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異世界に行ってみよう


ストーリー Story

 小都市セントリア。
 異世界転移の核となる特異点研究所を中核として、それを隠蔽するための複数の研究所からできた研究都市だ。
 学園生達のお蔭で研究は進展しており、その成果が形になろうとしていた。

「完成です!」
「徹夜した甲斐がありましたー」
 セントリア中央にあるドーム型研究所の中で、、研究所責任者【ハイド・ミラージュ】と異世界人である【メフィスト】は、他の研究員達と共に歓声を上げた。
「これでさらに実験が出来ますね!」
「向こう側からの物資も持って来れそうですしー、もっと実験しましょー」
 若干ハイテンションになっているというか、マッドサイエンティストっぽくなっていた。
「とりあえずメフィストさんの世界と接続チャンネル繋げてますが、調整すれば他の世界にも繋げられるかもしれないですね」
 目を輝かせながら、ハイドは『異世界転移門』を見詰めた。
 外観は、ストーンサークルのような見た目をしている。
 巨人であるサイクロプスから提供されたアダマント鋼の柱を同心円状に配置し、中央には異世界転移の核となる特異点の鏡を組み込んだ制御柱が、どーんっ! と建っている。
 床を見れば、超高密度の術式が刻まれた魔法陣になっており、それにより異世界とこちらの世界を安全に繋げられるようになっていた。
「色んな世界の技術や理論と出会えるかもしれないのはワクワクします!」
 今にも『異世界転移門』を発動させようとしているハイドに、メフィストが言った。
「理論上は可能でしょうけどー、下手するとヤッベーのがこの世界に来るかもしれませんしー、リミッターを外して運用するのは止めといた方が良いかもですねー」
 メフィストの突っ込みに、ハイドは一瞬固まったあと応える。
「……まぁ、そうですね。手に負えない世界と繋がっちゃうとダメですし」
 残念そうに言うが、紙一重の良識で踏み止まった。とはいえ――
「安全を確保した上での実験は積極的にしていきたいですよね!」
 根本が研究者なハイドは、実験そのものは、やる気満々だ。
 これにメフィストは賛同する。
「実験は必要ですねー。現状だとー、せいぜい数分から1時間ぐらいしかー、人は転移できませんからねー」
 縁が関係してますからねー、などと言ったあと、続けて言った。
「本格的に始動する前にー、学園生に協力して貰いましょー。何かアクシデントがあってもー、対応して貰えそうですしー」
「好いですね! それならついでに、この前と同じく製造したアイテムの実験にも協力して貰いましょう!」
 そう言うとハイドは、符を数枚取り出す。
「これなんかは、ほぼ実用化できてますけど、他のはまだまだですし」
 言いながら、打ち上げ用に設置していたテーブルに符を置いて、一部を破る。
 その途端、美味しそうな料理が現れた。
「どこでも食符。出来立ての料理を封印して、いつでも自由に出せる。便利で良いですよね」
 説明しながら、見た目だけでなく匂いも美味しい料理に、ハイドだけでなく他の研究員達も腹が鳴る。
 ちなみに現れた料理は、学園の学食で正式採用された物を持って来たものだ。
 甘鯛をメインにしたブイヤベースや、ムール貝やアサリにイカやエビを使ったパエリヤに、同じ食材を使ったピラフ。
 食べられる花(エディブルフラワー)が彩りとして加えられ、目で見ても楽しめる。
 他にも、枝豆を使ったコンソメスープや、魚の燻製と野菜を酢や柑橘の汁であえたマリネと、山菜やハーブのオイル漬けなどなど。
 見ていて食欲がそそられる。
 なので、寝食を惜しんで頑張っていた研究員達は、次々手を伸ばし食べていく。
「美味い」
「うめぇ」
 ガツガツ食べる研究員に、自分の分を取られまいとハイドも手を伸ばす。
「はふ、もぐ――っごく。いやぁ、これ良いですよねー、便利で。他のもこれぐらい実現できてれば好かったですけど、資金面とか色々ありましたからね」
 他にも実験的なアイテムは幾つもあったが、スポンサーの確保が出来ていた物だけが、実現が出来ているというわけだ。
「武器の方は、魔力や思考の受け取りを抑制できる機構が完成しないと難しいですし」
「そっちの方はー、私の世界から抑制機構に使える材料を持ってきますからー、どうにかできますよー。魔力探知機もー、使える材料が無いか見繕っておきましょー」
 そう言うと、メフィストも料理争奪戦に加わるのだった。

 などということがあった数日後。
 ひとつの課題が出されました。
 内容は、小都市セントリアでの実験に協力して欲しい、とのことです。
 異世界に訪れたり、異世界の技術や材料を使ったアイテムの製造に力を貸して欲しいようです。
 巧く協力すれば、きっと学園の力にもなる筈です。
 皆さんの力を貸して下さい。


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 6日 出発日 2021-11-24

難易度 普通 報酬 通常 完成予定 2021-12-04

登場人物 8/8 Characters
《ゆうがく2年生》シィーラ・ネルエス
 ローレライ Lv18 / 賢者・導師 Rank 1
「えぇ、私異世界から来たの」 「…そうね、そのはずなのに」 「うみにかえりたい、たまにそう思うの」 いつもおっとりした言葉遣いが特徴的なローレライの女性 おっとりとした言動とは裏腹にわりと勢いとノリがいい 自称、異世界からやってきたとのことだが… 容姿 ・海色のロングウェーブ、たれ気味の薄青の瞳 ・ゆったりとした服を好んで着ている ・胸は大きめ 性格 ・マイペースでおっとりとした性格…と見せかけてその実やりたいことはとことんやる、言いたいことはぶっちゃける ・困っている人には手を差し伸べるが、必要以上に他人と接しようとしない。あえて一定の距離を置いている節がある。人嫌い、というわけではない模様 ・ちなみに見た目よりかなり年上だが、間違っても「おばさん」とかは言ってはいけない ・笑いの沸点が低く、ちょっとしたことでもすぐ笑う ・取り繕うのは上手、なので平然とした顔で内心大笑いしていることは多々あり 好きなもの 海、歌 二人称:アナタ、~さん 仲良くなった人には呼び捨て、~ちゃん、〜くん 三人称:皆様、アナタ方
《ゆう×ドラ》シルク・ブラスリップ
 エリアル Lv17 / 村人・従者 Rank 1
「命令(オーダー)は受けない主義なの。作りたいものを、やりたいように作りたい……それが夢」 「最高の武具には最高の使い手がいるの。あなたはどうかしら?」 #####  武具職人志願のフェアリーの少女。  専門は衣服・装飾だが割と何でも小器用にこなすセンスの持ち主。  歴史ある職人の下で修業を積んできたが、閉鎖的な一門を嫌い魔法学園へとやってきた。 ◆性格・趣向  一言で言うと『天才肌の変態おねーさん』  男女問わず誘惑してからかうのが趣味のお色気担当。  筋肉&おっぱい星人だが精神の気高さも大事で、好みの理想は意外と高い。 ◆容姿補足  フェアリータイプのエリアル。身長およそ90cm。
《枝豆軍人》オルタネイト・グルタメート
 リバイバル Lv15 / 魔王・覇王 Rank 1
■性別■ えだまめ(不明) ■容姿■ 見た目:小柄で中性的 髪:緑のショートヘア 目:深緑色 服:生前の名残で軍服を好む。 あとなぜが眼帯をしてる。 ※眼帯に深い理由はない。 ■性格■ 元気(アホの子) 意気揚揚と突撃するが、結構ビビりなのでびっくりしていることもしばしば。 ■趣味■ 枝豆布教 ■好き■ 枝豆(愛してる) ■苦手■ 辛いもの(枝豆が絡む場合は頑張る) ■サンプルセリフ■ 「ふはっはー!自分は、オルタネイト・グルタメートであります。」 「世界の半分を枝豆に染めるであります!」 「枝豆を食べるであります!おいしいのであります!!怖くないのであります!」 「これでも軍人さんでありますよ。ビビりじゃないであります!」 「食べないで欲しいでありますー!!自分は食べ物ではないであります。」
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。
《マルティナの恋人》タスク・ジム
 ヒューマン Lv36 / 勇者・英雄 Rank 1
村で普通に暮らしていましたが、勇者に憧れていました。 ここで学んで一人前の勇者になって、村に恩返しをするのが夢です。 面白いもので、役所勤めの父の仕事を横で見聞きしたことが、学園の勉強とつながり、日々発見があります。 (技能はそういう方針で取得していきます) また「勇者は全ての命を守るもの、その中には自分の命も含まれる」と仲間に教えられ、モットーとしています。 ※アドリブ大歓迎です! ※家族について デスク・ジム 村役場職員。縁の下の力持ち。【事務机】 (※PL情報 リスクの子) ツィマー・ジム おおらかな肝っ玉母さん。 【事務室・妻】 シオリ・ジム まじめできっちりな妹 【事務処理】 チェン・ジム のんびりマイペースな弟 【事務遅延】 ヒナ・ジム 可愛い末っ子 【事務雛型】 リョウ・ジム 頑固な祖父 【事務量】 マーニー・ジム 優しい祖母。故人 【事務マニュアル】 タックス・ジム 太った叔父。【税務事務】 (※PL情報 リョウの子) リスク・ジム マーニーの元婚約者でリョウの兄。故人【事務リスク】 ルピア・ジム 決まった動作を繰り返すのが大好きなグリフォン。【RPA事務】 ※ご先祖について アスク・ジム 始祖。呼吸するように質問し、膨大なメモを残す。【事務質問】 「あなたのお困りごと、お聞かせいただけませんか?」 セシオ・ジム 中興の祖。学園設立に向けて、土地や制度等に絡む諸手続きに貢献。【事務折衝】 「先祖の約束を今こそ果たす時。例え何徹してもやり遂げる!」
《幸便の祈祷師》アルフィオーネ・ブランエトワル
 ドラゴニア Lv23 / 教祖・聖職 Rank 1
異世界からやってきたという、ドラゴニアの少女。 「この世界に存在しうる雛形の中で、本来のわたしに近いもの が選択された・・・ってとこかしらね」 その容姿は幼子そのものだが、どこかしら、大人びた雰囲気を纏っている。  髪は青緑。前髪は山形に切り揃え、両サイドに三つ編み。後ろ髪は大きなバレッタで結い上げ、垂らした髪を二つ分け。リボンで結んでいる。  二重のたれ目で、左目の下に泣きぼくろがある。  古竜族の特徴として、半月型の鶏冠状の角。小振りな、翼と尻尾。後頭部から耳裏、鎖骨の辺りまで、竜の皮膚が覆っている。  争いごとを好まない、優しい性格。しかし、幼少より戦闘教育を受けており、戦うことに躊躇することはない。  普段はたおやかだが、戦闘では苛烈であり、特に”悪”と認めた相手には明確な殺意を持って当たる。 「死んであの世で懺悔なさい!」(認めないとは言っていない) 「悪党に神の慈悲など無用よ?」(ないとは言っていない)  感情の起伏が希薄で、長命の種族であった故に、他者との深い関りは避ける傾向にある。加えて、怜悧であるため、冷たい人間と思われがちだが、その実、世話焼きな、所謂、オカン気質。  お饅頭が大のお気に入り  諸般の事情で偽名 ”力なき人々の力になること” ”悪には屈しないこと” ”あきらめないこと” ”仲間を信じること” ”約束は絶対に守ること” 5つの誓いを胸に、学園での日々を過ごしている
《ビキニマン》ソフィーア・ル・ソレイユ
 ドラゴニア Lv12 / 武神・無双 Rank 1
生き別れたパートナーを探して、学園にやってきた、ドラゴニアの少女。 金髪ゆるふわカールのロングヘアー。前髪をひまわりのヘアピンで左にまとめている。褐色肌の筋肉質で、無駄な肉は一切ないのにバストとヒップはかなり豊か。大きな翼と長い尾。火柱のような角。後頭部から下顎、鎖骨辺りまで、サンライトイエローの鱗が覆っている。 いかにも女の子らしい容姿だが、性質は男性的で、なぜ、胸に目が入らないのか、よく、男性に間違えられる。 実直で騎士道精神にあふれている。だが、敵にたいしてはわりと容赦ない。闘争本能が強く、戦いを、とくに強者との対峙を好む。そのため、いつでも戦えるよう、入浴中以外は、ビキニアーマーを着込んでいる 武器収集癖があり、手入れを決して怠らない かなりの大食漢。なんでもおいしそうに食べるが、中でも『地球』で食べた、ラーメン、炒飯、餃子が大好き。彼女曰く、『”食”の宇宙三大至宝』であるとか。 ”力なき人々の力になること” ”悪には屈しないこと” ”あきらめないこと” ”仲間を信じること” ”約束は絶対に守ること” 5つの誓いを貫くために、日々鍛錬を欠かすことはない 諸般の事情で偽名 ある人物に、ずっと片思いをしている。勇気がなくて、告白はしていないが、それとなくアピールはしている。 酒乱なので、酒を飲ませてはいけない
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に

解説 Explan

●目的

小都市セントリアでの実験に協力する。

●選択肢

以下のふたつの内、どちらか一つを選んでプランに書いていただけます。

1 異世界に訪れる。

異世界に訪れましょう。数分から1時間ほどで戻って来れます。
どの程度訪れるかは、好きに決められます。

訪れる異世界は、

メフィストの居る煉界のディスメソロジアか、好きな異世界に訪れることが出来ます。

PCが異世界から転移してきた設定の場合は、元居た世界に訪れる事も出来ます。
その際、フレーバー的な物になりますが、元の世界にある物を持って帰っても良いです。
あくまでもフレーバーになりますので、装備品としてのアイテムが手に入る訳ではありません。
元居た世界の関係者と話したりすることも可能。

それ以外の異世界に転移する場合は、基本はオリジナル設定の異世界にして下さい。
そうでない場合は、大人の事情で内容がぼやかされたりします。

また、弊社がこれまで運営してきた他の世界、そそらやカタストなどでしたら、大丈夫です。

そして煉界のディスメソロジアに関しては、

中世風ヨーロッパ調で蒸気技術と魔術が組み合わさった世界

になってます。この世界に訪れて、何かしらコネを作っておく(NPCを作って出す)とかも可能です。

1の内容によっては、新規のエピソードのネタとして、関連する物が出る可能性があります。

2 オリジナルアイテムの製造に協力する。

煉界のディスメソロジアの技術や材料を使ったオリジナルアイテムの製造に協力してください。

現在、武器や魔力探知機などが製造中です。

他のオリジナルアイテムの製造も可能です。

ここで製造に協力したオリジナルアイテムは、今後のエピソードで出て来る場合があります。

●その他

選択肢は、どちらか一つを選んで頂ければ大丈夫です。
ですので参加者全員が、どちらかの選択肢に偏ったとしても成功度は変わりません。

以上です。


作者コメント Comment
おはようございます。もしくは、こんばんは。春夏秋冬と申します。

今回は、異世界に行ってみよー、というのと、オリジナルアイテムを作ってみよー、という内容になっています。

解説でも書いていますが、今回の内容をネタにして新規のエピソードが出てきたりする場合があります。なので、新規エピソードのネタにするつもりで何かしらプランに書くとかもアリです。

ただ、確実に発生するとは限りません。

それと異世界転移関連は、今後も出す場合があります。あまり受けが良くないなー、という場合は、静かに出て来なくなる可能性もあます。

また、オリジナルアイテムに関しては、現時点では手に入れることは出来ません。
エピソードで今後出てきたりとかは、高い可能性であり得ます。

それでは、少しでも楽しんでいただけるよう、判定にリザルトに頑張ります。


個人成績表 Report
シィーラ・ネルエス 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
…いきたい、あの場所に
かえりたい、かえらなきゃ
………どこに?

1、ディメ世界へお邪魔
メフィストに案内され、教団へ着くや否や落ち着きがない
静止も振り切ってどこかへ歩き出し
そうこうしてる内に迷子になってしまい
教団員の人に道案内までされてしまった
恥ずかしい…ですね……(背筋ぴん)
え?えっと…すみません、なんだか、体が勝手に…

・提案
お二人は戦ったりもするの?…もし、もしよければ
訓練を、つけてほしいの。模擬戦、みたいな風に
強くなりたい、きっとみんなも同じだから…
そ、それと……もっとお話したいなって

シルク・ブラスリップ 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:144 = 60全体 + 84個別
獲得報酬:3600 = 1500全体 + 2100個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
●方針
2 オリジナルアイテムの製造に協力
多くの人が『1』にいくようなので、それらも代理で対応。

※自分の分は『異世界存在の探知機』『封印装置/設備』
※代理担当で確認済はタスクの『洗脳対策』、その他も可能な限り対応


●行動
今回もメフィストたちと情報交換から。
自分は皆が異世界に向かっている間、研究の方を担当。

現状は封印符と洗脳対策の方が進んでいるようなので、そちらの研究を優先しつつ
探知機は封印・結界技術を流用して改善できないか提案。

例としては探知を遮蔽する結界に細いスリット穴を開けた外殻で探知機を覆い、探知に指向性を持たせるなど
(『どの方向にいる』『どれくらいの距離にいる』がわかれば誤認は減らせるはず)

オルタネイト・グルタメート 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
心情;はっ!!ここは、なんというところでありますか!?まさか、天国?!

選択;1 異世界に訪れる。
   →枝豆がいっぱいとれる世界

行動;世界がどのような場所か認識したらダッシュで移動
まずは、現地民と仲良くなるべくお話
その後に、栽培方法や料理方法、加工方法を聞く
聞いたことはメモを取り、忘れないようにする
食糧難や遊牧民の食糧問題を解決できるように、たくさん聞きたい

聞くだけでは申し訳ないので、自分の知る知識などを代わりに提供
協力すれば、新たな知識が誕生するかもしれない……?

万が一、面倒ごとに巻き込まれたら肉体言語でお話

エリカ・エルオンタリエ 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
異世界探訪

自分は記憶を失った状態で学園へ来た
以前の事は明瞭には思い出せないが
21世紀頃地球、日本と呼ばれる世界に懐かしさを覚える
そこで苛烈な闘いの日々を送っていたようだ
とても辛く厳しい記憶だったかもしれない
だけど、それだけではなかったはず
それが何なのか。見つけられるか分からないけれど行ってみよう

記憶が曖昧なため、本当に元居た世界を特定する事は難しく
よく似た別世界を訪れてしまう可能性は高い
(現代日本ではあるが超能力者や怪異が存在し、それを狩る組織がある世界)

そこで危機に晒されれば、今の自分が忌避しているが
元々持っていた苛烈な感情や破壊の力を思い出してしまうかも

参考課題『ゲンダイニホンという魔境』

タスク・ジム 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
ディメ世界を訪れ
桃山令花、和樹、叶花と会う

兼ねてから悩みの種となっている種族分断について
和樹から「競いながらも世界の平和という同じ方向を向いてるのは
スポーツと似ている」ヒントを得て
競い合いも楽しめばいいと前向きに考えられるようになる

2種族のうち片方(天遣)は競争というより思い詰めてる様子で
何か大きな秘密や問題を抱えていそう、とこぼすと
令花から「そんなときこそ『お困りごと、解決いたします』でしょ」
自分の決め台詞が出てきたことに驚きつつ
確かに彼等の苦悩を理解し寄り添う気持ちで取り組めばいつかは光が射す予感がする

叶花を見て
妹ヒナ・ジムと良い友達になれそう
今日は来れなかったけどいつか連れてきたい
と語る


アルフィオーネ・ブランエトワル 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
同行者:ソフィーア・ル・ソレイユ

同行者と共に、自分たちの世界を訪れ、異世界への門をくぐり、こちらの世界に来ようとしている二人の仲間に、思いとどまるよう説得。学園のこと、魔王のことなど、現在の状況を説明。仮に、完全に転移可能になったとしても、魔王を倒し、平和を取り戻すまでは帰らないと宣言


「ヴィオ姉様たちには、ここに残って欲しい。あちらの世界では、わたしたちの”力”は行使できないですし、帰ってきた時、ひどい状況になっていたら・・・辛いです。わがままいってごめんなさい」

「セティ。あなたとソフィーがいつも守ってくれたから、わたしは役割を全うすることができた。感謝しているわ。今度はヴィオ姉様を守って」

ソフィーア・ル・ソレイユ 個人成績:

獲得経験:72 = 60全体 + 12個別
獲得報酬:1800 = 1500全体 + 300個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
同行者:アルフィオーネ・ブランエトワル(愛称:レーヌ)

同行者と共に、自分たちの元世界へと転移する。故郷のことは仲間に託し、必ず魔王を倒し、帰ってくると誓う。セレスティンローザの求めで、二人だけで話をする


「きみたちが、第一級侵略型生命体を滅ぼすのが先か、ぼくらが魔王を倒すのが先か、勝負だな」


仲間二人から渡された装備品を、ハイドに預ける


「これ、なにかの参考になるかもしれない。きみに一旦預けるよ。大事に扱ってくれよ?」


サイコブレード・・・精神力を刀刃に換える、ビーム剣。使い手により、性質や形状をも変化する

ヴァリアブルブラスター・・・3つのつまみがあり、その調整次第で、多様な弾を射出できる光線銃

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:60 = 60全体 + 0個別
獲得報酬:1500 = 1500全体 + 0個別
獲得友情:300
獲得努力:50
獲得希望:5

獲得単位:0
獲得称号:---

リザルト Result

 異世界転移門を通じて学園生達は異世界に向かう。
 道先案内人は【メフィスト】。
 同時に複数連れて行くので大丈夫か聞くと、時間軸をズラしていくので問題ないとのこと。
 しかも、こちらの世界にはフェアリータイプのメフィストが居続け、アイテム製造を残った【シルク・ブラスリップ】達とすることになった。

「うー、私も異世界に行ーきーたーいー!」
「行ってみたい異世界があるのですかー?」
 メフィストに聞かれ、シルクは応える。
「ネビュラロン教官の世界も気になるのよね! エスバイロとか、アニマとか」
「それはどういうことですかー?」
 詳しく話すと、メフィストは平然と言った。
「おーう。その世界ならー、将来的に私の世界にぶつかって同化しますねー」
「そうなの?」
「そうでーす。時間をループさせちゃって崩壊した世界なのでー、過去と未来の二つの世界線に分岐しちゃってるのでー、別れた二つ分の世界がぶつかってきますがー」
 ぶつかってきそうな世界を事前に観測してるそうなのだが、観測結果がそういうことらしい。
「将来的にぶつかってきちゃうのでー、出来れば今の内に連絡とっておきたかったですしー、機会があったら行ってみますかー?」
「考えておくわ。でも今はそれより、アイテム作りに集中しましょ。現状は、どうなってるの?」
「封印符と洗脳対策を進めてまーす。あと並行してー、魔力探知機も進めてますよー」
 話を聞くと、洗脳対策に薬物的な物も作っているが、最終的には人体実験が必要なので進めたくても進められないとのこと。
「魔力が結晶化した物を薬学的に使う練丹術という物もありますのでー、それを流用しようかとー」
「好いわね。洗脳対策以外にも使えそう。あとは、封印に関してなんだけど――」
 封印に関しては、効果は薄いが簡易な物は出来ているので、その発展として強力な物を試行錯誤しているらしい。
 話を聞いたシルクは思案する。
「洗脳対策も結界技術が使えるといいんだけど」
「出来ますよー。そっちの方が効果は良いですしー」
「そうなの? 実物見せて貰える?」
 シルクは実物を見て閃く。
「この封印用の結界……探知機の制御に使えないかしら? 探知を遮蔽する結界に細いスリット穴を開けた外殻で探知機を覆って、探知に指向性を持たせるとか」
「出来そうですねー」
「ならそれを利用して、『どの方向にいる』『どれくらいの距離にいる』が分かれば誤認は減らせるはずよ」
 シルクの提案で、洗脳に関連するアイテムや、特に探知機に関する精度が上がることになった。

 他にもアイテム協力のため、【仁和・貴人】が意見交換する。

(時間制限があるとはいえ元の世界に戻れるのか)
 そちらにも興味はあったがアイテム作りを手伝うことにする。
(うーん、こっち来てから時間が経ってるし向こうの事もどうなってるか想像は出来るけど確定じゃないし、今戻っても混乱させるだけだよな……言い方悪いけど、とりあえずは戻らなくてもいいかな)
 割り切って考える。
(何かアイディアあるわけでもないけど……一応、元の世界の知識で使えそうなのあったら教えていく感じでいいか)
 メフィストに話すと応えが返ってくる。
「おー、それは地球ですねー」
「知ってるのか?」
「あそこは自然発生した世界の中では非常に安定してるのでー、色んな創造神がモデルにしてたりー、他の世界が写し取って派生世界が出来たりしてますからー。なのでー、どの『地球』なのかまではー、分からないですねー」
 そして話は、さらに進む。
「メメたんの回復の件、どの程度進んだのかな?」
「少しずつですが進んでまーす。異世界からこちらの世界に転移した貴方の情報も使わせて貰ってますよー」
「いつぐらいに完成しそうかな?」
「それはサンプル次第ですねー。本人が直接協力してくれると早いんですがー」
「協力か……」
(難しいだろうな)
 体調が回復する代わりに弱体化するのなら本人は望まないだろう。けれど――
(メメたんには元気でいて欲しい)
「本人が協力を渋っても、どうにかできないかな?」
「身体の一部ー、髪の毛一本でも良いですがー、あると助かりますねー」
「それぐらいなら、協力してくれるかな……」
(黙って持って行くのも問題だしな……)
 悩む貴人だった。

 アイテム製造の協力をしている頃、異世界に転移した学園生達は、それぞれ動いていた。

 時空の歪みが【レネンヴィオラ】と【セレスティンローザ】の前にあった。
 それは第一級侵略型生命体が作り出した異世界への門。
 先に跳び込んだ仲間に続こうと、2人は進もうとし――
「待って!」
 先に跳び込んだ筈の【アルフィオーネ・ブランエトワル】の声で踏み止まった。
「よし、間にあったみたいだな」
 アルフィオーネの隣には【ソフィーア・ル・ソレイユ】も同行し、2人を見詰めていた。
「どういうことだ」
 硬い口調でセレスティンローザが疑問を口にし、一方のレネンヴィオラは、仲間以外の相手に小首を傾げる。
「そちらの人は誰かしら~?」
「メフィストと言いまーす。詳しいことは2人から聞いて下さーい」
「分かったわ~」
 頷くレネンヴィオラと、神妙な表情で視線を向けるセレスティンローザに、アルフィオーネが説明した。
「……そんなことが」
「2人とも~、大変だったわね~」
 セレスティンローザは驚き、レネンヴィオラは感心したように言った。そして――
「こちらの世界に戻って来れないのか?」
 生真面目な表情で尋ねるセレスティンローザに、アルフィオーネが返す。
「今はまだ、その時じゃないから。完全に転移可能になったとしても、魔王を倒し、平和を取り戻すまでは帰るつもりはないわ」
「なら~、お姉さん達も行くのはどうかしら~」
「ヴィオ姉様たちには、ここに残って欲しい」
 レネンヴィオラの提案に、アルフィオーネは返す。
「あちらの世界では、わたしたちの”力”は行使できないですし、帰ってきた時、ひどい状況になっていたら……辛いです。わがままいってごめんなさい」
「いいのよ~」
 ふわりとアルフィオーネを抱きしめながら、レネンヴィオラは返した。
「そ~こまで言われちゃ~お姉さん~がんばっちゃおうかな~? ま~かせて~可愛くない虫どもなんか~けっちょんけっちょんに~のしてやるから~」
「……ヴィオ姉様」
 ぎゅっと抱きしめ返すアルフィオーネ。
 それを見つめていたセレスティンローザとソフィーアだったが、はっと何かが思い浮かんだのか、セレスティンローザが言った。
「少し話がある」
「なんだい?」
 呼び掛けられ、少し離れた場所で2人は内緒話をする。
「貴公、レーヌ殿に変な真似はしていないであろうな?」
「なんのことかわからないな」
「とぼけるなっ!」
 思わず声が大きくなりかけたので声を潜めて続ける。
「貴公がレーヌ殿にどういう感情を抱いているか、知らぬとでも思ったか?」
「つまり、ぼくにレーヌをとられるのが嫌ってことか」
「じ、自分は、貴公のように邪な考えなど持っておらぬわ!」
「でも、好きって、行きつく先はそういうことだぞ?」
「……」
「レーヌが考えていることは、一人でも多くの人を救いたいってことだけさ。もう少し、ぼくにも気をかけてほしいものだ」
「……」
 などと話している頃、レネンヴィオラはメフィストに声を掛けていた。
「えっとぉ。メフィちゃんだっけ~? うちの子たちが~お世話に~なったわねぇ~。お礼に~宇宙戦艦一隻~、どど~んと、プレゼントするわよ~」
「おー、いいですねー。貰ったのは改造しても良いですかー?」
「いいわよ~」
 世間話のようなノリで話を続け、今回の件は本部に事のあらましを報告し、メフィストに今後も自分を窓口として連携を取りたいと提案した。
 了承するメフィスト。
 話は終わり、戻る時が来る。
「一緒に行けないけど~、代わりにこれを持って行って~」
「役に立ててくれ」
 認識票も兼ねるCGFの標準装備であるサイコブレードとヴァリアブルブラスターを受け取る。そして――
「きみたちが、第一級侵略型生命体を滅ぼすのが先か、ぼくらが魔王を倒すのが先か、勝負だな」
 ソフィーアの言葉に皆は笑顔で頷きながら、それぞれの世界に分かれた。
 転移門から戻ったソフィーアは、渡された武器を【ハイド・ミラージュ】に渡し頼む。
「これ、なにかの参考になるかもしれない。きみに一旦預けるよ。大事に扱ってくれよ?」
「もちろんですよ!」
 新しいオモチャが手に入ったと喜びながら頷くハイドだった。

 2人と同じように他の学園生達も異世界に訪れる。
 その中で、【オルタネイト・グルタメート】は枝豆帝国に訪れていた。

 見渡す限り一面の枝豆畑。
「枝豆だらけでありますー!!」
 着いた瞬間から最高潮だった。
「ここは天国でありますかー!!」
 全力疾走するが、どこまで行っても枝豆だらけ。
「理想郷は存在したのでありますー!!」
 満面の笑顔で枝豆畑を走り続け、ふと気付く。
「こ、これは――」
 興奮のあまり震えながら枝豆を調べる。
「最高に肉厚で輝かんばかりの生命の息吹が感じられるであります」
 数だけでなく質も最高。さらに――
「ふあああーっ!! なんでありますかこの枝豆ー!! 見た事のない物がこっちにもあっちにもー!!」
 種類さえも豊富で、鈴なりに数多くなる物や実が大きな物。緑だけでなく黒や黄色に赤といった色とりどりの枝豆さえあった。
「自分の今までの人生は、ここに来るためにあったのであります……」
 感無量に呟くオルタネイト。
 いやキミ勇者候補生だからね?
 などとツッコミを入れる者は居ないので、涙を流さんばかりの感動に水を差す者は居ないと思われたが――
「誰であります?」
 どこからともなく現れた人型の機械、いわゆるロボット達に気付く。
 相手も気づいたのか距離を置いて緊張感が高まる。
 肉体言語も覚悟していると――
「翻訳魔法掛けますねー」
 連いて来ていたメフィストが、言葉が通じるようになる魔法を掛けた。そして――
「なるほど。そういうことでありますか」
 話を聞くと、ロボット達は造物主に命じられ無人の星の緑地化をしているらしい。
 造物主は定期連絡が無く滅びたらしいが、ロボット達は命令を継続。
 今では複数の派閥に分かれ、それぞれの『推し植物』を増やしているらしい。
「なんと、空豆共和国と全面対決中なのでありますな」
 対決と言っても暴力でなく、それぞれの『推し植物』の質や種類、そして数で競っているらしい。
「それなら力になれるかもしれないであります」
 オルタネイトは学生カバンに入れていた自分が育てた枝豆を渡す。
「これでさらなる枝豆の高みに向かって欲しいであります」
「えだまめー」
 感無量に返すロボット。
「枝豆であります」
 枝豆だけで意思疎通するオルタネイト。
 そのあと時間が来て元の世界に戻り、ロボット達から教わった技術や枝豆を使って、習った知識を再現できないか自室にこもるのであった。

 などと愉快な異界転移をする者も居れば、シリアスな異世界転移をする者も居た。

(ここは……)
 転移した先で、【エリカ・エルオンタリエ】は奇妙な懐かしさを覚えていた。
(ゲンダイニホンに似てる)
 以前、魔法石に寄生する特殊な魔物が作り出した架空世界に訪れた時があったのだが、そこに似ていた。
 だが、今いる場所はゲンダイニホンよりも現実感に溢れ、実際に存在する場所だと肌で感じ取れた。
 それがエリカの記憶を疼かせる。
(わたし、は……)
 エリカは記憶を失った状態で学園へ来た。
 以前の事は明瞭には思い出せないが、この世界と似た場所に居たのだろう。
 酷く、懐かしさを覚える。
 だがそれと同時に、激情が渦を巻いている。
(なんで……)
 おぼろげだが解っている。
 かつての自分は、苛烈な闘いの日々を送っていた。
 それはとても辛く厳しい記憶だったかもしれない。けれど、それだけではなかったはず。だから――
(見つけ出さないと)
 記憶を取り戻すため、異世界へと訪れているのだ。
 切っ掛けにならないかと周囲を歩く。
 途中、カーブミラー(記憶が刺激されたのか見ただけで名前は分かった)を見つけ、自分の姿を見る。
 エルフ姿ではなく、学生服姿のヒューマンで、髪はツインテールになっていた。
 以前メフィストの世界に精神体で訪れた際の姿だが、どうやらそれが元の姿のようだ。
 見た目は変わっているが、炎を思わせる赤い瞳は変わらない。
(わたしは――)
 思い悩みながら進んでいると、突如襲撃される。
「キシャアッ!」
 歪な怪物の姿に、エリカはかつての力を顕現させる。
 狂暴な炎が襲撃者を焼く。
 力が甦ると同時に、かつての激情も鮮明になろうとしていた。
 さらなる炎を呼び覚まそうとし――
「大丈夫か!」
 突如現れた少年少女達がエリカを守る。
「怪我は?」
「もう大丈夫だ」
 エリカを心配し守ろうとする少年少女達に、復讐者としての過去の自分と、勇者候補生エリカ・エルオンタリエとしての自分が同時に存在する。
(わたしは――)
 どちらが、本当の自分なのか?
 混乱しそうになった時――
「どっちも自分ですよー」
 ふわりとメフィストが現れて言った。
「どう在りたいか決めるのも自分ですけどねー。それよりー、時間が来たので戻りましょー」
 時間切れになり、戻るエリカだった。

 それぞれ異界を訪れ、中には、メフィストの世界に向かう者も居た。

「ようこそ」
「いらっしゃい~」 
 明るい声で【タスク・ジム】は出迎えられる。
 声の主は1人の女性と女の子、【桃山・令花】と【叶花】だ。
「出迎えてくれて、ありがとうございます」
 親しげな声でタスクは返す。
 今まで声だけの交流だったが、実際に会ってからも屈託なく関われている。
 まるで家族のような、あるいは、『もう1人の自分』であるかのように、タスクと令花はお互いを感じていた。
 それは叶花も同じなのか、初めて会う相手だったが、タスクに懐いている。
「妹が、いるの?」
「うん、そうだよ」
 目を輝かせる叶花に、タスクは応える。
「君と同じぐらいの年なんだ。きっと友達になれるよ。今日は連れて来れなかったけど、いつか連れてきたいな」
「ほんとに!? うん、なる。友達に、なりたい」
 笑顔を浮かべる叶花に、タスクも笑顔で応えた。
 それを微笑ましげに見詰めているのは、【桃山・和樹】。
 いつもなら姉に関わる男性には牧羊犬の様に警戒してしまう和樹だが、タスク相手だと違う。
(ああ、そうか)
 会った瞬間に理解する。
(ねぇちゃんにも似てるし、俺にも似てるんだ)
 真面目で理知的な令花と、動的で楽しむ和樹。
 自分たち双子がひとつになったような物だと肌で感じ取れた。だからこそ――
「ねぇちゃん」
 タスクが自分の世界の問題を話しているのを聞いて、令花を促す。
 令花は笑みを浮かべタスクに言った。
「そんなときこそ『お困りごと、解決いたします』でしょ」
「どうして僕の決め台詞を」
 令花は自分の著書を取り出しておずおずと告げる。
「それは私のこの本の主人公の決め台詞で。貴方はこの主人公にとても良く似ているんです」
 不思議な縁に驚いているタスクに、和樹も応援する様に言った。
「競いながらも世界の平和という同じ方向を向いてるのは、スポーツと似てると思うんだ」
 その言葉はタスクの心に、すとんと落ちた。
(そうだ……スポーツと同じで、競い合いも楽しめばいいんだ)
 答えのひとつを得たタスクは、礼を言う。
「ありがとうございます。元の世界に戻って役立てます」
 力強く告げるタスクに、令花も和樹も叶花も、笑顔で返すのだった。

 タスクと同じように煉界のディスメソロジアに訪れた【シィーラ・ネルエス】は、焦燥感に侵されていた。

(……いきたい、あの場所に)
 メフィストに教団と呼ばれる場所を案内されていたのだが、焦がれるような思いが湧きたつ。
(かえりたい、かえらなきゃ)
 沸き立つ想いに、ふと我に返る。
(…………どこに?)
 解らない。解らないのに、確信がある。
「違う、ここじゃない」
 周囲を見渡し、涙ぐむ。
「ここなのに、ここじゃない……」
 小さく呟くと走り出す。
 それを見送るメフィスト。
 シィーラは走り続け――
「…………」
 廊下の隅で独り、蹲って静かに泣き出す。すると――
「大丈夫か?」
「どっか具合悪い?」
 独りきりのシィーラを救い上げるように、声が掛けられた。
「……ぇ」
 見上げれば、一組の男女の姿。
 青と赤の瞳がお揃いの、会ったことが無い筈なのに安心してしまう2人だった。
「迷子になっちゃって」
 シィーラの言葉を聞いて2人、【ラス・シェルレイ】と【ラニ・シェルロワ】は手を差し出しシィーラを立ち上がらせてくれた。
 繋いだ手の心地好さに安堵しながら、シィーラは自己紹介する。
「すみませんでした。私はシィーラです」
「……シィーラか、オレはラス」
「あたしはラニ! 何々、こんな奥まで迷子だなんて、探検しちゃった?」
「それは――」
 ラニとラスが入口まで案内してくれる間に、シィーラは自分の世界の事情を話す。
「聞いたよ、そっちも大変なんだって?」
 メフィストから話を聞いているのか、ラスは心配するように応えてくれる。
 それが嬉しくて心強い。だから――
「はい、だから……その……お二人は戦ったりもするの? ……もし、もしよければ、訓練を、つけてほしいの。模擬戦、みたいな風に」
 自然と頼むことが出来た。
「強くなりたい、きっとみんなも同じだから……そ、それと……もっとお話したいなって」
 言いながら、ぴんっと背筋を伸ばす。
 そんなシィーラの様子に、ラニとラスは微笑ましげな表情になる。
「え? えっと……すみません、なんだか、体が勝手に……」
「いいわよ」
「気にしなくてもいい」
 和やかに言葉を交わしていると、メフィストが現れ帰還の時刻だと告げられた。
 シィーラは名残惜しそうにラニとラスと別れるが、堪えきれず振り返る。
(あの先に行きたい、でも行ってはいけない)
 確信がある。
(まだ、ダメだ。×××××様に会うには)
 縁は繋がり、されど先は長い。
 そんな想いを抱くシィーラだった。

 かくして異世界と関わる課題は終わる。
 それぞれ得る物があった課題であった。



課題評価
課題経験:60
課題報酬:1500
異世界に行ってみよう
執筆:春夏秋冬 GM


《異世界に行ってみよう》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 1) 2021-11-18 00:02:00
賢者・導師コースのエリカ・エルオンタリエよ。よろしくね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 2) 2021-11-18 00:05:29
勇者・英雄コースのタスク・ジムです。
よろしくお願いいたします。

いよいよ、実際に異世界に行けるんですね!テンション上がりますねっ!!

僕は、メフィスト様の世界にお邪魔して、「もう一人の自分」さんとお話しするつもりです。
実は、もう一人じゃなく、「もう二人」だったらしいことが分かったんですよ!びっくりです!
どうやら双子でいらっしゃるようなんですよね~。楽しみです!(大はしゃぎ)

さて、楽しんでばかりもいられないので、異世界にお邪魔したからには、
何か、世界間の友好そしてこの世界の平和に役立つプランを書けるといいな、と思っています。

《ゆう×ドラ》 シルク・ブラスリップ (No 3) 2021-11-18 20:50:52
村人・従者コースのシルクよ。よろしく。

異世界も気になるけど、あたしは開発の宿題が残ってるから居残りかなー。
(背後さんはのとそら世界に繋がってみたかった、らしいけどね…)

担当してる探知機と封印と、あと開発提案したけど、異世界行きたいって人がいたら、開発引継ぎも受けるわよ。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 4) 2021-11-19 23:11:30
シルクさん、よろしくお願いいたします!

早速で恐縮ですが、もし(字数に)余裕がおありなら、
開発の引き継ぎをお願い出来ればと思っています。
内容は、洗脳対策です。参考に【異世界人からこんにちは】から
関連描写を一部抜粋します。

(以下、抜粋)
「洗脳をどうにか出来るもの、作れない?」
「それなら結界装置とー、あとはー」
『カタルシスドラッグみたいな薬はどうでしょう?』
 それを受け、薬学的な協力も行われることになった。
(以上、抜粋)

本当なら自分も関わりたかったのですが、異世界で手一杯になってしまいました。
珍しく、あっというまに300文字×2が埋まってしまいまして…

もしよければ、ご検討いただけたらありがたいです。

《ゆう×ドラ》 シルク・ブラスリップ (No 5) 2021-11-21 08:05:57
>ジム
洗脳対策ね。了解。
あたしも提案あげてた案件だし、経過の方も大丈夫よ。
結界装置と薬学の両方から攻めてみるわね

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 6) 2021-11-22 22:00:29
シルクさん、ありがとうございます!大変助かります!

アイテム開発に関われない分、こちらは、異世界との交流を通して
学園の役に立てるよう頑張ってみますね!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 7) 2021-11-22 22:00:37

《枝豆軍人》 オルタネイト・グルタメート (No 8) 2021-11-23 21:17:02
そういえばご挨拶していなかったでありますな;
自分は、異世界に飛び立っていこうと思うであります~