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学園での一日・異世界人+α編


ストーリー Story

 魔法学園フトゥールム・スクエア。
 言わずと知れた、勇者の育成を掲げる教育機関だ。
 年齢や種族を問わず学生として受け入れ、日々賑やかな生活が行われている。
 各種依頼を引き受けるギルドを母体として始まったこともあり、現在も『課題』として様々な依頼を引き受けていた。
 そんな学園に、幾つかのお客が訪れていた。

「申し訳ありませんが、学園長は席を外しています」
 学園への来訪者を、【シトリ・イエライ】が対応していた。
 相手は2人。
 1人は、フェアリータイプのエリアルに見えるおっさん。ただし本体ではなく、異世界人である【メフィスト】が作りだした分身。
 もう1人は、セントリア中央研究所の責任者をしている【ハイド・ミラージュ】だ。
「残念ですねー」
「何か用事があったんでしょうか?」
「ええ……」
 歯切れ悪くシトリは応える。
 なぜなら、【メメ・メメル】が居ない理由が、ローレライとアークライトによる学園弾圧を和らげるために動いているからだ。
 現在、火の霊玉を学園が確保できなかったことを槍玉に挙げ、このふたつの種族が大きく動いている。
 目的は、自分達の勢力に霊玉を集中すること。
(このようなことをしている場合ではないでしょうに) 
 ローレライであるシトリとしては、別段関わっている訳ではないが、色々と思う所はある。
 とはいえ、部外者であるメフィストとハイドに気取らせる訳にはいかないので、淡々と対応する。
「どのような用件で、今日は来られたんでしょうか?」
「実験の協力をお願いしようと思ってきたんです」
 ハイドが応える。
「この前、学園生さん達から、異世界の技術を使って色々と要望を貰いましたからね。それを実現するべく、来たわけでして」
「それでしたら、わざわざ学園に来られなくても、セントリアで行えると思いますが」
「出来ない物もあるのでーす」
 メフィストが口を挟む。
「特にー、ここの学園長って人のー、身体いじるには直接会わないとダメですしねー」
「何をする気なんです」
 珍しく眉を顰めるシトリに、メフィストが応える。
「肉体に干渉してー、不調を治すためでーす。ここの子にー、頼まれましたからねー。発作を治したりー、無理なら新しい体に移すような方法を作って欲しいとー」
「……それは、副作用は無いのですか?」
「基本は肉体の初期になっちゃうのでー、元気になるでしょうがー、弱体化しちゃうでしょうねー」
「……恐らく学園長は望まないでしょうね」
「そうですかー? でも気が変わることもあるかもですしー、やっていきますよー。それでー、ひとつ聞きたいのですがー、この世界ではー、生まれつきの種族から変わることがあるのですよねー?」
「ええ。リバイバルとアークライトですね」
「それですよー。この学園にも居るんですよねー? それならー、ちょっーと何人か会わせて下さーい。サンプルとしてー、情報収集したいでーす」
「それなら私も」
 ハイドも要望を出す。
「武器や防具、それに封印術式とかの実験に協力して欲しいんですよ。ウチだと作るのは出来ても、実践できるのが少なくて」
 色々と要望を足して来る2人に、どうしたものかと悩むシトリだった。

 シトリが悩んでいる頃、第一校舎『フトゥールム・パレス』の中にある、マスターラウンジでも来訪者が話をしていた。

「学食に新メニューを卸すって形で、話を付けました」
「話が早いわね」
 機嫌よく言ったのは、アルチェの領主一族に連なる女商人【ララ・ミルトニア】。
「時間が掛かるかと思ったけど、有能ね」
「別段、俺の手柄って訳じゃないですよ」
 肩を竦めるようにして、学園の卒業生でもある商人【ガラ・アドム】は返す。
「アルチェとボソク島のグルメバトルで、学園生の作ったメニューの評価が良かったですからね。そういう実績があったんで、どうにかなったってだけです」
 少し前、とあるグルメバトルがあったのだが、それに学園生が参加していた。
 その中で、グルメバトルで使う食材の輸出先であるボソク島の発展のため、継続したスポンサーを学園生の1人が探して回ったのだが、賛同したのがララという訳である。
 彼女は継続した事業として動かしていくため、色々な場所を回っていたが、学園に訪れたのもそれが理由だ。
「原価はギリギリまで落としてあげる。ただし、食材の供給先はアルチェとボソク島に限定してよ。学園での口コミも、期待してるんだから」
 学園には様々な地域から人が訪れるので、そこで味が知られれば、宣伝になると考えているのだ。
「そこら辺は万事抜かりないですよ」
 ガラが応える。
「ひとまず、グルメバトルで学園生が作ってくれたメニューは確定で。それ以外何かメニューに加えられないか、試行錯誤中です」
「良いんじゃない。頑張って」
 基本、人を動かすことに慣れているララは、笑顔で仕事を促した。

 そんなこんなで、学園に訪れた来訪者たちは、思い思いに動いています。
 同じころ、アナタ達は学園で課題をしています。
 なにかの実験かも知れませんし、訓練かもしれません。
 あるいは、書類仕事や調べ物をしているかも?
 そんな中、一息ついていると、来訪者たちの姿をアナタ達は見つけます。
 気になって声を掛けてみるのも良いですし、気にせず、自分の課題をしていても良いでしょう。
 学園での、とある一日。
 アナタ達は、どう過ごしますか?


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 6日 出発日 2021-10-19

難易度 普通 報酬 通常 完成予定 2021-10-29

登場人物 8/8 Characters
《ゆう×ドラ》シルク・ブラスリップ
 エリアル Lv17 / 村人・従者 Rank 1
「命令(オーダー)は受けない主義なの。作りたいものを、やりたいように作りたい……それが夢」 「最高の武具には最高の使い手がいるの。あなたはどうかしら?」 #####  武具職人志願のフェアリーの少女。  専門は衣服・装飾だが割と何でも小器用にこなすセンスの持ち主。  歴史ある職人の下で修業を積んできたが、閉鎖的な一門を嫌い魔法学園へとやってきた。 ◆性格・趣向  一言で言うと『天才肌の変態おねーさん』  男女問わず誘惑してからかうのが趣味のお色気担当。  筋肉&おっぱい星人だが精神の気高さも大事で、好みの理想は意外と高い。 ◆容姿補足  フェアリータイプのエリアル。身長およそ90cm。
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《新入生》ヒナ・ジム
 アークライト Lv11 / 勇者・英雄 Rank 1
ヒナ・ジムです!【事務雛型】 ひよこがだいすきです! おすとめすはみたらわかります! ひよこがすきすぎて、はねがはえちゃいましたあ! そしたら、にぃにが、がっこうにつれてきてくれました。 かっこいいおにいさん、かわいいおねいさんがいっぱい…! みんな、なかよくしてね! *** ガンダ村の事務職の家系であるジム家の末っ子。 ひよこを愛する普通の子であったが、村の学校で飼っていたひよこをいじめた男子にたいする怒りをきっかけに、アークライトに覚醒! 知らせを受け慌ててタスクの発案により、学園に入学することとなった。 アークライトとしての力と生き方を学び、そして外の世界を知るために…。 ひよこが大好きで、好きすぎて羽根が生えたという本人談もあながち間違いではない経緯ではある。 ひよこのオスメスの区別がつき、人間の顔と同じ精度で個体識別できる。 鶏に対する気持ちは普通で、ひよこの時から可愛がっている個体に対してはその愛着を維持する。 覚醒時のほかにも、夜店のひよこを全員脱走させ親が全額弁償などひよこに関する逸話に事欠かない。 また、覚醒前から同年代にあり得ない怪力で、祖父のお下がりのバトルアックスの素振りが日課である。 とにかく甘えん坊。誰彼構わず甘え、兄タスクをやきもきさせる。 【勇者原則】決め台詞 通常時「ヒナ、負けないもん!」 覚醒時「○○ちゃんを虐める悪い子は、絶ぇっ対に許さない!」
《幸便の祈祷師》アルフィオーネ・ブランエトワル
 ドラゴニア Lv23 / 教祖・聖職 Rank 1
異世界からやってきたという、ドラゴニアの少女。 「この世界に存在しうる雛形の中で、本来のわたしに近いもの が選択された・・・ってとこかしらね」 その容姿は幼子そのものだが、どこかしら、大人びた雰囲気を纏っている。  髪は青緑。前髪は山形に切り揃え、両サイドに三つ編み。後ろ髪は大きなバレッタで結い上げ、垂らした髪を二つ分け。リボンで結んでいる。  二重のたれ目で、左目の下に泣きぼくろがある。  古竜族の特徴として、半月型の鶏冠状の角。小振りな、翼と尻尾。後頭部から耳裏、鎖骨の辺りまで、竜の皮膚が覆っている。  争いごとを好まない、優しい性格。しかし、幼少より戦闘教育を受けており、戦うことに躊躇することはない。  普段はたおやかだが、戦闘では苛烈であり、特に”悪”と認めた相手には明確な殺意を持って当たる。 「死んであの世で懺悔なさい!」(認めないとは言っていない) 「悪党に神の慈悲など無用よ?」(ないとは言っていない)  感情の起伏が希薄で、長命の種族であった故に、他者との深い関りは避ける傾向にある。加えて、怜悧であるため、冷たい人間と思われがちだが、その実、世話焼きな、所謂、オカン気質。  お饅頭が大のお気に入り  諸般の事情で偽名 ”力なき人々の力になること” ”悪には屈しないこと” ”あきらめないこと” ”仲間を信じること” ”約束は絶対に守ること” 5つの誓いを胸に、学園での日々を過ごしている
《真心はその先に》マーニー・ジム
 リバイバル Lv18 / 賢者・導師 Rank 1
マーニー・ジムよ。 普通のおばあちゃんとして、孫に看取られて静かに逝ったはずなんだけど…なんの因果か、リバイバルとして蘇ったの。 何故か学生の時の姿だし。 実は、人を探していてね。 もし危ないことをしていたら、止めなければならないの。 生きてる間は諦めてたんだけど…せっかく蘇ったのだから、また探してみるつもりよ。 それに、もうひとつ夢があるの。 私の青春、生涯をかけた行政学のことを、先生として、みんなに伝えること。 これも、生前は叶える前に家庭持っちゃったけど、蘇ったいま、改めて全力で目指してみるわ。 ※マーニーの思い出※ 「僕と一緒に来てくれませんか?」 地方自治の授業の一環でガンダ村に視察に行ったとき、そこの新規採用職員であったリスク・ジムからかけられた言葉だ。 この時点で、その言葉に深い意味はなく、そのときは、農地の手続きの案内で農家を回る手伝いといった用件だった。 「よろしくお願いします。」 これ以降、私たちの間では、このやり取りが幾度となく繰り返されることとなる。 その後、例のやり取りを経て婚約に至る。 しかし、幸せの日々は長くは続かない。 結婚式の前夜、リスクは出奔。著作「事務の危機管理」での訴えが理解されない現状に絶望したとのことだが… 「現状の事務には限界がある。同じことの繰り返しじゃ、世界は滅ぶよ」 結婚前夜の非道な仕打ちよりも、消息を絶つほど思い詰めた彼の支えになれなかったことを今も後悔している。 ※消滅キー※(PL情報) リスク及びリョウに感謝を伝えること 片方に伝えると存在が半分消える(薄くなる) メメ・メメル校長はこのことを把握しているようで、これを逆手にとって消滅を遠ざけてくれたことがある。 (「宿り木の下に唇を盗んで」(桂木京介 GM)参照)
《ビキニマン》ソフィーア・ル・ソレイユ
 ドラゴニア Lv12 / 武神・無双 Rank 1
生き別れたパートナーを探して、学園にやってきた、ドラゴニアの少女。 金髪ゆるふわカールのロングヘアー。前髪をひまわりのヘアピンで左にまとめている。褐色肌の筋肉質で、無駄な肉は一切ないのにバストとヒップはかなり豊か。大きな翼と長い尾。火柱のような角。後頭部から下顎、鎖骨辺りまで、サンライトイエローの鱗が覆っている。 いかにも女の子らしい容姿だが、性質は男性的で、なぜ、胸に目が入らないのか、よく、男性に間違えられる。 実直で騎士道精神にあふれている。だが、敵にたいしてはわりと容赦ない。闘争本能が強く、戦いを、とくに強者との対峙を好む。そのため、いつでも戦えるよう、入浴中以外は、ビキニアーマーを着込んでいる 武器収集癖があり、手入れを決して怠らない かなりの大食漢。なんでもおいしそうに食べるが、中でも『地球』で食べた、ラーメン、炒飯、餃子が大好き。彼女曰く、『”食”の宇宙三大至宝』であるとか。 ”力なき人々の力になること” ”悪には屈しないこと” ”あきらめないこと” ”仲間を信じること” ”約束は絶対に守ること” 5つの誓いを貫くために、日々鍛錬を欠かすことはない 諸般の事情で偽名 ある人物に、ずっと片思いをしている。勇気がなくて、告白はしていないが、それとなくアピールはしている。 酒乱なので、酒を飲ませてはいけない
《スイーツ部》ルージュ・アズナブール
 リバイバル Lv15 / 村人・従者 Rank 1
生前の記憶を失った、どこにでも居そうな村人の女性。 挨拶や返事はとてもいいが、実は面倒くさがりで、目を離すとすぐに手抜きをしようと画策するグラマラスなリバイバル。 『生前の記憶を探したい』という、ありがちな目的を達成するために学園へ来た。 名前を表すような真紅の髪が自慢。 酒好きで、節約なんて言葉は知らない。 身長は167cmほどで、体重はヒミツ★ 驚異のEを自称。もっとすごいかもしれない? 生前は海の近くに居たのか、魚や海産物の料理が得意。 特にお酒に合いそうなスパイシーなものや、煮込み料理が何故か得意。 なお、近親者に名前が4つあったり通常の3倍だったりする人はいない。 もちろん仮面や色眼鏡の人もいない。 赤いノースリーブなんて言語道断らしい。

解説 Explan

●目的

学園での一日を過ごして下さい。

NPC達と関わっても良いですし、関わらなくても良いです。
どちらでも成功度に変化はありません。

●状況

学園内で、何かしらの課題をしていた所から始まります。
どのような課題をしていたかは、自由にプランに書いていただけます。
真面目にしていたでも良いですし、途中でさぼっていたでも良いです。
終わらせて余暇を楽しもうとしていたでも構いません。

●選択肢

1 NPC(メフィスト&ハイド)達と関わる

以下のようなことをしようとしています。

学園生の調査

肉体の改変や、新たに作り出した肉体への変換を実現させるため、学園生達の肉体を調査しようとします。

アイテム実験

武器や防具。あるいは薬などの実験協力です。
要は、実験台です。

どのようなアイテムの実験をするのか、自由に書いていただけます。
書いていただいた内容に沿って、描写されます。

基本は失敗します。



封印術を試す。

対象の時間を止める『封時結界』を使ってみるが、効果時間が短すぎる。
あるいは、発動までの時間が掛かり過ぎて実戦で使えないなど。

他にも、自由に内容を決めれます。

話をする

何か聞いてみたいことなどがあれば聞くことが出来ます。

学園を案内する

魔力探知機の実験をしながら見て回っているので、学園の魔力貯蔵庫としての役割を持っている霊樹に興味を持っています。

2 NPC(ガラ&ララ)達と関わる

学生食堂の新メニューを決めようとしているので、協力してあげてください。
特に関わるPCがおられない場合は、グルメバトルで出たメニューが、学生食堂の新メニューになります。

3 学園での1日を過ごす

学園での1日をプランで書いていただけます。
学園内だと判定できる範囲でしたら、自由に書いていただけます。
書いていただいた内容に沿って、学園内での1日が描写されます。

●時間軸

エピソード『学園での一日・魔物編』と同じ時間軸での話になっています。

以上です。


作者コメント Comment
おはようございます。もしくは、こんばんは。春夏秋冬と申します。

今回は、学園で1日過ごすエピソードになっています。
NPCと関わっても良いですし、単純に、PCの学園での日常の一コマを描く内容でも構いません。

自由に、お過ごし下さいませ。

同時期に出している、エピソード『学園での一日・魔物編』と同じ時間軸での話になっています。

最初は、ひとつにまとめて出そうと思ったんですが、文字数制限に引っかかるので分割してます。

それでは、少しでも楽しんでいただけるよう、判定にリザルトに頑張ります。


個人成績表 Report
シルク・ブラスリップ 個人成績:

獲得経験:97 = 65全体 + 32個別
獲得報酬:3000 = 2000全体 + 1000個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
●方針
1 メフィストたちとアイテム実験
前回『異世界人と、こんにちは』で提案していた武器や装備について、実現可能性を探る

●行動
まずはメフィストたちと情報交換。
こちらからその後の学園の状況(霊玉の行方や、異種族間での関係がヤバいかもとか)をざっくりと、
メフィストたちの世界は何か動きはないか確認。

実験の方は不可能なものを除き、できるものから数打ちゃ当たるの精神で。
『何を作るか?』より『どれなら作れるか?』を重視。
失敗したら要因を分析、解析出来て解決可能な物を絞り込んで注力

優先したいのは
・全開発が進捗する世界転移門の強化
・実験材料が揃っている異世界/霊玉探知機

個人向けの武具は低難易度でなければ優先度低。

エリカ・エルオンタリエ 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
封印術式を応用して、食料品の長期保存に利用できないか実験する

ボソク島カレーや海鮮アヒージョ、またその他のグルメや名産品を良い状態で流通させたい

学園生や冒険者、傭兵、行商人、旅人などの携帯食料・旅のお土産としての需要も見込む

学生カバンでも保存はできるが、更なる小型化・低価格化で一般利用の裾野を広げたい

ハイドさん、ララさんの協力を要請

術式だけでは難しい場合は正攻法で地道に

魚の燻製と野菜を酢や柑橘の汁でマリネ
山菜やハーブのオイル漬け
果物の砂糖漬け・ジャムなどは瓶詰を検討

ボソク島カレーも濃い目のペーストにして、使用時はお湯で溶く等すれば
瓶詰にできるかも?

ドライフルーツや魚・肉の干物など乾燥・燻製路線も

仁和・貴人 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:156 = 65全体 + 91個別
獲得報酬:4800 = 2000全体 + 2800個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
メフィストさん達の手伝いを行おう
要望出しておいて何もしないって無責任すぎるし義理にも欠けるからな
・・・まぁ、出来る事は小間使い程度だとは思うが
取り敢えず、ありふれた食用肉(高級なお肉)と魔力を含んだ果実(魔力の実)を用意してみた
生きたサンプルとはまた違うし今回の趣旨とはズレてるかもだが・・・
なに、使わないんのならこれを使って食事でも差し入れするさ

メメたんの不調を治すことに対して補足だが出来るのとしないのとは別物だし、他の人の不調を治すのにも役に立つと思うからな
人を救う手立てはいくらあっても困らないしな

アドリブA 絡み大歓迎

ヒナ・ジム 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
実験に協力する

メフィスト様のお姿は妖精形態なので
可愛い~!とおおはしゃぎ
ちゃん付けで呼び、お友達になろうよ!なんて言うので
偉い人なのよ、と祖母マーニーにたしなめられる

実験について
メフィスト様の言うことは何でも聞く
どんな無茶ぶりにも【不屈の心】健気に応え
実験に立ち会う皆の庇護欲を掻き立てる(かもしれない)

寿命について理解してるか、どう考えるか
みたいな質問には
【ひよこ勇者の小さな勇気】の片鱗を見せながら
健気で勇気を示す答えを返す

時間が余ったら
【天遣】始動編で遭遇した「へんなむし」の話を
つたないながら一生懸命
【生物学】も踏まえて説明し
メフィスト様に攻略のヒントをもらおうとする

アドリブA

アルフィオーネ・ブランエトワル 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
同行者 ソフィーア·ル·ソレイユ

龍翼演舞を用いた、演武をしていたところ、ハイドたちが通りかかり、その流れで、武器のテストを依頼される

マジカルジェットハンマー
概要:魔力を噴射して、攻撃力速度と打撃力の向上を狙った、両手鈍器

使用感:短距離の高速移動にも使えることを発見したが、重量が重すぎるので、重量武器の扱いに慣れた者でないと、振り回されてしまう可能性。魔力の消耗が激しいので、継戦能力に難がある

「武器の扱いに長けたクラスは、魔力はあまり高くない傾向にあるし、魔力に長けたクラスは、武器のあつかいは得意では無いわ。どちらかに的を絞って、改良したほうがいいのではないかしら?」

同行者を同郷の者として紹介

マーニー・ジム 個人成績:

獲得経験:97 = 65全体 + 32個別
獲得報酬:3000 = 2000全体 + 1000個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
メフィスト様に
孫(タスク・ジム)がお世話になっているお礼を述べ
孫開発の名物を手土産に贈る
「炙ると美味しく、お酒に合います
その、召し上がれるお体かは分かりませんが…よかったら」

学園を必要な範囲で案内し
学園沿革
霊樹
世界情勢
種族、特にリバイバルについて
知る限りの情報を伝える
茶飲み友達であり、霊樹を守って逝ったツリーフォレストマンさんの最期を語るときには特に感情がこもる

【教導の才】を活かして端的にしかし豊かな情報を熱意をもって伝える
教職を目指す自分がどこまで通用するか試す機会でもある

肉体調査には全面的に協力する
何でも言うこときく
どんな無茶ぶりにもふふふと微笑んで
相手の要求以上の水準で応える

アドリブA

ソフィーア・ル・ソレイユ 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
同行者:アルフィオーネ·ブランエトワル(本名:アルフィンレーヌ)

同行者共に演武を披露。身体の検査やアイテムの実験に、協力してくれる学園生を探しているという、ハイドたちに対し、献体を申し出る同行者を止め、武器のテストを共にする。
(ぼくを差し置いて、レーヌの身体をあれこれするつもりかっ?! 絶対に許さないぞ)

マジカルアームシールド
概要:思考を読み取って、自動で稼働する、伸縮自在の腕が二本付けられた、両手盾

使用感
攻防一体の動きが可能。特にカウンターアタックに効果がありそうだったが、アームを思い通りに動かすのが難しく、変な動きをしたりする

「いくつかのパターンから選ぶ感じ感じにしたほうが、いいかもなぁ」

ルージュ・アズナブール 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
◆目的
ガラ&ララ様方と一緒に、学食の新メニューを考えますわ

◆方針
先日のグルメバトルのメニューは採用の方向でしょうし、グルメバトルになかったものや、秋向けのメニューを考えますわ

◆メニュー検討
カレーにカルパッチョ、ポトフ、パスタにグラタン、デザート
それにフィッシュバーガー、オニオンリング、ココナッツウォーター等々

ご飯ものがカレーだけなのは寂しいですわね
アルチェとボソク島の素材を使って、パエリアやピラフもよろしいかも

あと、メインを張れる魚介の焼き物や煮物が欲しいですわね
甘鯛やイトヨリをメインに使って、旬の日替わりブイヤベースとか

魚のすり身と玉ねぎを使ったフィッシュハンバーグなんかも……いかがかしらね

リザルト Result

 課題を終わらせ学園を移動していた【シルク・ブラスリップ】は、【メフィスト】と【ハイド・ミラージュ】を見つけ声を掛けた。

「魔法学園へようこそ! そっちはあれからどう?」
 これにメフィストが応えた。
「どーもでーす。開発は、そこそこですねー。あと私の世界はー、平常運転ですねー」
「そうなの?」
「世界滅ぼして破片を食べようと暗躍してる奴とかー、自分達にとっての神を手に入れるためにテロしてるのとかいますけどー、平常運転でーす」
「そっちも大変ね」
「こっちはどうなんですかー?」
「こっちはねー……ちょっとヤバいかな――」
 シルクは、最近の情勢を含めて説明した。
「――というわけで、ローレライやアークライトと対立してるのよ。霊玉は魔王軍に取られてるかもしれないし、魔族の動きも気になるわね」
「おーう。それはどうにかした方がいいですねー。うちの世界もー、それでえらいことになりかけましたしー」
 話を聞くと、種族間対立で戦争まで起き、それが切っ掛けで創造神に皆殺しにされかけたらしい。
「そっちもヤバい状況だったのね」
「そーですねー。でもどうにかなったのでー、こっちの世界もどうにかしましょー。そのためにもー、色々と開発したいんですがー」
「それなら、まずできそうなのを絞りましょ。欲しいけど無理じゃ意味ないでしょ? 需要があって一番楽に試せそうなのは探知機、かしらねー?」
 これにハイドが応える。
「ですね。他の試作品と一緒に置いてあるんで、試して貰えます?」
「分かった。なら、試作品はどこにあるの?」
「運動場に置いてます。実験に協力してくれる人探してたんです」
「それじゃ、運動場に行きましょう」

 道中、話を続ける。

「そういえば、世界転移門の強化はどうなってるの? あれ次第で、開発の全てが影響受けそうだけど」
 ハイドが応える。
「学園生さん達のお蔭で素材を定期的に手に入れられるようになったんで、開発中です。もうしばらくしたら試作品出来そうなんで、その時は実験に協力して貰えると助かります」
「結構、進んでるのね。それで、構造とかはどうなってるの?」
 技術的な話をしながら運動場に向かうと、そこで演武をしていた【アルフィオーネ・ブランエトワル】と【ソフィーア・ル・ソレイユ】が一行に気付く。
 
「あれは――」
 龍翼演舞の動きを止め、一行に視線を向けるアルフィオーネに、同じく演武をしていたソフィーアが尋ねる。
「レーヌ、知ってる人?」
「ええ。前に課題で会った人なんだけど――」
 簡単にその時の状況を話すと、ソフィーアは驚きと共に懸念点を漏らす。
「レーヌ、本気で、彼らをこちら側に召還するつもりなのか?」
(おじゃま虫が二人もっ! なんとか阻止せねば)
 やきもきするソフィーアだが、それには理由がある。
 おねえさんを自称し、やたらと可愛がって世話を焼いてくる【レネンヴィオラ】は、ちょっと苦手なのだ。
 そして昔、アルフィオーネに命を救われたことから、従者のように接し、ぴったりガードしている【セレスティンローザ】が居ると、アルフィオーネと2人きりになる時間が無くなってしまう。
「どうするんだい?」
「それは聞いてみないと」
 メフィストに声を掛け、レネンヴィオラとセレスティンローザについての話になる。
「どうしますかー?」
「確かに、あの2人がいてくれれば、頼もしいと思うけれども、そのつもりは無いわ」
 アルフィオーネは応える。
「第一級侵略型生命体……全ての生命と文明の敵。対抗するには全ての星々の人々が手を結ぶしかない。そう思っていたけど、わたしたちの仲間が、奴等への対応に、追われている間隙を縫って、悪は攻勢を強めている……この状況で、トップエースの3人をこちらに呼んでしまう訳には行かないわ」
「トップ4の間違いだろう。ぼくらの部隊の活躍は、君の支えが有ってこそだ」
「それならー、トップエースなのは貴女もじゃないですかー?」
「おだてたって何も出ないわよ? わたしは、100位位内に入ったことすらないのよ」
「謙遜はよせ」
 ソフィーアが言った。
「あの時、胴を真っ二つに両断され、虫の息だったセティを、一瞬で繋いでみせた、君の治療術……今もあの驚きを鮮明に覚えている」
「回復役は集団戦の要ですからねー」
 メフィストは頷くと、続けて言った。
「2人が元の世界に居られるようにー、転移門を調整してどうにかしましょー。その時はー、事情を説明した方が向こうも安心するでしょうからー、数分程度ですがー、事情を話せるように調整しまーす。あとはー、転移しちゃってる特一級侵略型生命体ですけどー、どうしますかー? こちらの世界に転移させるかー、私の世界に転移させるか出来ますよー」
「それは――」
 悩むアルフィオーネにメフィストは言った。
「私の世界に来たらー、とりあえずボコってそこから話し合いですねー。異界侵略体が相手ならー、普段『枷(リミッター)』の掛けられてる八百万や守護天使や管理神も枷を外せるのでー、どうにかしますー」

 幾らか話をして、全ては異世界転移門が安定してからとのことなので、今は実験に協力することに。
 献体を申し出るアルフィオーネだったが、ソフィーアが止めに入る。
(ぼくを差し置いて、レーヌの身体をあれこれするつもりかっ?! 絶対に許さないぞ)
 というわけで、武器実験に協力することに。

「これは、扱いが難しいわね」
 アルフィオーネが使ったのはマジカルジェットハンマー。
 魔力を噴射して攻撃力速度と打撃力の向上を狙った両手鈍器だが、短距離の高速移動にも使えることを発見したものの、重すぎる上に魔力消費も多いので継戦能力に難がある。
「武器の扱いに長けたクラスは、魔力はあまり高くない傾向にあるし、魔力に長けたクラスは、武器のあつかいは得意では無いわ。どちらかに的を絞って、改良したほうがいいのではないかしら?」
 同じようにソフィーアも協力する。
「予想外の動きをするのではダメだ」
 ソフィーアが使ったのはマジカルアームシールド。
 思考を読み取って自動で稼働する伸縮自在の腕が二本付けられた両手盾だが、攻防一体の動きが可能なのは良いが、使用者の意図しない動きが多々あった。
「いくつかのパターンから選ぶ感じ感じにしたほうが、いいかもなぁ」

 武器と同じように探知機の実験も行う。

「探知範囲の拡大と精度を上げるのが問題ね」
 探知機を操作しながらシルクが言った。
「これ、探知する対象に妨害されたらどうなるの?」
 ハイドが応える。
「難しいですね。妨害を掻い潜って探れるようにしないと」

 実験を続けていると、近くを通り掛かった【マーニー・ジム】が気付き声を掛けて来る。

「炙ると美味しく、お酒に合います。その、召し上がれるお体かは分かりませんが……よかったら」
 孫がお世話になっているので、彼が開発した名産を手渡す。
「おー、ありがとーでーす」
 メフィストは礼を返すと、状況を説明。
「あら、それでしたら、私達で手伝えることがあります」
 マーニーは、孫である【ヒナ・ジム】も合わせて協力を申し出る。
「もう少ししたら、来ると思うんですけれど」
 一緒に課題を受ける約束をしていたので運動場に来ていたのだが、時間が近付いてもヒナは来ない。
 ヒナを待つ間に、話をする。
「この世界には色々な種族が居ます。対立もありますけど、いつか手を取り合うことが出来ると思うんです」
 学園や課題と関わる中で得た知識や想いを込め、より良い未来のための総合計画を話す。
 それは更新を続ける、常日頃の取り組みが活きていた。
 メフィストは全てを聞き、さらに情報を得るために尋ねる。
「いま探知機で学園を探ってたのですがー、この大きな反応は何ですかー?」
「それは、霊樹ですね」
「れいじゅー? ですかー?」
 詳しく説明する。
「いざという時のために、魔力を貯蔵してくれているんです。以前は、ツリーフォレストマンさんが守っておられたんですけれど――」
 茶飲み友達であり、霊樹を守って逝ったツリーフォレストマンの最期を、思わず感情を込めて話していると、メフィストは興味を示す。
「質問なのですがー、この世界ではー、リバイバルしかー、死亡した後に甦れないのですよねー?」
「ええ、そうですけれど、なにか?」
「霊樹の近くにー、ふたつ魔力の反応があるんですよねー。んー?」
 何やら気になるようだった。なので――
「後で案内します」
「助かりまーす」
 その後も話をしていたが、ヒナが一向に来ないので探すことにする。
「ごめんなさい。探してきますから、アークライト枠の実験は後に回して下さい」
 マーニーは魔術師の箒を具現化させ、かっ飛ばして探しに向かった。

 その後も実験をしていると、【仁和・貴人】が通り掛かり興味を示す。

(要望出しておいて何もしないって無責任すぎるし義理にも欠けるからな)
「何か手伝えることはあるかな?」
「助かりまーす」
「データは多いほど良いのでぜひ」
 歓迎するメフィストとハイド。
 2人の様子に、貴人は苦笑するように肩の力を抜くと、要望を聞く。
「何をすれば良い? 必要な物があれば取って来るし、実験台になって欲しいならなるよ。まぁ、レベルがリセットされるかもだが」
「いやいや、そこまでして貰う訳には」
「今はデータ取りの段階ですねー」
 というわけで、メフィストが展開した、データを取るための魔法陣に貴人は乗っかる。
「これだけで良いのか?」
「大丈夫でーす」

 データを取っていると、【エリカ・エルオンタリエ】がやって来て、事情を聞いて協力を申し出る。

「何か手伝えることはある?」
「それなら――」
 対象の時間を止めることで封印する技術の協力を求められたが、それにエリカは応える。
「それって、食べ物に使うことはできないの? 封印術式を応用して、食料品の長期保存に利用できないか実験してみたいんだけど」
 可能なので、試してみることに。
 そこに貴人が加わる。
「それならこれを使ってみてくれないか?」
 高級なお肉と魔力の実を差し出す。
「肉体の変化の実験に使えるかもと思ったんだけど、封印術の実験にも使えないかな?」
「大丈夫でーす」

 というわけで実験。

「かなり魔力が必要なのね?」
 実験してみると、予想以上に魔力消費が多くなりコスト面で問題が出る。
 そこに貴人がアイデアを出す。
「肉体を変化させる技術を一緒に使うのはどうだろう? そっちの実験データも取れて良いんじゃないか?」
「面白そうでーす」
 ということで試すと――
「……なにこれ?」
 エリカは、じと目で実験品を見詰める。
 封印を解いた途端、うねうねと動く触手が生えた林檎のような物体が出来たのだ。
「失敗ですね」
「これはこれで面白いのでもっとやりましょー」
 盛り上がるメフィスト。
 その後も実験を続けていたが、食材が無くなって来たので追加で獲りに行くことにする。
「植物園で枝豆を育ててるって聞いたことがあるから、貰えないか行ってみる」
 そう言うとエリカは植物園に向かい、その間に、他の実験を続ける。

 実験が続く中、学食では、【ルージュ・アズナブール】による新メニューの開発が行われていた。

「秋向けのメニューを提案させて貰いますわ」
「良いね」
「楽しみだわね」
 スポンサーになる【ガラ・アドム】と【ララ・ミルトニア】の好感に、ルージュのやる気は盛り上がる。
「ご飯ものがカレーだけなのは寂しいですし、アルチェとボソク島の素材を使って、パエリアやピラフなんてどうでしょう?」
「良いわね。グルメバトルの料理は高評価だったし、出来あがる前から楽しみね」
 期待感一杯なララに応えるように、ルージュは腕を振るう。
「ムール貝やアサリ、イカやエビ。今が一番美味しい時期ですわ」
 ボソク島名産の玉葱をみじん切りした物に、海産物を加えて炒める。
「パエリアがハードル高いと思われる方には、同じ素材を使ったピラフにしましょう」
 香りだけで美味しい匂いが広がっていく。
 そこにボソク島のホワイトラムを使い深みを増す。
 パエリアとピラフが炊き上がる間に、さらに一品。
「メインを張れる魚介の焼き物や煮物が欲しいですわね。甘鯛やイトヨリをメインに使って、旬の日替わりメニューとか――」
 料理に慣れてるので、メニューは次々出来あがる。
「煮物としては、定番はブイヤベースでしょうか? 大きな魚を捌いて出る、頭やカマなんかのアラも、頭やアラを煮込んだり、カマを焼いたりしてもおいしいんですが……量が限られるのが難点ですわね」
「それならまとめて仕入れてあげるから、気にせず使って。身の方も、色々使えるでしょ?」
「ええ。魚のすり身と玉ねぎを使ったフィッシュハンバーグなんかも……いかがかしらね?」
「美味しそう。作ってちょうだい」
「もちろんですわ」
 魔法のように料理を作っていく。
 どれもこれも美味しそうで、しかも島の特色を出すのも忘れない。
「食べられる花(エディブルフラワー)もあると良いですわね。島やアルチェの花を盛り付けに使えば、一気に南国ですわ」
「見ても楽しめる料理ってわけだな。分かった、そっちの手配は任せてくれ」

 学食に美味しい新メニューが出来ていく頃、実験をしている運動場にヒナ達がやって来た。

「可愛いー!」
 手乗りサイズのメフィストを、ヒナは捕まえようとする。
「友だちになろう」
「ヒナ。偉い人なのよ」
 マーニーに窘められるヒナに、メフィストは気楽な声で返した。
「はははー、捕まえてごらんなさいでーす」
 これに、植物園でヒナが一緒に遊んだ子供達も参戦。
 色々とあって植物園で出会い、他の学園生も一緒になって付いて来ていた。
 そしてとっ捕まるメフィスト。
「捕まりましたー」
「やったー!」
 そうして遊んだあと、実験に協力する。
「ここにのればいいの?」
 データ収集用の魔法陣に乗るヒナ。
「おばあちゃまも!」
「ええ」
 遊ぶように2人で魔方陣に乗り、データを収集したメフィストに、貴人が言った。
「どうかしたのか?」
 アークライトであるヒナのデータを見たメフィストが考え込んでいるように見えたので訊くと、逆に尋ねられた。
「アークライトについてー、所感でも良いのでー、思いついたことがあれは教えてくれませんかー?」
「そうだな……」
 少し考え込んで応える。
「肉体が魔力で変化するのなら、アークライトに覚醒するのは【オールデン】に魔力をいじられて変わるからじゃないかな? 長く生きられないのは本来の魔力からかけ離れすぎて維持できなくなるからじゃ?」
「オールデンというのはー、光の精霊王とかいうヒトですよねー?」
「ああ。オールデンの加護を受けてアークライトに変わると言われてる。だから、変わる前のデータを取っておけばヒューマンに戻れるんじゃないかな? そうなると加護がどうなるか分かんないけど」
「加護ですかー……どちらかといえば呪いに近い気がしますねー」
 小さな声でメフィストは呟くと、ヒナに尋ねた。
「大人になってもみんなと一緒にいたいですかー?」
 これにヒナは、アークライトの宿命も理解した上で応えた。
「うん! おばーちゃまもにぃにも、ずっとずっと、さいごまでいっしょにいる!」
 これにメフィストは、軽い声で約束した。
「大丈夫ですよー。ちゃんと大人になれまーす。それに友だちも増えますよー」
「ほんとに? ヒナはがくえんでともだちひゃくにんめざしてるんだ! ちがうせかいでも、おともだちできたらいいな」
「年の近い子を知ってますよー。今度会わせてあげましょうかー」
 喜ぶヒナ。
 その後、以前戦った蟲のことを話すと――
「それはー、飢えを満たしてあげないとー、根本的な解決にはならないでしょうねー。だとしたらー」
 その場では答えが出ないのか、色々と考えるメフィストだった。

 そうして実験を進め、エリカも再び加わる。

「食材だけじゃなくて、料理を作って、それを封印術で保存できないかも試してみたいの」
 これに賛同し、手軽に料理を作れる場所として学食に。
 そこには、料理を作り終ったルージュがいた。
「新メニューを作ったんです。みなさん、試してみて貰えませんか?」
 ルージュに試食を頼まれ、皆で美味しく食べる。
 その美味しさに刺激され――
「俺も作ってみるかな」
 貴人も料理作りに加わる中、エリカはララとハイドに提案する。
「美味しい出来立ての料理を届けられるようにしたいんです。協力して貰えませんか?」
「良いわね。商売になりそうじゃないの」
「でしたらうちにもスポンサーとしてぜひ!」
 ちゃっかり売り込みを掛けるハイド。
 協力も得られ、エリカも料理に腕を振るう。
「魚の燻製と野菜を酢や柑橘の汁であえたマリネと、山菜やハーブのオイル漬け。果物の砂糖漬けにジャムも良し。あとは、枝豆は茹でて塩を振って――」
 植物園で会った学園生から貰った枝豆も料理する。
 当然、枝豆万歳な学園生も料理をしていた。
 色々なメニューが出来あがり、折角なので皆で美味しく食べる。
 食べ終わり、実験。
「……味が、変わってる……」
 物によっては、激マズ料理になったり――
「キシャー!」
「なんでキメラみたいなのになってるの!」
 食べ物が危険物になったりしたが、成功に近い物もあり、あとは地道に調整するのみとのことだった。

 学食でご飯を食べて実験が終わると、最後にメフィストを霊樹の元に案内する。
 すると、新しい霊樹に会いに来ていた学園生が先客としていた。
 その後、メフィストが魔力探知機で周囲を探り――
「おーう。やっぱりー、霊樹の傍にー、もうひとつ大きな魔力の塊がありますねー」
 それは、亡くなったツリーフォレストマンの魂が、見守る様にそこに居るのだと分かった。
 けれど、ヒューマンではないツリーフォレストマンは、リバイバルのように蘇ることは無い。
 それでも見守るようにとどまっているツリーフォレストマンの魂に、先客として来ていた学園生が想いを込めた演奏を奏でる。
 その演奏に乗せるように、それぞれ想いを込める学園生達であった。



課題評価
課題経験:65
課題報酬:2000
学園での一日・異世界人+α編
執筆:春夏秋冬 GM


《学園での一日・異世界人+α編》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 1) 2021-10-13 00:05:44
賢者・導師コースのエリカ・エルオンタリエよ。よろしくね。

封印術式を応用して、食料品の長期保存に利用できないか実験してみたいと思うわ。

《ゆう×ドラ》 シルク・ブラスリップ (No 2) 2021-10-13 09:32:50
村人・従者コースのシルクよ、よろしくー。

前回(シナリオ『異世界人と、こんにちは』)で幾つか要望投げてるし
メフィストたちと出来そうなものがないか実験してみる予定。

とりあえず実現が期待できそうな探知機系からかな?
洗脳対策系はサンプルが用意しづらいけど、こっちは目の前にいい実験だ…サンプルがあるわけだし

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 3) 2021-10-14 14:20:14
教祖・聖職者専攻のアルフィオーネ・ブランエトワルです。どうぞ、よしなに。

肉体の調査に協力しようと思っているわ。こういうことには慣れているから

《新入生》 ヒナ・ジム (No 4) 2021-10-14 19:38:35
ヒナ・ジムです。ゆうしゃ・えいゆうコースです。
よろしくおねがいします(ぺこり)

アークライトなので、しんたいそくていにきょうりょくするね。
ようせいさん、かわいいし、にぃにがおせわになってるっていうから。

《真心はその先に》 マーニー・ジム (No 5) 2021-10-14 21:35:43
賢者・導師コースのマーニー・ジムです。
よろしくお願いいたします。

私は、リバイバル枠の肉体調査協力と、
学園案内を考えてるわ。

メフィスト様には孫が大変お世話になっているので、
出来るだけ協力するつもりよ。

《スイーツ部》 ルージュ・アズナブール (No 6) 2021-10-15 05:15:44
村人・従者コースのルージュと申しますわ。
よろしくお願いいたしますわね。

折角ですし、ガラララさま方に協力して、秋向けメニューを相談してみようかと。

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 7) 2021-10-15 06:29:16
ヒナちゃんとマーニーさんが参加するなら、そちらのほうは十分な気がするわね。ソフィーも参加したがっているし、武具の実験に立ち会うことにするわ

《真心はその先に》 マーニー・ジム (No 8) 2021-10-15 08:13:40
あら、アルフィオーネさん。
気を使わせてしまってごめんなさい。

肉体調査はサンプルが多ければ多いほど助かるだろうとも思うけど・・・
武具の実験というのは確かに、今手薄だし、
私もヒナも(←武器は使うけど何しろ幼いし)不得手だから、
とてもありがたいわ。

《真心はその先に》 マーニー・ジム (No 9) 2021-10-18 22:57:08
いよいよ出発ね。

私の方は、予定通りの肉体調査協力のほか
メフィスト様に学園の案内をして差し上げて、
学園沿革、霊樹、世界情勢、種族…特にリバイバルについて
可能な限り情報提供をしてみるわ。

これは半分は個人的なことだけど…
霊樹を守って逝ったツリーフォレストマンさんのお話も
聞いていただこうと思うの。

皆さんそれぞれの協力が実を結び
有意義で豊かな時間になりますように。
リザルトの成功を、お互い祈りましょう。