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異世界人と、こんにちは


ストーリー Story

 小都市セントリア。
 異世界転移の核となる特異点研究所を中核として、それを隠蔽するための複数の研究所からできた研究都市。
 テロに遭ったりと騒動があったが、事後処理も含めて学園生達のおかげで巧く回り始めている。
 学園生達の提言で年2回の大規模研究会と、小規模な研究会を分野ごとに分かれ開催を始めていた。
 それにより出来た横の繋がりのおかげで、新たな研究成果も上がり始めている。
 良い方向に進み始めており、今まで以上に研究が盛んにおこなわれていた。
 それは、特異点研究も例外では無くて――

「そちらの要望通り魔力を集めましたけど、これで良いですか?」
 異世界転移の核である『鏡』を前にして、研究所責任者【ハイド・ミラージュ】は魔力の込められた符を数枚置いた。
 すると『鏡』から応えが返ってくる。
『オッケーでーす』
 声の主は異世界人【メフィスト】。
 すでに何度かやり取りしているので、ハイドとしても気安い声で返した。
「では記録保持のために、今回の実験内容を復唱します」
『はい、お願いします』
 核から返って来たのは若い女性の声。
 向こうの世界とこちらの世界の協定に関する取り決めのやりとりをしている【桃山・令花】だ。
 今回のような実験をする時には、向こう側の記録手としての仕事もしていた。
「それでは復唱します」
 ハイドは、向こう側の記録準備も出来たのを確認し口を開く。
「今回の実験内容は、核を介しての魔力操作実験です」
 向こう側の世界から、『鏡』を通じてこちらの世界に干渉できるのか?
 というのが、今回の実験の目的だ。
 それに必要な物として、魔力の込められた符を用意している。
(大したことは出来ないとは思うけど)
 符を用意したハイドは期待する。
(何をしてくれるか楽しみだな)
「それでは、こちらで用意した魔力で出来そうなことを、やってみてください」
『やーりまーすよー』
 気の抜けた声が返って来ると、符に変化が起こる。
 符が光の粒子に変換されながら魔力を解放。
 解放された魔力は、拡散することなく収束すると、球状の魔法陣を展開。
「え……」
 ハイドが予想外のことに驚いていると、魔法陣は周囲の魔力を吸収し始める。
「ちょ、待って――」
 何か大事になりそうな予感に止めようとするが間に合わない。
 魔法陣は必要な魔力を集め終ると、爆縮。
 極小へと転じたかと思うと――

 ぽんっ。

 気の抜ける音と共に白煙が上がり、それが晴れたあとに、フェアリータイプのエリアルのオッサンが現れた。
「はーい、メフィストでーす」
「……は? え、向こうの世界から転移してきた?」
『ちょっと違いまーす』
 核を通じてメフィストの声が聞こえてくる。
「え、ええっ!? じゃ、これなんです!?」
「分身みたいなもんでーす」
 こちらの世界のメフィストが声明する。
「あちらの世界からー、こちらの世界に渡るにはー、まだ色々と足りないものがありますからねー。とりあえずー、こちらの世界で動ける端末をー、こちらの世界の魔力から造ったのでーす」
「造ったって、そんな簡単な……」
「こちらの世界にはー、元々そういう基盤がありますからねー」
「……どういう意味ですか?」
「こちらの世界はー、全てが魔力で出来た世界ですからねー。魔力が物質化し易い世界なのですよー」
「は? え、ちょっと待って」
 自分を落ち着かせるような間を空けて、ハイドは尋ねた。
「全てが魔力って、私達の身体も、ですか?」
「そーでーす」
 あっさりとメフィストは言った。
「貴方達はー、死んでも気力があれば復活できるのですよねー」
「ええ」
「それは貴方達がー、本質的に魔力生命体だからでーす。物質で出来た生命体ならー、そんなことは無いですよー」
「……そうなんですか?」
「そーでーす。恐らく貴方達の世界はー、原初では膨大な魔力があるだけだったのでしょー。そこに誰かが魔力に物質的な方向性を与えー、そこから進化を続けー、今の貴方達が生まれるようになったのでしょうねー」
「……誰かって」
「創造神とか、その類じゃないですかねー」
 神代の話をし出すメフィストに、ハイドは眩暈に似たものを感じる。
「いや、ちょっと……話がデカくなってきて追い付くのが大変なことに……」
「そういうことがあったかもー、というだけの話ですよー。そんな昔話よりー、今の話をしましょー」
 メフィストは気楽な声で続ける。
「とりあえずー、向こうの世界からこっちの世界に来れるようにしたいのですがー、色々と問題があるのでーす」
「問題?」
「そーでーす。さっきも言いましたけどー、この世界は万物魔力世界でーす。なのでー、他の世界の生物がこちらに来るとー、こちらの世界に合う形に変換されちゃうのでーす」
「変換?」
「そーでーす。簡単に言うとー、魔力生命体に変換されちゃうのでーす。これによってー、こちらの世界で問題なく生きていけるようになりますがー、能力が初期化されちゃうのでーす」
「初期化?」
「レベル99だったとしてもー、レベル1になっちゃうようなもんでーす。元の世界に帰ればー、元に戻りますがー、こちらの世界に居る間はー、1から鍛えないと強くなれないのでーす」
「……だから、そうならないようにしたい、と?」
「そーでーす。とはいえー、こちらの頼みを聞いて貰う前にー、まずはそちらの頼みを聞きますよー」
「頼みって、何でも良いんですか?」
「出来る範囲ですけどねー。色々とー、問題があったらそれの解決に協力しますよー。あとこっちの世界にはー、他の世界から来た人も多いみたいですしー、元の世界をちょっとですけど見れるようにしまーす」
「出来るんですかそんなこと!?」
「できますよー。あくまでも見るだけですけどねー」
 メフィストの話を聞いて、ハイドは考える。
(どうする? 色々と実験できそうだし頼めることは頼みたいけど、他の研究所とも協議しないと。それに――)
「こっちから頼むとして、見返りをすぐ返さないといけない、とかは無いですよね?」
「ないでーす。前の話し合いで、まずは信頼して貰わないとダメなのは分かりましたからー。少しでも信頼して貰えるようになればー、こちらとしては十分ですねー」
 ハイドとメフィストが話していると、『鏡』を通して、令花が話に加わる。
『あの、ひとつお願いしたいことがあるんですが』
「お願い、ですか?」
 身構えるハイドに、令花は言った。
『こちらの世界でお預かりしている【ディンス・レイカー】さんの処遇についてです』
 テロを起こし向こうの世界に転移し、向こうの世界の武器工房に侵入して色々と盗んで元の世界に戻ろうとした彼だが、それが発覚して今は向こうの世界で投獄されている。
『まだ協定が決まってませんし、引き渡しについても決定してませんが、こちらとそちらの世界が行き来できるようになった際に、そちらに引き渡すということで良いでしょうか? こちらで処遇についてどうするか、悩んでいるものですから』
「え、いやそれは……」
 ハイドとしては、研究出来そうなことはともかく、政治に関わりたくはない。なので――
「そういうことについては、こちらはどうにもできないので……学園生に参加して貰いましょう」
 丸投げすることに決めたハイドだった。

 という訳で、再び異世界人との接触をする課題が出されました。
 今回は、色々とこちらのお願いを聞いてくれるようです。
 この課題、アナタは、どう動きますか?


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 6日 出発日 2021-08-31

難易度 普通 報酬 通常 完成予定 2021-09-10

登場人物 8/8 Characters
《ゆう×ドラ》シルク・ブラスリップ
 エリアル Lv17 / 村人・従者 Rank 1
「命令(オーダー)は受けない主義なの。作りたいものを、やりたいように作りたい……それが夢」 「最高の武具には最高の使い手がいるの。あなたはどうかしら?」 #####  武具職人志願のフェアリーの少女。  専門は衣服・装飾だが割と何でも小器用にこなすセンスの持ち主。  歴史ある職人の下で修業を積んできたが、閉鎖的な一門を嫌い魔法学園へとやってきた。 ◆性格・趣向  一言で言うと『天才肌の変態おねーさん』  男女問わず誘惑してからかうのが趣味のお色気担当。  筋肉&おっぱい星人だが精神の気高さも大事で、好みの理想は意外と高い。 ◆容姿補足  フェアリータイプのエリアル。身長およそ90cm。
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《イマジネイター》ナノハ・T・アルエクス
 エリアル Lv23 / 賢者・導師 Rank 1
フェアリータイプのエリアル。 その中でも非常に小柄、本人は可愛いから気に入っている。 明るく元気で優しい性格。天真爛漫で裏表がない。 精神年齢的には外見年齢に近い。 気取らず自然体で誰とでも仲良く接する。 一方で、正義感が強くて勇猛果敢なヒーロー気質。 考えるよりも動いて撃ってブン殴る方が得意。 どんな魔物が相手でもどんな困難があろうと凛として挑む。 戦闘スタイルは、高い機動性を生かして立ち回り、弓や魔法で敵を撃ち抜き、時には近接して攻め立てる。 あまり魔法使いらしくない。自分でもそう思っている。 正直、武神・無双コースに行くかで迷った程。 筋トレやパルクールなどのトレーニングを日課にしている。 実は幼い頃は運動音痴で必要に駆られて始めたことだったが、 いつの間にか半分趣味のような形になっていったらしい。 大食漢でガッツリ食べる。フードファイター並みに食べる。 小さな体のどこに消えていくのかは摩訶不思議。 地元ではブラックホールの異名(と食べ放題出禁)を貰うほど。 肉も野菜も好きだが、やっぱり炭水化物が好き。菓子も好き。 目一杯動いた分は目一杯食べて、目一杯食べた分は目一杯動く。 趣味は魔道具弄りで、ギミック満載の機械的な物が好き。 最近繋がった異世界の技術やデザインには興味津々で、 ヒーローチックなものや未来的でSFチックな物が気に入り、 アニメやロボットいうものにも心魅かれている。 (ついでにメカフェチという性癖も拗らせた模様)
《新入生》ザコバ・モブロフ
 ヒューマン Lv14 / 魔王・覇王 Rank 1
サブカルチャー大好きな34歳独身。 彼女いない歴は我が生涯である! 元居た世界ではブラック企業に勤務していたらしいが、会社で2月目の缶詰め状態に入ったある日、夜中にデスクでうたた寝してたら……この世界に転移してしまった。 とりあえず、元の世界に戻って大事なフィギュア達や薄い本を転売の魔の手から守るのが今の目標。 「そのためならば、拙者は悪にでもなれるでござるよドゥフフフ……」 でも、ファンタジーの世界にいるはずのエルフっ娘やらを生で見られるので、この世界も満更ではないようだ。 なお、大変なメタボでいらっしゃる。 健康診断はこわいけど、白衣のナースは大好物。 失ったもの:頭髪 実年齢:34歳(2020.3.22現在) 身長:151cm 体重:3桁の大台
《マルティナの恋人》タスク・ジム
 ヒューマン Lv36 / 勇者・英雄 Rank 1
村で普通に暮らしていましたが、勇者に憧れていました。 ここで学んで一人前の勇者になって、村に恩返しをするのが夢です。 面白いもので、役所勤めの父の仕事を横で見聞きしたことが、学園の勉強とつながり、日々発見があります。 (技能はそういう方針で取得していきます) また「勇者は全ての命を守るもの、その中には自分の命も含まれる」と仲間に教えられ、モットーとしています。 ※アドリブ大歓迎です! ※家族について デスク・ジム 村役場職員。縁の下の力持ち。【事務机】 (※PL情報 リスクの子) ツィマー・ジム おおらかな肝っ玉母さん。 【事務室・妻】 シオリ・ジム まじめできっちりな妹 【事務処理】 チェン・ジム のんびりマイペースな弟 【事務遅延】 ヒナ・ジム 可愛い末っ子 【事務雛型】 リョウ・ジム 頑固な祖父 【事務量】 マーニー・ジム 優しい祖母。故人 【事務マニュアル】 タックス・ジム 太った叔父。【税務事務】 (※PL情報 リョウの子) リスク・ジム マーニーの元婚約者でリョウの兄。故人【事務リスク】 ルピア・ジム 決まった動作を繰り返すのが大好きなグリフォン。【RPA事務】 ※ご先祖について アスク・ジム 始祖。呼吸するように質問し、膨大なメモを残す。【事務質問】 「あなたのお困りごと、お聞かせいただけませんか?」 セシオ・ジム 中興の祖。学園設立に向けて、土地や制度等に絡む諸手続きに貢献。【事務折衝】 「先祖の約束を今こそ果たす時。例え何徹してもやり遂げる!」
《ゆうがく2年生》シィーラ・ネルエス
 ローレライ Lv18 / 賢者・導師 Rank 1
「えぇ、私異世界から来たの」 「…そうね、そのはずなのに」 「うみにかえりたい、たまにそう思うの」 いつもおっとりした言葉遣いが特徴的なローレライの女性 おっとりとした言動とは裏腹にわりと勢いとノリがいい 自称、異世界からやってきたとのことだが… 容姿 ・海色のロングウェーブ、たれ気味の薄青の瞳 ・ゆったりとした服を好んで着ている ・胸は大きめ 性格 ・マイペースでおっとりとした性格…と見せかけてその実やりたいことはとことんやる、言いたいことはぶっちゃける ・困っている人には手を差し伸べるが、必要以上に他人と接しようとしない。あえて一定の距離を置いている節がある。人嫌い、というわけではない模様 ・ちなみに見た目よりかなり年上だが、間違っても「おばさん」とかは言ってはいけない ・笑いの沸点が低く、ちょっとしたことでもすぐ笑う ・取り繕うのは上手、なので平然とした顔で内心大笑いしていることは多々あり 好きなもの 海、歌 二人称:アナタ、~さん 仲良くなった人には呼び捨て、~ちゃん、〜くん 三人称:皆様、アナタ方
《幸便の祈祷師》アルフィオーネ・ブランエトワル
 ドラゴニア Lv23 / 教祖・聖職 Rank 1
異世界からやってきたという、ドラゴニアの少女。 「この世界に存在しうる雛形の中で、本来のわたしに近いもの が選択された・・・ってとこかしらね」 その容姿は幼子そのものだが、どこかしら、大人びた雰囲気を纏っている。  髪は青緑。前髪は山形に切り揃え、両サイドに三つ編み。後ろ髪は大きなバレッタで結い上げ、垂らした髪を二つ分け。リボンで結んでいる。  二重のたれ目で、左目の下に泣きぼくろがある。  古竜族の特徴として、半月型の鶏冠状の角。小振りな、翼と尻尾。後頭部から耳裏、鎖骨の辺りまで、竜の皮膚が覆っている。  争いごとを好まない、優しい性格。しかし、幼少より戦闘教育を受けており、戦うことに躊躇することはない。  普段はたおやかだが、戦闘では苛烈であり、特に”悪”と認めた相手には明確な殺意を持って当たる。 「死んであの世で懺悔なさい!」(認めないとは言っていない) 「悪党に神の慈悲など無用よ?」(ないとは言っていない)  感情の起伏が希薄で、長命の種族であった故に、他者との深い関りは避ける傾向にある。加えて、怜悧であるため、冷たい人間と思われがちだが、その実、世話焼きな、所謂、オカン気質。  お饅頭が大のお気に入り  諸般の事情で偽名 ”力なき人々の力になること” ”悪には屈しないこと” ”あきらめないこと” ”仲間を信じること” ”約束は絶対に守ること” 5つの誓いを胸に、学園での日々を過ごしている

解説 Explan

●目的

異界人と交渉する。

基本的に、向こうがこちらの要望を聞いてくれるらしいです。
メタ的に言うと、何かしらリクエストを出していただければ成功以上になります。

●行動

今回は、以下の行動がとれます。

1 要望を伝える。

リクエストを出して下さい。
内容は問いません。
叶うかどうかは未定です。

武器を作ったりでも良いですし、ゆうがく世界で起っている問題解決の協力でも構いません。
他にも、ネタ的な内容でも構いません。

ここでいただいたリクエストに基づいて、何らかのエピソードが出る可能性があります。
可能性ですので、確定ではありません。

2 異世界を覗いてみる

異世界を覗けます。
感覚的には、精神体で異世界に訪れているような感じです。
見るだけですので、何かしら干渉は出来ません。

異世界からゆうがく世界に来たPCの場合は、元居た世界を確認することも出来ます。

それ以外の方は、好きな異世界をプランに書いていただければ描写されます。
ただし著作権関連で引っ掛かりそうなものの場合は、描写が調整されます。

3 ディンス・レイカーの処遇について提案する。

向こう側の世界で、軍事機密や武器を盗もうとして投獄されているディンスをどうするか提案できます。

●NPC

手乗りメフィスト

手乗りサイズのフェアリーの姿を取ったオッサン。
向こう側の人物ですが、ゆうがく世界で分身を造りました。

本人と変わらぬやりとりが出来るので要望は、こいつに伝えて下さい。

ディンス・レイカー

テロリスト。
向こう側の世界で投獄されてます。

以上です。


作者コメント Comment
おはようございます。もしくは、こんばんは。春夏秋冬と申します。
【メイルストラムの終焉】Black、の結果から発生したエピソードになります。

基本的に、リクエストを募集しつつ、PC毎の異世界関連を出して行くとっかかりになれば、というエピソードになってます。
可能なら、その辺りの内容も反映させて、リクエスト的にエピソードを作っていければなと思っています。

また、PC毎に宿敵では無いですが、それぞれ関連NPCを出していけるような物も出来れば良いなと思っています。

それ以外に、ネタ的な内容の物も含めて、リクエストを反映させるような形でエピソードを出して良ければなと思っています。

もちろんエピソード毎の結果で、その後に出て来るエピソードの内容は変わってきますので、楽しんでいただければ幸いです。


個人成績表 Report
シルク・ブラスリップ 個人成績:

獲得経験:90 = 60全体 + 30個別
獲得報酬:2250 = 1500全体 + 750個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
●方針
1要望を伝える
前回に続き技術交流、今後のための装備の共同開発を提案

●行動
メフィストと協議。
次元・魔力について向こうの世界の方が秀でてるようなので
その技術を貸してもらえないかと提案。
技術や知識はこちらで作れれば世界超えずにすむし。

向こうから提案があれば聞きつつ、こちらから要望としては

・対異世界存在の対する武器、装備
直接倒せなくても拘束具や檻のようなものでも。
ディンス・レイカーを引き取った時に抑えこむ装備が欲しい
(また将来的に異界の魔王や邪心への対策にも)

・異世界存在の探知機
召喚を感知するようなのだけでも可。
不意討ち除けと将来の警戒に

・対洗脳装備
ナゾークの仮面について伝え対策できないかと

エリカ・エルオンタリエ 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
・ディンスの処遇提案

例によってフトゥールムポリスの制服で参加

ディンスは向こうの世界でレベル1になっているのかもしれないが
こちらへ返還されても安全に確保しておくのは難しいと思うので
向こうの世界で監視下に置いてもらっておく方が良いと思われる

要約:返還されても再犯が怖い

とは言うものの、取り調べを行っておく必要は感じるので様子を覗きに行く

ディンスは壊れてしまった狂人なのか?
それとも、理解できる経緯と信念があっての行動なのか?

魔王に対抗するためとはいえ、あの様な破壊的・暴力的行為では人々の支持を得られない
なぜ、あのように狂行としか思えない行動に出たのか

可能なら現在の彼の様子を見に行く

アドリブ大歓迎です

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
まさか、この世界に来て身体が魔力に変換されてたとは驚きだよな

………ちょっと待て、それって凄くないか?
例えばだけど、『自分にしか見えない友達』とか『もうひとりの僕』とか『脳内嫁』とか
条件次第だけどこの世界なら実物として存在する事ができるんじゃね?
えっ、待って、マジ凄い

驚きすぎて素が出ちゃったじゃないか

まぁ、オレが転移した来たときにファスナーとかボタンとかに置き換わってたし、
変換される際や魔力を集めて物質を作り出す際に向き不向きがあるんだろうけどな

とりあえずメフィストさんにはこっちで再現しやすくて強い武具とか便利な道具とか実験がてら送って貰おうかな

アドリブA、絡み大歓迎

ナノハ・T・アルエクス 個人成績:

獲得経験:90 = 60全体 + 30個別
獲得報酬:2250 = 1500全体 + 750個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
■目的
向こうの世界との技術提携

■行動
僕としての要望は、やっぱり技術協力かな?
たぶんだけど、こっちにはない向こうならではの技術があるはず。
実際、ディンスの治療もやってのけてるしね。

特に聞きたいのは武器とか魔法とかの戦闘力に関わる部分かな。
こちらの世界でも強敵と戦う機会がドンドン増えている。それと対抗するための技術が欲しいところ。
人形遣いってヤバい奴がいる訳だけど、そいつらと戦うための装備とか魔法とかって
どんな感じなの?
多分だけど、並みの剣とかで太刀打ち出来る訳じゃないよね。
きっと、それ相応の武器とか魔法とかあると思うんだ。
そんな向こうならではの技術を学んだり応用したり出来たらいいなと思うよ。

ザコバ・モブロフ 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
この学園の世界では、我々の体は魔力で再構成されてるそうな

そうなると……物質で構成された我らのもとの世界の体は、今はどうなってるでござろうか……
食事抜き放置の過剰ダイエットで、干物みたいになっておったら大変でござるよ

【2】
こちらの体が魔力で再構成されるなら、もとの世界の物質体である体はどうなっているか
それを確かめるでござるよ

ついでに、大事なコレクションが無事か確認しておくでござるよ

【1】
拙者達も、もとの世界に戻って、大事なお宝を回収できるように……物質体になる方法はあるでござろうか

【3】
SFみたいに冷凍睡眠させて、必要時以外は、自分の意思では目覚められないように封印したり……できぬでござろうか

タスク・ジム 個人成績:

獲得経験:90 = 60全体 + 30個別
獲得報酬:2250 = 1500全体 + 750個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
異世界間協定を詰めるための【事前調査】として
学園が異世界に協力しうる事項を出来るだけ多く集める
【信用】を駆使してシトリ先生と事務室に話を聞き回り
【勇者司書】で大図書館の文献で補強

情報を元に仲間と方針を議論

その後校長に面会を申し入れ、以下の話を聞く
・学園が異世界へ出来る協力
・異世界に求めたい要請
・ディンスと校長の因縁、それを踏まえて彼をどうしたいか
校長面会へ同行者あれば連携して話聞く

異世界との交渉では
行方不明の霊玉の捜索についての協力を打診
探してくれとまでは言わないが
霊玉のような大きい魔力が隠匿されている地点を探す知恵や技術など
そういった方向でリクエスト
それに事前調査判明分を加味する

連携交流歓迎

シィーラ・ネルエス 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
……えっと…
異世界の、人との交流……よね…

行先…1、3


寧ろこっちが、提案を聞きたい…のだけど
こっちにきたら、強さが変わるって…私達にできること、何?
レベル1問題の解決方法を
器を用意すればいいの?魔力が違う?再構成の際に限りなく再現性を上げる?
でもそっちも……そっちは…そっちって何…?
……あぁ、ちがうちがう…
異世界から来た人、こっちにもいるから…
本来の強さを…取り戻せるんじゃないかって…


正直、見ててくれると…助かるのは、同意見
だってつよいひと、おおいでしょう…?
?確保、したんでしょう?あら…?(イマイチかみ合わない)

(ひどく頭が重たい、痛い
まるで海の底にいるみたいで)

アルフィオーネ・ブランエトワル 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---


元いた世界を覗かせてもらう。

・惑星間戦争が頻発している世界。その尖兵としてよく使用されるのが、宇宙怪獣であった。

宇宙怪獣は、平均的な宇宙戦艦、約一万隻に匹敵する戦力を持つが、一部を除き、知能は獣並みであるため、外宇宙を航行できる程度の文明であれば、容易に洗脳できる。

宇宙怪獣を暴れさせ、ことごとく滅ぼしたうえで、占領部隊差し向ける。と、いうのが、侵略者や犯罪組織の常套戦術となっていた。

アルフィオーネはこれらに対抗する組織、CGF(コズミック・ガーディアン・フォース)に所属していた。


確認したいこと
追っていた、『特一級侵略型生命体』がどうなったか?

置いていった、二人の同部隊の仲間の安否

アドリブA

リザルト Result

 小都市セントリアに皆は集まり、口火を切ったのは【タスク・ジム】だった。
「そちらの要望には可能な限り応じても良いという確約を得ています」
 タスクは事前に様々な場所で情報収集し、教師や学園長にも話を通していた。
「望むことはありますか?」
 タスクの問い掛けに【メフィスト】が返す。
「それはおいおいとー。まずはー、そちらの要望を教えて下さーい」

 これに応える形で、次々と要望が出された。

「こちらからの要望としては、何よりも武器ね」
「うん。まずはそれだね」
 最初に要望を出したのは、【シルク・ブラスリップ】と【ナノハ・T・アルエクス】だ。
「そのものの転移は無理でも知識や技術ならどう? そちらの世界の優れた技術を取り込んだ装備をこちらで開発すれば――」
「物によりますねー」
 シルクの言葉にメフィストが返すと、ナノハが言った。
「そうなの? だったら、そっちの世界には、人形遣いってヤバい奴がいる訳だけど、そいつらと戦うための装備とか魔法とかって、どんな感じなの? 多分だけど、並みの剣とかで太刀打ち出来る訳じゃないよね」
「宝貝(パオペイ)というー、神殺しの魂食らいを使ってますねー」
「宝貝?」
 シルクが聞き返すと、次のような説明が返ってくる。

 宝貝とは、魂を持った神殺しの器物である。
 殺した相手の魂を食らって封印できる。
 使用者の大幅強化と、使用者ごとの特殊能力が使える。
 人型や動物の姿を取ることも出来、自我を持ち自立行動をする。

「インテリジェンスウェポンみたいなものでござろうか?」
 話を聞いて、自分なりの解釈を口にしたのは【ザコバ・モブロフ】。
「大雑把にはそんな感じですねー」
「なるほど……ちなみに、人型の姿ということは――」
「獣っ娘とかー、色んな姿を取る子がいますよー」
「それは考察が捗るでござるな」
「確かに、色々と考えられるよな」
 話に加わったのは、【仁和・貴人】。
「この世界に来て身体が魔力に変換されてたと聞いた時は驚きだったけど、他にも色々とあって面白い」
 貴人のように、異世界から来た学園生達は、今の身体が魔力で出来ていると聞いて気持ちが高ぶっている。
 一方、ナノハのように、元々こちらの世界の住人としては実感がわかないようだ。
(魔力生命体……全てが魔力で出来た世界……何かピンとこないなぁ)
 そう思いつつも、気持ちを切り替える。
(まぁ、大事なのは今からのこと)
「空飛ぶ空母の再現とか、魔力収束砲やIMD(イマジナリー☆メメルン☆ドライブ)みたいな異世界技術との融合とか、新しいものができるかもしれないって思うと夢が広がるよね♪」
「飛行空母は心躍るでござるな。そういうのは、そちらの世界には無いでござるか?」
「今は『まだ』ないですねー。将来的には出来ますがー」
「まだ?」
「あちらの世界の未来でー、巨大宇宙船のある異世界がぶつかって同化するのでー、その時に技術交流をしてー、出来るようになるのでーす」
「未来?」
 メフィストの言葉に反応したのは、『シィーラ・ネルエス』だった。
「未来のことが、分かるの?」
「限定的にですがねー」
 メフィストの話に、ざわつく学園生達。
 それとは別に、シィーラは心がざわついていた。
(なんで、こんな気持ちになるんだろう?)
 ぼんやりとするシィーラを、メフィストは様子を見るように見詰めていたが、彼女の負担を減らすように話題を変えた。
「あちらの世界の武器を直接持って来れると良いのですがー、物質的なものだと魔力に変換されて弱体化しちゃうのが難ですねー」
「変換されるのって、物質だけなのか?」
 貴人が尋ねる。
「オレが転移して来た時、ファスナーとかボタンとかに置き換わってたし、変換される際や魔力を集めて物質を作り出す際に向き不向きがあるんだろうけど」
「こちらの世界に沿う形に変換されるみたいですねー」
 詳しい説明を聞くと、次のような内容だった。

 物質の場合、転移してきた物質が魔力に変換され、こちらの世界に応じた形に初期化した状態で再構成される。
 魔力に類する物の場合、変換と再構成がされる場合は、初期化され弱体化する。そうでない場合は、元の形と強さで転移するが異物として、こちらの世界から弾き出そうとする力が働く可能性が高い。
 非物質的な物、例えば情報体の場合は、こちらの世界の魔力を消費して、こちらの世界に応じた器が構築される。

 話を聞いて貴人は興奮したように言った。
「……ちょっと待て、それって凄くないか? 例えばだけど、『自分にしか見えない友達』とか『もうひとりの僕』とか『脳内嫁』とか、条件次第だけどこの世界なら実物として存在する事ができるんじゃね? えっ、待って、マジ凄い」
 素が出ちゃうぐらい興奮する。
 貴人と同じように、ザコバも興奮する。
「それは『俺の嫁』が作れるということでござるか!?」
「魂のない物なら作れますよー」
 メフィストは説明する。
「あくまでも『器』が作られるだけですからねー。中身が無い空っぽですよー。そこに魂が宿れば『転生』になるでしょうしー、『器』に新たな魂が生まれれば『新生』になりますねー。どちらにしてもー、新しい命を作ることになりますからー、軽々しくしちゃダメですよー」
 話を聞いた貴人は、ある考えが浮かぶ。
(魔力で新しい器が作れるなら、今ある肉体に干渉できれば――)
 それは【メメ・メメル】のことを考えての物だ。
(魔力謎パワーで発作を抑えたりとか新しい身体を作ったりとかできれば)
 メメルのことはぼかして話を聞くと、メフィストは応えた。
「出来ると思いますよー。ただ肉体的には初期化されちゃうのでー、強い力を持った人だとー、弱体化してしまうでしょうねー」
「弱体化か……」
 メメルだと望まないかもしれないが、それでもいざという時に使える技術は欲しい。
「メフィストさん、研究してくれないか」
「あっちとこっちの世界を行き来できるようにしないとー、難しいですねー」
「行き来、出来るようにしたいの?」
 シィーラが、あちらの世界の要望を聞く。
「こっちにきたら、強さが変わっちゃうから、それが起きないようにしたいの?」
「出来る限り変質が無いようにしたいですねー」
「器を用意すればいいの? 魔力が違う? 再構成の際に限りなく再現性を上げる? でもそっちも……そっちは……そっちって何……? ……あぁ、ちがうちがう……異世界から来た人、こっちにもいるから……本来の強さを……取り戻せるんじゃないかって……」
 あちらの世界のことを考えれば考えるほど、シィーラの意識は深い深い海に沈むようにぼやけていく。
(ひどく頭が重たい、痛い。まるで海の底にいるみたいで。違う、違う……『わたし』は、知っている)
 沈むほどに、何かが逆に浮かび上がってきそうになる。
(海に……そっちにも海は……)
「----?」
 泡沫が舞うような発音で、自分でも聞き取れない非常に小さい呟きをシィーラは口にする。すると――
「大丈夫ですよー」
 メフィストが軽い声で言った。
「なるようになりまーす。焦らないのが吉でーす」
 そう言うと多少強引に話を戻す。
「とにかくこちらの世界のー、世界転移門を強化して貰えるとー、武器とかの話が進み易くなりますねー」
「門を強化って、出来るの?」
 シルクの問い掛けにメフィストは応えた。
「門を拡大して固定する装置があればー」
 これにナノハが返す。
「その装置って、必要な資材はこちらで用意出来そう?」
 ナノハは、以前の異世界接触の時を思い出す。
(前の世界の人たちも、アサルトコアの出力不良とかで十全とは言えなかったし。材料とか資材とか、前もって聞いてれば準備できるかもしれない)
「可能なら、用意するよ」
「助かりまーす。資材としてはー」
 具体的な材料などの話をメフィストがすると、話に加わっていた研究所責任者の【ハイド・ミラージュ】が難しい顔で応えた。
「そんな強度の資材をそれだけ大量に集めろって言われても……いや確か他の研究所で、サイクロプスの巨人鍛冶師なら出来るとか論文があったような――」
「そっちは任せまーす。それでー、武器以外で何か要望はありますかー」
 これにシルクが返す。
「拘束具や檻のようなものは出来ない? 【ディンス・レイカー】を引き取った時に抑えこむ装備が欲しいのよ。こっちじゃ散々に取り逃してるし、なんとか対抗策できない?」
「それは異世界存在も込みですかー?」
「そうね」
 将来的には、異世界の魔王や邪神などにも対抗することも考えシルクは言った。
「出来る限りこちらの世界で生産できるようにしたいわね」
 それは自分の得意な分野で異世界に負けている悔しさをバネに、積極的に取り込もうという意気込みがある。
 シルクに続けて、ザコバも話に加わる。
「SFみたいに冷凍睡眠させて、必要時以外は、自分の意思では目覚められないように封印したり……できぬでござろうか」
 これらにメフィストは次のように応えた。

 冷凍睡眠のような封印や制約に類する技術がある。
 封印や制約に類する術式ならすぐに提供できる。
 ただしこちらの世界で発動させるための調整が必要。
 術式以外についても協力可能。
 ただし技術提供に当たって悪用禁止を徹底して欲しい。

「悪用禁止ということは、そういう用途で使われたことがあるということですか?」
 タスクの問い掛けにメフィストは応える。
「奴隷の反乱防止ですとか色々とー」
「それは、今も使われているのですか? 例えばですが、ディンスに対して使われているとか」
 学園長に会いに行き、ディンスの処遇を聞いたタスクとしては気になる。
(随分と、気に病んでいたみたいだ)
 軽い口調だが感情を抑えていたのを感じたのだ。
 この問いにメフィストは応える。
「あの子ぐらいでしたらー、軽めの制約術掛けるぐらいでいいのでー、無茶してないですよー」
「それって、向こうでディンス弱体化してるってこと?」
 ナノハが気になって尋ねると応えが返ってくる。
「いいえー。貴方達があちらの世界に行ったらー、少なくとも『今』はー、弱体化はしませんよー。他の世界の住人でも、そうでしょうねー」
「それは拙者達も、そうでござろうか? 元の物質体に戻れるということでござろうか?」
(もとの世界に戻って、大事なお宝を回収できるようになれば……)
 ザコバに、メフィストは次のように応えた。

 一端メフィストの居る世界に行って肉体を戻した上で、元の世界に戻ることは『理論上』は可能。
 ただし、すぐ出来る目処は無い。
 現状では、一端メフィストのいる世界に行くと、こちらの世界に戻って来られない。
 それを打破するためにも、相互の行き来が出来るようにする必要がある。

「可能性はあるということでござるな」
 光明が見えてきたので、ザコバは明るい声で言った。
「ならとりあえず、元の世界がどうなっているか確認したい所でござるが」
 というわけで、メフィストが魔法陣を作り出す。
「これに入って下さーい。精神体でですがー、私がナビしつつー、望む世界を見れるようにしまーす」
「なら、わたしの元居た世界を見せて欲しい」
 熱の篭もった声で言ったのは【アルフィオーネ・ブランエトワル】だ。
(2人がどうなったか、知らないと)
 ふくよかで高貴な色香を漂わせ、紫の髪を編み込みシニヨンにしていた【レネンヴィオラ】。
 男装の麗人といったいでたちをした、銀の髪を縦ロールにしていた【セレスティンローザ】。
 惑星間戦争が頻発していた元の世界で、その先兵として使われていた宇宙怪獣を倒すべく、共に戦い続けた戦友であり、大切な仲間。
(特一級侵略型生命体がどうなったかも、知らないといけないけど)
 恐るべき繁殖力と進化速度を持ち、ありとあらゆるものを食い尽くし、数と力を増していった彼らが別世界に転移していくのを見たアルフィオーネは、その先の世界が滅びるのを食い止めるべく後を追ったのだが、転移先を知ることなく、こちらの世界に辿り着いたのだ。
(どうにかしないと)
 それは星間犯罪者や侵略者を取り締まるCGFの一員だからこその思いだが、同時に、今の生活を大事にしたい気持ちも大きい。
 アルフィオーネは強力な能力をもつL01i星人であり、CGFの主戦力の1人だが、それだけに出撃頻度が非常に高く殺伐とした生活を送っていた。
 だからこそ故郷に帰りたいという気持ちよりも、遥かに平和なこちらに残りたい、という気持ちで揺れている。
 そんな彼女に――
「では行きましょー」
 さらっと魔法陣にアルフィオーネを引っ張り込み、精神体で元の世界を観測した。
(ヴィオ! セティ!)
 それはアルフィオーネが転移した、すぐ後の時間軸の光景だった。
 大事な仲間2人が、アルフィオーネを助けに向かおうと、特一級侵略型生命体が強引に開けた転移門に跳び込んでいく。
 思わず止めようとするが精神体のアルフィオーネでは止められない。
 それでも声を張り上げようとして――
「観測はこのぐらいにしときましょー」
「なんで、2人がまだ――」
「これ以上観測しちゃうとー、あの2人の転移先に干渉できなくなりますからねー」
「どういうこと?」
 次のように説明される。

 アルフィオーネの仲間2人と、特一級侵略型生命体の転移先の世界をどこにするか干渉できる。
 今アルフィオーネのいる、こちらの世界。もしくはメフィストのいる世界を選べる。
 こちらの世界だと、仲間2人も特一級侵略型生命体も初期化され弱体化した状態になる。
 メフィストのいる世界だと弱体化しないが、特一級侵略型生命体は向こうの世界の住人がどうにかする。

「世界転移門が安定してからのことですがー、もしその気があれば協力しまーす」
 考え込むアルフィオーネ。
 そして次に元の世界を覗くのは、ザコバ。
「では行きますよー」
「いきなりでござるな」
 元の世界に精神体で戻る。元の肉体はそちらには無く、肉体ごと転移したようだ。そして――
「おや、カレンダーは……こちらに来た月のまま? ……日付が、変わってないような」
「世界が繋がってないので、時間が同調してませんからねー」
 つまり、転移直後の世界に戻れる可能性があるということ。
 しかしそれよりもザコバは気になることがあった。
「拙者の大事なフィギュアや薄い本は無事でござるか」
 無事なので一安心。
「どうにかして、超レア本やプレミアフィギュアを保護できぬでござろうか……」
「アレとかもですかー?」
「きゃー! それは女子には見せられない奴でござるよ!」
 かなりきわどいそれを取ろうとするが、実体が無いので無理だ。
「どうにかできないでござるか」
 それも世界転移門が安定してからとのことだった。
 最後に異世界観測を頼んだのは、ミニスカポリス姿の【エリカ・エルオンタリエ】。
「そちらの世界に居る、ディンスを見せて貰えないかしら」
(彼が狂行としか思えない行動に出た理由を知りたい……学園長が霊玉に封じたのが、彼の元恋人だったりしたら)
 それはディンスを見極めるためであり、彼の子を宿した【ピーチ・ロロン】を気に掛けているからでもある。 
 エリカの要望に、メフィストが返す。
「それは彼をこちらの世界に戻すか見極めるためですかー?」
「いえ、それとは別よ……私は、彼はそちらの世界で拘束しておいて欲しいと思ってる」
 それは返還された後の再犯を危惧しての物だ。他の学園生にも、賛同する者が出る。
 しかしこれに異を唱えたのはタスクだ。
「ディンスは、こちらの世界に連れ戻すべきだと思います」
 断固とした口調で主張する。
「こちらの世界の厄介ごとをよその世界に押し付けるべきではないですし、彼と校長は道を違えたとはいえ世界が離れてしまうことで融和の可能性を断ちたくないんです」
「それは」
「エリカ部長の言葉でも譲れません。副の仕事は長の抵抗勢力だと思いますから」
 議論は過熱する。その中で――
「準備できましたー」
 向こうの世界でディンスの取り調べが行われることになり、エリカが見極めのために向かう。
 精神体で転移し――
「え……」
 エリカは姿が変わる。
 それは学生服姿のヒューマン。髪はツインテールになっていた。
「これって……」
「元の世界での姿でしょうねー。と、それより取り調べ見に行きましょー」
 そして取り調べを見に行き――
(この人――)
 ディンスのひととなりを、一部とはいえ理解する。
(革命のことしか考えてない)
 端的に言って、目的のために手段を選んでない。
(彼は狂人じゃない。でも、理解できる経緯と信念がある人だとも思えない)
 魔王に対抗するためとはいえ、人々の支持が得られない破壊的で暴力的な行動をとった理由を、エリカは理解した。
(この人、遠回りをする気が無いんだ。目の前のことしか見る気が無いし、自分の考える最短距離を通るのが最善だと思ってる。これじゃ、ピーチさんは……)
 お腹の子供のことも含め、何とも思っていないのが見ていて伝わって来た。
「エリカ部長……」
 戻ってきたエリカが悩んでいる様子に、何と言葉を掛けて良いか分からないタスクだった。

 その後、シルクやタスクが要望を上げていく。

「探知機は作れない? 異世界の存在を探れるような」
「それなら、霊玉の探知機も欲しいです」
「分かりましたー、協力しましょー。あとはー」
「洗脳をどうにか出来るもの、作れない?」
「洗脳ですかー?」
「ナゾークの仮面というのがあってね……結構やられたから」
「それなら結界装置とー、あとはー」
『カタルシスドラッグみたいな薬はどうでしょう?』
 向こうの世界で記録係をしていた【桃山・令花】が提言。
 これにタスクが興味を示す。
「薬なら、場所を問わず使えて便利ですね」
 それを受け、薬学的な協力も行われることになった。 

 全てが終わり、本格的に協定を結ぶ。
 タスクが事前に準備していたこともあり、今回出された要望を中心に進めていく事から始めることが決まった。
 これが、異世界との継続的な協力体制が結ばれることになった、始まりの日になる。
 その立役者となった、学園生達であった。



課題評価
課題経験:60
課題報酬:1500
異世界人と、こんにちは
執筆:春夏秋冬 GM


《異世界人と、こんにちは》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 1) 2021-08-25 00:04:20
賢者・導師コースのエリカ・エルオンタリエよ。よろしくね。

ディンスについては、こっちに戻って来られても安全に確保しておく自信がないから、
向こうの世界で監視下に置いてもらっておく方が安心かなと思ったり……

とは言うものの、取り調べを行っておく必要は感じるので
覗きに行くのもいいかもしれないわね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 2) 2021-08-25 08:01:31
勇者・英雄コースのタスク・ジムです。よろしくお願いいたします。
異世界のお困りごと、解決いたしましょう!

・・・このセリフ言うの久しぶりだなあ・・・
それだけ、余裕がなかったんですね。
なにしろ、呪いだの恩讐だのハードすぎて・・・(苦笑)

さて、僕の方では、行方不明の霊玉の捜索についての協力を
打診してみたいと思います!
探してくれ、とまでは言いませんが、
霊玉のような、大きい魔力が隠匿されている地点を探す知恵や技術など
そういった方向で、リクエストしてみるつもりです。

もう一人の自分たる令花さんの考えを受信したところによると、
メフィスト様は何でも出来るそうなので(笑)

一方、ディンス・レイカーの取り扱いについては悩ましいですね・・・
もう一人の(略)によると、向こうの世界も大変そうなので・・・

ただ、悩んでてもしょうがないので、色々考えてみましょう!

〆切は8月末、つまり、30日の23時59分までですね!

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 3) 2021-08-25 21:06:14
教祖・聖職者専攻のアルフィオーネ・ブランエトワルです。
どうぞ、よしなに

私事で悪いけど、あちらに残してきた仲間のことが心配だから、ちょっと覗かせてもらうことにするわ

《ゆう×ドラ》 シルク・ブラスリップ (No 4) 2021-08-26 14:51:49
村人・従者コースのシルク。よろしくー。
さてどうするか、だったけど【1】提案の例で『武器を創ったり』って上がってるし
今の事態を好転できるような装備を何か作れないか相談してみようと思うわ。

思いつくところだとナゾークの仮面の洗脳を防げるようなものとか
タスクも言ってる霊玉の捜索に役立つような探査装置……フィッシャーの世界の言葉でいうと霊玉レーダー?
みたいなのを作れたら便利かなーと思うんだけど。

他に打診してみたい案があれば一緒にもっていくけど、何かある?

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 5) 2021-08-26 19:40:32
あっっといまに満員御礼ですね~!
皆さん、よろしくお願いいたします。

なるほど、武器(アイテム)を作ってもらうという括りで
色々お願いするのもいいかもしれませんね。
洗脳防止はいい案ですね!妹(ヒナ・ジム)の悲劇を繰り返さないためにも・・・!

そういえば、ディンス・レイカーの処遇に苦慮してるんですが、
「こっちで引き取る代わりに、絶対逃げられない檻を作ってください」
なんていう交渉はどうでしょう。

もっとも、向こうの世界でも持て余しているということは、
あーゆう人を絶対逃がさない方法というのが、向こうの技術でも難しいのかもしれませんが・・・

まだ時間はあるので、色々考えてみますね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 6) 2021-08-26 20:04:18
そうそう、プロローグを見て思ったのですが・・・

今のままでは、異世界からこちらに移動すると、レベル1になっちゃう。
そうならないために、何らかの方法が必要、ということですよね。

ということは・・・
こちらから異世界に、(恐らく)不慮に、移動してしまった、ディンス・レイカーも、向こうの世界では、レベル1、ということでしょうか・・・

(いや、もしそうだとしたら、レベル1の実力でなお、知らない世界で盗みだなんだとやらかしたんだから、きたないさすがディンスきたないと言うほかないのですが・・・)

たいへん気になるので、詳しく聞いてみたいところです。

《新入生》 ザコバ・モブロフ (No 7) 2021-08-27 05:40:26
魔王・覇王コースのザコバと申す。ご挨拶が遅れましたが、よろしくお願いするでござるよ。
そう言えば、この学園の世界では、我々の体は魔力で再構成されてるそうな。

そうなると……物質で構成された我らのもとの世界の体は、今はどうなってるでござろうか……。
食事抜き放置の過剰ダイエットで、干物みたいになっておったら大変でござるよ。

《ゆう×ドラ》 シルク・ブラスリップ (No 8) 2021-08-29 20:41:40
>ジム

うん、けっこう洗脳被害が出てるしいいかなって。じゃあ一つはそれね。
あと異世界人向けの拘束具って案もよさそうだし、提案してみるわ。
発展させていけばディンス・レイカーだけじゃなくて、異世界からの侵略や魔王みたいなのにも対抗できるかもしれないし

《イマジネイター》 ナノハ・T・アルエクス (No 9) 2021-08-30 01:33:10
賢者・導師コースのイマジネイター、ナノハ・T・アルエクス。
挨拶が遅くなったけれど、よろしくね♪

シルクと被るけれど、装備とか魔法とかの技術協力を要望するつもり。
僕からは、向こうの世界ならではなものが気になるから、その辺で何かないか聞いてみようと思うよ。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 10) 2021-08-30 15:37:21
皆さん、色々とお考えのようで、リザルトが楽しみです!

こほん。
ちょっと失礼して、PL知識を引っ張り出しますと…

ナノハさんのおっしゃる「向こうの世界ならでは」ということで一番に思い付くのは、
【カタルシス】系のアイテムですね。

向こうの冒険者には、精神的な安定などを表すステータスがあり、高すぎても低すぎても人格崩壊を招く、というものです。

その崩壊を防ぐため、そのステータスを上下する【カタルシス】系のアイテムというのが、向こうの世界【煉界のディスメソロジア】には存在します。

その性質的に、上手くすれば洗脳予防や治療に使えそうな予感がしますので、文字数に余裕があれば、ウィッシュプランに書いてみますね!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 11) 2021-08-30 17:21:05
それでは、出発直前になりましたので、状況をまとめてみますね。
プラン作成や仕上げの参考になれば幸いです!

①要望を伝える
シルクさん(装備開発要望)
ナノハさん(技術協力要望)
タスク
②異世界を覗いてみる
アルフィオーネさん
ザコバさん
③ディンスの処遇
エリカ部長さん
タスク

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 12) 2021-08-30 23:04:28
いよいよ出発まで一時間を切りましたね!
こちらは、アクション・ウィッシュともに300字ずつで書き上げたところです!
「カタルシスドラッグ」というディメ実在のアイテムに引っ掛けた洗脳対策要望についても、ウィッシュに記載してみました!

今回はご一緒いただき、ありがとうございました!
皆さんの渾身のプラン、そしてリザルトを楽しみにしています!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 13) 2021-08-30 23:04:42