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【泡麗】rivalizar - 始動篇


ストーリー Story

 どうにも、とつぶやいて【メメ・メメル】は壮麗な大門をくぐった。
 門は大理石や木材製ではなく、ましてや土や骨でできているものでもない。
 水だ。たえず噴き上がる蒼い水柱が城門を形成しているのだ。高さはメメルの十倍はあろうか。水の壁がさっと左右にわかれ、大広間への道を空けたのだった。
 足元は石材、しかし左右はたえまなく流れる水柱、霧のごとく吹きつける飛沫(しぶき)をものともせず、メメルはマントをひるがえし場内に立ち入る。
 背後で門が閉じた。
 百人は優に収容できそうな広間だ。天井は貝殻、それも空前の大きさのものが一枚あるきりで、これを珊瑚からなる太い四本の柱が支えている。それ以外の壁はすべて水流である。
 外とことなり宮殿内は閑(しず)かだった。針の一本を落とす音ですら響きわたりそうなほどに。水もかからない。特殊な結界にでも包まれているものと思われた。
「どうにも……なんですか?」
 唯一メメルにつき添うのは【コルネ・ワルフルド】だ。静まりかえっているからか、ささやくような声でメメルに話しかける。
「なんじゃね」
「さっき宮殿の門をくぐるとき学園長言ったじゃないですか、『どうにも』って」
 ああそれか、とメメルは面倒そうに答えた。
「どうにも辛気くさくなったな、と思っただけだ」
 コルネよりはるかに大きな声だった。この場にいる者たちに聞こえるように言ったものと思われた。
 宮殿の奥、玉座に座る人物はメメルに冷ややかな視線を向けている。
「辛気くさくなった、とはご挨拶であるな。メメ・メメル学園長」
 ふんとメメルは鼻で笑った。
「率直な感想を言ったまでだが? チミの父王【クラルテ・シーネフォス】がまだその玉座に座っておったとしたら、オレサマたちにこんな冷たいもてなしをしたりはせんかったろう。酒のひとつでも用意してな♪」
「代が変われば世が変わる、と申す」
「承前啓後という言葉もあるぞ☆ いいものは引きつぎ発展させよという意味だ。クラルテは自分にも他人にも厳しい男だったが、それでも客をもてなす礼儀は知っておったな」
「ちょっと学園長……!」
 コルネはハラハラしながらメメルの肩に手を置いた。
 宮殿で待っていたのは玉座の人物だけではなかった。武装した兵士が数十人、玉座の左右に控え兜の奥から目を光らせているのである。
 玉座にあるのは、黄金の髪をしたローレライの青年だ。流水の髪が泡立っている。女性と見まがうような玲瓏な顔立ち、濃い橙色の瞳がとりわけ美しい。ただ、細い眉は鋭くつり上がっており、排他的な性格と意思の強さを感じさせた。
 名は【アントニオ・シーネフォス】、海洋国家リーベラントの王クラルテ・シーネフォスの嫡男で、病に倒れた父王にかわり玉座についている。正式な継承がおこなわれていないためまだ王太子という扱いで、名乗るとしても『代王』でしかない。だが事実上のリーベラント君主であり、古来の習慣にしたがえばローレライ族の代表者でもあった。
 傲然とアントニオは告げた。
「王の前では脱帽するのが礼儀であろう」
「父親に聞いとらんのか? このオレサマ、フトゥールム・スクエア学園長メメ・メメルには、そういったつまらん儀礼を無視できる特権がある」
 そもそも、とメメルは腕組みするのである。
「席くらい出さんか小僧。オレサマはチミの同盟者であって臣下ではない!」
 金属のこすれあう音が立った。兵士が一斉に槍を構えたのだ。兵はみな長い髪を兜からのぞかせている。流体の髪質からして、全員ローレライなのは瞭然だ。
「あーもう! 学園長はどうしてケンカ売るような言いかたしかできないんですかっ!」
 コルネも構えざるをえない。無傷でここを出るのは難しい、と覚悟していた。
 だがアントニオは黙って手をふった。兵士らは警戒姿勢を解き直立する。
「誰ぞ、学園長と侍従殿に席を」
 簡素ながら席が運ばれてくる。
「失礼した、メメル学園長」
 口調こそ謝辞だが、アントニオの表情は怒りをこらえているように見えた。
 海洋国家リーベラントは広大な国土をもつローレライの国家である。
 歴史は古く、九人の勇者が魔王を封じたときよりつづいている。リーベラント王が代々、ローレライ族の代表をつとめていることからもそれは明らかだろう。
 だが強国とは言いがたい。国民が少ないのだ。領土のほとんどは無人地帯なのである。
 理由は単純だ。ごく少数の例外をのぞき、ローレライ族にしか国籍を認めない方針をとっているからだった。ローレライは繁殖力にたけた種族ではない。この方針をいとい出ていく若者も少なくなかった。ゆっくりと、しかし着実にリーベラントは衰亡の途上にあった。
 現在の王は前述のようにクラルテで、魔王を封印した九勇者の直系子孫だ。しかしクラルテは最近病に倒れ、現在は王太子アントニオが政(まつりごと)をとりおこなっている。
 一席と小卓を与えられ、また飲み物も運ばれてきた。メメルはグラスを取ると一息で飲み干した。
 なんだ水か、ジンくらい出せよなと不平を言ってから、
「……で、オレサマを呼び出した理由を聞こうか」
 片肘をテーブルにのせて首をかたむける。
「まず、申し上げておこう」
 アントニオは目を怒らせた。
「ありていに言って我らはもう、あなたたちを信頼していないということを」
「ふーん」
 知っとるよ、と言わんばかりにメメルは薄笑みを浮かべる。
「そっちの親子も同意見かい?」
 視線の先には、アークライトの代表者【テオス・アンテリオ】と娘の【セオドラ・アンテリオ】の姿がある。
 コルネは代王アントニオ、そしてアークライトの二代表の様子をうかがい、メメルに視線を戻した。
 相変わらず学園長は不敵な笑顔のままだ。口には出さねど『かかってこい』とでも思っているのか。
 これはただではすまないね――コルネは心のなかでつぶやいた。

 フトゥールム・スクエア弱し! ローレライ代表アントニオは断じ、アークライトの代表者たちもこれに応じた。
 火の霊玉を目の前で奪われた学園に、他の霊玉を守護する力はないと彼らは口を揃える。そればかりかローレライ、アークライトのそれぞれが、自分たちこそ守護者たらんと名乗りをあげたのだ。
 三つ巴の競争がはじまろうとしている。
 学園が受けた依頼に、ローレライやアークライトの勢力が横槍を入れはじめるだろう。
 このまま手をこまねいていては、メメルの学園長の辞任要求を起こされ、学園を実効支配されかねない……!

 ◆ ◆ ◆

 徒歩にして数日は東に下った地点へと場面は移る。

 リーベラントで発生している事情などついぞ知らぬまま、あなたたちは作戦行動に入ろうとしていた。
 陽が沈んで久しい。水塞までもうじきという距離にいる。
 水塞と書けばものものしいが、要は川を背にした砦だ。水門に木の櫓を足して拠点にしたものだった。
 かつて悪漢どもがたてこもっていたこともある。だが現在は駆逐されてしまい、もっと厄介なものが水塞の主におさまっている。
 蛟(ミズチ)というモンスターだ。二足歩行するが身長は低い、好戦的かつ凶暴で、集団になるとことさらに厄介な相手である。蛟たちが水塞にこもり、付近を通りかかる人間を襲うようになったという。数は二十近い。
 あなたたちの使命は蛟の排除と水塞の占領である。
 弱敵ではないが蛟には知恵がない。進入路を発見し内部に突入、火でもかければたちまち蛟は混乱に陥るはずだ。楽勝とまではいかずとも、着実にかかればまず勝てる戦いだと思われた。
 実際に作戦がはじまるまでは。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 6日 出発日 2021-10-06

難易度 難しい 報酬 通常 完成予定 2021-10-16

登場人物 6/6 Characters
《勇者のライセンサー》フィリン・スタンテッド
 ヒューマン Lv33 / 勇者・英雄 Rank 1
「フィリン・スタンテッド、よ……よろしく」 「こういう時、どうすれば……どうすれば、勇者らしい?」 (※追い詰められた時、焦った時) 「黙って言うこと聞け! 殴られたいの!?」 「ぶっ殺してやる! この(お見せできない下劣下品な罵詈雑言)が!!」   ###    代々勇者を輩出してきた貴族スタンテッド家(辺境伯)の令嬢。  一族の歴史と誇りを胸に、自らもまた英雄を目指してフトゥールム・スクエアへと入学する。  愛と平和のために戦う事を支えとする正義感に溢れた性格で、『勇者らしく人々のために行動する』ことを大事にする。  一方で追い詰められると衝動的に罵声や暴力に訴えてしまう未熟な面もあり、自己嫌悪に捕らわれる事も多い。 『彷徨う黄昏に宵夢を』事件で対峙したルガルとの対話から思うところあったのか、頑なな勇者への拘りは少し角がとれたようだ。 ※2022年8月追記 全校集会『魔王の復活』後、昨年クリスマスに結ばれたルガルとの子供を身籠っていた事が判明 (参考シナリオ) 恋はみずいろ L’amour est bleu https://frontierf.com/5th/episode/episode_top.cgi?act=details&epi_seq=649 ◆口調補足 三人称:〇〇さん(敬語では〇〇様) 口調:~かな、~ね? その他:キレた時は『私、アンタ、(名前で呼び捨て)、(言い捨て)』 ◆Twitter Sirius_B_souku
《終わりなき守歌を》ベイキ・ミューズフェス
 ローレライ Lv27 / 教祖・聖職 Rank 1
深い海の色を思わすような、深緑の髪と瞳の彷徨者。 何か深く考えてるようにみえて、さして何も考えてなかったり、案外気楽にやってるのかもしれない。 高価そうな装飾品や華美な服装は好まず、質素で地味なものを好む。 本人曰く、「目立つということは、善きものだけでなく悪しきものの関心も引き付けること」らしい。 地味でありふれたものを好むのは、特異な存在として扱われた頃の反動かもしれない。 神には祈るが、「神がすべてをお救いになる」と盲信はしていない。 すべてが救われるなら、この世界に戦いも悪意もないはずだから。 さすがに口に出すほど罰当たりではないが。 ◆外見 背中位まで髪を伸ばし、スレンダーな体型。 身長は160センチ前半程度。 胸囲はやや控えめBクラスで、あまり脅威的ではない。 が、見かけ通りの歳ではない。 時折、無自覚にやたら古くさいことを言ったりする。 ◆嗜好 甘いものも辛いものもおいしくいただく。 肉よりも魚派。タコやイカにも抵抗はない。むしろウェルカム。 タバコやお酒は匂いが苦手。 魚好きが高じて、最近は空いた時間に魚釣りをして、晩ごはんのおかずを増やそうと画策中。 魚だって捌いちゃう。
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。
《マルティナの恋人》タスク・ジム
 ヒューマン Lv36 / 勇者・英雄 Rank 1
村で普通に暮らしていましたが、勇者に憧れていました。 ここで学んで一人前の勇者になって、村に恩返しをするのが夢です。 面白いもので、役所勤めの父の仕事を横で見聞きしたことが、学園の勉強とつながり、日々発見があります。 (技能はそういう方針で取得していきます) また「勇者は全ての命を守るもの、その中には自分の命も含まれる」と仲間に教えられ、モットーとしています。 ※アドリブ大歓迎です! ※家族について デスク・ジム 村役場職員。縁の下の力持ち。【事務机】 (※PL情報 リスクの子) ツィマー・ジム おおらかな肝っ玉母さん。 【事務室・妻】 シオリ・ジム まじめできっちりな妹 【事務処理】 チェン・ジム のんびりマイペースな弟 【事務遅延】 ヒナ・ジム 可愛い末っ子 【事務雛型】 リョウ・ジム 頑固な祖父 【事務量】 マーニー・ジム 優しい祖母。故人 【事務マニュアル】 タックス・ジム 太った叔父。【税務事務】 (※PL情報 リョウの子) リスク・ジム マーニーの元婚約者でリョウの兄。故人【事務リスク】 ルピア・ジム 決まった動作を繰り返すのが大好きなグリフォン。【RPA事務】 ※ご先祖について アスク・ジム 始祖。呼吸するように質問し、膨大なメモを残す。【事務質問】 「あなたのお困りごと、お聞かせいただけませんか?」 セシオ・ジム 中興の祖。学園設立に向けて、土地や制度等に絡む諸手続きに貢献。【事務折衝】 「先祖の約束を今こそ果たす時。例え何徹してもやり遂げる!」
《運命選択者》クロス・アガツマ
 リバイバル Lv26 / 賢者・導師 Rank 1
「やあ、何か調べ物かい?俺に分かることなら良いんだが」 大人びた雰囲気を帯びたリバイバルの男性。魔術師であり研究者。主に新しい魔術の開発や科学を併用した魔法である魔科学、伝承などにある秘術などを研究している。 また、伝説の生物や物質に関しても興味を示し、その探求心は健やかな人間とは比べ物にならないほど。 ただ、長年リバイバルとして生きてきたらしく自分をコントロールする術は持っている。その為、目的のために迂闊な行動をとったりはせず、常に平静を心掛けている。 不思議に色のついた髪は生前の実験などで変色したものらしい。 眼鏡も生前に研究へ没頭し低下した視力のために着けていた。リバイバルとなった今もはや必要ないが、自分のアイデンティティーのひとつとして今でも形となって残っている。 趣味は読書や研究。 本は魔術の文献から推理小説まで幅広く好んでいる。 弱点は女性。刺激が強すぎる格好やハプニングに耐性がない。 慌てふためき、霊体でなければ鼻血を噴いていたところだろう。 また、魔物や世界の脅威などにも特に強い関心を持っている。表面にはあまり出さねど、静かな憎悪を内に秘めているようだ。 口調は紳士的で、しかし時折妙な危険性も感じさせる。 敬語は自分より地位と年齢などが上であろう人物によく使う。 メメル学園長などには敬語で接している。 現在はリバイバルから新たな種族『リコレクター』に変化。 肉体を得て、大切な人と同じ時間を歩む。  

解説 Explan

 魔王復活の鍵となる霊玉は、八つ存在するとされています。
 現在、うち半分にあたる四つは人類側にあります。
 フトゥールム・スクエアの守護下にあるのは『無』と『土』の霊玉だけです。
 ローレライの代表【アントニオ・シーネフォス】が『光』、アークライトの指導者【テオス・アンテリオ】は『水』の霊玉をそれぞれ守護しているのですが、このたびアントニオから『無』と『土』の霊玉を差し出せという要求が出されました。『光』の霊玉も含めすべてをローレライが守護するというのです。同様の求めがテオスからも出ています。
 かくしてフトゥールム・スクエア、ローレライ、アークライトの三者のうち、誰がもっとも霊玉の守護者にふさわしいか決めようという争いが勃発したのです!
 本紛争に関連するエピソードには【泡麗】か【天遣】のタグが付与されます。【泡麗】タグを冠する本作では、みなさんの依頼遂行にローレライのパーティが干渉し成果をかすめ取ろうとします。

 本作は、小規模な砦の奪取作戦がいよいよ開始されるという場面からスタートします。
 ある程度作戦が動いたところ……おそらく乱戦となったタイミングで、みなさんと同人数のローレライ集団が妨害のため奇襲をかけてくるでしょう。彼らの目的はもちろん成果の横取りです。
 現時点ではみなさんはローレライの企みを知りません。なので精神的に動揺するのは避けられないはずです。(なので難易度も高めの設定です!)

 正面から蛟もローレライも叩きのめすには苦しい人数設定にさせていただきました。一方をしのぎつつもう一方を無力化する、罠にかけるなど、勝者になるためには工夫が必要と思われます。

 ローレライは本来理知的で戦闘を望まない種族なのですが、今回参戦するメンバーはリーベラントの国土と王(それは代王アントニオではなく現王のクラルテですが)への絶対的な忠誠を誓っているので、よほどのことがない限り説得に応じることはないでしょう。


作者コメント Comment
 お世話になっております。桂木京介です。

 味方であるはずのローレライ国家が、フトゥールム・スクエアの依頼をさらうために襲いかかってきます。
 みなさんは本来の目的とローレライの撃退、その両方を果たさねばなりません! アクションプランの内容が試されるでしょう! ご健闘を!

 以下に敵の情報も記しておきます。

◇蛟(ミズチ)
 ワニが直立し甲羅を背負ったような姿のモンスターです。身長は150センチ前後、知能はあまり高くありません。単純な武器で武装しており硬い鱗を持ちます。詳しくは拙作『contraband』をご覧ください。

◇バルバラ・ブッフ
 ローレライのリーダーです。学園には好意的で紛争には賛成していませんが、王への忠誠心が高いので心を鬼にして襲いかかってきます。優位になると降伏を勧告してきます。
 彼女のチームは戦士、防御役、回復役、魔法使いなどの分業体制をとっています。

 ご参加お待ち申し上げております!
 桂木京介でした。


個人成績表 Report
フィリン・スタンテッド 個人成績:

獲得経験:114 = 95全体 + 19個別
獲得報酬:3000 = 2500全体 + 500個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
●方針
他種族の妨害を警戒しつつ蛟退治。

●行動
水塞への潜入時は先頭で警戒役。

蛟の知性から恐らく罠はないと思うものの、奇襲や見落としに注意。
また水塞内部の入り口や扉がある箇所には不定期で簡単な罠をメモしつつ設置
(ロープで足を引っかけるスネアトラップや、連動してマカロンボムが降ってくるなど)
表向きは蛟たちの取り逃し対策、裏はよからぬ輩が手柄を奪いに来た時に気づけるように
(殺傷より遅滞と侵入感知狙い)

戦闘は対蛟では『レイダー』のリーチを生かし、見方を守りつつ近い敵から減らしに。
数が多い場合は飛び込んで『スプリーム・クラッシュ』

異種族(ローレライ)との戦闘は殺さず追い払うよう注意、苦戦時は『電結変異』を

ベイキ・ミューズフェス 個人成績:

獲得経験:142 = 95全体 + 47個別
獲得報酬:3750 = 2500全体 + 1250個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
◆目的
砦の奪還と蛟の撃破

◆方針
砦確保を最優先

◆流れ
砦確保を優先し、仲間と足並み揃えて

◆分担
私は制圧班で砦確保を優先

◆行動
後方から仲間を支援しつつ、防御拠点を活かし砦確保と砦防衛を優先
基本は負傷者をリーライブで回復しつつ、毒、麻痺を受けた者はデトルで解除

もし、敵、味方の火属性攻撃で砦に火が着きそうなら、ロ8、ロ16で回復とあわせて鎮火を試みる

防拠点構築時は、砦の水門外壁や櫓等の施設を活かし、窓や入口をカバーして敵侵入を防ぐ

他勢力の介入があれば、相手の出方をみて対処
敵対・妨害行為を行うなら、敵戦力と見なし砦に近づけさせない

必要なら、介入者が弱らせた蛟にロ5等でトドメを刺し、獲物も手柄も奪わせない

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:114 = 95全体 + 19個別
獲得報酬:3000 = 2500全体 + 500個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
蛟から水塞を取り戻す依頼か・・・
蛟の数が多い気もしないでもないが普通の依頼だな
油断せずにいつものように仕事をすれば問題ないだろうな
学園の校章を解りやすいところに装着

いくら水塞をねぐらにしてるとはいえある程度の数は狩りに出かけてるだろうな
戻ってきた連中と挟み撃ちになるのが怖いから増援への備えをしておく
入り口をそこら辺に落ちてる物や元々ついてる扉、持ってきてるであろう荷車などと魔王の空間、防御拠点、設計などを使ってふさいでおこう
逃がさないためというより攻め込ませないためだな
水塞を占拠できれば外にいる奴らはじっくりやれば簡単に退治できるだろうからな

さて、簡単に事が済めばいいがな

アドリブA、絡み大歓迎

エリカ・エルオンタリエ 個人成績:

獲得経験:114 = 95全体 + 19個別
獲得報酬:3000 = 2500全体 + 500個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
戦闘班担当

基本は蛟の制圧を最速で行い、なおかつ『蛟の援軍』が外から来る可能性を想定
(危険察知で敵増援や新たな敵対者に警戒)

【エ27】で加速、先行して砦に入り鮮血染華で敵を弱体化し
味方が追い付いたら入り口を封鎖し内部掃討
後は密集する敵はスプリーム・クラッシュで薙ぎ払い
単独の敵は魔法弾で撃破

砦外からの敵増援(または敵対的勢力)が出現した時は立て籠もって防衛
高所から超炸裂の種投下

封鎖した入り口が破られそうならフムスなどで水門を破壊して水責め
(あらかじめ事前調査で周辺地形や人の居住地を調べておき被害が深刻になりそうならやめる)

魔力は魔気変換で回復
自分・味方の傷は生命の息吹で回復
攻撃は妖精の踊りで回避

タスク・ジム 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:285 = 95全体 + 190個別
獲得報酬:7500 = 2500全体 + 5000個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
【事前調査】【勇者司書】を活用し
蛟の能力や習性を勉強し
リーベラント水塞の悪漢が占拠した史実・報道から
水塞の大まかな【設計】を【推測】し
効率的に蛟を追い出し砦を制圧する計画を立てておく

荷物カバンいっぱいに【設計】【防御拠点】に使える角材や廃材を詰め込んでおく
鎧の上から学生服のマント部分を着用しておく

そして作戦前に仲間に立てた計画を共有し
戦闘班と制圧班にチーム分け
自分は制圧班に入る

戦闘班が先行して仕掛け蛟を弱体化したあたりで
制圧班が砦に入り
準備した材料を【設計】で組み上げ
【防御拠点】の応用で砦入り口を封鎖する
蛟の援軍等を警戒しての措置

その後見張りや哨戒を優先撃破
砦中心部を占拠し【防御拠点】を築く

クロス・アガツマ 個人成績:

獲得経験:114 = 95全体 + 19個別
獲得報酬:3000 = 2500全体 + 500個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
目的は水塞の確保

事前に学園の制服を着用し、勇者としての広報活動も兼ねて行動

水塞に入ったら、蛟の増援兼逃亡対策として進入路を破壊工作で壊しせき止めておこう
他にも出入口が見えたら同様に目立つ箇所なら塞ぐ。逃げ道を失った蛟に混乱も招ける筈だ

俺は水塞の確保優先で行動
マドガトルで支援火力をしつつ要所となる地点を陣地作成を活かし押さえる
危険な時はリ:18で攻撃を防ぐ

第三勢力がやってきた場合は推測と空気察知、精神分析で状況の把握を優先
その後古の戦士の旗を使いすぐさま仲間を臨戦態勢へ

しかし平和的な解決が一番だ
ローレライへは歴史学と人心掌握学を活かし、クラルテ王の意志や彼らの矜持を絡めた説得を試み、足止めしよう

リザルト Result

 川の流れが岩にぶつかり、霧状のしぶきを秋の冷気に紛れこませる。
 肩に力が入りすぎてはいないと思う。【仁和・貴人】は静かに息を吸ってから言う。
「まあ、普通の依頼だな。蛟(ミズチ)の数は……」
 前髪をかきあげて【タスク・ジム】が応じた。
「事前情報から推測すると、二十前後といったところでしょうね」
「ありがとう。こちらは六人、敵がいささか多い気もしないでもないが、罠をしかけるほどの知能は連中にないはずだし、油断せずいつものように仕事をすれば問題ないだろう」
 貴人は左胸につけた校章の位置を直した。普段はマントに隠れ気味の徴(しるし)だが、今日は誇るように表に出していた。
 先日、貴人たちは火の霊玉を発見したが回収に失敗した。しかし報告を聞いても【メメ・メメル】はとがめず、こう言っただけだ、
『気を落とすな。まさか霊玉があるとは思わなかったし、幹部級の敵もいたのだから不可抗力だよ。責めを負うのは提供情報が不足していたオレサマだ』
 だが噂によればメメルは、霊玉を得損ねたことを一部種族の代表者から非難されているらしい。
 だからこそ校章を貴人はあらわにするのだ。小さな依頼かもしれないが無駄にはしない。誇りをもって学園生の成功を天下に示したい。
 同様の気持ちを【クロス・アガツマ】も抱いている。
(この制服というのはどうも落ち着かないな。皆はもちろん似合っているのだが……)
 勇者としての広報活動、そう考えてクロスは本日、学園の制服を着てきた。新鮮な気持ちもある一方、群青の上着がいささか照れくさいのも事実だ。
 川のほとり、大岩の陰に身をよせ一同は水塞の構造図に見入っていた。図書館で調査し作成したものだ。タスクが説明する。
「もとになっている水門の構造については、水門の作成時代の建築に関する文献をひいているので実体に近いと思います」
「ええ」
 と【エリカ・エルオンタリエ】がほほえみかけた。
「信頼してるわ。タスクさんの作ったものだから」
 タスクは頬を赤らめた。エリカにそう言ってもらえたのは嬉しい。でもとっさにタスクの口から出たのは、モゴモゴした言葉でしかないのだった。
「あ……どうも……」
(だめだなあ――僕!)
 ちょっと泣きたい気持ちだった。
 世慣れたクロスさんとかだったら、もっと洒脱な返事ができただろうかなどとも思う。
 タスクの表情からなんとなく彼の考えを察し【ベイキ・ミューズフェス】は表情をゆるめたが、すぐ真剣なまなざしに戻った。
「作戦の肝は、水塞を制圧しただけでは終わらないところですね」
 応じたのは【フィリン・スタンテッド】である。
「ええ、蛟が砦を巣にしている以上、略奪なり襲撃なりのため、外に出ている部隊があってもおかしくないと思う」
 フィリンにはかつて、盗賊団の情婦に身をやつしていた過去がある。賊と蛟は種を異にするものだが、他より奪うことで生存しているという意味では通底するものがあった。
 ベイキも理解している。敵を一掃して一安心しているところに、外に出ていた兵力が奪還すべく攻め寄せる可能性がある。勝利したと信じて一同が水塞を放棄して去った後、たちまち再占領されてしまうおそれもあるのだ。そんなことになれば目も当てられない。学園の評価を大きく損ねるだろう。
 深緑の眼差しでベイキは言った。
「やりとげましょう、徹底的にね」
 フィリンはうなずいた。
 これが作戦開始の号令となった。


 岩陰から岩陰へ、あるいは倒木、朽ち落ちた橋などを隠れみのに、フィリンは水塞へ近づいて行く。
 同行者はエリカ、風に舞う木の葉のごとく軽やかな動きでぴったりとついてくる。影のようにクロスがつづいた。
「蛟も無防備ではないようね」
 エリカがつぶやいた。
 材木を組んで造成した柵の前に歩哨が二体立っているのだ。後足で立ったワニさながらの外見、大きな甲羅を背負っているので亀の印象もある。不揃いでちぐはぐな防具を身につけていた。
「でも緩みきってる」
 フィリンは目をすがめる。
 歩哨のうち一体は立ったままうたた寝しているし、もう一体も大あくびしていた。
 フィリンは周囲を観察し断を下す。
(罠はない!)
 あくびをしている蛟の死角より疾風のごとく急迫、たちまちフィリンは剣を抜いて歩哨を斬り下げた。
 同時にもう一方の歩哨のもとに、赤い蕾がひらいて散った。
 鮮血染華。エリカの魔法陣がもたらした呪詛の花だ。
「お見事」
 と告げてクロスはマドガトルで追いうちをかけ歩哨を討ちとった。
 ここからは時間との勝負だ。クロスがベイキたちに合図したときにはもう、フィリンとエリカは水塞内に突入している。

 グロリアスアームの名をもつ籠手が、重い棍棒の打撃を受けた。
 大柄な蛟による一撃だった。防護に失敗していれば頭を割られていただろう。ガード越しであっても骨がきしんだ。
 しかしこの程度の痛みでひるむフィリンではない。体躯をかしがせるも電光石火、逆襲の一颯を蛟に見舞う。
「ここで学園の実力を見せる……!」
 鋭い切っ先はメスのように、蛟の頸筋(けいきん)を切り裂いた。
「九時の方向!」
 エリカが声をあげ自身の体を軸に、回転して両手杖をめぐらせる。杖は魔力を帯び衝撃波となって、襲いかかってきた蛟の群れをなぎ倒した。
「まあ、これも日常だな」
 クロスは皮肉な笑み浮かべ、ドーム状の魔力壁を構築してさらなる敵襲を防いだ。半透明の壁に蛟たちの矢はぶつかって落ちる。突入と戦闘、矢が飛びかい魔法が炸裂する日常というのは、勇者の学校活動らしくていい。
 貴人の足元にも矢が突き立った。二本たてつづけにだ。
 元いた世界に暮らしていた時代なら、矢どころか空き缶が飛んできたって貴人は驚いただろう。でもいまはまったく平気だ。
「忙しくなるぞ」
 防御拠点の技術知識を活かし、自分たちの入ってきた口を封鎖するのである。
「材料には事欠きませんね」
 ベイキも戸板を剥がし縄を切って進入孔を埋めていた。内部構造は蛟より前に水塞を支配していた盗賊たちが作ったものだろう。さすがに整然と構築されている。だから解体も容易だ。
「あっ……!」
 蛟たちの餌なのか、ある部分の板をはがすと大量のネズミの死骸がベイキの頭上から落ちてきた。身の毛もよだつ光景ではあるが、汚れへの耐性は学園で鍛えている。ベイキは動じず作業を続けた。
「角材どうぞ。これも使ってください」
 荷物カバンいっぱいに詰め込んできた補強材を、タスクは貴人とベイキに手渡していく。戦闘行為は破壊と表裏一体、その戦闘を先行のエリカら三人に任せ、後方のタスクたちは砦の完全制圧に動いているのだった。
 タスクはてきぱきと隙間をふさぐのである。外側から急に攻め込まれてもしのげるように。授業や図書館で知識を仕入れるのは楽しい。その知識を実践で活用するのはもっと楽しい。
 濃密な数分が過ぎたころ、
「あらかた討ち取ったかしら」
 エリカは額の汗を拭った。風はエリカの味方だ。涼しく吹きつけ髪をかわかしてくれる。
 そのようね、と応じつつもフィリンは次の行動に入る。
「でも数が少なすぎる。内部の二階、三階で新手が待ち伏せしているはずよ。でもその前に」
 フィリンはかがんで罠を設置するのである。ロープとマカロンボムを用いたトラップだ。【ユリ・ネオネ】教諭からみっちり指導されたテクニックだった。時間はかけられないので単純だが、少なくない効果をもたらすものを選定していた。
「二階と三階か……」
 クロスは石の階段にそって視線を上げていった。途中、進入経路になりそうな穴を見つけたので、周辺の石壁にマドガトルをたたき込み崩して防ぐ。
「この水塞はほころびだらけだね。まあ、蛟たちに管理ができるはずもないから当然か」
 穴をふさぐたび、息苦しい気持ちに襲われるのはいたしかたないところだ。
(塞いだ場所は終わってからまたゆっくり片付ければいいさ)
 リバイバルたる身からすれば息苦しさなど錯覚にすぎないのだろうが、これも『生きて』いればこそだろうとクロスは考える。
 水塞の構造は、タスクが予想したものがほぼ的中していた。
 二階へ移動した一同は蛟の伏兵をたちまち見破りこれを破った。隠れられそうな地点はとっくに把握していたからである。三階に至っても同様だ。四角錐状の砦だったので、上に進むたび推測は容易になった。 
 小柄な蛟が悲鳴をあげて櫓から落ちていった。派手に川に落ち流されていく。窓からこれを見送って、
「この季節に水泳とはお気の毒様! ま、運が良ければ助かるさ。達者でな」
 はははと軽口をきくと貴人はその窓をふさぎにかかった。まもなく砦内の蛟は一掃されるだろう。
 ベイキも笑っているかと思って貴人は目を向けたが、意外にも彼女は押し黙っている。むしろ深刻な表情だ。
「ミューズフェスくん、どうかしたか?」
「胸騒ぎが……します」
 はからずも同様の感覚を覚えていたタスクも顔色を変えていた。
「何か聞こえませんか?」
 耳をすませた貴人は、パチパチという音をとらえたのである。焚き火がはぜるときのような。すぐに煙を目がとらえた。
「火です!」
 木が燃える匂いだ。ベイキは階段を駆け下りる。
 窓ふさぐ板を拳でぶち割り、貴人も目の当たりにしたのだった。
 この場所はただの水門だった。後に外側に木造の櫓や柵が組まれ水塞に作り変えられたのである。その木の部分に炎がやどっている。何カ所も同時に!
「蛟の別働隊が戻ってきて放火したのか!?」
 貴人に応じたのはタスクだ。
「まさか、まだ内部には仲間の蛟がいるはずです!」
 急ぎ消火活動をするベイキを手伝いつつタスクは思う。
 いかに知能が低いモンスターであれ、群れの意識があるのならそんなことをするはずがない。
 だとすれば――。
 魔王軍、であればまだよかったかもしれない。
 しかし貴人たちが目の当たりにした放火犯は、鮮やかなパールレッドのコスチュームをまとう六人の集団だった。鎧の姿がある。賢者風のトーガに袖を通した姿も。全員ローレライだ。
(まさかと思いたかったけど)
 タスクは目をおおいたくなった。
 すこし前のことになる。メメルに『欲張り無双』の称号をもらったのち、タスクはあらためて彼女に単独取材をする機会を得ていた。
 このとき学園長が口にした言葉がひっかかっている。
『魔王に対抗する我々は協力しあうべきなのに、最近は種族分断があってな~。リーベラントなんてひどいぞ。王のクラルテが病み伏せったせいで、そのドラ息子が学園活動の妨害をもくろんでいるとか何とか……』
 ふと漏らしたところでメメルは急に『あ、今のはオフレコだぞチミィ!』と言い、その後けっしてその話題を口にしなかったのである
 タスクは念のため、メメルの発言であることは伏せつつも事前にこの情報を一同に伝えていた。危惧は的中したといえるだろう。
 せっかくふさいだ入り口だが仕方ない。貴人は穴のひとつをやぶって呼びかけた。
「おい! あんたら魔王軍じゃないんだろう! オレたちはフトゥールム・スクエアだ。何やってんだ!」
 リーダー格らしき甲冑の女性が応じた。
「私は【バルバラ・ブッフ】、ローレライ国家リーベラントの騎士です。王命により、この水塞を解体します」
 偽物では、と一瞬ベイキは考えた。たしかに一行は正規軍の扮装で、軍旗をそばに立てている。とはいえいずれも盗んでくることもできよう。
(けれど……けれどあの堂々とした物腰は……)
 ベイキはリーベラント出身ではないが、一時期に居を構えていたことならある。だからわかる。『ブッフ』姓はリーベラント騎士の家系だ。それどころかバルバラを名乗る彼女の母親、ないし祖母とは過去に交流すらあった。
 ゆえにベイキは理解した。
 バルバラは名乗った通りの人物だ。
 そして、言った通りのことをなそうとしている。
「火なんかつけてオレたちを焼き殺す気か!」
 貴人が怒ったのも当然だろう。しかしバルバラは落ち着いた口調で応じた。
「その意思はありません。脱出口は裏手に残しておきますのでお逃げなさい。ただし、水塞を陥落させた功は我々に帰すことになりますが」
 バルバラの言葉が終わるより早く、軽装のローレライが櫓を登り、重装備のローレライは入り口のバリケードを壊し砦に侵入を開始したのである。

 クロスの目の前にも少女のローレライが入りこんできた。バンダナを頭に巻いている。雰囲気が少し【サラシナ・マイ】に似ていた。
「……あなたは? 勇者のファン……て感じではないかな」
「ファンなはずがあるか! 外の話は聞こえていただろう。焼き殺されたくなければ出ていけ!」
 少女は匕首をつきつけ、王命であると強がった。
 しかしクロスは穏やかに首を振ったのである。
「王? だが【クラルテ・シーネフォス】陛下は重い病にあられると聞いているよ。本当にこんな命令を出したのかい?」
「みだりに陛下の名を口にするな異国人! これは代王の命令だ!」
「やはり【アントニオ・シーネフォス】代王によるものか。クラルテ陛下は平和を愛する御仁だ。こんな命令は出すはずがないね。むしろ反対するだろう」
 ほほえむとクロスは、我が首を差し出すように刃に近づいていった。
「だとすればあなたたちの忠義は……はたしてどちらの側にある?」
 言葉に詰まりローレライの少女は後じさりした。
「俺たちのうち一人でも焼死したり、その匕首にかかって倒れれば、クラルテ陛下ならいたく悲しむと思うな」
 少女の手が震えていることをクロスは見抜いている。
 フィリンはタスクの情報から、じきにリーベラントが何かしてくるだろうと予測していた。まさか直接介入までおこなうとは思わなかったが、嫌がらせくらいなら十分ありえると備えていたのである。
 だから、
「っ、まさかこんなに早く……!?」
 と、フィリンが眼前のローレライ戦士に言ったのは半分以上演技だ。
 彼はローレライにしては大柄だったが紳士のようだ。
「お嬢さん。驚かせたことをお詫びします。どうか怖がらないでください」
 優しく呼びかけてきたのだが、フィリンは大声をあげ背を向けた。
「嫌あああっ! 慰み者にされる!」
「そ、そんなことはしません! 落ち着いて!」
 と近づいて来た戦士は足元のロープにつまずき、落ちてきたマカロンボムを脳天に受けて昏倒した。
 やれやれ、とフィリンは肩をすくめた。
「人の手柄を横取りしようってやからが礼儀正しくてどうするよ?」
 ふとフィリンは思う。鏡があったらきっと、最高にゲスい笑みを浮かべている自分の顔が映ったことだろう、と。
 板でふさいだ窓をやぶり、
「でりゃー!」
 かけ声いさましく砦にとびこんでエリカに立ちふさがったのは少年のローレライだった。むしろ幼年と言いたいくらいだ。ローブのすそを引きずるようにしているし、帽子も大きすぎるようにエリカには見えた。
「お姉ちゃんはマジックユーザーと見た!」
 窓の外には大鷲が待機している。少年は鷲を使って三階まで上がってきたらしい。
「魔法使い同士、正々堂々とバトルしろっ!」
 言うなり蒼い炎をぽいぽいと投じてくる。でもスローすぎるし勢いも弱い。エリカは危険を先回りして察知し、かるく炎をかわした。
「ごめんね、『お姉ちゃん』にバトルする気はないのよ」
 そしてエリカは上手投げの要領で超炸裂の種を投じたのである。少年を狙ったのではない。窓を狙った。
 種は激しく光と音をはなち、大鷲を追い払ってしまった。
 うわーと窓にかけより大鷲に、
「もどってこーい!」
 半べその状態で叫ぶ少年は、滑稽を通り越して気の毒に見えた。
(さて……彼のプライドを傷つけない言い方を工夫しないとね)
「どうせバトルするなら」
 エリカは窓の外、眼下をさして少年に呼びかけた。
「わたしたちと協力して蛟の残りを退治しない? きみの活躍、見たいな」
 外回り(?)に出ていた蛟の群れが戻ってきたのだ。砦にいたよりずっと数が多い。群れは半狂乱の体でバルバラの背後から襲いかかった。たちまちローレライたちと交戦状態に入っている。

 外からの蛟を目撃するや、ベイキは迷わずバルバラに告げた。
「消火は終わりました。水塞に入ってください! 一緒に蛟を撃退しましょう」
「しかし……」
「わかっています。私たちが分裂したように見せかけて、敵を油断させる作戦だったのですよね?」
 ベイキは大きく見えるように胸元の校章をしめした。この状況を観察している者がいればおののくように。
「フトゥールム・スクエアとリーベラントは堅い同盟で結ばれているはず!」
 と叫んで貴人はバルバラの前に立つと問答無用の暴力、その名も『絶対王セイッ』で蛟一体を斬り伏せた。
「どうしても嫌なら川にでも引っこんでいてくれ。ただし、あとで水門を開閉して遊んでやるかもしれないが」
 ふふんと告げるともう貴人は振り返らない。
「今回のこと、アントニオ代王の命令だということですよね」
 タスクも貴人に並んだ。バルバラは騎士を名乗った。だから信じている。けっして彼女が、自分の背後を襲うことはないと。
「でも病床のクラルテ王なら、僕たちには憎みあうことではなく、協力しあうことを望むのではありませんか!?」
 バルバラはもう何も言わず、黙って蛟に向かっていった。
 彼女だけではない。残りのローレライもつぎつぎと戦列に加わった。


 戦いは共同軍の圧倒的勝利に終わった。
 しばらく待ったが新手の蛟は現れなかった。これですべてだろう。水塞は完全閉鎖ののち、付近住民に任せることになる。
「それにしても、霊玉をまとめて警備するってバカか? 全種族でっていうならまだわかるがリーベラントだけで、なんて人数少ないし明らかに悪手だぞ」
 貴人の言葉をバルバラはうなだれたまま聞いた。
「……戻って、代王に奏上します」
「それがいいでしょうね」
 フィリンがうなずいた。
 でも忘れないでください、とベイキは言い加えたのである。
「対立する考えは私たちにはありません」
 去りゆくローレライたちの背を六人は黙って見送る。
 何度か、匕首の少女がクロスを振り向いた。
 ピイッと声がしたのでエリカは空を見上げた。大鷲が戻ってきたらしい。



課題評価
課題経験:95
課題報酬:2500
【泡麗】rivalizar - 始動篇
執筆:桂木京介 GM


《【泡麗】rivalizar - 始動篇》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 1) 2021-09-30 00:02:10
賢者・導師コースのエリカ・エルオンタリエよ。よろしくね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 2) 2021-09-30 05:09:46
勇者・英雄コースのタスク・ジムです!
よろしくお願いいたします。

尊敬する校長先生と、大恩ある学園の危機です!
頑張りましょう!

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 3) 2021-10-01 04:06:08
魔王・覇王コースの仁和だ。
よろしく。

・・・蛟をおびき寄せて罠にとか思ったんだがおびき寄せるとローレライに水塞を占拠されたうえで色々言われかねないよな?

現時点では水塞を真っ先に取りに行きたいとは思うが、いい案が思い浮かばないな・・・

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 4) 2021-10-01 05:13:01
貴人さん、それ、逆に考えれば、意外といいかもしれませんよ。

蛟をおびき寄せて罠にかけ、優位に戦っている間に、
ローレライが水塞を占拠する。

プロローグの記載からは、蛟打倒と水塞占拠は等価と考えられますが…

完了報告(手柄を主張するターン)において、
「我々学園生こそがあの強大な蛟を打倒しましたー(大声)
なおローレライ諸君は砦の制圧に協力してくれましたー(小声)」
と主張すれば、学園の名誉が保たれるのではないでしょうか。

まあ、学園で両取りするのがベストだとは思うので、
他にも色々と方法を考えてみましょう。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 5) 2021-10-01 05:24:41
先ほどの案にはいくつかのバリエーションが考えられますが、
以下の理由から、「蛟=PC、砦=ローレライ」案を推します。

まずは、逆パターンで、おびき寄せた蛟をローレライに任せて
自分たちが砦を制圧する場合。
これは、戦闘というより不確定性の高い行為をNPCに丸投げすることになり
個人的にはお勧めできないかな、と思います。

次に、ローレライがどちらに興味を示すかによって場合分けすることが考えられます。
ローレライが行かなかった方をPCが取り、そっちが大手柄だと主張することは可能と思います。
ただ、場合分けはどちらのルートも中途半端になりがち、というリスクがある上、
今回のローレライの主目的は「手柄の出し抜き」ではなく「妨害」と明記されているので、こちらもお勧めできないかな、と思います。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 6) 2021-10-01 07:07:19
教祖・聖職コースのベイキ・ミューズフェスです。よろしくお願いします。
なんか、めんどくせー事態になってるようですね。

まあ、砦狙いは状況的にベターだと思います。
砦押さえて、蛟と応戦すれば野戦よりは有利ですし。

ただ、到着時点では、砦は蛟が立て籠ってるようですし、何者かが介入するなら……蛟が浮き足立って、砦から蛟が脱出するタイミングかなぁ……と思ってます。

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 7) 2021-10-01 07:40:32
やっとはいれた…勇者・英雄コースのフィリンよ。今回もよろしく。

私もローレライを当てにするのは危険かな…と思うわ。
何かしてくるかもとはいうけど、来るかどうかもわからないし
(PL註.ローレライの介入はPL情報でPCとしては『何かあるかも』までなので、介入前提の作戦は不利な判定を受けそうです)

警戒しつつまず蛟退治の方向で進めて、ローレライ勢力が何かしてきても動じない体制を築いていく…って感じしかないかしら

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 8) 2021-10-01 08:19:08
早速満員御礼、幸先いいですね!
皆さんよろしくお願いいたします!!

確かに、地勢的には砦を最優先で抑えるのはベターですね。
その観点がすっぽり抜けてたなんて、僕やっぱり軍師プレイ向いてないかも・・・(><)
皆さんが頼りですm(__)m

すると今度は、
「砦を最速で抑えて蛟と優位に交戦しつつ、
(PCは別としてPL的には意図的に)蛟を適度に取りこぼして
取りこぼしをローレライ勢力に向かわせる」ということが考えられますが・・・

フィリンさんの懸念されるとおり、介入前提で行って、
実際は介入がなかった(または想定外の内容だった)場合、
普通に蛟討ち漏らして被害が出て学園は何やってんだ!ってなるのも最悪ですよね。


そうするとですね~。結局は。
「砦を最速で抑えて蛟を最速で掃討する」ことに殆どの力を集約しつつ、
「ローレライの介入(仮定)」に備える、ということを基本線にしたほうが良さそうですね!

そしてプロローグには「正面から両方叩きのめすには苦しい」とあるので、
「ローレライと戦わない(戦いを避ける)」方法を考える必要がありますね。
もしくは「よほどのことがない限り説得には応じない」とされているところ、「よほどのこと」を何らか考えるか。

僕は、結局、これを基本線にして考えたら何とか行けそうかな、と思いますが、
皆さんどう思われますか?
(いつもながら長くなってすみませんm(__)m)

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 9) 2021-10-01 15:40:38
プレイヤーとしては前情報を得ているけれど、キャラクターは知らないというテイ。
上手く落としどころを見つけて、難関をクリアしたいわね。

基本は蛟の制圧を最大効率で行って、なおかつ「『蛟の援軍』が外から来る可能性を想定しておく」
という感じの方針でどうかしら?
外からの敵に対しては制圧済みの砦の構造などを利用して、
効果的に防衛を行いたいわね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 10) 2021-10-01 23:44:14

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 11) 2021-10-01 23:48:55
砦を最速で抑えて蛟を最速で掃討し、『蛟の援軍』が外から来る可能性を想定しておく

ここまでなら、メタ視点に頼らず、アクションプランに堂々と書けますね。

そして、蓋を開けてみたら新手は蛟ではなくローレライの一団!
何故ローレライが!と動揺するPCを描写しながら、
新手には備えていたのだからそれを応用してしのぐ、みたいなことを書けるのが
ウィッシュプランの機能だと思うので、活用していきたいところです。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 12) 2021-10-02 07:22:08
まあ、まずは砦から蛟を追い出し、砦の確保。
砦から逃げた蛟が、体勢を立て直し反撃してくる事態に備えて、守りを固めておく……なんて流れでもいいかもですね。

そうすれば、想定外の何者かの介入があっても、砦確保のアドバンテージはこちらにあるわけですし。
そいつらが敵対するなら……蛟とやりあってる背中を撃ってもいいでしょ。
少なくとも、助けてやる理由はありませんよね。

砦は固く守ろう。

状況を利用して、介入勢力に蛟を削らせてトドメを奪ったりと、こちらの手柄を積み増してみる手もあるかもですね。

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 13) 2021-10-03 07:49:58
>砦まず確保して守備固め

うん、これが基本かな…来るかどうかもわからないし。
速攻狙いはうまくいかない場合も備えて、無理のない範囲で
介入があったらローレライの狙いを見定めてどう利用するか…って感じかしらね

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 14) 2021-10-03 09:23:13
まあ、介入者が居ても、それが味方とは限らない。
むしろ、状況的には……この混乱に乗じて、砦を奪いに来た野盗、傭兵崩れって線もあり得る。
介入者=味方だと、無警戒に喜べる事態ではないんですよね。

ですんで、介入者が敵対行為を行うなら、こちらも応じる理由になる。
まずは、相手の出方を見て、狙いを探るのには賛成です。

殴るにも、先に手を出すと……正当防衛、主張しにくいですしねえ。
先に手を出させましょう。

あと、相手が王の軍である証拠を示せるかも、結構重要な気も。
ぶっちゃけ、軍旗や割符なんて……盗んでくることもできるわけで。
ここまで言うと難癖の世界ですが。

逆に、こちらは全員制服で臨めば、学園生である身の証になるんで、壁役で鎧を着る方も、帽子なりマントなり着用(マントだけだとプランで装備してるようにアクション必要かもですが)しとけば、もし本当の意味での第三者に状況を見られても、こちらの正当性を示せるのではと。

あと、本当に介入者の命が危険なら、そういうときだけ助太刀するのはいいと思います。
こちらも望んで命を取ろうとしてる訳ではない。という姿勢も示せますしね。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 15) 2021-10-03 09:26:50
あと、砦確保後のことも考えると、用意できる方は防御拠点Ⅰを用意できると有利かも。
私も用意する予定です。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 16) 2021-10-03 22:12:50
蛟の掃討→砦の制圧→蛟の残党を警戒して守りを固める
「蛟も砦も最速でどうにかする」より現実味があり、実現(GM様が採用)しやすいかもしれませんね。
防御拠点、僕も用意しておきます。

そして、介入者が何者かわからないから出方を見て、
手を出されたら正当防衛。命が危険なら助太刀もアリ。
この考え方も賛成です。
僕は第六感を用意しているので、こういう想定外の対応に役に立てると思います。
また、ローレライの一団を動揺させる言葉がないか、考え中です。
説得とまではいかないまでも、妨害に支障が出れば御の字なので。

全員制服着用案も賛成です。
僕は残念ながらアイテム調達は出来なかったので、
学生服のマント部分を着用しておく旨プランに書いておきますね。

《運命選択者》 クロス・アガツマ (No 17) 2021-10-04 21:28:46
申し訳ない、しばらく纏まった時間が確保できず、顔を出すのが遅くなった。
賢者・導師コースのリバイバル、クロス・アガツマだ。よろしく頼む。
既に多くの相談が運んでいるが、本来の目的は蛟を討伐することによる砦の確保、ただ途中おそらくはローレライ達の妨害ありか……ううむ……

乱戦になったら奇襲してくると書いてあるから、砦の確保のために蛟と戦うのは避けられない以上、入口を蛟の退路を塞ぐためにせき止めておく……というのもどうだろうか?
ローレライの一団への時間稼ぎになるし、そうすればその時間を使って内部で他の行動もできるかもしれない。

あと、蛟との戦闘を請け負う班と、砦の制圧ないし増援への備えを整備する班に分けて行動するのも、中途半端な行動にならない対策になるかも。
まあ……来るのも遅れてしまった以上、基本方針は皆が決めてくれて構わない。それに従うし、あくまでも提案の一つとして耳に入れておいてくれ。

学園の制服のアイデアは了解した。組み込んでおこう。
ローレライへの説得は……俺は歴史学も活かして、クラルテ王のことをつついてみよう。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 18) 2021-10-04 22:34:31
クロスさん、制圧についての具体策、凄くいいと思います!

入口は、僕が荷物カバン大に角材廃材を詰め込んで【設計】【防御拠点】で塞き止めるプランを書いてみましょう。
同様のスキルやアイテムをお持ちのかた、字数余りぎみの方はお手伝いいただけると助かります!

戦闘班と制圧班の班分けを早速募集しますので、意思表示いただけると助かります。
戦闘班は制圧班から目をそらす陽動目的の派手な戦闘や仕上げの掃討、
制圧班は隠密裏に動き、見張りや哨戒の撃破、砦中心部の占拠、増援への備えを優先して行います。
【防御拠点】を持つ方は、制圧班に優先して入っていただけるとありがたいですね。

戦闘班:
制圧班:タスク(防御拠点)

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 19) 2021-10-04 22:40:27
とりあえず戦闘班を希望しておくわね。
【防御拠点】もあるので、人数バランスによっては移動することも可能よ。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 20) 2021-10-04 22:50:17
【クラルテ王】関係をつつく案、賛成です。
プロローグの記述によれば、妨害はアントニオ代王の命令だが、妨害班が忠誠を誓ってるのはクラルテ王。クラルテ王は病床。
例えば、「これは本当にクラルテ王の望んだことなのか!?」とかやりたいですよね。

以上のPL知識に、PCの認識をどう追い付かせるか、が問題です。
クロスさんは、「大図書館で歴史学を生かして調査」という王道ですね。

こちらは、「メイルストラムの終焉blue」で壁新聞のため校長に単独取材、というネタを利用して、校長から一言だけオフレコをもらっていたことにしたい、みたいなウィッシュプランを検討しています。

例えば「最近は種族分断がな~、あ、今のはオフレコだぞチミィ」みたいな些細な一言と、クロスさんの裏付けで、代王と現王の齟齬に思い至る、とかですね。

確実性としては怪しいですが、どうにか形にならないか検討したいところです!

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 21) 2021-10-05 22:41:45
こっちもちょっとごめんなさい。

だいぶ開いちゃって…クロスの堰き止め妨害案はありかなって思う。
対蛟って名目もたつし、致命的じゃないけど進軍を遅らせるような罠を張っておくとかもありかな?

>スキル分担
わたしは【防御拠点】はないから攻めに回らせてもらうわ。
蛟とは以前に戦闘経験もあるし、いまなら電撃属性でローレライともども優位がとれるかも?しれないし

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 22) 2021-10-05 22:42:59
時間ギリギリだが制圧班に行こうと思う。
主に入り口をふさいでいく感じ(増援への備え)を主眼して動こう。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 23) 2021-10-05 22:56:47
>分担
言ったつもりで言ってませんでした。
では、私も制圧の方で。拠点確保したら、回復やら解毒等の支援に回る感じです。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 24) 2021-10-05 22:59:46
そうそう、今回の砦は水門に木製の櫓を備えたようなものみたいですが……今回、火を使う予定の方は居ますか?

延焼して焼け落ちてもいけませんし、必要なら頃合いみて、雨の恵みとかで雨降らせて、鎮火させた方がいいかなと。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 25) 2021-10-05 23:10:14
んー……入口塞ぐと、外に逃げようとする蛟の退路塞ぐんで、逃げ場を失った蛟が背水の陣で掛かってきそうにも思えたり、すべての殲滅には時間が掛かりそうな懸念も少しあったんで、逃げる分は逃がして砦確保をと思ってましたが、現状は入口塞ぐ流れですかね。

ちょっと流れ頭のなかで整理し直そう。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 26) 2021-10-05 23:16:39
変に流れ整理すると、齟齬が出てきそうだと言う結論に達しました。
こちらのアクションでは、とりあえず砦を押さえよう的な感じでふんわりとさせておいて、みなさんの流れに乗っかった方が齟齬なさそうなんで。

それよりは、具体的にどう動くかを詰めておきますです。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 27) 2021-10-05 23:56:32
いよいよ出発ですね!
色々ご意見下さったのに、ずっとプラン書いてて気づかずすみませんでした!

結果的に班分けバランスは良いようだし、各自全力でプランを書かれたなら、きっとうまくいきます。

お互いに、どうかご武運を・・・!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 28) 2021-10-05 23:56:41