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大規模事業の始まり


ストーリー Story

 ズェスカ地方は、以前は活気の溢れた湯治場だった。
 温泉は湯量が豊富であるだけでなく効能も抜群で、大陸中から多くのお客が来たものだった。
 しかしそれは昔の話。
 いまでは温泉は枯れ、当時住んでいた村人達も多くが他に移り住むようになり、寂れた場所になっていた。

 けれど、それが変わろうとしている。
 切っ掛けは、学園を中心とした新規事業が提案されたことだ。
 火の霊玉の力を宿した【ドーラ・ゴーリキ】に協力を得て、ズェスカの温泉復活計画が始まったのだ。
 しかも南国の島であるボソク島とも提携し、相互に活性化を図っている。
 現在、各地で異世界の技術を下地にした鉄道事業の計画が立てられているのだが、それを利用し、ズェスカとボソク島を繋げる旅行プランも練られ始めていた。
 これらの発起人は学園生であり、彼ら、あるいは彼女達が奔走することで、大きなうねりとなって進み始めていた。
 銀行業を主軸に置いたストーカー家が資金を出し、各国が提携し鉄道事業の技術推進や敷設に邁進している。
 それらに必要な人手は、人間種族だけでなく魔族からも募集していた。
 これは人間種族と魔族の融和を念頭に置いた物でもある。
 同時に福祉事業としての側面も持ち、貧困に窮する者や、何らかの事情で働き辛い者達にも仕事が回るように便宜を図っている。
 それを促進するため、弱者救済に動いている団体や個人とも可能な限り連携が取れるように動いていた。
 ある意味、大陸全土が関わる超特大事業であるため仕事は大量にあり、むしろ人手が足らないので、活発に動いている。
 それらは、学園生達の尽力の賜物であり、より良い未来に向けたのものになっていた。

 それに関わっている学園OB【ガラ・アドム】は、後輩たちの苦労を無駄にしないよう奔走していた。

「ズェスカの新名物、試作できたんだって?」
「ああ」
「提案されたものも含めて、幾つか作ってみた」
 ガラに応えたのは、料理人である【ガストロフ】と【辰五郎】だ。
 2人は以前、ボソク島や、観光名所であるアルチェで行われたグルメバトルで関わったことがあり、今回の学園生達が企画した事業にも関わっている。
「まずは、頼まれてた『食べられる石の温泉卵』。食べてみてくれ」
 ガストロフに勧められガラは、見た目は石にしか見えない黒い温泉卵の殻を割って食べる。
「ん……思ってた以上に美味いな。卵に味が付いてるし、黄身が半熟状態で食感も良い」
「下処理で出汁に漬けてるからな。染み込ませた出汁で味だけじゃなく黄身の凝固も調整できるようにしてる。他の温泉地で試して作ったもんだが、ズェスカで温泉が湧いたら調整して、誰でも作れるようレシピを用意するつもりだ」
「助かる。他には、何があるんだ?」
 これに辰五郎が応えた。
「饅頭に蒸し芋、あとプリンも温泉の蒸気で作ってみた。他にも蒸しチーズケーキとかも考えたんだが、温泉の蒸気を直接利用するとどうしても匂いが付くからな。場合によっちゃ、匂いが付かないようにする必要があるな」
「分かった。そっちは任せてくれ。どうにかできないか、学園やセントリア、あとミストルテインとかで訊いてみる」
「そうか……それでそっちはどうなんだ? 色々と調整してるみたいだが」
「まぁ、色々と走り回ってるよ。ズェスカとボソク島を繋ぐ鉄道を利用した旅行事業とかは、分担してるけどな」
 今回の事業では、鉄道を利用した長距離観光事業の企画も上がっているのだが、そちらは貴族筋にコネがあるアルチェの貴族商人【ララ・ミルトニア】が動いている。
「やること多くて目が回りそうだが、ケンタウロスの姐さんやサイクロプスのお蔭で、色々と助かっているよ」
 ケンタウロス達は飛脚業務や資材や生活必需品の運送を行い、サイクロプス達は鉄道や街道や橋にトンネルの整備、あるいは住居施設建築などの物理的インフラに携わっている。
 どちらも大きな成果を上げていた。
 ケンタウロス達は迅速に必要な物を運ぶだけでなく、1人1人が強力な戦士でもあるので、盗賊などを寄せ付けない。
 サイクロプス達は魔法を併用した工作技術が素晴らしく、工期の短縮や質の向上に大いに貢献していた。
「大まかには巧くいってるよ」
「……大まかにってことは、そっちもなんかあるのか」
 げんなりした口調の辰五郎にガラは言った。
「ひょっとして、引き抜きとかあったか?」
「ああ。金は倍払うとか言ってきたが、胡散臭いんで断った。他にも金ちらつかせたり脅しまがいで引き抜こうとしてるのがいるみたいだ」
「そっちもか」
 腹立たしげにガラは言った。
「金の匂い嗅ぎつけて胡散臭い奴らが山のように湧いてやがる。揉め事が起らなきゃいいんだが」

 ガラの懸念は、各地で現実となっていた。

「じゃから儂の土地をどうしようが儂の勝手じゃろうが!」
 銅鑼声で恰幅のいい脂ぎった男、【ギド・ギギル】は言った。
「何で畜生共のためにそんままにせんとあかんのや!」
 ギドが学園の使者と話しているのは、ズェスカの土地利用についてだ。
 ズェスカの温泉を復活させるため、ドーラが霊玉の力を使い、マグマと地殻変動を制御することで地形を変える予定なのだが、それにより野生動物の住処が無くなる場所も出て来てしまう。
 それを防ぐため、野生動物の新たな生息地に予定していた土地があったのだが、権利者と名乗るギドが利用に待ったをかけたのだ。
「なんや儂がこの土地もっちょるのがおかしいんか? ちゃあんとここらの権利は儂が買うたんや。権利証もあって証明されちょるけぇの」
 ズェスカがさびれた時、村人は他所の土地に移ったのだが、その村人達から買いあさっていたらしい。
 幸い、予定している温泉地からは離れているが、隣接しているので性質が悪い。
「とにかくここは儂の土地じゃ。帰れ帰れ!」
 どう見てもゴロツキにしか見えない取り巻きをけしかけて学園からの使者を追い返したギドに、1人の男が声を掛ける。
「順調ですか?」
「こりゃあ先生! そりゃもう」
 揉み手をしながら言った。
「先生に教えてもらっちょったお蔭で、バカな村人共から安う買えましたわ。ここで博打に女に薬に、たぁんと銭が寄って来るもん作りますさかい、そんときゃサービスしやすぜ」
「いえ、お気になさらずに。それよりも、これを」
「はぁ? こいつは?」
 両手に乗るぐらいの水晶玉に見える何かを渡されギドが問うと、『先生』と呼ばれた男は言った。
「ズェスカで行われるマグマと地殻の変動に干渉できる魔法玉です。これを後で設置してください。そうすれば、この近くでも温泉が湧くでしょう」
「そいつは良い! 二束三文のこの土地の価値がさらに上がる」
 喜ぶギドに、男は指人形をあしらったネックレスを渡す。
「これを差し上げます。私達の組織の一員の証です。今後も便宜を図りますから、寄付をお願いしますよ」
「へへー、そりゃもう」
 ギドは頭を下げながら内心では舌を出す。
(はっ、使える内は使うちゃるわ。見ちょれ、その内、組織も儂が貰っちゃるけぇの)
 頭を下げるギドを、男は亀裂のような薄く壊れた笑みを浮かべ見詰めていた。


エピソード情報 Infomation
タイプ EX 相談期間 6日 出発日 2022-08-13

難易度 とても簡単 報酬 なし 完成予定 2022-08-23

登場人物 5/8 Characters
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。
《今を駆ける者》ダケン・ヴァルガー
 ルネサンス Lv15 / 魔王・覇王 Rank 1
「姓はヴァルガー、名はダケン。故郷は知れず、世間が呼ぶには流しの無頼。ま、よろしく頼むぜ」 「……って、駄犬じゃねぇ!?」 #####  狼系ルネサンス。  若い頃から正々堂々、スジを通して道理を通さぬ荒くれ者として世間様に迷惑をかけてきた年季の入った無頼。  本人は割とイケていたつもりだったが、ある時襲った貴族の娘から 『獣臭い』『薄汚い』『さっさと死んでくれないかな?』  と容赦ない口撃を浴びて脱落(リタイア)  一念発起して系統立った悪の道を修めるべく、学園の門を叩く。 ◆性格・趣味嗜好  一言で言って『アホの二枚目半』  前提知識が足りない系アホの子で脳筋単細胞。悪人ではないが、パワーオブジャスティス。  ひらめきや発想は普通にあり社交性も悪くないため、決められる場面では最高に二枚目。  いざという時以外は基本三枚目。足して二で割って二枚目半。  脱ダサ悪党を目指して清潔感は増したが、服装センスが致命的でやっぱりダサ悪党。   ◆外見補足  顔立ちは濃いが造りは悪くなく、黙って無難な服を着ればワイルド系イケメンおっちゃん。  服装センスの悪さは『イモっぽい』『田舎もの』といった類。  気合が入ると脱いじゃう系の人。
《猫の友》パーシア・セントレジャー
 リバイバル Lv19 / 王様・貴族 Rank 1
かなり古い王朝の王族の娘。 とは言っても、すでに国は滅び、王城は朽ち果てた遺跡と化している上、妾腹の生まれ故に生前は疎まれる存在であったが。 と、学園の研究者から自身の出自を告げられた過去の亡霊。 生前が望まれない存在だったせいか、生き残るために計算高くなったが、己の務めは弁えていた。 美しく長い黒髪は羨望の対象だったが、それ故に妬まれたので、自分の髪の色は好きではない。 一族の他の者は金髪だったせいか、心ない者からは、 「我が王家は黄金の獅子と讃えられる血筋。それなのに、どこぞから不吉な黒猫が紛れ込んだ」 等と揶揄されていた。 身長は150cm後半。 スレンダーな体型でCクラスらしい。 安息日の晩餐とともにいただく、一杯の葡萄酒がささやかな贅沢。 目立たなく生きるのが一番と思っている。
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《ココの大好きな人》アンリ・ミラーヴ
 ルネサンス Lv17 / 教祖・聖職 Rank 1
純種が馬のルネサンス。馬の耳と尻尾を持つ。 身長175cm。体重56kg。 16歳。 性格は温厚。 あまり表情を変えず寡黙。 喋る際は、言葉に短く間を置きながら発していく。 少しのんびりした性格と、言葉を選びながら喋るため。 思考や文章は比較的普通に言葉を紡ぐ。 表現が下手なだけで、年相応に感情は豊か。 好奇心も強く、珍しいものを見つけては、つぶらな瞳を輝かせながら眺めている。 群れで暮らす馬の遺伝により、少し寂しがり屋な面もある。 やや天然で、草原出身の世間知らずも合わさって時折、突拍子の無い発言をする。 好きな食べ物はニンジン。 食べていると美味しそうに目を細めて表情を和らげる。 趣味はランニング。運動自体を好む。 武術だけは、傷付ける行為を好まないため苦手。 入学の目的は、生者を癒し死者を慰める力を身に着ける事。

解説 Explan

●目的

ズェスカの復興を始めとした事業が巧くいくようにして下さい。

●方法

大きく分けて、以下の二通りの選択肢があります。

1 復興事業の手伝い・表

ズェスカの復興を始めとする各種事業の手伝いをして下さい。

以下のような物が進んでいます。

ズェスカの温泉復活のために火の霊玉の力を制御練習をする【ドーラ・ゴーリキ】

地形変化に伴う、野生動物の移住促進

地形変化を行う際に予定される各種イベントの準備
迫力満点の花火ショー&溶岩で谷を埋めたりして往来しやすい地形に改良など

ズェスカとボソク島など大陸中を繋げる鉄道事業

各種事業に関わる人手の手配
魔族や、貧困層などの弱い立場の者にも配慮した仕事の割り振り

などなど

その他、復興や新規事業に関連する物であれば自由に行動できます。

2 復興事業の手伝い・裏

各種復興事業を食い物にしようとする者達を対処してください。

以下のようなものがあります。

魔族などに因縁をつけて事業から排除しようとする者達への対応

魔族や社会的弱者を利用し仕事をさせ上前を撥ねようとする者達への対応

ズェスカで行われる火の霊玉によるマグマと地形制御に干渉しようとする者達への対応

などなど

基本、他人を食い物にして自分だけ利益を得ようとする者達に、どう対応するかをお書きください。

●PL情報

ズェスカで行われる地形制御に干渉できる魔法玉が使用されますが、ドーラにより未然に感知されます。

それをPC達は知る事が出来ます。

設置されている魔法玉を破壊すれば問題は無くなります。

魔法玉を破壊しようとすると、NPCギド・ギギルと取り巻きが抵抗します。

ギド達は暴力に慣れているだけなので、学園生達の方が確実に強いです。

ギドが身に着けている指人形をあしらったネックレスは、ギドが余計なことを言いそうになると爆破する可能性があります。

●NPC

味方NPCは自由に出せます。

以上です。


作者コメント Comment
おはようございます。もしくは、こんばんは。春夏秋冬と申します。

今回は、アフターストーリーエピソード第六弾、になっています。

少し前に出させていただいたエピソードのリザルトから発生した形のエピソードになっていますが、どなたでも気軽にご参加いただける物になっています。

書いていただいたプランによっては、関連エピソードが出て来る可能性もあります。

それでは、少しでも楽しんでいただけるよう、判定にリザルトに頑張ります。


個人成績表 Report
エリカ・エルオンタリエ 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:0 = 0全体 + 0個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
伝令鳥として提案書配布

火の霊玉の力を開放し、温泉を再び噴出させる

噴火・マグマ活動による地形変動を利用し
ズェスカの交通の便を改良

以後の温泉地の業務・安全な往来を安定的に継続可能な体制の構築

ついでに噴火を花火に見立てたり、劇的な地形変化の様子を
人々に安全な場所から見てもらい
勇者の奇跡の伝説として語り広め、人々の心を強くする助けにしたい

火の力は爆発的で破壊と再生を司る
強力だが暴走は危険なので事故に注意、慎重に扱う

テジくんの地の霊玉の生命を育み安定を司る力で
火の霊玉の不安定さや暴走を抑え、人も動物も住みやすい場所を安全に作れるはず

2人に粘土遊びなどを利用して地形変動のイメトレで練習

アドリブ・絡み大歓迎

ダケン・ヴァルガー 個人成績:

獲得経験:0 = 0全体 + 0個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
●方針
2復興事業の手伝い・裏
主に魔族差別、ピンハネ問題への対応
魔法玉については繋がりがあれば

●行動
裏通りや魔族たちの集まる地域を中心に見回りや炊き出しをしつつ、集まる情報を集めて不穏な噂や事態をみかけたら対応。
情報屋や助けた宣伝を頼み、最終的に裏社会より事案の駆け込み寺として機能できたら。

単純な因縁や差別感情には極力説得。
(もう戦争は終わったし、協力した方が得だろ?的な)

話の通じないチンピラや裏社会の住人には仰々しい武器と『威圧感』『楽園楽土』で威嚇し、なお向かってくるなら十分手加減した『峰討ち』『絶対王セイッ!』で殺さないよう撃退。
『ヤバいやつがついてるぞ』という空気を作って抑止力になれれば

パーシア・セントレジャー 個人成績:

獲得経験:0 = 0全体 + 0個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
◆目的
ズェスカ復興事業を主に対応し、事業を進める

◆方針
基本は【表】で行動
ズェスカへの帰還希望者や入植希望者を募り、復興事業での働き手や、事業完了後のズェスカに定住し、事業を行ったり地域振興の仕事に就くことができそうな人材を発掘

うまく育成して、ズェスカがかつて以上の賑わいになるための下地作り

◆行動
学園都市で住家、仕事を失った者や、ズェスカに帰還を望む者を対象に、ガラさんやストーカー家の力も借りて、ズェスカへの帰還・入植希望者を募って

その際に、友好的な魔族達にも協力して貰うことを明言し、一般人にも理解を得られるよう説明を尽くす

まずは、当面の仕事と住家を担保できるように、ストーカー家にも協力を依頼

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:0 = 0全体 + 0個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
ゴーリキくんの霊玉の制御、操作の手伝い、安全に地平変化出来るように対処していこうと思う

まずは制御、操作の手伝いだが感覚的なものもあるだろうからコツとか教えられないだろうということで専念出来るように雑事とか生活とかのサポートをしようと思う
それと並行して霊玉の安全な分離法がないか調べていこうと思う
調べると言ってもファウストさんに聞きに行ったり研究手伝ったりになりそうだけど

実際に地形変化するときには妨害が発覚するらしいのでそれの対処
グリフォンに乗って空からの魔法玉の捜索と破壊
戦闘になったら絶対服従、妖艶の美貌、刹那の支配を使い対処していこう

アドリブA、絡み大歓迎

アンリ・ミラーヴ 個人成績:

獲得経験:0 = 0全体 + 0個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
作業員の健康管理や治療の仕事に従事する。
復興も捗るだろうし、手厚く扱われると知れ渡れば、仕事に参加する人が増えるかもしれない。
診療所の類が用意されてるだろうから、そこで医療の専門家を手伝い、代わり怪我や病気の人を診たり、薬の塗布や包帯巻きなど治療を行う。
薬では十分に癒せない肉体の疲労には【リーライブ】、精神には【癒しの言葉】、中毒などには【デトル】を、自分のまりょくの余力を考えながら使う。
時々現場を見回り怪我人や疲労が辛そうな人を探し、その場で治すか、診療所へ連れていく。
現場回りにはココを一緒に行きたい。
感情的になった患者や、現場で衝突している人達には、【博愛主義】を活かしながら仲裁する。

リザルト Result

「土の霊玉の力も使うつもりなのね?」
「はい」
 風の精霊王【アリアモーレ】の問い掛けに、隼の姿になっている【エリカ・エルオンタリエ】は応えた。
「火の霊玉の不安定さや暴走を土の霊玉で抑えて貰って、安全に使えるようにしたいんです」
 今エリカが話しているのは、ズェスカ地方の復興に関するものだ。
 火の霊玉の力を宿す【ドーラ・ゴーリキ】に協力して貰い、現地に干渉。
 噴火を起こし地形を変化させ、かつての温泉宿場町として復活させようとしているのだ。
「火の霊玉の力は、爆発的で破壊と再生を司ります。強力だけど暴走すると危険なので、土の霊玉の生命を育み安定を司る力で暴走を抑えられないかなと思うんです」
 熱を込めた声でエリカは言った。
 今回のズェスカ地方の復興はエリカが立案したこともあり、いつになく力を入れている。
 エリカのやる気を、微笑ましげに見詰めながらアリアオーレは言った。
「良いと思うわ。方法として間違ってないと思うし。もし実行するとしたら、事前に連絡しないといけないから、それが大変だけれど」
「それはわたしが飛んで周ろうと思います。なので、代書をお願いできます」
 エリカの頼みに、この場にいるもう1人、異世界人である【メフィスト】は返した。
「いいですよー」
 メフィストに代筆して貰いながら、エリカは言った。
「毎回代筆して貰うのも大変ですね……こういう時は、人の姿になれると便利なんですけど……」
「そうねぇ……どうにか出来るかもしれないわ」
「できるんですか?」
 聞き返すエリカに、アリアモーレは応えた。
「私ひとりだと属性的に難しいけれど、他の属性も加わればどうにか出来るかもしれないわ。ちょうど火の力を使って温泉を作るわけだし。その助けになりそうなのも喚んで――来たみたいね」
 そう言うとアリアモーレは、少し離れた場所に視線を向ける。
 エリカもそちらに視線を向けると、突然巨大な火柱が上がり、それが晴れると1体のドラゴンの姿をした何かが出現した。
「来てくれたのね、【エンジバ】」
「火の霊玉に関わることだと聞いたのでな」
 現れたのは、火の精霊王エンジバだった。
 エンジバはエリカに視線を向けると、穏やかな声で言った。
「汝が、今回の件を立案した学園生か? 色々とあったようだが、今はアリアモーレの眷属となっているようだな」
「エリカ・エルオンタリエと言います。ズェスカの復興に力を貸していただけるのですか?」
「火の霊玉の核となっている勇者の魂を解放することにも繋がると聞いてな。それと力を貸すのは、私だけではないぞ」
 エンジバの言葉の意味をエリカが問う前に、その答えが現れる。
「ありゃ、みんな集まっとるみたいやな」
 水面から顔をのぞかせるようにして、地面から大きな亀が顔を出した。
「来てくれて嬉しいわ、【プロギュート】」
 アリアモーレの言葉に、土の精霊王であるプロギュートは応える。
「気にせんでもええよ。土の勇者の魂を解放してやれるんなら、してやりたいと思っとったし。魔王決戦の後のごたごたも片し終えたからなぁ」
「あの、何かあったんですか?」
 プロギュートの言葉が気になったエリカが尋ねると、プロギュートは応えてくれる。
「魔王はどうにかなったけど、初期化した時の影響で、ちぃと魔力の乱れがあったからなぁ。それを直してたんや。アリアモーレやエンジバも自分の担当は終わらせたみたいやけど、残りの精霊王はボチボチ片付けとるみたいや。光や雷の兄弟とかは、それ以外にも人間によおけ関わっとるみたいやから、そっちの方で手間どっとるみたいやけど、もうちょいしたら片付けて力貸してくれると思うで」
 話を聞いて、エリカは先々の展望が明るいように感じる。
(精霊王さま達も力を貸して貰えるなら、きっと今まで以上に良い方向に繋がるはず……そちらに繋げるためにも、まずはズェスカの復興を成功させないと)
 やる気を今まで以上に盛り上げながら、エリカは皆に頼む。
「どうか力を貸して下さい」
 これに快く、皆は応えてくれた。

 エリカが精霊王達の力も借りながら、各地に伝令鳥として提案書を配布している頃、他の学園生達も動いていた。

「なら、学園側の調整はお願いしても良いのね?」
「ああ、そっちは担当するよ」
 根回しに動くため、【パーシア・セントレジャー】と【仁和・貴人】が話し合っている。
「何度か先生達と話して、力を貸して貰えるよう協議してるから、こっちは大丈夫。でも商人の人達との折衝が出来てないから――」
「そっちは、こちらで受け持つわ。細かい報告書を出す代わりに、向こうも本格的に動いてくれるみたい。色々と伝手も当たって貰ってるから、資金面での心配はしなくても良さそうね」
「助かるよ。それじゃ学園側は、人材と各国との折衝、それと後ろ盾として動くってことで」
「商人側は、資金の提供と継続した仕事の斡旋に動いて貰うわ。それと余計な時間を取らないで済むよう、何かあれば伝令で報告するけど、それぞれ独立して行いましょう。そういうことで良いかしら?」
「分かった。こちらも何かあれば、その都度報告するよ。それじゃ、そちらはよろしく」
「ええ。そちらもよろしくね」

 話を終わらせ、それぞれの受け持ちに向かう。
 今回は規模が大きく長期の計画になるので、全てを毎回協議して進めていては時間が掛かり過ぎる。
 そのため、ある程度の独立性を持って、それぞれが進めることにしていた。
 とにかく回して行かなければならない仕事は多く、人手は幾らあっても困らない。
 力強い助っ人が求められる中、他の学園生達も力を貸してくれる。

「荒事の必要な人助けってのは、やりがいがあるな」
 今回の大規模事業の話を聞いて、【ダケン・ヴァルガー】は意気込んでいた。
 入学したての頃は無頼漢の匂いを纏っていたダケンだが、今では一本筋の通った、武侠にも似た雰囲気を感じさせる。
 服装も、入学したての頃に比べると清潔感があるので、『人好きのする気の好い兄ちゃん』といった気配を醸し出していた。
 彼がそうなったのは、色恋が切っ掛けとはいえ、彼自身の性格も大きいだろう。
 だからこそ、今回の課題でやる気を見せているのは彼らしい。
「今回の課題、表舞台と裏方仕事に分かれてるみたいだが……」
 歩きながら考えて、答えはすぐに出てきた。
「やっぱ裏方仕事に回るか」
 とある怪盗な先輩に片思いして以来、怪盗方面やバックアップ職も将来ありかなー、などと考えているダケンとしては、そうした経験を積めるのは願ったりかなったりだ。
 それに学園に入る前は、正々堂々、スジを通して道理を通さぬ荒くれ者として世間様に迷惑をかけてきた年季の入った無頼漢として生きてきたので、荒事には慣れている。
 やることを決めたなら、あとは詳しく話を聞くだけということで、課題を出した職員室に向かう。

 ダケンと同じように、今回の課題を助けてくれる学園生は、他にもいる。

「ココ。一緒に課題について来てくれる?」
 アニパークに訪れた【アンリ・ミラーヴ】は、魔法犬【ココ】に頼む。
「わふ」
 いつものように鳴いて応えてくれるココだが、少しばかり鳴き声の調子が違う。
 アンリが会いに来てくれれば尻尾を振って喜ぶココだが、今日の鳴き声には気遣うような響きがある。
 どうしたの? とでも言うようにアンリを見上げ、調子を確かめるようにアンリの手の匂いを嗅いだりしていた。
「……大丈夫だよ、心配しないで」
 アンリは、ココを安心させるように撫でてあげる。
 実際、アンリの調子が悪いわけじゃない。
 ただ、ココのこれからが気になっているのだ。
(ココは、精霊王になるんだろうか……)
 少し前、ココの将来を気遣うアンリは話を聞きに行ったのだが、そこで異世界人であるメフィストから知らされたのだ。
 どうやらココは、精霊王になれるかもしれないらしい。
 ココはアンリを信頼しているので、アンリの考え次第でどうなるかは分からないが、可能性の芽を摘むことをしたいとは思わない。
(今回の課題で、火の霊玉の力が使われるみたいだから、それを見ることが出来れば、ココにとっていい経験になるかもしれない)
 ココのことも考えて、アンリは課題を受けようと思っているのだ。
「これからズェスカに、一緒について来て欲しいんだ」
「わふ?」
 好奇心を浮かべながら見上げて来るココに、アンリは続ける。
「そこでいっぱいお仕事をしている人達がいて、怪我や病気を治すためにいくけど、ついてお手伝いしてくれる?」
「ひゃん!」
 お手伝いする! とでも言うように、元気良く鳴くココ。
 そんなココの頭を撫でてあげながら、詳しい話を聞くため一緒に職員室に向かう。

 そうしてアンリとココ、それにダケンも職員室に向かっている頃、一足先に訪れていた貴人は、教師達に協力を頼んでいた。

「オレ達だけだと人手が足らないと思うんです。ズェスカを復興するためにも、力を貸して貰えませんか?」
 貴人の頼みに、教師陣から色よい応えが返ってくる。より正確に言えば――
(なんだか、随分と乗り気なような?)
 なぜか、貴人に対する期待感のようなものが感じられた。
 気になったので、それとなく聞いてみると――
「だって貴方、学園長の婚約者になったじゃない」
「――……え、は? いやそれは……ええっ!?」
 あっけらかんと言う【ユリ・ネオネ】に、思わず貴人が言葉を詰まらせていると、他の教師達も口を開く。
「あれ? 違ったの? 恋人になったのは確実だとは思ってたんだけど」
 少し慌てたように言うのは、【コルネ・ワルフルド】。
「デートしてたの見かけた人がいたみたいだし、なにより学園長が嬉しそうだったからてっきり……違うの?」
 これを否定するのはメメルに対する裏切りのようにも思えたので、貴人は応える。
「間違っては無いけど……その、先生達がここまで気にするとは思ってなかったというか……」
「それについて、少し話しておいた方が良さそうですね」
 穏やかな声で言ったのは、【シトリ・イエライ】。
 彼は穏やかな口調のまま、話してくれる。
「学園長は、学園の創始者です。ここまでは良いですね?」
「はい」
 背筋を正して聞く貴人に、シトリは嬉しそうに目を細めると話を続ける。
「学園は形式的には『学び舎』ですが、実務では『大規模ギルド』として世界中から依頼を受け解決しています。そのため国家間の調停機関であり、実質的には1つの国であるとも言えます」
「それは……確かに」
 自分なりに考え飲み込んでいく貴人に、教師達は好意的な視線を向ける。
 それを受ける貴人に、シトリは現状を正しく説明した。
「つまり、あなたが学園長と結婚するということは、二千年の歴史を持った、国家間の調停を成し遂げられるだけの軍事力を持った国の創始者であり象徴である女王、メメ・メメル学園長の王配になるに等しいということです」
 一学生が大国の女王様と結婚するってことだね! と笑顔で説明してくれるシトリ。
 笑顔のまま、シトリは続ける。
「学園長は初期化により魔法使いとしては弱体化されているので、再び力をつけるまで、一時的に実務面からは降りられることがあるかもしれません。ですが学園の象徴として、なにより今まで築いてきた各国とのパイプの維持などの面から、学園に残っていただくことになるでしょう」
「まぁ要は、学園長を支えてあげられるぐらいになって欲しいってことだよ」
 笑顔で言うコルネ。そして――
「そうなれるよう、私達も協力するから。ビシバシと、ね」
 ぐわしっと肩に手を置く、ユリ。
 鬼教師とも呼ばれる彼女は、満面の笑顔を浮かべていた。
 教師達の言葉を聞いて貴人は――
(メメたん、やっぱりみんなに慕われてるんだな)
 好きな人がみんなに思われていて、誇らしさと嬉しさの入り混じった気持ちになる。だからこそ――
(オレも、メメたんを支えられるようにならないと)
 メメルのためにも、今まで以上に頑張ることを決意する。
「オレ、頑張ります」
 意気込む貴人に、教師たちは笑みを浮かべ、代表するようにシトリが言った。
「その頑張りを、私達もサポートします。必要なことがあれば、遠慮せず訊いて下さいね」
「はい」
 貴人が応えると、職員室の扉が開く。
「こんちはー。課題のことで聞きたいことが――って、もう話進んでるのか?」
 ダケンが、ずんずんと遠慮なく近付いて話に加わる。
「復興事業の手伝いって聞いてたんだけど、具体的に何すりゃいいんだ? 裏方仕事でも何でもするぜ」
 やる気を見せるダケンに、具体的な仕事を割り振っていく。
「魔族の人が集まる場所には人手を配置した方が良いと思うんだ。悪いけど、行って貰えるかな?」
 貴人が頼むと、ダケンは快く返してくれる。
「任せとけ! 荒事が関わるなら慣れてるからな。あ、でも、何かあったらすぐに連絡付けた方が良いよな。何かいい方法ないか?」
「だったら通信石を渡しておくよ。あとは――」
 貴人が考えていると、窓を叩く音がする。
 視線を向ければ、そこには一羽の隼の姿が。
「なんだ? 鳥?」
 気になって窓に近づくダケンに、貴人が言った。
「協力者だよ。部屋に入れてあげて」
「鳥も手伝ってくれんのか!? ずいぶんと賑やかだな」
 ダケンが窓を開けると隼は部屋に入り、足で掴んでいた手紙を机の上に落とした。
 中身を確認するため、開けようとすると――
「失礼します」
「わふ」
 アンリとココが職員室に入って来た。
 ちょうどタイミングが良いということで、皆で内容を確認する。
 中身はズェスカの復興に関わる具体的な提案書だったが、その内のひとつを聞いて、アンリは思わず声を上げた。
「精霊王様たちが、力を貸してくれるんですね」
 アンリはココを見詰めたあと、頼み込む。
「課題で、作業員の人達の健康管理や、治療をするつもりなんだけど、それが終ったあとに、精霊王様たちに会っても良いかな?」
 これに、メフィストから新しい精霊王の話を聞いていた貴人が返す。
「大丈夫だと思う。先生、良いですか?」
 これにコルネが応える。
「問題ないよ。アタシも手伝うつもりだったし、必要なら一時的に持ち場を代わってあげる」
 コルネの言葉に、礼を言うアンリ。
 そのやりとりを聞いていたダケンは、ひとつ思いつく。
(コルネせんせも来るってことは……後で購買部でアレを買っておくか)
 コルネに特攻なブツを手に入れておこうと考える。

 そんなこんなで、それぞれ持ち場や連絡について話がつき、ズェスカへ向かうことにする。
 学園側の準備が整い始めた頃、周辺事業を支える商人達との話を、パーシアはつけていた。

「――という条件で話を進めても良いでしょうか?」
 パーシアの提案に、銀行業を行っている【ブラム・ストーカー】は返す。
「はい、構いません。学園や大国が後ろ盾になっていただけるなら、こちらとしても問題なく進められます」
 いま話しているのは、ズェスカと周辺の整備に関するものだ。
「箱物として温泉街の整備をしつつ、そこに住む住人の自治に関する提案もいただいてますからね。これが巧くいけば、安定してこちらとしても収益が上げられる」
 パーシアが提案したのは、ズェスカの物理的な整備に関する物だけではない。
 むしろ肝となるのは、ズェスカへの帰還希望者や入植希望者を募り、復興事業での働き手や、事業完了後のズェスカに定住し、事業を行ったり地域振興の仕事に就くことができそうな人材を発掘することだ。
「学園都市で住家、仕事を失った者や、ズェスカに帰還を望む者を対象とする予定です」
 パーシアは文章だけでなく、口頭でも説明する。
「その際には、友好的な魔族達にも協力して貰うことを明言することで、一般人にも理解を得られるよう説明を尽くします」
「それはありがたいですね。私の一族としても、助かります」
 含みを持たせるブラムにパーシアが疑問を持つと、応えが返ってくる。
「私達の王である【アーカード】様が復活され血を吸われたので、眷属たる私達も魔族として力が増しているのです。今はまだ誤魔化せますが、いずれ吸血鬼として、人とは違う魔族だと知られるようになるでしょう。そうなると人に紛れるのが難しくなる。その前に、魔族と人の融和を図っていただけるなら、こちらとしても助かります」
 色々とストーカー家としても都合があるらしい。
 それだけに、パーシアの提案には乗り気だ。
(これなら巧く行きそうね)
 手ごたえを感じ、さらにパーシアは提案していく。
「長期的に必要なのは自治です。今回の復興事業には現地に定住して貰える人材の発掘を行いますが、彼らが自分達でズェスカを運営し守れるようにするのが最終的な目的です」
「その住人の中には、魔族も含まれるということですね?」
「はい。現時点では、街その物を作っていく段階ですが、それを逆に利用します。復興事業での作業で、力仕事や危険な作業に、一般人と友好的な魔族達が適材適所で協力できたら、苦楽を共にした絆が生まれるかもしれませんから。ですがそれを実現するためにも、ストーカー家を始めとした真っ当な商人の関与が必要です」
 あえて断言するように説得を続けるパーシアに、ストーカーは先を促す。
「すでに、おかしな業者が絡んでいるようですね」
「ええ。ズェスカの周辺地に留まっていますが、妙な連中が土地を買い漁っているようです」
「そちらについては、こちらも調べさせて貰いましたが――」
 そう言うと、ブラムは調査書を差し出す。
「色々と黒い噂を聞く相手です。本人と周辺には、そこまで調査力は無い筈なのに、随分と目端が利くようで」
「……背後に関わっている別組織があると?」
「さて? とにかく、そうしたおかしな業者が絡まないようにする必要がありますね」
「それにはストーカー家や、真っ当な商人の関与が必須です。お願いできますか?」
「もちろん。こちらとしても今回の件で、今後も末永くお付き合いしたい商人の方達と関われましたから」
 それは学園OBである【ガラ・アドム】を始めとした、学園と縁のある、あるいは学園と関わった事のある商人達のことだ。
 銀行業を営むストーカー家としても、優良な貸出先を獲得できるのでお得ということらしい。だからこそ――
「今回の件で私達だけでなく、他の商家の方達とも協力させていただきます。それに当たって、これを――」
 そう言ってブラムは、一枚のカードを差し出した。
「これは?」
「ストーカー家における委任状のようなものです。貴女の魔力に反応して、身元を証明できるようになっています。それがあれば、私共で指定した限度額まで動かせます。ストーカー家が関わる銀行か、商家に連絡してください。限度額までは用意してくれるでしょう。金額は――」
 ひとつの都市の年間予算ほどの額を提示された。
「……いただいて良いんですか?」
「もちろん。貴女の提案と、貴女自身には、それだけの価値がある」
 キッパリとブラムは言った。
「現場の指揮や周辺の政治、あるいは武力に関してはお任せします。その代り、兵站はこちらが全力で用立てましょう。期待しております」
「ええ。任せて下さい」
 今後の援助を確かな物にするためにも、パーシアは迷いなく応えた。

 その後、パーシアを中心として、ズェスカへの入植、あるいは帰還者を募る。

「学園が全面的に手助けします。ズェスカへ入植してみませんか?」
 未だ学園に避難生活を続けている者達だけでなく、ズェスカから離れてしまった者達を探し出し話をつけていく。
「故郷を立て直してみませんか? そのために必要な物は、こちらで用意しています」
 何十何百となく声を掛けていく。
 その中には、魔族達もいた。
「警戒されるのは当然です。ですが安全は、全力で保障します」
 断られることもあったが、めげることなく続けていく。
 それは、希望を抱いているからだ。
(この事業を活かせば……先の戦いで家を失った人々の働き口だけでなく、新たな家や仕事を得ることもできるはず)
 今だけでなく、その先を見据え、パーシアは説得していく。
「入植希望者には安く土地を斡旋する制度や、復興事業での働きが評価された方に起業支援金を支給できるようにもしています。特に目覚ましい活躍をされた方は、今後の街の運営に参画する役人に推挙されることもあります。ズェスカ復興のため、そして皆さんの将来のためにも、協力して貰えませんか?」
 真摯に粘り強く説得を続け、応じる者が増えていく。

 人と物、そして学園を始めとした支援者が集まり、実際の事業は始まっていった。

●ズェスカ復興
 巨人達が、ズェスカの周囲を歩き測量していく。
 サイクロプス達による、インフラ整備の下準備だ。
 彼らが必要とする物資をケンタウロス達が運び、用意は整っていく。
 運び込まれた物資を細かく配置していくのは、ズェスカに定住予定の人々と、魔族達だ。
 事前にパーシアが粘り強く事情を話していたこともあり、緊張感はありつつも作業は進んでいる。
 そこで一際賑やかに働いているのは、ダケンだ。
「重そうだな。こっちは任せな」
 大きな資材をひょいっと持ち上げ、皆を励ましていく。
「今日も一日頑張ろうぜ! 一杯働いて腹空かせたら、美味いまかない飯も用意してるからな!」
 人間も魔族も分け隔てなく率先して関わることで、軋轢が起るのを未然に防いでいる。
 そうして周っていると、ぶつくさ悪態じみたことを口にする者もいる。
「……美味い飯ね……はっ、餌よりはマシなの出てくんだろうな」
「おう、そりゃ当り前よ」
 悪態を呟いていた者の背中を軽く叩いてダケンは言った。
「どうせ食うなら美味いもんじゃねぇとな。任せとけ」
 そう言うとダケンは、まかない飯を作ってくれる料理人、【辰五郎】と【ガストロフ】に声を掛ける。
「とびっきり美味いもん、頼むぜ」
「ああ、期待して待っててくれ」
「あんたの希望通りの料理も作ってるからな」
 応えながら作っているのは、干しブドウを入れたおにぎり。
 干しブドウの味を引き立てるため、軽く酢飯にした物に混ぜ、食用の葡萄の葉っぱで包んでいる。
 他にも、出汁で炊いた餅米入りのご飯に干しブドウを混ぜ、葡萄の葉っぱで包んだ物を煮込んだ料理など、色々と作ってくれていた。
 その匂いを嗅ぎつけ――
「沢山食べるためにも一杯働かないとね!」
 コルネが出現。
 資材を、ちゃっちゃか運んでくれる。それを見て――
(計画通り!)
 ダケンは内心でガッツポーズ。
 コルネも参加すると聞いていたので購買部で干し葡萄を買い、それを辰五郎達に渡して料理を作って貰っていたのだが、巧く釣れたようだ。
(干しブドウで気をひけたら、働かざる者食うべからず、ってことで手伝って貰おうと思ったが、そこまでする必要も無かったな)
 より美味しく干しブドウをいただくために運動する! と言わんばかりのコルネに、ダケンは声を掛ける。
「コルネせんせ、その調子で頼むぜ!」
「任せて! そっちもよろしく!」
「おう!」
 ダケンは応えると、周囲を手伝いながら見て回る。
 それは情報を集めて不穏な噂や事態をみかけたら対応できるようにするためだ。
 可能なら情報屋や、手助けした者達に宣伝して貰うことで、最終的に裏社会に関わる前の駆け込み寺として機能できないかと思っている。
 そうした思惑を抱きながら見回りを続けていると――
「――っ!」
 軽い悲鳴が上がる。
 見れば、運んでいた資材を落とし、軽く怪我をしたらしい。
 怪我は大したことが無さそうだが、問題は当事者が人間と魔族ということだ。
「お前、わざと手を離しただろ」
「はぁ!?」
 険悪な空気が流れそうになった、その瞬間――
「ひゃん」
 犬の鳴き声が響き、罵り合いになりそうだった人間と魔族は虚をつかれ、気が抜ける。
 そこに、背中に救急箱を括りつけたココと、医療道具を持ったアンリが駆け寄った。
「怪我、ありませんか?」
「ひゃん」
 消毒の道具を出しながらアンリは言った。
「化膿したらいけないから、消毒します」
 資材を落とした時の擦り傷を消毒し、その後デトルも使う。
「疲れは大丈夫ですか? もしよければ、リーライブも使います」
「……いや、そこまでは……すまねぇな」
「いえ、気にしないで下さい」
「ひゃん」
 アンリとココのお蔭で、場が和む。
 そこで、次は魔族に声を掛ける。
「怪我をしていませんか? していたら、手当てします」
「ひゃん」
「……ああ」
 警戒するように、けれど静かに、魔族の男はアンリの手当てを受ける。
 それを少し離れた場所で見ていた人間のひとりが、ぼそりと呟く。
「魔族なんか放っておけば――」
「そう言うなって」
 ぽんっと肩に手を置き、ダケンは言った。
「もう戦争は終わったんだ。協力し合った方が得だろ?」
「……損得の話じゃねぇよ」
 わだかまりを零す男に、ダケンは声を掛け続ける。
「まぁ、それはそうかもな」
「……否定しねぇのかよ」
「そういうもんだろ? 気持ちは嘘つけねぇからな……だが、もう少しだけ時間をくれねぇか?」
 そう言ってダケンは、資材を運ぶ魔族達を示す。
「力を合わせることが出来る魔族もいるんだ。お互いの得のためにも、良いんじゃねぇか?」
「得、か……」
「ああ。こういうのは、考え方を変えるのもひとつの手だ」
 少し声を潜めるようにして続ける。
「使いこなしてやるのも復讐の一つだろ?」
 冗談めかして言うダケンに、人間の男は小さく笑みを浮かべて返す。
「はっ……そうかもな」
 そう言うと作業に戻る。
 ダケンはそれを見届けたあと見回りに戻る。
 時折、作業の多さで疲れへばる者もいたが、その度にアンリとココが駆け寄った。
「ひゃん」
 ココが、背中に括ったリュックに入れた水筒を渡したり――
「疲れたら癒すから、いつでも言って下さい」
 アンリが優しく言葉を掛けながら、少しでも怪我をした者が出れば手当をしてあげていた。
 感謝の言葉を受けながら、アンリとココは一緒に周っていたが、さすがに休みなしでは倒れてしまう。
 消毒液なども無くなったので、補充も兼ねて一端休憩。
 仮設の診療所に戻ると、ひと息つく。
「ココ、疲れてない?」
「わふ」
 大丈夫、というようにココは鳴くと、今度はアンリを気遣うように見上げる。
 それにアンリは、笑みを浮かべながら応えてあげた。
「大丈夫だよ。でも、少し休もう。何か食べる?」
「ひゃん♪」
 嬉しそうに尻尾を振りながら、軽くおやつタイム。
 ココは、ストレスを感じないようにとアンリが持って来てくれていた、いつも使っている座布団に乗り、一緒に蜂蜜で煮たお芋を食べる。
 他にも、甘く煮た人参も少し。
 少し前、アンリの故郷に一緒にココは行ったのだが、その時アンリの母親が作ってくれた料理がお気に入りになったようで、作って持って来てあげたのだ。
「美味しい?」
「ひゃん♪」
 嬉しそうに鳴き声で返すココだった。

 そうして周辺事業が進む中、中核事業とも言える、火の霊玉の力を用いた地殻操作の準備も進んでいた。

「粘土は、まだ要るかな?」
「わちきは大丈夫じゃ」
 貴人に、ドーラは応えると、一緒に粘土をこねていた【テジ・トロング】に声を掛ける。
「テジも良いか?」
「うん」
 こくりとテジは頷くと、粘土をこねる作業に戻る。
 熱中しているのか、もくもくと粘土をこねていた。
 いま2人がしているのは、火の霊玉による地殻変動を巧く制御するためのイメージトレーニングだ。
 各地を飛び回っている隼が提案書として持って来てくれた物の中に書かれていたのだが、これが巧くいっている。
 頭の中だけで考えるのではなく粘土を使うことで、感覚として力を操ることが出来るようだ。
「これなら巧くいくのじゃ」
 ドーラは、頭上を飛んでいる隼に向かって声を掛ける。
「絶対に成功させてみせるぞ! じゃから安心して見ていてくれ!」
「キイ」
 鳴き声を上げ応える隼。
 そこに、ドーラ達が作業に集中できるよう、雑事を片付けた貴人が声を掛ける。
「一度に全部の力を放出するんじゃなく、その都度自分に合った魔力を放出するイメージでやると良いって聞いたよ」
 それはメフィストから聞いたことだった。
「一度に全ての力を出し切るのは無理だろうけど、何度か出して行けば慣れるって言ってた。それをしていけば霊玉の力を一時的に零に近いぐらいまでは減らせるから、そこまでいけば霊玉の核となっている魂を取り出せるみたいだ」
 メフィストの話によると、霊玉が力を抱えたままでドーラやテジから分離するのは難しいらしい。
 なので一端、魔力を空にしてから、どうにかするということだ。
 ズェスカの復興をしつつ、安全に霊玉を分離し、核となっている勇者の魂を解放する。
 一挙両得ならぬ三得なので、安全確実に実行するべく、作業を続けていた。すると――
「……妙じゃ」
 粘土で作った地形をなぞるように魔力を放出していたドーラが、緊迫した声を上げる。
「何かあった?」
 気になった貴人が尋ねると、ドーラは応えた。
「あちきが流した魔力が、吸い上げられているような気がするのじゃ」
「テジくんの影響、じゃないよね?」
「ううん。ちがうよ」
 ふるふるとテジは首を振る。
「魔力を吸い上げてる場所、分かる?」
 嫌な予感がした貴人が訊くと、ドーラは応える。
「分かるぞ。ここじゃ」
 粘土で作ったジオラマの、ある場所を指差す。
(ここって、妙な御者が買い漁ってた土地の近くだよな)
 嫌な予感が膨れ上がり、貴人はダケンとの連絡用の通信石を取り出し魔力を込めた。
「ヴァルガーくん、調べて欲しいことがあるんだ」
 詳しく説明すると、ダケンから応えが返ってくる。
『分かった、見て来る。それで場所は――』
 貴人は説明するも、口頭だけでは分かり辛い。すると――
「キイ」
 隼が一鳴きして、ダケンがいる場所に向かって飛んだ。
 それを見た貴人はダケンに連絡する。
「協力してくれる隼が空を飛んで案内してくれるから、それに沿って行って。オレもすぐに向かうよ」
『分かった』

 応えを返したダケンは空を見上げ、隼の姿を確認すると追い駆ける。

「まかない配ってる最中だったんだがな」
 ほとんど配り終っていたが少し残っている。
 置きに戻る時間は無いので、そのまま隼に案内され向かうと、いかにもゴロツキといった奴らが何かをしていた。
「おーい、昼にしねぇか」
 警戒されないようダケンは、まかないを持って来た振りをする。
 作業員に間違えられたと思ったゴロツキ達は、舌打ちしながらもダケンの接近を許してしまう。
「俺らは作業員じゃねぇよ。他所に行け」
「え? そうなのか? でもなんかしてるじゃねぇか?」
 近付くダケンをゴロツキ達が遮る。
「帰れ。邪魔だ」
「そう邪険にすんなよ。腹減ってんのか? だったらこれ食ってくれ。干しレーズン入りのむすびだ」
「はぁ? んなもんいるかっ」
 ゴロツキが、差し出された干しレーズン入りおむすびを叩き落とし踏みつける。
「お前、やっちまったな」
「はぁ?」
 ダケンの言葉に、ねめつけてくるゴロツキ――が、いきなり吹っ飛んだ。
「ふしゃーっ!!」
 吹っ飛ばしたのは、もちろんコルネだ。
 干しブドウを粗末にした輩に慈悲は無い、と言わんばかりに、問答無用でぶっ飛ばしていく。
「よしっ、俺も!」
 祭りに参加するぐらいの勢いで、ゴロツキ共をぶっ飛ばすのに加わるダケン。
 次々ぶっ飛ばされるゴロツキ達。
 一部逃げようとする者もいたが――
「逃がすか!」
 グリフォンに乗った貴人が退路を断つ。
 圧倒的な眼力をぶつけ恐怖させることで戦意を削ぎ落しつつ、魔力を込めた美貌で視線を引き付け、ゴロツキ達が反撃する暇も与えず、場を支配していく。
 貴人はゴロツキ達を制圧しつつ、ダケンに呼び掛ける。
「逃げるヤツはこっちで抑える! だからそっちは頼むよ!」
「おう! 任せとけ!」
 ダケンと貴人は協力してゴロツキ達を制圧。
 運が悪い者はバーサーカー状態のコルネにボッコボコにされた。

 その後、ボロボロになったゴロツキ達を、あとから駆けつけてくれた作業員達と一緒に拘束。
 何かを仕掛けようとしていた魔法玉を接収することが出来た。
 残念ながら、ゴロツキ共に指示を出していた親玉には逃げられてしまったが、未然に不測の事態を防ぐことが出来た。
 とはいえ念のため、周囲を点検。
 何事も無いのを確認してから、ズェスカの地殻操作を再開した。

「うむ。これで巧く行く筈なのじゃ」
「うん」
 一仕事を終えたドーラとテジの所に、隼が舞い戻ってくると、三柱の精霊王達も現れた。
「巧くいったみたいね。上手よ」
「うむ。これなら問題なかろう」
「せやね。でも折角来たんやし、制御の手伝いしよか」
 アリアモーレ達も協力してくれることになり、実際に力を振るってみることにする。
 そこにアンリとココがやって来ると、精霊王達に頼んだ。
「見学させて貰っても良いでしょうか? ココに、見せてあげたいんです」
「わふ」 
 鳴き声を上げるココを精霊王達は見詰めると、少し驚いたように言葉を交わす。
「まぁ、この子……」
「あの『獣』と同質の存在だな」
「それじゃ、儂らの兄弟みたいなもんやな」
 のっそりと大きな亀、土の精霊王プロギュートがココに近付き声を掛ける。
「おはようさん」
「ひゃん」
 尻尾を振りながら鳴き声を上げるココに、プロギュートは目を細める。
「ええ子やねぇ。儂はプロギュートというんよ。よろしゅうな」
「ひゃん」
 挨拶するように、プロギュートに鼻先をチョンとつけるココ。
 それを見ていた赤きドラゴン、火の精霊王エンジバはアンリに声を掛ける。
「その子は汝にとって、どんな存在か応えられるか?」
「大切な家族です」
 迷いなく応えるアンリに、エンジバは機嫌良さ気に目を細めると言った。
「うむ、好き応えだ。汝らは霊玉の力を使う所が見たいのだな? それなら見ていくがいい。我らも力を使う故、何かの役に立つかもしれん」
 エンジバの言葉にアンリがお礼を言おうとすると、アリアモーレが先に口を開く。
「もし良かったら、その子の力を貸して貰えないかしら?」
「ココの力を、ですか?」
 聞き返すアンリに、アリアモーレは言った。
「その子は『変身』の力を持っているでしょう? その力を少し貸して欲しいの」
 アリアモーレは、ちらりと隼に視線を向けたあと続ける。
「私達の力を込めた温泉を作りたいの。それに、その子の『変身』の力を加えたいの。ダメかしら?」
 アンリが少し迷っていると――
「わふ」
 お手伝いする、というように、ココはアンリを見上げて鳴いた。
「分かったよ、ココ」
 アンリは精霊王達に応える。
「分かりました。ココのためにもなると思いますから、お願いします」
 これに精霊王達は礼を返す。

 そして火の霊玉の力を核として、ズェスカの地殻変動が行われる。
 一度に全てを行うのは危険なので、あくまでも一部の地域ではあるが、ドーラが魔力を流していく。
 その制御を助けるため、テジも魔力を流し、精霊王達が補佐してくれる。
 精霊王達を見上げながら、時折ココは鳴き声を上げ、お手伝い。
 それがしばらく続いたあと、地面が揺れ地鳴りが響き、地形が変化していく。
 大地が隆起し、あるいは沈下し、マグマが湧き立つ。
 それは雄大で美しく、力に溢れた光景だった。
 皆が見惚れている中、一筋の火柱が空に走り――

 ドッ……――パァンッ!!!!

 盛大な音と共に、煌びやかな花火を咲かせた。
 マグマが流れ変化していく地形と合わさって、見応えのある光景だった。
 それを離れていた場所で見ていた商人達は、早速算盤勘定。
「温泉地の造成が完了するまでの、期間限定の絶景って触れ込みで客を呼べるわね!」
「今しか見れないって触れ込みなら、金を積むお客さんはいるからいける!」
 アルチェの貴族筋の女商人【ララ・ミルトニア】は、学園OBのガラと一緒になって算段をつける。
 どうやら、太い客も呼べる価値を見出したようだった。

 こうしてズェスカの復興は始まっていく。
 学園生達の尽力もあり、明るい未来が拓けると、確信を持って抱くことが出来るのだった。

 そうしてズェスカの復興は始まったが、その目玉の一つである温泉は、すでに湧き始めている。
 その内のひとつ、精霊王達の力と、魔法犬ココの助力で出来た温泉があった。
 乳白色の温泉である。
 人気の無くなった夜に、アリアモーレと隼になっているエリカは訪れた。
「この温泉に入れば、どうにかなると思うわ」 
 そう言ってアリアモーレが温泉に入ると、巨大な隼の姿から妙齢の美女の姿になる。
 素っ裸であったが。
「あら、服も出そうと思ったら、別にイメージしておかないと無理みたいね」
 そう言うとアリアモーレは、身体の表面を覆うように魔力を放出。
 放出された魔力は、浴衣に変わりアリアモーレを包んだ。
 先に自分で確かめたあと、アリアモーレはエリカに言った。
「大丈夫よ。服とかはイメージに慣れておかないと難しいかもしれないから、今の内に入って練習しておきなさい」
 アリアモーレに促され温泉に入るエリカ。
(服は、イメージして……)
 思い浮かべながら魔力を放出し温泉に入る。
 すると温泉に入ると同時に、水着姿のエリカが表れた。
「人の姿になれますね」
「ええ。隼の姿に戻る時は、もう一度この温泉に触れれば良いわ。人の姿に戻る時は、さらにもう一度触れれば良いはずよ」
「毎回、浸かるのは大変そうですね」
「そこまでしなくても大丈夫よ。小さな小瓶にでも温泉を入れておいて、必要な時に少し付けるぐらいでも変身できるはずよ」
 温泉から出て試すと、アリアモーレの言う通りだった。
(これなら今まで以上に動くことが出来る)
 意気込むエリカは、首に温泉の入った小瓶を下げ、隼の姿で空を飛ぶのだった。



課題評価
課題経験:0
課題報酬:0
大規模事業の始まり
執筆:春夏秋冬 GM


《大規模事業の始まり》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 1) 2022-08-07 00:04:33
1で表の復興の促進を図りたいと思いますが、
動員が少ない場合は2も放置できないので、両方で活動します。
2を専属でやってくれる人が来てくれたら、
自分は1の専属で行きたいと思っているので、よろしくお願いします。

《今を駆ける者》 ダケン・ヴァルガー (No 2) 2022-08-07 21:51:07
魔王・覇王コースのダケンだ、学園の仕事は久々だがよろしく頼む。

行動は2の方を予定してるぜ。
アウトローの話は専門だし、人手不足な状況に少しでも貢献しないとな

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 3) 2022-08-07 22:34:01
ありがとうございます。
それでは自分は1に傾注しますが、今後は相談の状況などを見て、柔軟に対応したいと思います。

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 4) 2022-08-12 06:17:46
ギリギリの参加で済まない・・・
魔王・覇王コースの仁和だ
基本1に行こうと思ってるが文字数に都合ができたら2の方にも行くかもしれない

ゴーリキくんと火の霊玉周りのことについて動こうと思っている

《今を駆ける者》 ダケン・ヴァルガー (No 5) 2022-08-12 07:07:21
そろそろ出発だな。
俺は2でピンハネ、差別への対応中心で動こうと思う。
霊玉とか難しい事はちとわからねぇから、頼めるならお願いしたいぜ

《猫の友》 パーシア・セントレジャー (No 6) 2022-08-12 12:09:18
ご挨拶が遅れてごめんなさい。
王様・貴族コースのパーシア。よろしくお願いします。

私は1メインで動くように考えてるわ。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 7) 2022-08-12 17:59:45
わたしは霊玉の大きすぎる力を安定的に利用するために
火のドーラさんと地のテジ君の2人体制による制御練習を行ってみるわ。

うまくいけば、工期の大幅短縮だけでなく、異種族間の交流や絆の構築にもつながるんじゃないかしら?

あとは、サイクロプス族さん、ケンタウロス族さんなどの特技や個性を生かし
最大限の効果を見込んだ仕事の依頼も並行して行ってみるわね。