;
【新歓】きみと僕らの即興曲


ストーリー Story

●こんなハレの日、だからこそ
 ひらひらと。快晴の空を、桜の花びらが舞い遊ぶ今日。
 メメル校長の一声で唐突に始まり、賑やかに続いた『Magic of Delight』――マジック・オブ・ディライトも、終わりへと向かっていた。
 三日目ともなれば来場客は減り、学園関係者(在校生や新入生、職員など)が主な参加者となる。
 とはいえ、入学に年齢制限もなければ、卒業も本人の希望により延期されるフトゥールム・スクエアでは、そもそも在校生の人数が桁外れなのだ。
 ゆえに、最終日であっても新入生歓迎会の熱気は健在で、むしろ『明日からは通常授業だし』、『ハメを外すなら今!』なんて強い意志(しかもこれが生徒に限らず、教職員達も混ざっているのだから、この学園らしいともいえるのかもしれない)が爆発しているこの日、予想外の出来事(事件ともいう)が至る所で頻発するのは、仕方のない事だった。
 そして、そんな事件に『きみ』が巻き込まれるのもまた、当然のことであろう。

●始まりの鐘は、突然に
 事件は、唐突に起こった。
 ガシャーンッ! キャーッ! 人が倒れたぞ! 誰でも良いから、先生呼んできてっ!
 そんな騒々しさが耳に届き、『きみ』は急いで足を向ける。
 すると、そこには死屍累々といった表現が似つかわしい光景が広がっていた。
 どうしたんですか、と思わず尋ねた『きみ』に、彼等は答える。
「スペル湖で開かれている、『激辛カレー大食い大会』には、気を付けろ……」
 ガクッ。残された遺言に、間違いなくそれが、この状況の理由だろうと気付いた『きみ』は、安堵の溜息をひとつ。
 蹲っている面々は痛みに苦しんでいる様子ではあるのだが、原因がただの刺激物の食べ過ぎであるのなら、いずれ時間が解決してくれるだろう。
 ならば、誰か先生がやってくれば大丈夫だな。……と思っていた『きみ』の思考は、すぐに引っ繰り返されることとなる。
「おや、あなた達は。もしや『即興劇』を申し込まれていた、有志のかたがたでは?」
 騒ぎを聞きつけてやってきた【シトリ・イエライ】(賢者・導師コースを担当する教員の一人である)が尋ねると、弱々しいながらも『そうです……』なんていう言葉が聞こえてくる。
 それを確かに聞き届けたシトリは、『公演前に激辛カレーは駄目でしょう』、『舞台はどうするのですか』、と質問を続けながら、介抱にあたっている。
 そんな様子を見ていた『きみ』へ、蹲っていたひとりが手を伸ばした。
「たのむ……舞台を……成功させてくれ……!」
 えっ。突然の申し出に驚きを隠せない『きみ』に、倒れていた面々の視線が集う。
「たのむ……! 俺達の代わりに……! この日の為に、たくさんの衣装を、芸能・芸術コースの奴らが作ってくれたんだ……!」
 『いや、ならば尚更、ご自分のコンディションには気を付けなければ』と教育的指導をしているシトリの言葉は最もなのだが、『きみ』は引っかかることがあって、質問を返した。
 もし、このまま中止になったら、どうなる?
「衣装代とかは、全部俺達でなんとかするから、大丈夫。ただ、手伝ってくれた奴らは、たぶん……悲しむ」
 ――悲しむ。それはこんなにも賑やかな晴れの日に、とても似つかわしくない言葉だ。
「元々台本のない、即興劇の予定なんだ。だから、何をしてくれても良い。いやもういっそ、劇じゃなくたっていい!」
 俺達の代わりに、用意された衣装を使って、好きにやってくれ!
 真っ直ぐな瞳で懇願されて、『きみ』は思う。自分に何かできることはあるだろうか、と。
 即興劇という題目を見て客席が埋まるのなら、やはり劇に即したものがお客さん的には違和感はないのだろうが。
「いっそアイドルライブなんていうのも楽しそうですよね。ようは、用意された衣装をお披露目できれば良いのですから」
 『きみ』の考えに気付いたのだろう、シトリが微笑んだ。
 人差し指を唇にあて、どこか悪戯にウインクした男性教諭は、
「あなたが挑まれるのでしたら、私も出来る範囲で応援しますよ。派手な演出の魔法とか、舞台映えするでしょう?」
 なんて言いながらも、どこか楽しそうなのは、意外にそういったものが好きなのかもしれない。
 さて、ならば、――『きみ』はどうするのだろう。
 時刻は刻々と迫っている。まずは用意された舞台に向かい、並べられた衣装から、自分に何ができるかを考えなければならない。
 そして、必要であれば、友人・知人に声をかけ、『きみ』の思い描いた舞台の構想を話す必要もあるだろう。
 繰り返す。時刻は刻々と迫っている。
 ゆえに台本もなければ、練習時間だってない。ないない尽くしのこの状況で。
 この空白ばかりのステージを、『きみ』はどんな色に染め上げるのだろうか。


エピソード情報 Infomation
タイプ マルチ 相談期間 5日 出発日 2020-05-27

難易度 とても簡単 報酬 多い 完成予定 2020-06-06

登場人物 16/16 Characters
《新入生》レイラ・ユラ
 リバイバル Lv8 / 黒幕・暗躍 Rank 1
レイラ・ユラです。 行きたい場所、やりこと。沢山あります。 よろしくお願いします。 ■何かをしたいという思いだけが残っていたリバイバル。 些かマイペースで感情の起伏が見えにくい表情(ただ微笑んでいたり)でいることが多いが、基本素直で真っすぐな性格ゆえ、感情のまま走り出しそうになることも。 そのせいで言葉少なく動き出そうとすることもあるため、何を考えているのかわからなく見えるかもしれない。 【姿形】 手足が長く全体的に凹凸が少なめ。 やや釣り目で涼し気な目もと。色は深みのある真っ赤な紅色。 膝の辺りまで根性で伸ばした暗めの紫色のロングストレート。 ぱっつん前髪に合わせるように目じりから耳の前の髪を頬骨の下を口元辺りでぱっつんと。 右側(←)のサイドトップ(耳上あたり)には黒いラナンキュラスの髪飾り。 服装は基本的に黒のシフォンのマキシワンピースや黒の着物などに黒いレースの手袋(デザインなどはその日の気分だがリボンがついていたりとかわいい系の物を好んで着ている) 【傾向】 交流を断絶して生きていたことから、他者との交流に人並以上に感心がある。 自分ではないものの意見や経験、思考に触れるのが好き。 口調はやや硬く、それが通常運転になっているため親しさと口調は比例しない。
《新入生》パソス・ウェルテクス
 ローレライ Lv6 / 賢者・導師 Rank 1
弱きを助け悪を挫く、超天才美少女魔導士!! 身体に内包している莫大な魔力と天才的な知能を駆使して、今日も敵をバッタバッタとなぎ倒せ!! …という設定のすこしいたーいローレライ 設定全開で活躍しようとするが、だいたい空回りした後に「ふっそういうことだ」とか「くくっやはりそうだと思ったのだ」とか得意げにいうのはお約束 見た目が幼いため、子供扱いされると怒るが… 持っているものは年相応に持っているようだ 本名はイエラ・コーラサワー 実はどこかの商人の令嬢だが、物語の魔導士に憧れてしまい挙句の果てにはそのせいで厨二病を発症したもよう しかし両親が超親バカなので理解しているらしく、人様のために魔物を倒すことを決意した時には、もう泣きながら学園の入学を薦めたらしい とりあえず、コーラサワーじゃ格好が悪いということで偽名で名乗ることにした…らしい ※慌てたときなどの素の口調 一人称:わたし 二人称:あなた 三人称:~さん 口 調:~です、~ます
《新入生》ナレディ・ディトゥーニャ
 ルネサンス Lv8 / 勇者・英雄 Rank 1
『我は一族を護る為の力、そして強き伴侶を求めてガクエンの門を叩いた。ここは地面が固く、大地と隔たりがあるようで慣れん。お前らはこんなので平気なのか?…信じられんな。』                              ――――――― 【種族】 アフリカスイギュウのルネサンス 【性格】 健康的で美しい容姿をしているが、争いの絶えない土地で育ち、幼少より生き残るべく戦闘技術を骨の髄まで叩き込まれてきた為『諍いは力の優劣で決める』脳筋気味の思考をしている。 気性はかなり荒く、一度敵対したら徹底抗戦するが、仲間思いでもあるので学友には努めて理性的に接し親切にしてくれる。 「ただしライオン、貴様は許さん。殺す。」 彼女の部族では文字は一般的でなく、族長や祈祷・呪術師が扱う特別で神聖なものだったので座学は不得手な様子。 なので、貴方が勉学を教えてあげれば大変感激し「我らはもう親族だ!ボト族の地を訪れた時は集落全体で歓迎の宴をしよう」と喜ぶだろう。 男なら彼女を口説く方法として有用だ。 「おお!そうか、ならば我は喜んで妻になろう。」 「―お前が我に勝てたならな!」 …最後には必ず戦闘に入るが。 因みに、パンツは履いていない。 そんな文化はない。 【好き/好意的】 グリーンスムージー(文明が発達した国で口にして感動した) 強い男 ボト族 土、草地(舗装されていない地面) 空 ダンス(宴/祭) 【嫌い/敵対的】 ライオン(ルネサンス、原種問わず) 牛肉 自分の意見がハッキリしない者
《新入生》カイ・トキジ
 カルマ Lv3 / 芸能・芸術 Rank 1
「てか、アイツどこ?俺一人なんだけど?まあ、いっか!俺はカイ・トキジ!カイって呼んでくれていいぜ?一応、アイドルしてます!あ、いや、してました?か!まあ、よろしく!」 名前:カイ・トキジ 種族:カルマ 前種族:ダークエルフ 転移前:アイドルをしていた 転移後:ストリートパフォーマンスで金を稼いでいた 転移前の歳:44歳 転移後の歳:24歳 「え?なんで?!声が若い…?え?なにこの痣!あ、これ魔法陣?ん?ダークエルフじゃねえな。てか、アイツどこだよ~!!!」 性格 基本明るい感じ 元々明るく優しいは変わらないがどちらかというと落ち着いた感じだった 今は、すごくうるさい でも、普段は落ち着いてる 兄貴っぽい 好きなもの 体を動かすこと全般 歌歌うこと 作曲・作詞 音楽関係全般 うまいものであればなんでも 特技 運動神経を生かしたことならなんでも 日曜大工 DIY 工作・手芸 容姿 身長190cmのカルマ 手のひらと背中に魔法陣がある 褐色肌で髪はベリーショートで銀髪 頭にヘアバンドを付ける 服は転移前の服装 目はキリっとしてて兄貴っぽい感じでビー玉みたいな青色 その他 2人の子供を持つパパ 娘は養女で成人済み 息子は16歳あたりらしい
《新入生》エソラ・トキジ
 エリアル Lv4 / 芸能・芸術 Rank 1
「エルフタイプのエリアルのエソラ・トキジです。兄貴を知りませんか?馬鹿なんですけど、馬鹿なんですけど、兄貴を知りませんか?」 前の世界でモデルを稼業としてた、自称有名モデル。 男装モデルもしていた時期があるが、転移する前はアラサー女性としてモデルをしていた。 こっちに来るときに、見た目はさほど変わらなかったが、歳が若くなった。 年相応の見た目なので口調も若い。 ちょっと男っぽいところもあり、一人称はおれだ。 仲の良いものには砕けた感じで話す。 ほとんどは敬語だ。 身長は167cmと見た目の若さにして若干高い。 だが、これでも少し低いそうだ。 兄がいるらしく、この学園に入ってきたらしいが、本当は守りたい人を護れる力を欲していたから。 容姿 ボブの髪型で、ちょっと毛先が濃い紅色。 瞳は猫目だが、ちょっとキリっともしてる。 オッドアイで相手側から見て、左が青・右が緑だ。 性格 知り合いには結構気さく 優しい面もあるが、どちらかというと真面目 面倒見がいい 兄貴のことがほっとけない性格 従兄とは結構仲良しさん 趣味 写真 ショッピング コーディネイト 髪を結うこと 特技 モデル業全般 お世話 その他 兄と従兄になついてる 大切な人がいる きちんとしてる
《新入生》シルキー・ソレイユ
 アークライト Lv6 / 王様・貴族 Rank 1
私の名前はシルキー・ソレイユです。 種族は元人間で現在はアークライト、専攻は王様・貴族ですね。 昔は別の世界で色々と仕事をこなし、そして幸せな家庭を築いていたのですが、気がついたらこの世界に移転してしまったのです。 転生したらアークライトという有翼人になっていたのです。 何をすればいいのかわからず、かつての世界で習った使用人の仕事や貴族の勉強をしていたのです。 そして貴族の勉強をしている際に学園からスカウトがあり、そこで色々勉強させてもらっています。 学園の中で、かつて転生前に似た…というより本人である私の旦那様がいたのですよ。 そして願うは学園内で再度二度の結婚をしてみたいものですね。 もちろん皆様とも仲良くしたいですね。
《新入生》マサムネ・ルーナ
 エリアル Lv6 / 黒幕・暗躍 Rank 1
ボクの名前はマサムネ・ルーナだ。 元の世界では至って不満のない満足した生活をしていた。 なによりとてもかわいいエルフと結婚もできたのだからな。 しかも娘が2人もいたからな。ふふふ… 昔はなにをしていたかって?一応ファッションデザイナーをしていたな。 なんだかんだで、ボクはこの世界に転生してきたわけだ。 若くなったうえ、エルフ型のエリアルになるという代償もあったが…いや、代償というより、寧ろこれはいい事だな。嫁とおんなじ種族になれたんだからな。 せっかくなんで、この学園にやってきたわけだし、この世界について色々と調べて見ようかね。 性格:冷静沈着を自称しているが意外とお喋りで生意気なところもある。 外見:中性的な顔つきをしている。髪型は、ぱっつんでポニーテール。
《1期生》アケルナー・エリダヌス
 ローレライ Lv20 / 勇者・英雄 Rank 1
目元を仮面で隠したローレライの旅人。 自分のことはあまり喋りたがらない。適当にはぐらかす。 ふとした仕草や立ち居振舞いをみる限りでは、貴族の礼儀作法を叩き込まれてるようにもみえる。 ショートヘアーで普段は男物の服を纏い、戦いでは槍や剣を用いることが多い。 他人の前では、基本的に仮面を外すことはなかったが、魔王との戦いのあとは、仮面が壊れてしまったせいか、仮面を被ることはほとんどなくなったとか。 身長は160cm後半で、細身ながらも驚異のF。 さすがに男装はきつくなってきたと、思ったり思わなかったり。 まれに女装して、別人になりすましているかも? ◆口調補足 先輩、教職員には○○先輩、○○先生と敬称付け。 同級生には○○君。 女装時は「~です。~ですね。」と女性的な口調に戻る。
《幸便の祈祷師》アルフィオーネ・ブランエトワル
 ドラゴニア Lv23 / 教祖・聖職 Rank 1
異世界からやってきたという、ドラゴニアの少女。 「この世界に存在しうる雛形の中で、本来のわたしに近いもの が選択された・・・ってとこかしらね」 その容姿は幼子そのものだが、どこかしら、大人びた雰囲気を纏っている。  髪は青緑。前髪は山形に切り揃え、両サイドに三つ編み。後ろ髪は大きなバレッタで結い上げ、垂らした髪を二つ分け。リボンで結んでいる。  二重のたれ目で、左目の下に泣きぼくろがある。  古竜族の特徴として、半月型の鶏冠状の角。小振りな、翼と尻尾。後頭部から耳裏、鎖骨の辺りまで、竜の皮膚が覆っている。  争いごとを好まない、優しい性格。しかし、幼少より戦闘教育を受けており、戦うことに躊躇することはない。  普段はたおやかだが、戦闘では苛烈であり、特に”悪”と認めた相手には明確な殺意を持って当たる。 「死んであの世で懺悔なさい!」(認めないとは言っていない) 「悪党に神の慈悲など無用よ?」(ないとは言っていない)  感情の起伏が希薄で、長命の種族であった故に、他者との深い関りは避ける傾向にある。加えて、怜悧であるため、冷たい人間と思われがちだが、その実、世話焼きな、所謂、オカン気質。  お饅頭が大のお気に入り  諸般の事情で偽名 ”力なき人々の力になること” ”悪には屈しないこと” ”あきらめないこと” ”仲間を信じること” ”約束は絶対に守ること” 5つの誓いを胸に、学園での日々を過ごしている
《熱華の麗鳥》シキア・エラルド
 ヒューマン Lv25 / 芸能・芸術 Rank 1
音楽と踊りが好きなヒューマンの青年 近況 自我の境界線が時々あやふやになる みっともない姿はさらしたくないんだけどなぁ 容姿 ・薄茶色の髪は腰の長さまで伸びた、今は緩く一つの三つ編みにしている ・翡翠色の瞳 ・ピアスが好きで沢山つけてる、つけるものはその日の気分でころころ変える 性格 ・音楽と踊りが大好きな自由人 ・好奇心>正義感。好き嫌いがハッキリしてきた ・「自分自身であること」に強いこだわりを持っており、自分の姿に他者を見出されることをひどく嫌う ・自分の容姿に自信を持っており、ナルシストな言動も。美しさを追及するためなら女装もする。 好きなもの 音楽、踊り、ともだち 苦手なもの ■■■■、理想を押し付けられること 自己犠牲 二人称:キミ、(気に入らない相手)あんた 初対面は名前+さん、仲良くなると呼び捨て
《新入生》乃皇女・睡
 ルネサンス Lv3 / 芸能・芸術 Rank 1
眠るの大好きナマケモノ系羊姿のルネサンス乃皇女・睡(のみこ・ねむり) ナマケモノのように、はっと目を離せばすぐに眠り込んでいる男の娘 睡が名字で乃皇女が名前 手品や絵画を嗜み、それらを駆使しながら戦う、アーティスト系狂戦士 常に眠たい系男の娘だけど、狂戦士 オンとオフの落差が激しいだけ 音楽や文学には疎く、どれを見ても「……いいものなんだね……」と済ませてしまう 天才肌で、アートも全て感覚で行っているため、教える能力は壊滅的にない 「……どーんってやって……ばーんって……やれば……しゃららんって……できると思う……んだよ……」 のんびりおっとりとした気性は口調にも表れており、一句一句の間に「……」が入るレベルでのんびりさん 常に目を閉じているため、起きているのか眠ってるのか、その境目が分からない 目を閉じたまま行動することもあるため、眠りながら行動できるのだと勘違いされがち 狂戦士モード以外で開眼しているのを見るのは稀、非常にレア 気が付いたら学園の門前にいた どうしてここに来たのか、どこからここに来たのか、重要な記憶のピースが欠けている 残っているのはアートの腕と、朧げな過去の記憶だけ 「……なんとでも……なる……よー……」 本人はあまり気にしてない 口癖は 「種も……仕掛けも…….ないん……だよ……」
《ゆうがく2年生》ヒューズ・トゥエルプ
 ヒューマン Lv21 / 黒幕・暗躍 Rank 1
(未設定)
《模範生》プラム・アーヴィング
 ヒューマン Lv23 / 賢者・導師 Rank 1
「俺はプラム・アーヴィング。ラム肉を導く修道士だ。…そうは見えない?そりゃそうだ、真面目にヤる気ないからな。ま、お互い楽しく適当によろしくヤろうぜ。ハハハハ!」                                       ■身体 178cm/85kg ■人格 身に降り注ぐ事象、感情の機微の全てを[快楽]として享受する特異体質持ち。 良心の欠如が見られ、飽き性で欲望に忠実、貞操観念が無い腐れ修道士。 しかし、異常性を自覚している為、持ち前の対人スキルで上手く取り繕い社会に馴染み、円滑に対人関係を構築する。 最近は交友関係を構築したお陰か、(犬と親友と恋人限定で)人間らしい側面が見られるように。 現在、課題にて連れ帰った大型犬を7匹飼っている。 味覚はあるが、食える食えないの範囲がガバく悪食も好む。 ■口調 修道士の皮を被り丁寧な口調の場合もあるが、普段は男口調を軸に雑で適当な口調・文章構成で喋る。 「一年の頃の容姿が良かっただァ?ハッ、言ってろ。俺は常に今が至高で完成されてんだよ。」 「やだ~~も~~~梅雨ってマジ髪がキマらないやんけ~~無理~~~二度寝決めちゃお~~~!おやすみんみ!」 「一応これでも修道士の端くれ。迷えるラム肉を導くのが私の使命ですから、安心してその身をゆだねると良いでしょう。フフ…。」 ■好き イヌ(特に大型) ファッション 極端な味付けの料理 ヤバい料理 RAP アルバリ ヘルムート(弟) ■嫌い 教会/制約 価値観の押し付け
《甲冑マラソン覇者》朱璃・拝
 ルネサンス Lv29 / 武神・無双 Rank 1
皆様こんにちは。拝朱璃(おがみ・しゅり)と申します。どうぞお見知りおきを。 私の夢はこの拳で全てを打ち砕く最強の拳士となる事。その為にこの学び舎で経験と鍛錬を積んでいきたいと思っておりますの。 それと、その、私甘い食べ物が大好きで私の知らないお料理やお菓子を教えて頂ければ嬉しいですわ。 それでは、これからよろしくお願いいたしますわね。
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《自称「モブ」》チョウザ・コナミ
 ヒューマン Lv34 / 村人・従者 Rank 1
「よーこそお出ましゆーしゃ様。 ザコちゃんの名前?…あー、チョウザ・コナミ。 お気軽気楽に『ザコちゃん』って呼んでくれていーよぉ? 面倒だったらこの記憶はまとめてポイして経験値にしたって、 全然丸っと了承了解?」 「ゆーしゃ様の近くでただ在るだけがザコちゃん。 モブへの用件ならいつでも呼びつけ招いちゃってよ。 何かの名前を呼び続け連呼とか?森の浮浪者とか? はたまた魔物に狙われ襲われな第14人目位の村人とかぁ?」 ■■ 名前:蝶座 小波(自称 身長:176cm 実年齢:20歳(自称 瞳の色:エメラルドグリーン 髪色:カラフルなメッシュ入りのマゼンタ 肌色:魚の文様が頬にある日本人肌 髪の長さ:編まれ端を結んだロング その他外見特徴:古びた布の服に大量の装飾品。 常に腰か手元に携帯する水煙草の瓶は『預かり物』だとか。 頭や腕に謎の斑模様で派手なスカーフを巻く。 一人称:ザコちゃん・(ごく稀に)あーし 二人称:『ゆーしゃ様』等の平仮名表記の立場+様 特徴+様、(稀に)名前+様 他 呼称:「ザコちゃん」呼びを望む。 「モブ」も反応するが、それ以外だと気づかない事が多い。 口調:投げやりで適当な話し方。敬語は一切使わない。 似た言葉や語感を繰り返し、まるで言葉遊びのように話す。 口先は冗談とでまかせ、ノリとハッタリで構成される。 貴族や東の国関係に妙な嫌悪を持つ。 魔法を扱う気は微塵も無いとか。 他者からの詮索、視線、物理接触、色恋話を避ける節がある。

解説 Explan

・時刻/場所
 『Magic of Delight』のある日/中庭広場の野外ステージ

・テーマ
 即興劇

・状況
 『Magic of Delight』で賑わう学園を歩いていたあなたは、ひょんなことから即興劇に参加することになりました。
 即興劇ですから、もちろん衣装や配役、台詞に至るまで、全てあなたの自由です。
 全ての『主人公』が揃った時、この物語はいったいどんな物語を魅せるのでしょうか。

・プランにてお書き頂きたいこと
 ■アクションプラン
  ①演じる役の設定(名前設定は必ずしも必要ありません。基本はキャラの名前=役名となります)
   例:恋愛願望の強いとある貴族のお嬢様

  ②役に準じた台詞や動作
   例:台詞「政略結婚とかNOですわ、NO!」
     台詞の後、愛しい人を待つ歌を披露する
 
 ■ウィッシュプラン
  心情、服装、客席の反応から物語の方向性の展望など、ご希望があればお書きください。
  必要であれば、①②に対する補足。

・友人/先輩と一緒になど、グループでの描写も可能
 その場合は【●●さんと一緒に参加】のような、お相手様の名前をプランにてお書きください。

・その他備考
 Q:絶対に演者でなくてはいけませんか?
 A:希望があれば演者以外(裏方や観客席からの冷やかしなど)も可能です。

 Q:歌ったり踊ったりしても良いですか?
 A:担当パートがミュージカルになります(可能です)
 
 Q:私は手品とか、アイドル的なライブがしたいです。
 A:この舞台の上で、なさりたいことをどうぞお書きください(可能です)

 Q:女装/男装はできますか?
   様々な衣装が用意されているので、役にあった衣装をどうぞ(可能です)

!注意! 
 この物語は皆さんが提出した内容から舞台のストーリラインを構築致します。
 大変カオスな進行が予想されますので、アドリブ度は『A』を推奨いたします。
 が、何をどうやっても収拾がつかなかった場合は、『という夢だったのさ』という幕引きになるかもしれません。
 予めご了承ください。


作者コメント Comment
 エピソードの閲覧をありがとうございます、GMの白兎(シロ・ウサギ)と申します。
 本エピソードは、何気ない日常のお話です。

 フトゥールム・スクエアでは現在、歓迎祭『Magic of Delight』を開催しております。
 様々な催しがなされる中、中庭では有志による即興劇が披露される予定でした。が。
 これも運命の気紛れでしょう、その劇に、皆さんも出演することとなったのです。
 突然の晴れ舞台を前にして、練習時間もなければ、台本すらないこの状況。
 皆さんはいったいどのような役柄を、どのように演じられたのでしょうか。

 初めてのことに緊張し、ドレスの裾を踏んでしまいましたか? 
 それとも自分の力で、あるいはお友達と、立派にやりとげられたのでしょうか。
 これは皆様が主人公の即興曲……結末すらもが、あなた次第です。

 こちらの文章としましては、プロローグや既出リザルトをご参照ください。
 それでは、皆様のご参加を心よりお待ちしております。


個人成績表 Report
レイラ・ユラ 個人成績:

獲得経験:118 = 99全体 + 19個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
【演じる役】
不良達をまとめる番長
【セリフ、動作】
誰かがピンチになったら颯爽と登場し、クールな表情で決め台詞を。
「待たせたな。オレが来たからにはこの戦いの全てをひっくり返してやるぜ」
声高らかに告げた後自らを鼓舞する歌を口ずさみ、ヒーローの様に。
好敵手の様な存在がいたのならその相手と対峙するでしょうか。

パソス・ウェルテクス 個人成績:

獲得経験:118 = 99全体 + 19個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---

自称「古来より伝わりし伝説の正義の味方」


※セリフ
「ふはは、我こそは伝説のジャスティスオブソーサラーガール!!パソス・ウェルテクスである!!」

※行動
アクロバティックなアクションを披露したあと、超魔法を放つような【演技】をする

ナレディ・ディトゥーニャ 個人成績:

獲得経験:118 = 99全体 + 19個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
■役
戦士。
善悪に別れるらしいが、人数が少ない方の戦士として振舞おう。
む、プレートアーマーは胸がキツイが、まぁ我慢だ。
世界観の統一は重要だからな。

■台詞等
戦士らしい名乗りが出来れば我は満足だ。
あぁ、【踊り】なら得意だぞ。
部族伝統の相手を威嚇する踊りを良きタイミングで披露しよう。

■アドリブ度:A

カイ・トキジ 個人成績:

獲得経験:118 = 99全体 + 19個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
シルキーと一緒に舞台に立つぜ

この世界に降り立つ前はアイドルをしてたんだ
レパートリーは沢山用意してバラードやロック調や二人で盛り上げる

だからアイドルをやらせてもらうな

舞台上ではギターとか演奏も入れたいと思う

踊りなんかも練習したから楽しみにしててくれよな

盛り上がっていくぞ、お前ら~!
いい夢沢山見ろよな

エソラ・トキジ 個人成績:

獲得経験:118 = 99全体 + 19個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
マサムネとこの世界に来るまでのことを話すよ

俺がいた世界で兄貴に紹介されたのがマサムネだ
学生だった時に知り合って、結婚するまで守りたいと思っていた

結婚するまでにも男装モデルとして活躍したり、子供が出来たりで幸せだった

親になっても続けていたくらいだ

悲劇が起こった

家で寛いでたら目の前が暗くなり現世界にいた

シルキー・ソレイユ 個人成績:

獲得経験:118 = 99全体 + 19個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
カイと一緒に演技しますよ

私達は転生前にアイドルをしていたので即興劇の内容は所謂アイドルコンサートで歌って踊ったりする感じですね
なので役名はアイドルです
曲はかつての転生前に流行っていたアイドル曲やオリジナル曲を披露しましょうか
「それではみなさん、いきますよー♪私達のライブ楽しんでいってください♪」

マサムネ・ルーナ 個人成績:

獲得経験:118 = 99全体 + 19個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
エソラとステージで演劇をするぞ
演じる役は自分自身だ
内容は僕たちが元の世界で何があったのか演劇しながら紹介しようじゃないか
嘗てはボクとエソラが出会ったのは学生で卒業後も交際を続け結婚した
「エソラとなら色々やっていける気がする」
そしてボクはファッションデザイナーの道を歩み気がついたら異世界転生してた




アケルナー・エリダヌス 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:270 = 99全体 + 171個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
村娘役が欲しい?
……何とかしよう

通りすがりのマリーちゃんでも捕まえてこようか
マリーちゃんが準備や演技してる間は、私は会場ゲートでモギリとか裏方仕事をしておくよ(というアリバイ作り)

準備に空いてる楽屋を拝借するよ

◆事後
さっきの子はどうした?
って?

さあ……通りすがりの子だから、縁があれば……また会えるさ

アルフィオーネ・ブランエトワル 個人成績:

獲得経験:118 = 99全体 + 19個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
役:暗黒大司祭ホ・シーガル

怪しげな開運グッズを売りつけ、信仰しないものは、死をあたえる狂信者

衣装:真っ黒な修道服と、とげとげしい鎚


「そんなあなたにはこの、ナァン・ディーモン様のご尊顔が刻まれた、カメオがおすすめ。たちまち恋が成就するでしょう」

「あなたを神敵と認めましたよ・・・死になさい!」

アドリブA

シキア・エラルド 個人成績:

獲得経験:118 = 99全体 + 19個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
即興劇だもんね、どうせなら好き勝手やっちゃおう

・役割
令嬢の従者
その正体は敵対貴族のスパイ

・準備
「変装」で化粧セットとウィッグで中性的な容姿
服装は執事服

・立ち回り
あまり喋らず「肉体言語」「演技」で観客にも伝わるように
表情も意識して作り
戦闘シーンは「踊り」「跳躍」
戦いつつも負ける時は華麗に なんてね

乃皇女・睡 個人成績:

獲得経験:118 = 99全体 + 19個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
行動
手品を……するよ……

ぬいぐるみさん達や真一文字を使って手品パフォーマンス
音楽やストーリーに合わせて動かしてみたり、浮かせてみたりする
明るいものも暗いものも、激しいものも静かなものもお任せあれ

「種も……仕掛けも……ないん……だよ……」

アドリブ、絡み歓迎

ヒューズ・トゥエルプ 個人成績:

獲得経験:118 = 99全体 + 19個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
役:表舞台から姿を消した元ロックスターの吟遊詩人

どこにでも現れて状況に合わせてハープを演奏する。
劇が白熱すると彼も触発されて歯でハープを演奏したり、叩き壊したりする。
手持ち無沙汰になれば脇をギュパギュパ鳴らしてでもBGMをつけるプロ根性を持ち合わせている。

「大事なのはロックか、ロックじゃないか。」

プラム・アーヴィング 個人成績:

獲得経験:118 = 99全体 + 19個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
■役
政治に利用される運命を嘆いている姫。連れ去れ系ヒロイン。
ウィッグも使用した本気の女装をして可憐な姿になる。

■台詞等
お嬢様言葉だがネガティブな発言が多い。
しかし、今回の騒動で裏切りの従者役のシキアと道ならぬ恋に堕ちる。
「国へ戻るつもりはありません、連れ戻したいのなら私を倒してからにしなさい!」


朱璃・拝 個人成績:

獲得経験:118 = 99全体 + 19個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
私は旅の踊り子、その実態は不正等を調査する隠密を演じますわ

「諸国で評判の舞をご覧あれ」

と街の広場で踊り、悪徳役人に宴席へ呼ばれたら

「まぁ、偉いお方に招かれるとは光栄ですわ」

と煽てつつ踊り、厠に立つ振りをして役人の部屋をあさり不正の証拠をゲット。見つかって用心棒の先生が現れたら拳法を駆使して倒しますわ

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:118 = 99全体 + 19個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
好きな役をやるのに相対する役がいないと出来ないだろう?
ってわけで人の役見て対応する悪役をやろうと思う

・・・ん?嫌々ではないぞ
これはこれで十分に楽しめるからな
・・・仮面外さないで済むし

さぁ、共演者たちよ
ネタの貯蔵は十分か?
オレは特に準備してない

アドリブ、絡み大歓迎

・・・これも古の勇者ごっこだ

チョウザ・コナミ 個人成績:

獲得経験:148 = 99全体 + 49個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
劇ねえ。
ザコちゃん演じれるもんなんてしょーもないあれしかないし。わざわざやりたいもんでもないし。
そったらあれやる。ザコちゃん如きのモブだから具体的な役は無しの通りすがりとして。
色んな役やるゆーしゃ様いるんだし、進行転換とかの役割するやつがいた方が気楽でしょ。
ほら、なんてーの?『狂犬回し』?ってやつ。

リザルト Result

●はじまり、はじまり
 ――ポロン。ポロロン。
 【ヒューズ・トゥエルプ】の爪弾くハープが、音を零し始める。
 それを皮切りに、がやがやと賑わう観客席から、声が消えた。
 始まりを感じたオーディエンス達へ、【チョウザ・コナミ】がゆらりと笑う。
 彼女こそ、この物語の語り部。舞台の右端――いわゆる『上手(かみて)』だ――に立ち、肩を竦めたチョウザは、ゆったりとした口調で話し始める。
「これから始まるのは、どこにでもありそーな、そんなお話」
「あぁ。大事なのはロックか、ロックじゃないかだ」
 なんとなく意味深で、繋がっていなくもない台詞を続けたヒューズは、舞台の左端――こちらは『下手(しもて)』にあたる――に立っている。
 彼は今回、本劇において音響役を買って出ていた。ゆえに、無作為に爪弾かれていた竪琴は、次第に切なげな曲を奏で始める。
 それを主旋律に、音を重ね始めたのは。【シトリ・イエライ】の魔力に呼応した精霊たちによる、姿の見えない音楽隊だ。
 舞台の袖に並べられた、精霊の干渉を受けて音を奏でるという様々な楽器は、魔法道具に類するものであり、音楽室に保管されているものでもある。
 とはいえ、シトリは精霊たちに『舞台を見て、聞いて。思い思いに奏でてください』と伝えているため、決められた曲目リストはほとんどなく。
 今は【乃皇女・睡】(のみこ・ねむり)が即興で描き、用意したドロップ(道具幕。背景が描かれた幕のことだ)の1枚に合わせて、音が鳴っていた。
 沈み始めの夕暮れを背景に、物哀しい旋律が流れる。
 それを確認したチョウザは、ヒューズへと、裏返した手の平の先を向けた。
「このヒトは、表舞台から姿を消した、元ロックスターの吟遊詩人。そしてあーしは、物語るだけの、ただのモブ」
 言って、一礼。芝居がかったチョウザのお辞儀に視線を奪われた観客は、しかし、その後ろを走り過ぎた影を見る。
「嫌ですっ! 私は、屋敷に帰るつもりなど、ありませんっ! 政治に利用され、望まぬ婚姻をさせられるなど……」
 白色のウィッグが緩やかに、舞台の真ん中にて立ち止まった女性……に扮する【プラム・アーヴォング】の背で、揺らぐ。
 彼の女装は完璧といえる出来だった。男性らしい体躯は華やかなドレスの中に隠され、その代わりに詰め物などで、胸のラインが作られている。
 しかも見た目だけではなく、その声や仕草もまた、とても女性らしいものだから。観客たちは皆、彼を『屋敷を逃げ出したお嬢様』として、知覚する。
 そんな『彼女』を追うように。今度は燕尾服の美青年が、舞台へと飛び出した。
 【シキア・エラルド】だ。ウィッグや化粧を利用して、元々中性的な容姿を更に美しく彩らせた青年は、お嬢様の背へと手を伸ばす。
「ですが……」
「待てっ!」
 声が重なった。新たに姿を現した、鎧姿の女戦士……【ナレディ・ディトゥーニャ】が、声を張り上げる。
「逃がすと思うか……っ! 大人しく戻り、我(われ)の雇い主にその身を捧げよっ!」
 構えた槍が、スポットライト(として、舞台袖にいた【アケルナー・エリダヌス】が、小型の照明系魔法道具をあてている)の光を反射する。
 好戦的な表情はナレディを力強い傭兵として、観客に印象付けた。同時に、『お嬢様は望まぬ婚姻から逃げ出し、追われているのだ』と認識させる。
 だからチョウザはこう繋げ、舞台を去る。
「これは、政治に利用されかけたお嬢様が。その足で屋敷を抜け出し、己が『自由』を手に入れようと足掻く、……おはなし」
 その言葉を皮切りに、シキアが動いた。
「くっ……!」
 プラムの手を取り、左の舞台袖――この場所を『下袖(しもそで)』という――へと、走り去っていく。
 後にはナレディだけが残されたが、彼女は何かを振り払うかのように首を振り。二人を追いかけるよう、壇上を駆け下りる。

・・・

「いやこれ、絶対俺達がやるような役じゃないでしょっ!?」
 下袖(ちなみに袖の内部は、元々用意されていたパネルで隠されている)に引っ込んだシキアは、プラムの手を放し、堪えかねたかのように噴出した。
 お腹を抱えて笑い出す青年に、『格好良かったぜ?』とプラムが笑う。
「しかし、このままでは悲劇になってしまうのでは? 良いのか?」
 ほんの数分とはいえ、全力で演じたナレディは、額に滲んだ汗を拭いつつ、両名に尋ねる。
 するとプラムは、『ん~』と一度考えるも、けろりとした様子で言った。
「ま、なんとかなるんじゃね?」

●本当に、何とかなります?
 両の舞台袖に控えていた【仁和・貴人】(にわ たかと)と【アルフィオーネ・ブランエトワル】の手により、ドロップが捲られ、場面は街中に移る。
 そうして始まったのは、オープニングを彷彿とさせる、楽しげな音楽だ。
 自分たちの出番だと確信した【シルキー・ソレイユ】は、【カイ・トキジ】の手を取り、舞台へと躍り出る。
「それではみなさん、いきますよー♪ 私達のライブ、楽しんでいってください♪」
 呼びかけて、歌い出す。両者の声が交わり、コール&レスポンスを繰り返しながら紡がれていくのは、二人の過去をモチーフとした恋物語だった。
 内容は、別の世界でアイドルをしており、恋人同士だった二人が。この世界で再び巡り会い、恋に落ちるという、夢のようなラブ・ストーリー。
 もちろん、二人はこの話を、自分たちに起こったリアル(現実)だと信じて演じているため、その声や表情にも熱が入る。
 特に、再び巡り会った二人を表現するところは。異世界や異世界転移、転生といった話を、与太話だと片付けるような観客層をも魅了し、涙ぐませた。
 そんな客席の反応を肌で感じ取ったシルキーは、歌うカイの横顔を盗み見つつ、
(……今も、昔も。カイは私を、支えてくれるのですね)
『心配すんな、俺がついてる。だから、おもいっきり楽しもうぜ!』
 開演までろくに時間のない状況で、思い描いた舞台をどのように表現すれば良いのかを悩んでいたシルキーに、カイはそう声をかけていた。
 しかも、それだけには留まらず。事前に芸能・芸術コースの人達が準備していたという衣装の数々から、内容に合うものを一緒に選んでくれたのも。
 出来ればこんな曲を奏でて欲しいと、シトリにリクエストするために、共に歌って実演してくれたのも、彼だ。
(だから、私は。そんな、あなたが――……)
「カイ、あなたにまた出会えて。本当に、良かった……」
 頬を染めたシルキーの台詞に、カイが微笑み返す。
「この世界での、俺たちの初ステージだ。いい思い出にしようなっ!」
 ストーリーは今とリンクし、再会した二人が手を取り合って、初めての公演に挑む流れへ。
 それゆえに、カイもまた、思う。
(俺は果報者だな。彼女と、二度も。……巡り会えるだなんて)
 もう会えないと思っていた、愛しい女性。シルキーと巡り会う前の彼は、少々難しい環境で生きていた。
 盗賊をしていたのだ。もちろん、悪い事ばかりをしてきたわけではないが、正々堂々と公言できるような、過去でもない。
 だから、こんなふうに。彼女とまた、大好きな音楽を。創り、演じ、歌うことができるだなんて――……。
(これを奇跡と呼ばずに、何と呼ぼう)
 幸せそうに微笑みあう二人を、祝福する声があがった。
 音楽もまた、賑やかに、アップテンポなものへと移り変わり。続いて【エソラ・トキジ】と【マサムネ・ルーナ】の二人が登壇する。
 色白の肌に長い耳、エルフタイプのエリアルであるエソラと、同じくエルフタイプのエリアルであるマサムネが繰り広げるのもまた、恋のお話だ。
 物語は、カイがエソラに、マサムネを紹介するところから、始まる。
 カイは銀の髪を持った褐色肌のカルマであり、エソラは赤い髪を持ったエリアルと。見た目が全く違うので、彼女自身も信じ難いことであるのだが。
 エソラはカイが、自分が元居た世界(彼女もまた、自分を異世界人だと思っている)で、兄だった人物だと、感じていた。
(つまりは、俺達四人とも。同じ世界から、この世界に、転移? 転生? しちまったってことに、なるのかね……?)
 そんなことが起こり得るのだろうか? と思わなくもないが、証明する手段もないのだから、エソラは自分の中にある気持ちを、信じる事にしている。
(だって、そのほうが。嬉しいし、幸せだもんな)
 時を超え、世界を超えて。そしてもしも本当に、転生している身であるのなら、死別すらをも乗り越えるような形で。
 離れ離れになってしまったヒトに、また、――出会えた。
(そんなの、嬉しいに決まってるじゃないか)
 それが大好きな人達であったのなら、なおさらだ。
 思いながら、エソラはマサムネを見る。昔はお互いに違う種族だった気がするのだが、今は自分と同じ容姿の特徴を持っていて、笑みが深まる。
 それはマサムネも同じだった。彼は笑うエソラに微笑み返すと、片膝をつき、手を差し出した。
「きみとなら。どんな世界でも、これから先、何があっても。ボクは歩いて行けるような気がする」
 まるで騎士が、忠誠を誓う姫君に言うような台詞、体勢に。エソラは耳まで赤くして、けれどやはり幸せそうに、照れくさそうに、笑みを零す。
(あぁ、幸せだ――……)
 そんなエソラを見て、胸の奥から湧き上がる多幸感に頬を緩めたマサムネは、乗せられたエソラの手の甲に唇を落とすと、ゆっくりと立ち上がった。
 そうして彼は、観客席へと、語り始める。
 カイの紹介により、交際を始めた自分達は、気付いたら離れ離れに、見知らぬ世界に存在していたこと。
 けれど、それから色々とあって。こうして再会し、共にまた、道を歩み始めて。
 今では彼女と、もう一度。結婚したいと、思っていること。
「そしてボクは、この運命を。『愛』という絆が紡いでくれたものだと、思っている」
 情熱的な台詞に、観客席から悲鳴があがる。『私も、運命の愛を、手に入れたいわー!』。
 恋する乙女達の声援により、舞台はますます、盛り上がっていく。

・・・

「……すてきな、おはなし……。でも……どうやって、つなげる……?」
 下袖から物語を聞いていた睡が、ことりと首を傾げる。
 それにヒューズ――彼は、『四人だけのほうが良さそうだ』と。一度舞台を降りていた――が反応した。
「こんなのはどうだい? 『屋敷を逃げ出したお嬢様は、辿り着いた街の広場で、真実の愛の物語を聞いた』」
「やだっ、憧れちゃう! アタシも本物の愛を見つけなきゃっ! 政略結婚なんて、絶対イヤよ!! ……こーいう感じかァ?」
 前半は黄色い声で、後半は彼本来の声質で。笑いながら言ったプラムに、『そーいうこって』とヒューズも白い歯を見せる。

・・・

「やっぱり、私。あなたが何て言おうと、屋敷には帰らないわっ!」
 シルキーやカイ、エソラ達が踊る中。突如、舞台の左端にスポットライト(として、舞台袖にいるアケルナーが、以下略)が当てられる。
 いつのまにか姿を現していたお嬢様(プラム)が、隣に立つ燕尾服の青年へと、振り返った。
「私も、あの方々のように。幸せで、踊りたくなるような恋を、見つけたいの……っ!」
 そう言って、下袖へと消えていく彼女を見送った、従者の青年(シキア)は、
「……何もかも、計画通り。これで、旦那様の地位は、確実なものとなる」
 ――冷たい眼差しで。不敵に、笑う。

・・・

「ちょ、ちょっと待った。エラルドくん、今のセリフ、なに?」
 再び舞台袖に引っ込んだシキアの腕を、貴人が掴む。白い仮面は今日も健在だが、『えっ、今のそういう流れだった?』と問うているようにも見えた。
 だからシキアは、『いやぁ……』と前置いてから。
「興が乗っちゃって、つい」
 テヘッ☆ なんて声が聞こえそうな笑みの隣では、『ならば仕方ないな!』と出番待ちナウな【パソス・ウェルテクス】が頷いている。
「とりあえず、今一度。各々が想定している役割(ロール)を口にして、確認し合ってみるのはいかがだろうか」
 裏方に徹していたアケルナーが、会話を耳にして、提案。『そったらザコちゃん、メモしとく。おもしろそーだし』とチョウザが乗った。
「それなら……その間は……僕が、繋ぐよ……」
 ふらり、ゆらり。まるで眠っているかのように、目を閉じたままであるのに。何かにぶつかることもなく、睡が下袖から、舞台に上がる。

●方向性を定めましょう
 睡の登壇に気付いた四人は、観客席から右側の舞台袖――つまり、『上袖(かみそで)』だ――――へと姿を消す。
 その足元を、すれ違うように。上袖から、ぬいぐるみ達がやってきた。
 うさぎに、クマ。ネコに犬に、カエルまで。全員が同じタイミングで、腕や足を高く振り上げ、列になって歩いてくる様は、まるでオモチャの兵隊だ。
 どう見たってぬいぐるみであるのに、自分の意志で動いているような彼等に、観客席だけでなく舞台袖からも、拍手が巻き起こる。
 そんな中、『かわいいー!』『どうやってるのー?』なんて言葉を耳にした睡は、やはり瞳を閉じたまま、微笑んだ。
「種も……仕掛けも、ないん……だよ……」
 くるり、くるり。回る睡の足元で、整列したぬいぐるみたちは手を胸に当て、一様に、一礼。
 それを見た睡は、『真一文字』――芸能・芸術コースで愛用者の多い、注いだ魔力をその場でインクに変換してくれる、魔法の絵筆だ――を上に掲げ。
「そーれっ……」
 掛け声とともに回り始めれば、赤、白、黄色と、色が咲く。それは虹色の雨で、様々なカラーに姿を変えた、睡の魔力だった。
 くるり、くるり。真一文字を掲げる睡の衣装は、桜色のドレスワンピース。
 淡いピンクのスカートをひらひらとさせながら、まるでバレリーナのように優雅に回る睡の周りを、色が彩る。
 そうして、舞台の上に咲いていく鮮やかな花々は、ぬいぐるみたちが持っていた布巾により、ふきふきと拭われていく。
 ちなみに、客席にかかりそうな勢いのインク雨は、シトリが発生させた光の壁に阻まれ、舞台の上に虹色の水たまりを作っているので、ご安心あれ。

・・・

「さて、今のうちに。舞台の方向性を考えておきたい所ですが……」
 睡のパフォーマンスに、さらなる盛り上がりを見せる観客達の声を聞きつつ、【レイラ・ユラ】が首を傾げる。
 手にはチョウザがお遊びも兼ねて纏めた、役割希望表。しかし、それを眺めるばかりで次の言葉を発さないレイラに、アケルナーが近付く。
「何か、問題がありそうかい?」
「いえ、その。此処に、チョウザ様も記してくださっているのですが……」
 『悪と正義のゆーしゃ様はいるけど、助けられる系ロールがなくない?』。
 片隅に綴られている文字に、アケルナーは『確かに』と頷く。
「アルフィオーネ君や仁和君が悪役、レイラ君やパソス君、拝君が正義役ではあるが。正義に助けられる役……つまり、悪に困っている者がいないな」
「『望まない結婚をさせられそうな、お嬢様』ではダメですの?」
 会話を耳にした【朱璃・拝】(しゅり おがみ)が問いかける。
 それに答えたのは、レイラだった。彼女は、今まで読んできた様々な物語を、思い出しながら、
「その配役の場合、悪を倒してお嬢様を救い出すような展開が自然かと思われます。ですがお嬢様は、既に屋敷を抜け出しておりますので……」
「そうだね。彼女は救われる側というより、自分で未来を掴む側として、既に表現されている。今更助けられる側に軌道を変えるのは、少々難しそうだ」
 『やっはー、めんごめんご。きっと脳筋お嬢様なんだよ』なんて笑うプラムに、『いや、良いんだ』と微笑み返したアケルナーは、しかし腕を組む。
「やはり、悪を際立たせるための。『ただの一般人』のような役が、必要か……」
 考え始めるアケルナーに、貴人が声をかける。
「なら、オレがやろうか? まだ登壇していないし、どんな役でも別に構わないぞ」
「いや、仁和君はそのまま悪役……というか、『お嬢様の御父上』で、『悪にそそのかされた貴族の男』をお願いしたい」
「お父サマ~っ! アタシ、再来月発売予定の『ジューンブライド・ドレス』が欲しいんですわよ~っ!」
「はいはい、そういうのは金持ちな彼ぴっぴに買ってもらいなさいね」
 茶番を始めたプラムとそれをあしらう貴人に、アケルナーは笑みを零す。仮面の下で、穏やかに、瞳が細められた。
(この学園に来る前は、こんな賑やかさに囲まれる日がまた来るだなんて、思ってもいなかったな)
 ならば自分も、少しくらいは。貢献したいと、――『彼女』は思い。
「こういう地味な役柄を受けてくれそうな人物に、ちょっとアテがあるんだ。なので、私は少し、行ってくるね」
 持っていた照明系魔法道具を、ちょうど戻ってきた睡に手渡したアケルナーは、そのまま何処かへと歩き去っていく。
 『いってらっしゃい!』。背後から聞こえる声に、仮面の麗人は、小さく笑った。

●ストーリーラインは、みんなで考えました
 入れ替わるように。『仮面の人に頼まれて来ました』と姿を現した紫青色の髪の乙女(【マリー】と彼女は名乗った)が、舞台化粧などをしている頃。
 舞台の下手には、再びお嬢様(プラム)と燕尾服の青年(シキア)が立っていた。
 まずはプラムにスポットライト――ここからはアケルナーに変わり、睡が担当している――があたり、
「そうだわ。あのヒトに出会ってから、お父さまは様子がおかしくなったのよ……っ!」
『ここから、かいそー』
 舞台袖から聞こえる、魔法道具(拡声機能に特化)越しのチョウザの声が、観客達へ、回想シーンであることを知らせる。
 そうして舞台の上手に現れたのは、いつもの白い仮面で顔を隠した貴人と、真っ黒な修道服に身を包んだ、アルフィオーネだ。
「いいか。大事なのはロックか、ロックじゃないかだ」
 やはり意味深で、しかしよくわからない台詞と共に、竪琴を持った吟遊詩人(ヒューズ)が下手に再登場――と同時に、プラムが袖に消えた――する。
 爪弾かれ始める音楽は、何処かきな臭さを感じさせる、不穏なメロディ。
 準備が整ったのを確認したアルフィオーネが、ニヤリ、と悪い笑み(とはいえ、幼い見た目のせいか『可愛いー!』なんて声があがった)を浮かべた。
「あなたには、この『ナァン・ディーモン』様のご尊顔が刻まれた、ネックレスをあげましょう。たちまち大出世しますよ」
 説明しよう! ナァン・デーモンとは、アルフィオーネが居た世界で、アルフィオーネのご先祖様たちが戦ったといわれている、強敵である!
 しかしこのナァン・ディーモンは、今際の時に凶悪な呪いを放ち。その呪いの影響で、アルフィオーネの見た目は10歳から進まないのだそうだ!
 説明終わり。
「おぉ、ありがたい! 【ホ・シーガル】様の授けてくださるマジックアイテムは、よく効くと評判ですから!」
 アルフィオーネ扮する暗黒大司祭ホ・シガールからネックレスを受け取った貴人が、己の首にかける。
 すると、下手に残っていたシキアが、一歩前に出た。
「そうです。この日から、彼は人が変わってしまったのです……」
 その言葉を体現するかのように、貴人が上手にて、残虐非道な行為に出る。
 なんと上袖からやってきた黒猫のぬいぐるみ(『種も……仕掛けも、ないん……だよ……』)の腕を掴み、引き留めたかと思えば。
 懐から取り出したるゴールド袋(8000ゴールド!)を、黒猫くんの頬にウリウリと押し付け始めたではないか! まさに悪魔の所業である!
「ええ、ですから……この私が、旦那さまより、派遣されたのです」
 静かに、噛み締めるように。燕尾服の青年は、話し始める。
 自分はお嬢様の家と対立する、別の貴族によって派遣されたスパイであり。
 その貴族は、この機会を好機と考え、お嬢様の家を没落させようとしていること。
 しかし計画を進めるうちに、ホ・シガールがお嬢様のことをいたく気に入っており、無理やりにでも結婚しようと画策していることに気付き。
 ホ・シガールは、その怪しい力で様々な権力者と仲を深めつつある人物なので、まずはこの婚姻を無茶苦茶にしようと企てていること。
「ゆえに、私がお嬢様を逃がしたのです。全ては旦那様のために。それなのにお嬢様は、私を無邪気に、信用してくださる……」
 言葉を切った青年は、胸に手を当て。それから、切なげな声と表情で、
「笑顔を向けて、くださる。いつしか私は、その笑顔を、できるなら――」
 ――守り続けたいと。思うように、なっていたのです。



「えっ、これはもう、駆け落ちエンドで良いのではないかっ!? 我はハッピーエンドが好きだぞ!」
 舞台袖にて話を聞いていたパソスが、ぎゅっとハンカチを握りしめる。その瞳はちょっとだけ、潤んでいた。
「ですが、物語と言えど。悪をそのままにしておく訳には参りませんわ。ちゃんと懲らしめてあげませんと」
 同じく、話の行方を見守っていた朱璃が、開いた左の掌に、結んだ右の拳をぶつける。
「えぇ、ですから。今度は私たちの、出番ですわね」

●それから……?
 語り終わった燕尾服の青年(シキア)が舞台袖へと消えれば、その間極悪非道な行為を繰り返していたお嬢様の御父上(貴人)もまた、舞台を降りる。
 そうしてドロップがまた一枚捲られ、次のシーン……街の広場へと、物語は戻った。
「やめてください……っ! 離してっ!」
 紫陽花色の髪を振り乱し、飛び入り参加のマリー(『彼女は通りすがりの子だよ。縁があったら、また会えるさ』)扮する村娘が、声をあげる。
 そのか細い腕を引くのは、数分前にこの劇の黒幕と決まった、ホ・シガール(アルフィオーネ)だ。
「おぉ、おぉ、可愛い悲鳴ですねぇ」
 黒の修道服に身を包み、とげとげしい鎚を持った暗黒大司祭は、悪そうな(\カワイイー!/)笑みを浮かべて、村娘の腕を引く。
「良いではないか、良いではないか。わたしの屋敷にて、たかーいお茶を淹れてあげますよぅ? もちろん代金はあなた持ちですがぁ?」
「きゃー! そんなお金、私、払えませんわーっ!」
 じたばたと暴れる娘(しかし彼女は、いつもの癖で『悪』を投げ飛ばしたりしないよう、気を付けていた)の声に呼応し、上手に三人の影が現れる。
 それぞれの衣装に身を包んだ、パソス、レイラ、朱璃だ。
「ふはははは! 我こそは、伝説のジャスティス・オブ・ソーサラーガール!! パソス・ウェルテクスである!!」
 ジャッ、ジャーン!
 気を利かせた精霊がいたようだ。けたたましいシンバルの音が鳴り響く中、赤い髪の少女が前に出る。
『かいせーつ。ジャスティス・オブ・ソーサラーガールとはー、古来過去より伝わるー、正義の味方でーす』
 舞台袖から拡声魔法道具により届けられたチョウザの説明に、パソスは堂々とした笑顔でピース! ピース!!
 所々古びたローブを身に纏い、きらきらと輝く水色の宝石が頂(いただき)にある杖を持った姿は、伝説の魔導士のようだ。
『次はー、この街の不良を束ねるー、つよぉい番長さーん』
「えー……コホン。ま、待たせたなァッ! このオレが来たからには、この戦いの全て、ひっくり返してやるぜぇッ!」
 シャララーン……。
 気を利かせた精霊が以下略。流れるようなハープの音と共に、レイラが腕を組む。
 初めて舞台の上に立ったこともあり、その頬は赤らんではいたのだが。
 白の長ランと、額の白ハチマキに加え。たおやかな紫黒色の髪をポニーテールに結んでいる様は、まさにファイティング☆番長! といった感じだ。
 そして最後、オリエンタルな雰囲気漂う踊り子に扮した朱璃が、くるりと一回転。
 肌面積の多いダンサーな衣装は、彼女の褐色の肌をさらに美しく、艶やかに引き立てる。
『旅の踊り子に扮するこのヒトはー、ホ・シガールの噂を聞きつけてー、不正を暴きに来た正義のおひとー』
「この私が、どんな悪も! 許しませんわ!」
 ジャーン、ダダダダダ……、ジャ、ジャーン!!
 褐色肌スキーの精霊でもいたのだろうか。やけに気を利かせた以下略。
「誰か―! たーすーけーてーっ!!」
 華々しい登場を果たした三人を確認してから、村娘(マリー)は再び声を上げる。
 そうして始まったのは、ちょっとしたアクションシーンである。
「このわたしに、逆らおうとするとは! あなた方を、神敵と認めましたよ……っ!」
 指パッチンをしたホ・シガールの後ろから、たくさんのぬいぐるみ達が(『種も……仕掛けも、ないん……だよ……』)姿を現す。
「えぇいっ! やぁぁっ……!」
 そんなぬいぐるみ達を、レイラはちぎっては投げ、ちぎっては投げっ……!
 対してパソスは、杖の先に水へと変を変えた魔力を集め、丸め、放つ(ような演技をした)っ!!
 ジャーン! ドゥラララ、キュイーン!
 気を利かせ以下略。
 爆音と共にぬいぐるみ達が飛び上がったかと思えば、ぽてんと落ちた順に、すごすごと舞台袖へ歩いていく。
 一人取り残されたホ・シガール(アルフィオーネ)は地団太を踏んでいたが、そんな暗黒大司祭の手を、朱璃が取った。
「ホ・シガールさま……あんな村娘より、この私と遊びませんこと? 諸国で評判の舞を、ご覧に入れて差し上げますわ」
 ちらり。スリットから脚を覗かせ、誘惑するその姿に、観客席からヒューッ! と歓声が上がる。
 その姿にコホンと一度咳払いをしたホ・シガールは、にっこりと笑って、朱璃に頷いた。
「いいですね。ならば先程の無礼は許してあげましょう。では、わたしの屋敷へ……」



「なんだかんだで、纏まってきたねぇ。あとはホ・シガールを懲らしめるだけぇ?」
 ちょいちょい解説を入れつつ、舞台袖から内容を見ていたチョウザが、欠伸をひとつ。
 それに対して一同は『うんうん』と頷いていたが、ナレディだけが『そうなのか?』と首を傾げた。
「お嬢様たちの恋に関しては。まだ何も解決していないように、我は思うのだが……?」
『あ……っ』
 そういえば、そうでしたね。

●とはいえ文字数がピンチなので、ダイジェスト版で参ります
 それからどうなったかと言うと……。
「盛り上がっていくぞ、お前ら~っ!!」
 屋敷に着いたシーンとして、カイ&シルキーのペアとエソラ&マサムネのペアによる音楽!
「そうだわ! 私と一緒に、世界を超えましょう! 実は私も、あなたのことが、大好きだったの!!」
 場面は変わり、生まれ変わりの恋に憧れたお嬢様に、ナイフと共に詰め寄られるスパイの青年!(『死んだらハッピーじゃねぇって? うっそぉ』)
「ふふ……、見つけましたわ! これこそ、ホ・シガールの不正の証……っ!」
 場面は戻り、屋敷に潜入した踊り子による、ガサ入れ調査!
「はっ……、オレはいったい、何をしていたんだ……」
「や、やっと正気に戻ったなァッ! ガッハッハ!」
「これこそ、ジャスティス・オブ・ソーサラーガールの力である!」
 正義の使者であるレイラ&パソスによる、お父様の首飾り破壊大作戦!
「ははっ、やるではないか……っ!」
「あなたも、とってもお上手ですわね……っ!」
 ホ・シガールを捕まえようと向かう、朱璃の前に立ちはだかった傭兵(ナレディ)との、ダンスバトル!!
「そうだ!! 大事なのは!! ロックか!! ロックじゃないかだっ!!!!!」
 白熱する舞台に触発されて、ついに竪琴を叩き壊した吟遊詩人!!(以降は脇を鳴らしたり、手拍子をして、音を鳴らしました。これぞプロ根性)
「良いだろう、共に行こうではないか! 我はその心意気に、敬意を表する!」
 からの、和解(あるいは寝返り)、友情、共同戦線!!(『なに? 予定になかった? す、すまぬ……つい熱くなってしまってな……』)
 そうしてホ・シガールと対峙する朱璃&ナレディ、レイラ&パソスwith正気に戻ったお父様に、
「お『ピーーー』ですわよ~~~~~!!!!!」
 ホ・シガールさえいなければ良いのでは??? と気付いて乗り込んできたお嬢様&スパイの青年達に、
「なんと……わたしを此処まで手こずらせるとは……!」
 ホ・シガールは包帯で封印されし龍の腕を解放し、応戦するも、
「おのれ、おぼえておれ……っ!」
 という捨て台詞を残して舞台を去り、お嬢様とスパイの青年が抱きしめあって、ハッピーエンドと相成ったのだった。
 めでたし、めでたし。……ですよね?

●と、いうわけで
「はい、並んで並んで~。せっかくですから、記念写真でも写しましょうか」
 そう言って、全員を舞台上に並ばせると。シトリは丸いレンズのついた四角い箱のようなものを取り出した。
 写法術を使って、レンズに映った『現在』を。専用の用紙に焼き付けるというその魔法道具は、とても高価であり、滅多に手に入らないものだ。
 ゆえに、シトリが今回手にしていた物も、学園に保管されている、とても貴重な代物ではあったのだが。
 いかんせん、写法術とは永遠ではなく。媒介とした魔力が宙に溶け切ってしまえば、写真に写った映像も消え、真っ白な紙に戻ってしまうものだから。
(せいぜいこの映像が残って、数週間という所でしょうし。この日の出来事を、ずっと形にして留めておくことは、できませんけれど……)
 16枚くらいなら、私の魔力を大量に消費すれば、残せますかねえ。
 思いながら、シトリ・イエライは笑う。
 本日身に着けた衣装はそのままに、楽しげに、あるいは恥ずかしげに。もしくは、興味なさそうな顔をする生徒達をレンズに収めた男性教諭は、
「はーい、笑って笑って。あ、視線はこちらでお願いしますね? それでは皆さん、いきますよー? 3、2、1……」
 カシャ、と。
 ――どこか嬉しそうに、スイッチを押したのだった。



課題評価
課題経験:99
課題報酬:0
【新歓】きみと僕らの即興曲
執筆:白兎 GM


《【新歓】きみと僕らの即興曲》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《1期生》 アケルナー・エリダヌス (No 1) 2020-05-22 08:05:29
やあ。私は勇者・英雄コースのアケルナー。よろしく頼むよ。

とりあえず、どういった役をしたいとか。
歌を歌いたい、踊りたい……それとも、裏方で何かしたいとか。
各々の希望を出しておけば、それに乗っかる人も居るだろうし、何なら協力してひとつの演目にするとか相談できそうだね。

私は観客席を温めて……とか言ったら、先生に舞台のど真ん中に引き摺り出されそうだから、何か考えておくよ。

《新入生》 レイラ・ユラ (No 2) 2020-05-22 10:12:44
私は黒幕・暗躍コースのレイラ・ユラです。よろしくお願いします。

どうしても演じたい役がありましたので参加しました。
仲間のピンチに駆け付けて「ここはオレに任せな!」
とかっこよく決める、番長のようなキャラを演じてみたいのです。
以前読んでいた書物に出てきた時から憧れていて……。

どんっと構えて立つ姿は衣装のお披露目という目的にも沿うかと。

《新入生》 乃皇女・睡 (No 3) 2020-05-22 10:30:34
こんにちは……だよ……
僕……は……手品でも……しよう……かな……
……あ
……僕は……睡……乃皇女……だよ……
よろしく……ね……

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 4) 2020-05-22 15:11:10
わたしはアルフィオーネ。アルフィオーネ・ブランエトワル。

どうぞ、よしなに。


《甲冑マラソン覇者》 朱璃・拝 (No 5) 2020-05-22 18:53:08
武神・無双コースのルネサンス、朱璃・拝と申します。どうぞよろしくお願いしますね。

そうですわね、私は旅の踊り子、その実態は諸国を回り不正などがないか調べる隠密的な役をやりたいですわね。

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 6) 2020-05-22 19:38:32
魔王・覇王コースの仁和だ。

あー・・・なんだ。
悪役というか対立する役全般を受け持とうと思う。
・・・やり切れるかどうかは兎も角。



《新入生》 パソス・ウェルテクス (No 7) 2020-05-23 00:45:47
超天才美少女魔導士、パソス・ウェルテクス!! (ババーン)

うむ、やはり我は正義の味方が似合うだろう
我の『演技』で会場を拍手喝采の渦で満たしてくれようぞ!!

《1期生》 アケルナー・エリダヌス (No 8) 2020-05-24 00:30:04
ピンチに駆けつける番長、隠密踊り子さん、仮面の悪役、正義の味方と居れば、それだけでも物語になりそうだし、他にも正義の味方に助けられるお姫さまとか街の人。
悪役の子分とか、更に黒幕とか居ても面白いかもね。

もちろん、同じような役が複数居ても、それぞれの演技で面白くできるんじゃないかな。
正義の味方と言っても、勇者も居れば魔法少女も居るかもしれないし、普段は真面目そうに振る舞ってるけど、実は番長も恐れる裏の番長とか……。

白いウサギさん、これは大変なことになるかもしれないよ。

《熱華の麗鳥》 シキア・エラルド (No 9) 2020-05-24 11:35:55
芸能・芸術コースのシキアです、初めましての人もそうでない人もよろしくね?
うんうん、役者も揃ってきてるみたいだね?
俺は何しようかまだ考え中、舞台に出る人増えそうなら…いっそ裏方に回っても面白そうだと思うけど

《新入生》 ナレディ・ディトゥーニャ (No 10) 2020-05-25 20:50:08
祭りはいいな!
我は何らかの戦士を演じるぞ「

《模範生》 プラム・アーヴィング (No 11) 2020-05-25 20:51:18
じゃあ俺、お姫様役する(暴挙)

《熱華の麗鳥》 シキア・エラルド (No 12) 2020-05-25 22:10:04
プラムがなんか面白そうなことするからやっぱり乗っかる!(便乗

《1期生》 アケルナー・エリダヌス (No 13) 2020-05-26 05:55:43
そうか。プラム君がお姫さま役をやってくれるなら安心だね(誰もやらないなら、やらねばならぬのか?と思ってたので安堵した顔)。
私は適当に、足りてない役を手伝うようにしようかな(そして村娘役が欲しいと言われて困る未来)。

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 14) 2020-05-26 08:09:03
邪悪な司祭を。

悪役一人じゃ大変だろうし、こういうのには引っかからないように。という啓蒙もかねて

《ゆうがく2年生》 ヒューズ・トゥエルプ (No 15) 2020-05-26 13:13:33
とうとう出発日に…。
購買部でハープを買ってきたから…流しの吟遊詩人やってみようかな。

《新入生》 エソラ・トキジ (No 16) 2020-05-26 16:26:24
危ない…、あっと、挨拶遅れた。
俺はエソラ・トキジだ。
芸能・芸術コースだ。

よろしく頼む。

《新入生》 マサムネ・ルーナ (No 17) 2020-05-26 16:35:27
マサムネ・ルーナだ、よろしく頼む。

《新入生》 シルキー・ソレイユ (No 18) 2020-05-26 17:52:51
かなり遅れてしまいましたね。私の名前はシルキー・ソレイユです。
みんなで頑張って即興曲を成功させましょう。