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風の問い掛け


ストーリー Story

 大空を、風の精霊王【アリアモーレ】は飛び続けていた。
 精霊王達に、本来は決まった形などないが、今のアリアモーレは巨大な隼の姿をしている。
 そして首元には、失われたと言われている、風の霊玉を着けていた。

 なぜ、そんなことになっているのか?
 全ては、風の霊玉を巡る騒動が原因であった。
 
 かつて風の霊玉は、当時の勢力バランスを保つために、有力な氏族に渡された。
 しかし風の霊玉を持つことによる権威と、霊玉の膨大な力を手中に収めようとする者達の間で争いが起り、無用な血が流れた。
 それを嘆いたアリアモーレが、風の霊玉を消滅したように見せかけ、守るようにして空を飛び続けている。
 アリアモーレの行動は無用な血が流れることを嫌ったからでもあるが、一番の理由は、霊玉の元となった人物が憐れになったからだ。
 
 霊玉は、魔王を倒し封印した勇者たちの魂が元になっている。
 魔王の脅威から皆を守るため命がけで戦い、倒したあとも、魔王が復活しないよう自身の魂を捧げた勇者達。
 彼ら、そして彼女達が魂まで懸け掴んだ未来が、人間同士の争いで汚されるのを嫌ったからだ。

 アリアモーレは、風の霊玉の元となった勇者のことを忘れないでいる。
 自由を好み、それ以上に、人々の安らかなる未来を願っていた。
 だというのに、そんな勇者の魂が争いの元になるなど、悲しすぎる。
 だからこそ、アリアモーレは今も空を、風の霊玉と共に飛び続けている。
 魂だけとなり自我が無かったとしても、自由な空を見せてやりたかったからだ。

 すでに亡き勇者を想いながら、アリアモーレは飛び続ける。そこに――

「アリアモーレ! ちょっと待ってくれ!」
 同列の精霊王たる、雷の精霊王【イグルラーチ】が声を掛けてきた。
「何の用? イグルラーチ」
「風の霊玉を渡してくれ!」
「嫌よ」
 ぐんっとスピードを上げアリアモーレは、さらに高い空を翔ける。
「ちょっ、待てって!」
 イグルラーチは必死に追いかけながら声を掛け続ける。
「いま霊玉は1つでも多くが必要なんだ! 魔王が復活するからな!」
「……封印はどうなってるの?」
「緩んで来てる!」
「なぜ? いくら魔王とはいえ、あと千年は問題なく封印できるはずよ」
「無理だ! 土と火の霊玉は、力の継承自体は行われたが、オリジナルは争乱のごたごたで失われちまってる。多分それが原因で緩んじまってる!」
「馬鹿なことをしたわね……」
 アリアモーレは飛ぶのを止めると、遥か眼下の大地を見詰める。
 そこに住まう人間に向ける視線は冷ややかだった。
「八霊玉全てが揃っていれば、魔王の再封印も問題なく行えたでしょうに……一度でも緩んでしまったなら、もう手遅れね」
「ああ……だから光の兄弟が自身を核に、アークライト達の命も使って封印の強化をしようとしてる」
「【オールデン】が……止めさせられないの?」
「そのためにも霊玉は1つでも多く必要なんだ」
「……何か考えがあるの?」
「霊玉と、それに対応する精霊王で魔王を囲む形で結界を組む。結界の中なら、精霊王の加護を受けた人間達を大きく強化できる。その中で、魔王を倒すんじゃなく殺す」
「本気で言ってるの? それ」
 冷ややかな声でアリアモーレは言った。
「問題が幾つもあるわね? まずひとつは、霊玉が全て揃ってる前提の話だけど、実際はどうなの?」
「……闇の霊玉は、十中八九、魔王軍の手にある。それと火の霊玉に相当する物を持つ者も、魔王軍に組してる可能性が高い」
「最初の段階で破綻してるじゃない」
「霊玉は足らなくても、結界自体は張ることが出来る」
「そうね。でもその分、結界の強度は弱まるから、外部から破壊され易くなるし、効果時間も短くなるわ。そうなると、結界を破壊させないように守りつつ、短い時間で魔王を殺さないといけないのよ。誰にさせる気?」
「勇者候補生達がいる」
「……」
 イグルラーチの言葉に、アリアモーレは不快そうに沈黙したあと言った。
「また同じことをさせる気? その子たちに命を懸けさせて、仮に魔王を殺せたとしても、その後はどうするの? いずれ新しく生まれてくる魔王に対抗できるよう、今度はその子達を霊玉にする気? そんなこと――」
「させねぇよ!」
 イグルラーチは強い口調で言い切った。
「そんなことをさせないために、【メメ・メメル】はフトゥールム・スクエアを作ったはずだ!」
「……そうね。あの子なら、そう願っているんでしょうね」
 嘆くように、アリアモーレは続ける。
「さっき、闇の霊玉は魔王軍の手に渡っていると言ったわね? なら、あの子の様子は、どう? 魔王の封印を解くために闇の霊玉が干渉を受けてるなら、あの子もタダでは済まないでしょう?」
「……だろうな。どうも弱ってるらしい。多分――」
「死ぬか、場合によっては封印を逆流させられて、死ぬことすら許されない永遠の眠りに就くことになるでしょうね」
「……させねぇよ。そのためにも風の霊玉と、お前の力が要るんだ」
「……」
 イグルラーチの言葉に、アリアモーレは沈黙を貫く。
 だがその時、風の霊玉が微かに輝き、優しく頬を撫でるようなそよ風が、イグルラーチとアリアモーレに意志を伝えるように流れた。
「……何の自我も無いはずなのに……」
 アリアモーレは慈しむように、翼で風の霊玉を撫でると、イグルラーチに言った。
「分かったわ。この子が望むなら、私も力を貸すわ。でも、その前に、勇者候補生たちに会わせて」
「どうするんだ?」
「別に……ただ、話して……問い掛けたいの……本当に、魔王と戦うつもりなのか。そして……魔王を打ち倒したあと、どうするつもりなのかを」
「分かった。学園に話をつけておく」
 イグルラーチは応えると、学園に向かった。

 そして、ひとつの課題が出されます。
 内容は、風の精霊王アリアモーレに会い、その問い掛けに応えることです。
 アリアモーレの問い掛けに、アナタ達は、どう応えますか?


エピソード情報 Infomation
タイプ ショート 相談期間 6日 出発日 2022-02-08

難易度 普通 報酬 通常 完成予定 2022-02-18

登場人物 6/8 Characters
《勇者のライセンサー》フィリン・スタンテッド
 ヒューマン Lv33 / 勇者・英雄 Rank 1
「フィリン・スタンテッド、よ……よろしく」 「こういう時、どうすれば……どうすれば、勇者らしい?」 (※追い詰められた時、焦った時) 「黙って言うこと聞け! 殴られたいの!?」 「ぶっ殺してやる! この(お見せできない下劣下品な罵詈雑言)が!!」   ###    代々勇者を輩出してきた貴族スタンテッド家(辺境伯)の令嬢。  一族の歴史と誇りを胸に、自らもまた英雄を目指してフトゥールム・スクエアへと入学する。  愛と平和のために戦う事を支えとする正義感に溢れた性格で、『勇者らしく人々のために行動する』ことを大事にする。  一方で追い詰められると衝動的に罵声や暴力に訴えてしまう未熟な面もあり、自己嫌悪に捕らわれる事も多い。 『彷徨う黄昏に宵夢を』事件で対峙したルガルとの対話から思うところあったのか、頑なな勇者への拘りは少し角がとれたようだ。 ※2022年8月追記 全校集会『魔王の復活』後、昨年クリスマスに結ばれたルガルとの子供を身籠っていた事が判明 (参考シナリオ) 恋はみずいろ L’amour est bleu https://frontierf.com/5th/episode/episode_top.cgi?act=details&epi_seq=649 ◆口調補足 三人称:〇〇さん(敬語では〇〇様) 口調:~かな、~ね? その他:キレた時は『私、アンタ、(名前で呼び捨て)、(言い捨て)』 ◆Twitter Sirius_B_souku
《運命選択者》クロス・アガツマ
 リバイバル Lv26 / 賢者・導師 Rank 1
「やあ、何か調べ物かい?俺に分かることなら良いんだが」 大人びた雰囲気を帯びたリバイバルの男性。魔術師であり研究者。主に新しい魔術の開発や科学を併用した魔法である魔科学、伝承などにある秘術などを研究している。 また、伝説の生物や物質に関しても興味を示し、その探求心は健やかな人間とは比べ物にならないほど。 ただ、長年リバイバルとして生きてきたらしく自分をコントロールする術は持っている。その為、目的のために迂闊な行動をとったりはせず、常に平静を心掛けている。 不思議に色のついた髪は生前の実験などで変色したものらしい。 眼鏡も生前に研究へ没頭し低下した視力のために着けていた。リバイバルとなった今もはや必要ないが、自分のアイデンティティーのひとつとして今でも形となって残っている。 趣味は読書や研究。 本は魔術の文献から推理小説まで幅広く好んでいる。 弱点は女性。刺激が強すぎる格好やハプニングに耐性がない。 慌てふためき、霊体でなければ鼻血を噴いていたところだろう。 また、魔物や世界の脅威などにも特に強い関心を持っている。表面にはあまり出さねど、静かな憎悪を内に秘めているようだ。 口調は紳士的で、しかし時折妙な危険性も感じさせる。 敬語は自分より地位と年齢などが上であろう人物によく使う。 メメル学園長などには敬語で接している。 現在はリバイバルから新たな種族『リコレクター』に変化。 肉体を得て、大切な人と同じ時間を歩む。  
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《猫の友》パーシア・セントレジャー
 リバイバル Lv19 / 王様・貴族 Rank 1
かなり古い王朝の王族の娘。 とは言っても、すでに国は滅び、王城は朽ち果てた遺跡と化している上、妾腹の生まれ故に生前は疎まれる存在であったが。 と、学園の研究者から自身の出自を告げられた過去の亡霊。 生前が望まれない存在だったせいか、生き残るために計算高くなったが、己の務めは弁えていた。 美しく長い黒髪は羨望の対象だったが、それ故に妬まれたので、自分の髪の色は好きではない。 一族の他の者は金髪だったせいか、心ない者からは、 「我が王家は黄金の獅子と讃えられる血筋。それなのに、どこぞから不吉な黒猫が紛れ込んだ」 等と揶揄されていた。 身長は150cm後半。 スレンダーな体型でCクラスらしい。 安息日の晩餐とともにいただく、一杯の葡萄酒がささやかな贅沢。 目立たなく生きるのが一番と思っている。
《マルティナの恋人》タスク・ジム
 ヒューマン Lv36 / 勇者・英雄 Rank 1
村で普通に暮らしていましたが、勇者に憧れていました。 ここで学んで一人前の勇者になって、村に恩返しをするのが夢です。 面白いもので、役所勤めの父の仕事を横で見聞きしたことが、学園の勉強とつながり、日々発見があります。 (技能はそういう方針で取得していきます) また「勇者は全ての命を守るもの、その中には自分の命も含まれる」と仲間に教えられ、モットーとしています。 ※アドリブ大歓迎です! ※家族について デスク・ジム 村役場職員。縁の下の力持ち。【事務机】 (※PL情報 リスクの子) ツィマー・ジム おおらかな肝っ玉母さん。 【事務室・妻】 シオリ・ジム まじめできっちりな妹 【事務処理】 チェン・ジム のんびりマイペースな弟 【事務遅延】 ヒナ・ジム 可愛い末っ子 【事務雛型】 リョウ・ジム 頑固な祖父 【事務量】 マーニー・ジム 優しい祖母。故人 【事務マニュアル】 タックス・ジム 太った叔父。【税務事務】 (※PL情報 リョウの子) リスク・ジム マーニーの元婚約者でリョウの兄。故人【事務リスク】 ルピア・ジム 決まった動作を繰り返すのが大好きなグリフォン。【RPA事務】 ※ご先祖について アスク・ジム 始祖。呼吸するように質問し、膨大なメモを残す。【事務質問】 「あなたのお困りごと、お聞かせいただけませんか?」 セシオ・ジム 中興の祖。学園設立に向けて、土地や制度等に絡む諸手続きに貢献。【事務折衝】 「先祖の約束を今こそ果たす時。例え何徹してもやり遂げる!」

解説 Explan

●目的

風の精霊王アリアモーレの問い掛けに応える。

アリアモーレの性格と、問い掛けの内容から、応えを考えて下さい。

●問い掛け

以下のふたつの問い掛けをしてきます。

1 魔王と戦うことを望むか?

2 魔王を倒したあと、霊玉をどうするか?

1と2、それぞれにどう応えるか、プランにお書きください。

●場所

学園の運動場。

アリアモーレはイグルラーチと共に飛んで来て、問い掛けをしてきます。

多くの学園生達に見守られる中、代表者として応えることになります。

●NPC

アリアモーレ

風の精霊王。

かつての勇者達に魔王を倒すため苦労させたこと。

そして倒した後に、勇者達が霊玉になろうとしていたことに気付けず後悔している。

自由を好み、慈悲深い性格をしている。

イグルラーチ

雷の精霊王。

今回は、基本見守り役として来ている。

●その他

メメルを含め、教師陣は各種騒動の対応に忙しく、今回の課題には関われません。

あくまでも、学園生代表として、応えを口にして下さい。

以上です。


作者コメント Comment
おはようございます。もしくは、こんばんは。春夏秋冬と申します。

今回は、ラスボス戦での強化パーツを手に入れるエピソード、その2になっています。

霊玉は学園陣営が手に入れれば手に入れるほど、最終決戦が有利になります。

色々と巻きの展開になっていますが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。

それでは、少しでも楽しんでいただけるよう、判定にリザルトに頑張ります。


個人成績表 Report
フィリン・スタンテッド 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
●方針
アリアモーレの問答に答える

●行動
Q1.魔王と戦うことを望むか?

A1.望む。
公の立場としてスタンテッド辺境領を守る義務があるし
今の事態は私事を優先した自分が原因の一つで、名誉を挽回しなければいけない
(シナリオ『【メイルストラムの終焉】Red』より。私情でルガルと殴り愛してたら宝玉取られてました…)
もちろん死ぬつもりはない。自分には大切な人たちがいるし、使命もある


Q2.魔王を倒したあと、霊玉をどうするか?
A2.霊玉を調べ、戻す研究に協力したい
呪いで苦しんでいる知人(ルガル)がいて、霊玉の力で呪いを抑えられるらしかった
同じように魔王関係で苦しむ人がいるなら解放したいし、知人の助けにもなるはず

クロス・アガツマ 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
【魔王と戦うことを望むか】
俺はそれを望んでいる
誰かが正さねばならない歪だった、だがかつては弱ったところを封印するに止まった……
それは一時の平和をもたらしたが、滅びたわけではないという結果は、未だに人々や魔族の深層に刻まれてしまっている

だから、かつての勇者達の意志を引き継ぎ、次の戦いで魔王に本当の死を与える
それによって、世界から魔王は倒せないという意識を取り除いていく
恐怖と信心が魔王を強大にした……その負の流れを魔王事変の前のように戻したい


【魔王を倒したあと、霊玉をどうするか】
霊玉から解放できる方法を探す
元通りには、ならないかもしれない……
それでも、学園長の二千年の努力と想いを無駄にはしたくない

エリカ・エルオンタリエ 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:156 = 65全体 + 91個別
獲得報酬:4800 = 2000全体 + 2800個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
魔族と人の対立関係の解消と共存を訴える

魔王は虐げられていた魔族を守るため
心を殺して破壊の権化になった魔族の一人だったりするのかもしれない
だとしたら、それをそれ以上の力で叩き潰すのは
根本的解決にならないと思う

もちろん、この世界を破滅や破壊から守ることは勇者の使命
だけど、魔族も理不尽の被害者であるなら、彼らも救わなければならない

魔王が魔族が変化したものではなく、地震や台風みたいに意思のない存在なら
分かりあう事は無理で倒すべきものなのかもだけど
知的な存在であるなら、分かりあう道は捨てたくない

魔族と呼ばれるサイクロプスさんもケンタウロスさんもドーラさんも
話すこともでき、理解し合える存在
共存はできるはず

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
風の精霊王アリアモーレ様からの問い掛けか

相手の望だろう答えを言ってもいいんだが後に面倒な事になりそうなので思ったことを素直に吐き出してこようか


1 魔王と戦うことを望むか?
基本的に戦いが発生しなければそれに越したことはないが、魔王軍と人類共栄連合(人類と人類に敵意の無い戦いを望んでない魔族達)の確執、土地問題等から無理だと思う
実際、オレの目的は今の人類の生存圏、安全の確保とメメたんの生存だからな


2 魔王を倒したあと、霊玉をどうするか?
元の魂を解放できればそれに越したことはないが前例があるように人の手元にあると余計な争いの元になると思う
精霊王様方の手を煩わせると思うがオレとしてはそちらで管理して欲しい

パーシア・セントレジャー 個人成績:

獲得経験:78 = 65全体 + 13個別
獲得報酬:2400 = 2000全体 + 400個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
◆目的
風の精霊王の問いかけに応える

◆確認
まずは挨拶の後に、霊玉というものは何が元になっているのか尋ねる

◆問1への応え
魔王は人々や逆らう魔物とも相容れなくて……誰かが立ち向かわないといけないなら、誰かがやらないといけない

私はそれを、「他の誰か」に任せるのは……何か違うと思う
だって、人々を守るのも、高貴な者の務めじゃない?

◆問2への応え
魔王を倒したあとの霊玉は……霊玉って元々何だったのか聞いて、魂だと言われたら
その魂を解放して……再び輪廻転生の環に戻したりできないのかしらね?

だって、ずっと自我もないまま地上に置いておかれるなんて……英雄達に失礼だし、可哀想な気がするわ
恩義には敬意をもって報わないと

タスク・ジム 個人成績:

獲得経験:97 = 65全体 + 32個別
獲得報酬:3000 = 2000全体 + 1000個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
1 魔王と戦うことを望むか?
「魔王を打倒し、必ず平和を取り戻します!」
正直、魔王との対話ということも考えなくもないが
どうしても避けられない戦いはある、と、驟雨戦(七四GM様)その他で痛感
魔王もそうであるなら必ずや打倒する

2 魔王を倒したあと、霊玉をどうするか?
「中の魂を助ける方法を探します!何十年かかっても!」
メフィスト様と異世界の力があれば可能性くらいはあるかも

今は色んな意見があっていい
多様性は、可能性につながる

今後
まずは魔王が何者かを全力で探したい

僕には決め台詞がひとつあるんですよね。

そこに可能性があるなら、僕は、たとえ魔王にだって、言いますよ。

「お困りごとはありませんか?」と…。

アドリブA

リザルト Result

 フトゥールム・スクエアの運動場に【アリアモーレ】が舞い降りる。
 周囲には多くの学園生が集まっていた。
「貴方達が、私の問い掛けに応えてくれるの?」
 眼前の6人を見詰め、アリアモーレは優しい声で尋ねる。
「はい。アリアモーレ様」
 先んじて言葉を返したのは、【パーシア・セントレジャー】。
 彼女は確認しておきたいことがあり、最初に口を開いたのだ。
「応える前に、ひとつお聞きしても良いでしょうか?」
「ええ、構わないわ」
「霊玉が何を元にしているのか、教えていただけませんか? この場に集まった皆に知って貰うために、アリアモーレ様に語っていただきたいのです」
 アリアモーレは、この場に集まった多くの学園生達に視線を向けた後、応えてくれた。
「霊玉は、かつて魔王を倒した勇者達の魂から出来ているわ。勇者達は魔王を倒しただけでなく自身を犠牲にして、今の世の礎になったの」
 この場に集まった学園生達の間から、ざわめきが広がる。
 それを耳にしながら、アリアモーレは問い掛けを口にした。
「貴方達に問います。魔王と戦うことを望みますか?」
 これに学園生を代表して、6人が応えていった。
「望みます」
 アリアモーレの前に出て言い切ったのは【フィリン・スタンテッド】。
 それは『フィリン・スタンテッド』としての答えでもあるし、彼女自身の応えでもある。
「魔王の脅威を除き、私が守るべきスタンテッド辺境領の安寧のためにも、魔王と戦う覚悟はあります」
 公人として答えを告げた。
「これは私の使命であり義務です。スタンテッド辺境領主婦人として……それに贖罪のために」
「それは、貴女自身の応えなの?」
 アリアモーレは穏やかな声で言った。
「ごめんなさいね。貴女の答えを否定するつもりはないの。ただ、貴女自身の応えを聞かせて欲しいの」
(私自身の応え……)
 それを形にしようとして、浮かんできたのは【ルガル・ラッセル】。
(……責任の一端は、あいつにもあるのよね)
 ルガルと殴り愛を深めるあまり、火の霊玉を手に入れられなかったことを思いながら言った。
「火の霊玉の一件は、私の責任でもあります」 
 自分自身の意志を込め、フィリンは応える。
「私が作ってしまった借りは、自分で返したいんです」
「ありがとう。よく分かったわ」
 静かにアリアモーレは受け入れ、他の応えを待つ。
 そこにパーシアが告げた。
「私も魔王と戦います」
(本心で言えば……できればそんな荒事……ご遠慮したいけれど。でも――)
 けれど、見て見ぬふりは出来ない。
(いざとなれば王候貴族は立たなければいけない。だって、人々を守るのも、高貴な者の務めじゃない? そのために、民からの税で生かされてるんだから)
 葛藤はあるが、己の責務と向き合いながら応えた。
「魔王は人々や、逆らう魔族や魔物とも相容れなくて……誰かが立ち向かわないといけない。私はそれを、『他の誰か』に任せるのは……何か違うと思う。だから――」
 生前、戦いを経験した彼女は言った。
「魔王に対する恐怖を減らすためにも、ともに戦える魔族達とも手を取り合い、大連合軍で魔王軍と対峙したいわ」
 これを受け、アリアモーレは返す。
「理念だけでなく現実問題としても、貴女は捉えているのね」
「はい。私達は理想では無く、現実に生きてますから」
 ある種のリアリストとしてパーシアは返す。
 彼女と同じように、理想よりも現実を考え、【仁和・貴人】は自分の考えを口にした。
「正直言うと、オレは魔王の存在自体は、こちらに被害が無ければどうでもいい」
 偽りのない本音を貴人は告げる。
「基本的に戦いが発生しなければそれに越したことはないよ。でも戦いは避けられないんだろう?」
「魔王が復活するなら避けられないでしょうね」
 アリアモーレの応えを受け、貴人は続ける。
「そもそも魔王がいなかったとしても、魔王軍との戦闘は避けられないと思うし。魔王軍と人類、それに人類を敵視していない魔族との問題だってある」
「だから関わらないで済むなら、そうしたいということ?」
「出来るならね。でも無理だと思う。確執だけじゃなくて、土地問題なんかも絡んでくると思うから。それに――」
 貴人は、【メメ・メメル】のことを思い言った。
「魔王をどうにかしないと、メメたんが死ぬかもしれない。メメたんの生存と、今の人類の生存圏と安全を確保するために、魔王とは戦うよ」
「必要だから戦うということね」
 望まぬ戦いでも、避けることが出来ないことがある。
 それを聞き、【タスク・ジム】は自身の体験も絡めて言った。
「避けられる戦いなら避けたいです。でも、それが出来ない時があることも知っています」
 かつて痛感した事実を胸に、タスクはアリアモーレの問い掛けに応える。
「避けられない戦いには全力で挑みます。もちろん犠牲を伴うことは充分分かっていますし、その痛みも覚悟しているつもりです」
「それが、貴方の応えなの?」
 穏やかなアリアモーレの言葉に、タスクは覚悟だけでなく理想も口にした。
「正直、魔王と対話が出来ないかと思っています。でも話が通じない相手もいるのを知っています。だから魔王もそうであるなら――」
 宣言する様に言った。
「魔王を打倒し、必ず平和を取り戻します!」
 方向性は同じだが、それぞれ異なる応えを聞いたアリアモーレは、残りの2人にも問い掛けた。
「貴方達も、魔王と戦うことを望むのかしら?」
「俺は、それを望んでいます」
 積み上げてきた長い年月を込め、【クロス・アガツマ】が応えた。
「魔王は、誰かが正さねばならない歪だった。だがかつては弱ったところを封印するに止まった……」
 それはクロスの、生前から続く思い。
(俺は魔王の脅威を、いつか世界から消し去りたいと願って生きてきた)
 存在理由とも言える思いを、クロスは語る。
「封印は一時の平和をもたらしたが、滅びたわけではないという結果は、未だに人々や魔族の深層に刻まれてしまっている」
 刻まれた恐怖を祓うため。
 そして魔王と命がけで戦った勇者達の偉業を、より確かな物にするために、クロスは魔王との決着を思う。
「かつての勇者達の意志を引き継ぎ、次の戦いで魔王に本当の死を与える」
 ゆるぎない結末を齎すことを願い。
「それによって、世界から魔王は倒せないという意識を取り除いていく」
 世界そのものを変え、新たな世界を導くため、魔王を殺す必要がある。
「恐怖と信心が魔王を強大にした……その負の流れを魔王事変の前のように戻したい」
 千年を超える決意を込め、自身の在り様を告げる。
「必ず叶えてみせる。それが第二の人生を歩んできた俺の使命です」
 それには並々ならぬ重さがあった。
 クロスも含めた皆の応えが提示されていく。
 戦う意志と覚悟。決意と使命。守るべき物のため、魔王との決着を望む。
 その中でただ1人。
 皆の応えを聞き終った【エリカ・エルオンタリエ】は、なおも理想を望み、応えとした。
「わたしは、戦う以外の方法を探したい」
「どうして、そう思うの?」
 尋ねるアリアモーレに、エリカは視線を合わせ言った。
「わたしは、魔王のことを何も知らない」
 エリカは、心持たない相手ではなく、魔王を人として思いながら続ける。
「もし魔王が、虐げられていた魔族を守るため、心を殺して破壊の権化になった魔族の一人だったりしたら……それをそれ以上の力で叩き潰すのは、根本的解決にならないと思う」
 途切れぬ連鎖を断ち切ることを望み、エリカは自分の考えを口にする。
「もちろん、この世界を破滅や破壊から守ることは勇者の使命。だけど、魔族も理不尽の被害者であるなら、彼らも救わなければならない」
「魔族も、破滅や破壊から守りたいの?」
「はい」
 確かな意思を込め、エリカは言った。
「魔王が魔族が変化したものではなく、地震や台風みたいに意思のない存在なら、分かりあう事は無理で倒すべきものなのかもしれない。でも知的な存在であるなら、分かりあう道は捨てたくない。だって――」
 エリカは今まで出会った、魔族や魔物のことを思う。
「魔族と呼ばれるサイクロプスさんもドーラさんも、魔物であるケンタウロスさんも話すことができて、理解し合える存在。共存はできるはず。それに――」
 今だけでなく未来も語る。
「仮に魔王を倒せても、後の魔族に『人に逆らったら殺すからおとなしくしろ』では、憎しみが続き、復讐の連鎖が止まらないと思う。わたしたちが戦うべきは魔族や魔王ではなく恐怖と憎しみ。わたしたちの武器は勇気と希望の筈です。それに――」
 エリカは、アリアモーレを見詰め言った。
「異世界から来た自分が、エリアルという存在となったのは、平和を愛するアリアモーレ様がわたしを必要とし、加護を与えてくれたのだと思うんです。だから、その期待に応えたい」
「やさしい子」
 アリアモーレは、羽でエリカの頭を撫でると嘆くように言った。
「貴女の願いが叶えば良いと思います。でも魔王自身が望まない」
 アリアモーレは魔王を語る。
「魔王は、創造神の恐怖が具現化した者よ」
「創造神の、恐怖?」
 聞き返すエリカにアリアモーレは説明する。
「この世界の始まりは魔力しかない無に等しい世界だったわ。そこに転移した創造神は孤独に恐怖し、恐怖は世界に刻まれた」
 神話が語られていく。
「魔王は恐怖であり、その始まりは絶対の孤独。だからこそ本質的に他者との繋がりを求めるわ」
「なら話し合う余地が――」
「いいえ」
 アリアモーレは哀しげに言った。
「始まりは無垢であった魔王は、魔族と人間を求め知ろうとし、皆が争う様を見て、学び取った。融和ではなく支配を」
「それって……」
「人と魔族が教師となり、今の魔王になった。そして魔王崇拝者が、それを良しとし、魔王は自身の在り様を確信した。もっと早く、魔王に違う道を教えることが出来たなら――」
「ならそうしますかー?」
 にょいっと現れ口を挟んだのは異世界人【メフィスト】。
「メフィストさん? なんでここに」
 エリカに尋ねられメフィストは応えた。
「つい最近ー、新しい法則が世界に刻まれたみたいなのでー、その報告も兼ねて来たのですよー」
 クロスを見た後、メフィストは続ける。
「新生の法則が刻まれたのでー、魔王を赤ちゃんに生まれ変わらせることが出来るかもでーす。それで一から育てるのもアリだと思いますよー」
 元々は魔王を殺し、別個体が発生するのをどうにかしようと提案する予定だったらしいが、状況が変わったとのことだ。
「というわけでー、話をしましょー」
 何故かクロスに頼むメフィスト。これにクロスは返す。
「……あとで話は聞こう。今はアリアモーレ様の問い掛けに応える方が先なのでね」
 2人の話を聞いていたエリカに、アリアモーレは再び問い掛けた。
「貴女の望みを教えてくれる?」
 迷わずエリカは応えた。
「魔族だけでなく、魔王とも和解したいです」
「私も、それが一番だと思うわ」
 嬉しそうに、エリカの頭を羽で撫でるアリアモーレ。
 2人のやり取りを見て、タスクは熱いものを胸に感じた。
 そしてアリアモーレは、最初の問い掛けとは違う、期待を込め、ふたつ目の問い掛けを6人に向けた。
「戦いが終わった後、霊玉をどうしたいか、教えてくれる?」
 これにタスクが真っ先に応えた。
「中の魂を助ける方法を探します! 何十年かかっても!」
 メメルのことを思いながら続けて言った。
「僕は思うんです。霊玉になった皆様は、たとえ自分を犠牲にして、悲しみや痛みを背負っても、誰かに笑いかけてくれるような人達だったと。そんな女性を、僕達は知っています」
 誰かに押し付けるのではなく、支えることを願い告げる。
「彼女達の頑張りを、今度は僕も――」
「僕達も、でしょ」
 エリカが言った。
「わたし達みんなで、背負っていかないと。誰か一人で背負う物じゃないわ」
 これにタスクは、僅かに顔を赤らめ言い直す。
「そう、ですよね。僕達全員で、背負うべきなんです。そのために必要なことなら、何でもします」
 タスクは、エリカが口にした、魔王との向き合い方を胸に抱き、言った。
「多くの人の意見を取り入れて、出来ることは何でもしたいです。霊玉になった皆様を自由にする方法を探し、そして、魔王とも向き合いたい」
 自分以外の皆の意見を取り入れ、やるべき事が形になっていく。
「魔王であっても、可能性があるなら僕は言いたいんです。『お困りごとはありませんか?』、と」
 タスクの応えに続けて、皆も考えを口にする。
「魂を解放してあげるのは、私も賛成するわ」
 パーシアは言った。
「可能なら、輪廻転生の環に戻したりできないのかしらね? だって、ずっと自我もないまま地上に置いておかれるなんて……英雄達に失礼だし、可哀想な気がするわ。恩義には敬意をもって報わないと。それに――」
 霊玉となった勇者達のことを思い、続ける。
「世界を平和にするために犠牲になったのに、自分達が争いの元になるのは望まないでしょうし。そうならないように、英雄達も天に還したいわ」
「争いの元にならないようにするのは必要だな」
 あくまでも現実的に考え、貴人は言った。
「元の魂を解放できるなら、それに越したことは無いと思う。でも、まだ確定してないなら、まず今どうするかを考えないと」
 これまで霊玉にまつわる争いを見てきた貴人は、それを避けることを第一に考える。
「今までの前例から考えて、人の手元にあると余計な争いの元になると思う。精霊王様方の手を煩わせると思うが、オレとしてはそちらで管理して欲しい」
「そうね……解放できないなら、管理する者は必要でしょうね」
 頷くアリアモーレに、貴人はメメルのことを思いながら言った。
「管理して貰えるなら、そうして欲しい。ただ、メメたんの兄弟や仲間の魂なんだから、人の手に渡らないようにする前に挨拶くらいはさせてあげたい。でも――」
 あくまでも現実的に、貴人は考える。
「時間が掛かるなら、諦めるしかないとは思う。研究するにしろ、確実になされるかわからない上に、子孫に研究を引き継がせたとして、正しく意志が受け継がれるかも分からないからな」
 未来の誰かに任せるのでは、どこかで歪むかもしれない。
 これまでの霊玉にまつわる事件を考えれば、それは正しい。
 どうにかするなら、今を生きる皆で解決する必要がある。
 だからこそ、クロスは言った。
「霊玉から解放できる方法を探そう」
 千年を超える苦行を積み重ねてきたクロスは、難しさを理解した上で言った。
「元通りには、ならないかもしれない……それでも、学園長の二千年の努力と想いを無駄にはしたくない。もちろん容易いことではないだろう。だが、俺自身リバイバルとして蘇った経歴もある。方法がないと断言もできないさ」
「良いんじゃない」
 クロスの言葉を聞いて、パーシアは賛同する。
「未来に負債を遺すのも悪いし。今この世界で起る問題は、今を生きるこの世界の住人……とプラスαでどうにかしましょう」
 ちらりとメフィストに視線を向ける。
「おーう、こちらとしてもー、そうしたいですねー」
 メフィストは頷くと、クロスに改めて言った。
「後で色々と話聞かせて下さーい。まだ貴方にはー、世界に干渉した残滓が残ってるみたいですしねー」
「……考えておこう」
 一先ず応えは保留し、クロスはアリアモーレに言った。
「闇の霊玉の核となった人物について、よければ尋ねても……?」
「どうかしたの?」
「実は――」
 クロスは少し前に、雷の霊玉に憑依して得た情報を口にする。
「闇の霊玉が学園長の兄弟である可能性が高いのではないかと」
「それならオレも聞いてる」
 貴人は、少し前に覇王六種の【女華】と【レン】から聞いたことを口にする。
「メメたんの双子の兄の可能性が高いって言ってた。双子の縁を介して封印を逆流させてるかもって」
「……その可能性は高いわね」
 アリアモーレが応える。
「元々、魔王の呪いを受けているでしょうし、それを目印にして追加の呪いを掛けられているようなものよ」
「その呪いは、解除できないんですか?」
 呪いと聞いて、思わずフィリンは尋ねた。
「もし霊玉を介して呪いが掛けられているというのなら、余計に霊玉を解放する必要があるわ。それに霊玉を解放する方法が出来れば、他の呪いにも応用できるかもしれない」
「誰か、呪いで苦しんでいる人がいるの?」
 心配そうに訊くアリアモーレに、フィリンは応える。
「はい。呪いで苦しむ知り合いが私にもいます。霊玉の力で呪いを抑えていたようですが――」
「それは、今は大丈夫なの?」
「……はい。少なくとも最後に別れた時は、呪いは和らいでいるようでした」
 ちょっとだけ応えるのに間が開いた。
(色々とあったし……)
 赤面するようなことはないが、さすがに詳細に語る訳にはいかない。
 だから、あくまでも学園生として応える。
「霊玉を解放することで、魔王の呪いで苦しんでいる人を助けたいんです。それが知人を呪いから、助けることにも繋がる筈ですから」

 応えは出そろう。
 その全てを聞き終り、アリアモーレは言った。

「みんな、応えてくれてありがとう。貴方達が魔王と戦ってくれるなら、私も力を貸すわ。その時まで風の霊玉は私が管理します。そして、霊玉を解放する方法を探しましょう。それが叶うまでは、私たち精霊王が責任を持って管理します。そしてそれによって得た技術は、広く誰でも使えるようにしましょう」

 これに学園の代表者である6人は頷き、周囲の学園生達が立会人となる。
 新たな精霊王との協力を取りつけ、未来の対応も決める事の出来た6人であった。



課題評価
課題経験:65
課題報酬:2000
風の問い掛け
執筆:春夏秋冬 GM


《風の問い掛け》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 1) 2022-02-02 00:16:53
賢者・導師コースのエリカ・エルオンタリエよ。よろしくね。

アリアモーレ様には、魔族と人の対立関係の解消と共存を訴えたいと思っているわ。

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 2) 2022-02-02 22:03:26
勇者・英雄コースのフィリンよ、よろしく。
前回は失態も犯してしまったし、ここで汚名返上しないとね

けど難しい質問ね…
降りかかる火の粉は払わないといけないけど、そうでなくても戦う事を望むかと言われるとノー、みたいな答えでもいいのか

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 3) 2022-02-04 04:41:25
勇者・英雄コースのタスク・ジムです。
よろしくお願いいたします。

風の精霊王様の想いに、正面から応えたいものですね!

現時点で、僕の考える答案は次の通りです。

1 魔王と戦うことを望むか?
「魔王を打倒し、必ず平和を取り戻します!」
正直、魔王との対話ということも考えなくもないのですが・・・
どうしても避けられない戦いはある、と、驟雨戦その他で痛感しています。
魔王はその最たるもの・・・と、現時点では考えています。

2 魔王を倒したあと、霊玉をどうするか?
「中の魂を助ける方法を探します!何年かかっても!」
メフィスト様と異世界の力があれば、可能性くらいはあるんじゃないかと。
楽観的過ぎますかね~(苦笑)

《猫の友》 パーシア・セントレジャー (No 4) 2022-02-05 23:51:54
ご挨拶が遅れてごめんなさい。王様・貴族コースのパーシア。よろしくお願いします。

まあ、難しい質問じゃあるけど、誰かひとりふたりが地雷踏んだとしても、「それだけ、学園には多様性がある」って証でもあるのよね。

私も、魔王のとの戦いを望むか聞かれたら、できればそんな荒事……ご遠慮したいもの。
でも、魔王は人々や逆らう魔物とも相容れなくて……誰かが立ち向かわないといけないなら、誰かがやらないといけない。

私はそれを、「他の誰か」に任せるのは……何か違うと思う。
だって、人々を守るのも高貴な者の務めじゃない。

そのために税で生きてるんだから(一気に下世話な話になった)。

魔王を倒したあとの霊玉は……霊玉って元々何だったのか聞いて、魂だと言われたら。
その魂を解放して……再び輪廻転生の環に戻したりできないのかしらね?

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 5) 2022-02-06 01:03:59
前から気になっているんだけど、魔王というのは
虐げられていた魔族を守るために、心を殺して破壊の権化になった魔族の一人だったりするのかしら?
だとしたら、それをそれ以上の力で叩き潰すということには、
わたしは疑問を持たざるを得ないのよね……

もちろん、この世界を破滅や破壊から守ることは勇者の最大の目的だけど
魔族も被害者だったのなら、魔族も救わないといけないと思うの。

もし、魔王が元魔族が変化したものではなく、
地震や台風みたいに自然災害的な存在なら、また別の考えもあるけれど
知的な存在であるなら、分かりあう道は捨てたくないわね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 6) 2022-02-06 13:30:22
パーシアさん、おっしゃる通りですね。
学園生の多様性をお見せするのも、今回の課題目的なのかもしれません。
多様性は、可能性につながるでしょうし。

輪廻転生説は大いにありそうですね。
ディメ世界の窓口の桃山令花さんによりますと、どうもメフィスト様の得意分野っぽいです。
(PL訳 ディメのリザルトを見る限り、春夏秋冬GM様はそういう展開が多そうです)

色々考えましたが、あくまで今回の課題に限っては、僕の答案はこのままでいくと思います。

それはそれとして、魔王のことは出来る限り調べて臨まないといけないですね。
部長さんの言われるとおり、色んな可能性があって、
もしも、その中のひとつにたどり着いたなら、ベストに近い答もきっと導けますから!
字数に余裕があれば、可能性の話も記述して、今後の布石にしたいと思います。

それはそうと、僕には決め台詞がひとつあるんですよね。

そこに可能性があるなら、僕は、たとえ魔王にだって、言いますよ。

「お困りごとはありませんか?」と…。

《運命選択者》 クロス・アガツマ (No 7) 2022-02-06 18:26:45
賢者・導師コースのクロス・アガツマだ。よろしく頼む。

魔王に関しては「異世界避難先準備しましょう」に情報が色々書いてあるね。
魔族との確執は、魔王が強くなるうえに無敵に近くなるから、魔族を減らしてどうにかしようというのが理由のひとつのようだ。

俺としては、魔王を打倒するのは全面的に賛成だ。
倒せる存在だと証明することで、魔王は恐ろしく強大だという考えを世界から取り除いていかなければならないと思う。
そうでなければ、最悪、また同じ力を持って復活するのだからね。

霊玉は、俺もどうにかできる方法がないか探すと答えるつもりだ。
学園長の二千年の努力を無駄にする気にもなれないし、我が身を顧みずに戦った勇者へ少しでも救済をしたいという想いもある。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 8) 2022-02-07 14:33:32
クロスさん、情報元の明示をありがとうございます!

あのリザルトを見る限り、魔王に対する解は・・・
一回倒して(殺して)、生まれ変わらせて、一から無害な存在に育て直すこと・・・
天災というよりは、生存競争と考えるべき、ということのようですね・・・。

それが校長先生の想いでもある、という話も、
本人談じゃないにしろ、一定の説得力は感じますね。

ところで、魔王が恐怖を糧に強くなる存在ということは、
恐怖をいかにして減らし、ゼロに近づけるか、という命題がありますよね。
クロスさんの言われる、「倒せる存在だと証明する」ことは有効策の一つですが、
他にも、「恐怖を減らす」方法を考えたいものです。

僕は、その方法として「連帯」を提案し、
これまでのリザルトで表明してきていますが、はてさて、うまくいくかどうか、
という感じですね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 9) 2022-02-07 23:17:13
>恐怖を減らす
魔王を倒すにしろ、和解するにしろ、
魔王との戦いの後の魔族の処遇に未来と希望を見せられるかどうかじゃないかしら?
戦後に残党狩りや弾圧のような事があるとすれば、それは憎しみと恐怖を呼び
また新たな戦いの火種になると思うわ。

サイクロプスさんやケンタウロスさんは、魔族といえども普通に交流できたのだから、
他の魔族にも人を襲わないなら、安全に生きていける保証をするべきじゃない?

もちろん一部では小競り合いやトラブルが続く事は否めないでしょうけど、
世界を巻き込むような大きな戦いを呼び起こす事は防いでいくことが
新たな破壊の権化を生み出さないことに繋がるんじゃないかと、わたしは思うわ。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 10) 2022-02-07 23:49:26
関連のエピソードによると、魔族とは、
「たまたま、精霊王の加護を得られなかった存在達」だそうですね。

そうなると、本質的に僕たちと何ら違うことはない・・・
例えば、
経済的に恵まれてるかそうでないか、
たまたま生まれた土地が肥沃か荒れ地か、
そういうのと変わらないのかもしれません。

大体にして、僕たち人類にしても、善良だったり邪悪だったり、
話の通じない人なんていくらもいるでしょうし。

個人的意見としては、精霊王様方にもっと頑張ってもらって、
現在の8選よりも多くの種族に加護を分配してもらえばいいじゃない、
そしたらみんな平等よ、なんて思いますが・・・まあそれは、今後の話ですね。

とにかく、今回は現時点の考えや思いを、アリアモーレ様にお伝えしましょう。
みんな一生懸命考えたのですから、きっと、伝わるはずです。

今回もご一緒いただき、ありがとうございました。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 11) 2022-02-07 23:49:52