ミルクティー色になったそれを布の下から器用に飲む。それを見たアンリはきょとんと目を丸くした。
「お茶に、マシュマロ?」
「紅茶にマシュマロを入れるとほどよく溶けて、ふんわりした甘みと食感が出るんだ。ミラーヴさんも試してみたらどうかな?」
「ん、試してみる。今まで、蜂蜜とか、ジャムは同級生から聞いたことある。でもマシュマロは初めて」
 アンリはマシュマロをつまむと紅茶に3粒優しく転がした。純白の粒が雲のように紅茶に溶けていく姿はなんとも儚く、それでいて可愛らしい。
「……ん。甘くて美味しい。ナイルさん、楽しいこと教えてくれて。ありがとう」
 アンリはそう言うと再びメルティに向かい、編み物を再開した。彼が作っているのはニンジンのようなオレンジがかった赤のミトン。しかしそのサイズは彼の手よりずっと小さい子供向けだ。
「……俺は寒くなると、手が冷たくなるの、苦手だから。だから子供達に、そういう思いはさせたくなくて」
「優しい子だね。きっと皆喜ぶと思うよ」
 彼の心根に感心したマーニーは自分用の毛糸玉を取りに行く傍ら、アンリ用の赤い毛糸も探し出す。その厚意にアンリは『ありがとう。もうひとりのお師匠様』と微笑んだ。
 実は彼曰く、今のところ贈る相手は決めていないらしい。だからこそ冬に困るであろう子供達への贈り物を……と考え、一編み一編み心を込めて編む。
 もちろん最初はメルティが縁の編み方から指導をしたが、アンリはそこで大体の要領を掴んだらしい。今は編み図を参考に黙々と編んでいる。
(……両面の編地ができたら、メルティさんに、編地の繋ぎ方を聞こう。色んな方法があるようだけど。丈夫で綺麗に繋がるのがいい)
 何しろ手袋は寒気を防ぐだけではなく、子供が冬道で転んだ際に手を守ってくれる大切な防具でもある。傷を癒すことも大切だが、何よりも怪我をしないで済むこと――それが大切だとアンリは思う。
 そんな彼をレーネは微笑ましく眺めながら、毛糸玉をいくつか手に取る。
 レーネは暖色系の毛糸を選び出すと経糸(たていと)を上下に分け、開口。その間を器用にシャトルで緯糸(よこいと)を通し、器用に一枚の布を作り上げていく。その手際の良さにアレイシアは目を丸くした。
「凄い速さで布ができるのね……あたしが初心者というのもあるけれど、正直驚いてる」
「機織り機はまっすぐに編むのに適していますから、慣れれば綺麗な布をすぐに仕立てられるんです。ただ、細かいモチーフを編むことはできません。モチーフ編みのストールなどは手編みならではですね」
「そういえば……あれは何枚もモチーフを作ってはぐんだったわね。もっともあれも上級者向け、しかも根気がないと難しそうだけど」
「そうですね……ふふ。ましてやポンポンやタッセルのような飾りは手そのもので作るものですし。ですから今日はそれぞれの良いところを活かして、毛糸を多くの方のために役立てましょう?」
「そうね。あたしも負けられないわ。姉さんのために良い靴下を完成させるわよ!」
 アレイシアは張り切って再びかぎ編み用の編み棒を握った。靴下の完成まではあと少し。ただし今までのふくらはぎから足首までのラインと異なり踵と爪先部分は形状の変化もありマーニーやメルティの教授が必要になりそうだ。
 やがてレーネは毛織物を数枚仕立てると、それを必要な形にカットしてメルティとマーニーへ『それではこちらの布をお使いください』と手渡した。
 それはカーディガンやベストなど冬物衣料に適したサイズに加工したもの。マーニーは嬉しそうに手をぽん、と打つ。
「あらあら、これは素敵な色ね。それに余った布でポケットやフードも作れそう」
「そうしていただけますとこの子達もきっと喜ぶと思います。特に子供向けのものは可愛らしい色で揃えましたので、どの布をあわせても喜ばれるのではないかと」
 それだけレーネの毛織物は素晴らしい出来だった。そして彼女はまた毛糸を織り続ける。皆の厚意があまねく人々に届くように願いながら、心を込めて……。
 一方、貴人はメルティから編み物の基礎ともいうべきマフラーの編み方を学びながら談笑をしていた。
「貴人さんのマフラー、素敵な柄になりましたね。落ち着いたモノトーンの段染めが素敵です」
「ああ。段染めだと一種類で色むらのあるものが作れるのだな。便利なものだ」
「段染め以外にも、違う色同士が絡み合う毛糸を使うという手段もありますよ。あとは……」
 手芸のこととなるとメルティの表情からいつもの寂しさが消え、明るいものとなる。それをどこか面白く感じながら貴人は菓子をつまんだ。
「……そういえばリリンくん、最近は各地に出向いて課題をしているそうじゃないか。しかも戦いの場でも頑張っているとか。心強く思うぞ?」
「あ、ありがとうございます! そう言ってもらえると嬉しいです! ……でもやっぱり血は怖くて。やはり誰かが傷つくことに怯える心が強すぎるのでしょうか」
「オレはそれは悪くないと思うがな。癒し手はヒトの体を健常に保つために存在する。そして血はヒトの命を保つために必要なものだ。それが失われたら命は潰える。仲間の負傷を癒し手が忌避するのは当然だろう」
「でも前線に出るのも本当は怖くて。このままじゃ……」
 ぽつり不安そうに呟いて、メルティの手が止まる。それを見て貴人は思った。
(やはり恐れは消えないか。……それなら多少厳しくはなるが)
 彼はメルティの腕に爪をすっと滑らせると『それでは今度、時間がある時に訓練しようか?』と尋ねた。
「訓練、ですか?」
「ああ、血への恐怖を克服するための訓練だ。まずはオレが自身に傷をつける。それにリリンくんが癒しの魔法を使う。その行程を繰り返すことで血に慣れていき、前線の支援もできるようになる。学園なら教師陣もいる、何かあってもすぐに十分な治療を受けられるだろう。どうだ、やってみるか?」
 するとメルティは俯いた。主が自分のために一時的といえど傷つくというのだから。その厚意に感謝すれども、胸が苦しくなる。
「貴人さん、ありがとうございます。でもこれは私自身が向かい合わなければならないこと……だから貴人さんと一緒にこの世界で戦っていることを心の支えに頑張ります。私を助けようとしてくださる方がいるだけで、勇気が出ますから。必ず追いついてみせます」
 その言葉に貴人は静かに頷いた。まだ未熟なれど、癒し手としての気概は十分に育った。それなら自分は彼女の先で戦い、待ち続けようと。

●異変
「やった、できたわ! 姉さんの靴下っ! 今年こそきちんと温かい足元で生活させてみせるわよっ」
 アレイシアが喜びの声をあげ、完成したばかりのやさしい色合いの靴下を大切に抱きしめた。
 かたやレーネによる毛織物の増産も大きな効果があり、既に冬物衣服が綺麗に畳み込まれている。
 アンリのミトンも同じ意匠のものを重ねて作り続けた結果、既にしっかりした作りの数人分の赤いミトンが並ぶ。そこでアンリがメルティに小首を傾げて問うた。
「メルティさん、このミトンを孤児院とか寒村とか、困っている人達に贈りたい。そういう予定、ある?」
「はい、今度冬越えに向けて食糧と一緒に生活必需品を届ける日があるんです。その時に私もペトラ先生も馬車でお出かけする予定なんですよ」
「それじゃ、俺も、行きたい。みんなに、喜んでもらいたいし」
 やはりアンリは心優しい少年だ。彼はその日が楽しみな様子で指折り数え始める。
 一方、マーニーは毛糸玉の入っていた箱を覗き込み、ある色の毛糸玉が残っているのを目にするやそれを手に取った。
(うん、毛糸は粗方利用できたようね。これなら少し……私の我儘を通してもいいかしら?)
 それは彼女が生前、大切な人に毎年贈っていたセーターを作ること。『彼』の好きな色を使い、普段言えなかった気持ちを込めて。
(……あら、その気持ちは……なんだったかしら……)
 思い出そうとしてもそれは朧気で、霧の中にあるかのように近づいては消えていく。
 でもそれはとても身近で優しい、たったひとつの言葉で……。
 ――その時、ナイルが『ジムさんっ!?』と叫び彼女の体を抱き上げた。マーニーの体が突如、消失しかねないほど希薄になり昏倒したのだ。
「この状況は危険よ、急いで先生に診せないと!」
 アレイシアが急ぎドアを開き、ナイルとともに駆け出していく。他の仲間もマーニーの生命の危機に血相を変えて走り出した。
 そんな中……マーニーは朦朧とした意識の中で呟く。
 お願い、セーターを編ませて。
 あの人に伝えたいことがあるのよ……きっとあの人に会えたら思い出せるはずだから、と。



課題評価
課題経験:18
課題報酬:0
毛糸に想いを込めて、あなたと
執筆:ことね桃 GM


《毛糸に想いを込めて、あなたと》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《真心はその先に》 マーニー・ジム (No 1) 2020-12-06 22:25:46
賢者・導師コース、教職志望のマーニー・ジムよ。
よろしくね。

生前に家族の衣類を死ぬほど縫ってたので、
大量編みならお役に立てると思うわ。

メルティちゃんには孫たちがお世話になってるから、
恩返しをしたいし。

交流や連携大歓迎なので、何かご一緒出来ることや、
お役に立てることがあったらなんでも相談してね。

教職志望だから、みんなに編み物を教えるようなプランも書くつもりよ。

《ゆう×ドラ》 アレイシア・ドゥラメトリー (No 2) 2020-12-08 21:40:30
村人・従者コースのアレイシアです。皆さん、よろしくお願いします

メルティがやたら毛糸を抱えてたと思ってたら、そういうことだったのね
前から興味あったし、参加してみました
……はい、本ばっか読んでたから、編み物はやったことないんですよね(苦笑)
折角だから、マーニーさん達に教わろうかな…

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 3) 2020-12-09 21:34:27
芸能・芸術コースのエルフ、レーネです。
ちょっとちがうものになっちゃいますが、つくってみたいものがあって参加します。
よろしくおねがいします。

《真心はその先に》 マーニー・ジム (No 4) 2020-12-09 22:16:19
アレイシアさん、こんばんは。是非、一緒に編み物しましょう。
教えることについては、必殺技にまでしてるから、お役に立てると思うわ。

読書が好きなら、とても気が合いそうね。よろしくね♪

《真心はその先に》 マーニー・ジム (No 5) 2020-12-09 22:17:27
レーネさん、こんばんは。いつも孫がお世話になってます。
何を作るのかしら?楽しみだわ。