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露払う者達


ストーリー Story

 夜闇、地面を穿たんとばかりに降り注ぐ雨粒が、静閑を裂く。
 波紋重ねる公園の池。端から端へと掛かる一本橋。
 傘差さず、刀を差して赴けば、魔鎧を纏う恩讐が、狂気と共に現れ出でる。
 四つの腕で繰り広げる大立ち回り。命をば寄こせと襲う妄執が化身。
 祖は驟雨(しゅうう)。宵闇の勇断(ゆうだち)也……。

「なぁんて。まぁ、えぇ様に言われたもんやなぁ。勇者を断つ怪物やから勇断(ゆうだち)たぁ、世間も言うてくれるやないか。なぁ? おまんら」
 驟雨の持つ刀より作り出した妖刀、斬雨(きりさめ)暴走事件からおよそひと月半。
 不甲斐なき兄弟子の失態を挽回すべく、自他共に剣の腕を磨く【白尾・刃】(しらお じん)は、到来しつつある梅雨の時期を感じながら、誰でもない相手に問いかける。
 誰かに語り掛けているわけでもないので、返事こそないが、我こそはと刀剣の腕に自信のある生徒達が互いに互いを鼓舞し合い、士気を高め合う修練の成せる音が、代わりに返って来る。
 それで充分。
 が、だからと言って驟雨を倒す役を譲るつもりはない。
 兄弟子の失態は、弟弟子が拭うのが礼儀と、次に斬雨へ挑戦する権利を得るため、刃もまた木刀を取る。
「さぁてぇ。ほな、うちの相手してくれる人おらへんのん? 何なら驟雨みたく、四人同時に相手したろやないか」
 我こそは、と生徒達が名乗り上げようとする。
 だがそこに、横槍ならぬ横刀が飛んで来て、刃のすぐ側を通過し、背後の壁に高い音を立てて真っ直ぐに突き刺さった。
 他の生徒らの隙間を縫いながら、確実に刃を狙った投擲。躱していなければ、本当に危なかった。そんな剣呑な雰囲気を斬り裂かんとする呑気な声が、刀に続いて練習場に響く。
「はぁい。私、立候補しまぁす」
 その場の誰も、見覚えはなかった。学年関係なく、誰もその人を知らない。唯一、自分へと歩み寄ってくる白髪の女性を知っている刃の顔色が、蒼白に塗り替わる。
「刃くんがどれだけ強くなったか、お姉ちゃん、見てみたいなぁ」
「ね、姉さん……! やのうて、大姉弟子!」
「もう、いいじゃない。実の姉弟なんだから。確かに大姉弟子でもあるけれど、お姉ちゃん、悲しいわ」
「あんさんがこっちにいるぅ言う事は……」
「うん、いるよ? もう、そこに」
 刃を含め、その場の誰も気付けなかった。
 刃の姉を自称する女性が先に投擲して突き刺さった刀の上に、黒髪の男が立っている事に。彼女に指され、振り返った事でやっと気付いた。
「お、大兄弟子……」
「……蹲(つくば)え、白の弟よ。【金剛・刀利】(こんごう とうり)の前である」
 静かな言葉に圧し掛かられて、刃はすぐさま膝を突き、首を垂れる。
 周囲もまた、男の黒い髪の下で輝く金色の双眸に、無駄口どころか行動の一切を封じられ、その場から動けなかった。
「何で、学園に……」
「灰の弟が失態を晒したと聞き、師匠よりの言伝を賜って来た。白の弟よ、黒の妹と共に来い」
「師匠がうちらをお呼びに……?!」
「怪物の件は知っている。学園側から度々師匠に、報告と相談がされていた。怪物の刀より討伐武器を作り上げたものの、使い手が見つからないと。灰の弟の失敗以降、使い手を育てているとも……不甲斐なし。師匠は二人の弟子と、怪物討伐に強い意欲を抱く学園生徒を呼んで来いとの事だ。ちなみに【銀鏡・十束】(ぎんきょう とつか)の同行は、予定になかったのだが……」
「私が刃くんの様子見に行きたいって言って、同行させて貰ったの。本当はお師匠のお世話もあったのに、刀利くんが説得してくれて……」
「銀の許嫁の頼みだ。断る理由がない」
「もう、刀利くんたら。恥ずかしいなぁ」
 唐突に惚気が入ったが、最早、驚けない。
 事態は転がるように勝手に進み続け、周囲に口を挟む余裕も猶予も与えてはくれない。
 姉弟と言った二人の苗字が違う事を始め、刃の怯え様など、突っ込み所は多数あるはずなのに、誰も口を挟む事が出来なかった。
 何より惚気文句を口にしながら、当の本人らは剣呑な雰囲気を保ったまま話を続けているのだから、第三者がこの空気を打ち壊す事は許されない。話は、未だ多くの野次馬の中、当事者らの間だけで続けられる。
「話を逸らしてしまった……白の弟よ。黒の妹並び、学園側の面々を揃えて来い。威勢のいいだけの雑魚を寄越してくれるなよ。鍛えてやると言うのに、死なれては困る」
「お言葉ですけど大兄弟子。ここには、威勢の良い生徒はいますが、雑魚はいてませんので」
「そうか。その言葉、信じるぞ。故に、失望させるな。せめてこの、斬時雨(きりしぐれ)を受けられるだけの奴が現れなければ……雨の怪物など倒せぬと知れ」
 さながら、彼以外の時間が停止し、一瞬だけ空間が縮小されたかのように、刀利は全員の視線と意識を抜け、十束の背後にまで戻っていた。
 彼は振り返る事無く、言伝を終えたからと何も告げず帰って行く。
 ずっと惚気て、照れていた十束は刀利の足音が背後から聞こえてようやく事態に気が付き、刃にまたねと手を振ってから、刀利の後を追いかけて行った。
 あっという間に二つの台風が過ぎ去り、練習場には静寂が積もる。一番に破ったのは、今の今まで実の姉と兄弟子に言われていた刃だった。
「とりあえずメメたんに報告して、正式に集うか。誘い文句は……そう、地獄が見たい奴だけ集まれ、や。半端な覚悟で来たら死ぬ、ってぇ脅し文句も添えてなぁ。はぁ、あ……大兄弟子相手の尻尾取りとかなったら、ヤやなぁ……」
 雨の怪物への挑戦前の試練、来たる。


エピソード情報 Infomation
タイプ EX 相談期間 6日 出発日 2021-06-14

難易度 とても難しい 報酬 通常 完成予定 2021-06-24

登場人物 8/8 Characters
《グラヌーゼの羽翼》エリカ・エルオンタリエ
 エリアル Lv33 / 賢者・導師 Rank 1
エルフのエリアル。 向学心・好奇心はとても旺盛。 争い事は好まない平和主義者。(無抵抗主義者ではないのでやられたら反撃はします) 耳が尖っていたり、整ってスレンダーな見るからにエルフっぽい容姿をしているが、エルフ社会での生活の記憶はない。 それでも自然や動物を好み、大切にすることを重んじている。 また、便利さを認めつつも、圧倒的な破壊力を持つ火に対しては慎重な立場を取る事が多い。 真面目だが若干浮世離れしている所があり、自然現象や動植物を相手に話しかけていたり、奇妙な言動をとることも。 学園へ来る前の記憶がないので、知識は図書館での読書などで補っている。
《マルティナの恋人》タスク・ジム
 ヒューマン Lv36 / 勇者・英雄 Rank 1
村で普通に暮らしていましたが、勇者に憧れていました。 ここで学んで一人前の勇者になって、村に恩返しをするのが夢です。 面白いもので、役所勤めの父の仕事を横で見聞きしたことが、学園の勉強とつながり、日々発見があります。 (技能はそういう方針で取得していきます) また「勇者は全ての命を守るもの、その中には自分の命も含まれる」と仲間に教えられ、モットーとしています。 ※アドリブ大歓迎です! ※家族について デスク・ジム 村役場職員。縁の下の力持ち。【事務机】 (※PL情報 リスクの子) ツィマー・ジム おおらかな肝っ玉母さん。 【事務室・妻】 シオリ・ジム まじめできっちりな妹 【事務処理】 チェン・ジム のんびりマイペースな弟 【事務遅延】 ヒナ・ジム 可愛い末っ子 【事務雛型】 リョウ・ジム 頑固な祖父 【事務量】 マーニー・ジム 優しい祖母。故人 【事務マニュアル】 タックス・ジム 太った叔父。【税務事務】 (※PL情報 リョウの子) リスク・ジム マーニーの元婚約者でリョウの兄。故人【事務リスク】 ルピア・ジム 決まった動作を繰り返すのが大好きなグリフォン。【RPA事務】 ※ご先祖について アスク・ジム 始祖。呼吸するように質問し、膨大なメモを残す。【事務質問】 「あなたのお困りごと、お聞かせいただけませんか?」 セシオ・ジム 中興の祖。学園設立に向けて、土地や制度等に絡む諸手続きに貢献。【事務折衝】 「先祖の約束を今こそ果たす時。例え何徹してもやり遂げる!」
《1期生》アケルナー・エリダヌス
 ローレライ Lv20 / 勇者・英雄 Rank 1
目元を仮面で隠したローレライの旅人。 自分のことはあまり喋りたがらない。適当にはぐらかす。 ふとした仕草や立ち居振舞いをみる限りでは、貴族の礼儀作法を叩き込まれてるようにもみえる。 ショートヘアーで普段は男物の服を纏い、戦いでは槍や剣を用いることが多い。 他人の前では、基本的に仮面を外すことはなかったが、魔王との戦いのあとは、仮面が壊れてしまったせいか、仮面を被ることはほとんどなくなったとか。 身長は160cm後半で、細身ながらも驚異のF。 さすがに男装はきつくなってきたと、思ったり思わなかったり。 まれに女装して、別人になりすましているかも? ◆口調補足 先輩、教職員には○○先輩、○○先生と敬称付け。 同級生には○○君。 女装時は「~です。~ですね。」と女性的な口調に戻る。
《大空の君臨者》ビャッカ・リョウラン
 ドラゴニア Lv22 / 勇者・英雄 Rank 1
とある田舎地方を治め守護するリョウラン家の令嬢。 養子で血の繋がりはないが親子同然に育てられ、 兄弟姉妹との関係も良好でとても仲が良い。 武術に造詣の深い家系で皆何かしらの武術を学んでおり、 自身も幼い頃から剣の修練を続けてきた。 性格は、明るく真面目で頑張り屋。実直で曲がった事が嫌い。 幼児体系で舌足らず、優柔不断で迷うことも多く、 容姿と相まって子供っぽく見られがちだが、 こうと決めたら逃げず折れず貫き通す信念を持っている。 座右の銘は「日々精進」「逃げず折れず諦めず」 食欲は旺盛。食べた分は動き、そして動いた分を食べる。 好き嫌いは特にないが、さすがにゲテモノは苦手。 お酒はそれなりに飲めて、あまり酔っ払わない。 料理の腕前はごく普通に自炊が出来る程度。 趣味は武術関連全般。 鍛錬したり、武術で語り合ったり、観戦したり、腕試ししたり。 剣が一番好みだが他の分野も興味がある。 コンプレックスは身長の低さ。 年の離れた義妹にまで追い抜かれたのはショックだったらしい。 マスコット扱いしないで欲しい。
《奏天の護り姫》レーネ・ブリーズ
 エリアル Lv29 / 芸能・芸術 Rank 1
いろいろなところをあるいてきたエルフタイプのエリアルです。 きれいな虹がよりそっている滝、 松明の炎にきらめく鍾乳石、 海の中でおどる魚たち、 世界にはふしぎなものがいっぱいだから、 わたくしはそれを大切にしたいとおもいます。
《勇者のライセンサー》フィリン・スタンテッド
 ヒューマン Lv33 / 勇者・英雄 Rank 1
「フィリン・スタンテッド、よ……よろしく」 「こういう時、どうすれば……どうすれば、勇者らしい?」 (※追い詰められた時、焦った時) 「黙って言うこと聞け! 殴られたいの!?」 「ぶっ殺してやる! この(お見せできない下劣下品な罵詈雑言)が!!」   ###    代々勇者を輩出してきた貴族スタンテッド家(辺境伯)の令嬢。  一族の歴史と誇りを胸に、自らもまた英雄を目指してフトゥールム・スクエアへと入学する。  愛と平和のために戦う事を支えとする正義感に溢れた性格で、『勇者らしく人々のために行動する』ことを大事にする。  一方で追い詰められると衝動的に罵声や暴力に訴えてしまう未熟な面もあり、自己嫌悪に捕らわれる事も多い。 『彷徨う黄昏に宵夢を』事件で対峙したルガルとの対話から思うところあったのか、頑なな勇者への拘りは少し角がとれたようだ。 ※2022年8月追記 全校集会『魔王の復活』後、昨年クリスマスに結ばれたルガルとの子供を身籠っていた事が判明 (参考シナリオ) 恋はみずいろ L’amour est bleu https://frontierf.com/5th/episode/episode_top.cgi?act=details&epi_seq=649 ◆口調補足 三人称:〇〇さん(敬語では〇〇様) 口調:~かな、~ね? その他:キレた時は『私、アンタ、(名前で呼び捨て)、(言い捨て)』 ◆Twitter Sirius_B_souku
《運命選択者》クロス・アガツマ
 リバイバル Lv26 / 賢者・導師 Rank 1
「やあ、何か調べ物かい?俺に分かることなら良いんだが」 大人びた雰囲気を帯びたリバイバルの男性。魔術師であり研究者。主に新しい魔術の開発や科学を併用した魔法である魔科学、伝承などにある秘術などを研究している。 また、伝説の生物や物質に関しても興味を示し、その探求心は健やかな人間とは比べ物にならないほど。 ただ、長年リバイバルとして生きてきたらしく自分をコントロールする術は持っている。その為、目的のために迂闊な行動をとったりはせず、常に平静を心掛けている。 不思議に色のついた髪は生前の実験などで変色したものらしい。 眼鏡も生前に研究へ没頭し低下した視力のために着けていた。リバイバルとなった今もはや必要ないが、自分のアイデンティティーのひとつとして今でも形となって残っている。 趣味は読書や研究。 本は魔術の文献から推理小説まで幅広く好んでいる。 弱点は女性。刺激が強すぎる格好やハプニングに耐性がない。 慌てふためき、霊体でなければ鼻血を噴いていたところだろう。 また、魔物や世界の脅威などにも特に強い関心を持っている。表面にはあまり出さねど、静かな憎悪を内に秘めているようだ。 口調は紳士的で、しかし時折妙な危険性も感じさせる。 敬語は自分より地位と年齢などが上であろう人物によく使う。 メメル学園長などには敬語で接している。 現在はリバイバルから新たな種族『リコレクター』に変化。 肉体を得て、大切な人と同じ時間を歩む。  
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に

解説 Explan

 雨の季節が迫る頃、つまりは例の怪物との対決を控える勇者達に、一つの試練が課せられました。相手は、プロローグに登場しました二人のNPCです。
 場所は山岳。雨が降る夜の森林。双方、互いに向かい合った状態からのスタートとなり、開始合図から二時間の間に、二人の腰に括られた鈴を取る事が目的です。鈴は各々一つずつ所有しており、仮に獲得出来た場合、称号「露払いの剣客」が与えられます。
 相手NPC情報は、以下の通りです。
【金剛・刀利】(こんごう とうり)……黒髪のヒューマン。魔法の使用はないが、魔法をも斬る剣技と風を切る俊足を誇る。刀剣、斬時雨(きりしぐれ)は驟雨と同類の怪物から作った刀。
【銀鏡・十束】(ぎんきょう とつか)……白髪のヒューマン。水属性の魔法を操り、霧を展開して視界を奪いに来る。刀剣、鏡花水月(きょうかすいげつ)は斬時雨の姉妹刀。
 また、今回は物語の始めにプロローグでも話題に上がりました二人の師より、驟雨に関する情報を得る機会があります。
 今後、驟雨との対決エピソードに参加される方に付きましては、プラン考案の参考のため、参加される事をおススメします。
 尚、成功の判定は称号の獲得の有無、鈴の奪取の是非だけでは判定しません。仮に称号獲得者が無い場合や、鈴の奪取に失敗した場合でも、必ず失敗となるわけではないので、皆様で協力し合い、結集した全力を思う存分ぶつけて頂ければと思います。


作者コメント Comment
 お疲れ様です。戦闘エピソードでお馴染み、無名作家の七四六明(ななしむめい)です。
 今回は、今年の怪物との対峙の前に試練と試験を組み合わせたようなエピソードを用意させて頂きました。
 自分が描きます四人の先輩剣士の兄、姉弟子と師匠の登場。そして、驟雨の正体について深く踏み込んだ物語となる予定です。
 金剛刀利と銀鏡十束は学園の生徒ではありませんが、かなりの強敵ですので、全力を賭して挑み、ぶつかって下さい。
 挙ってのご参加、お待ち申し上げております。


個人成績表 Report
エリカ・エルオンタリエ 個人成績:

獲得経験:247 = 165全体 + 82個別
獲得報酬:7500 = 5000全体 + 2500個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
まずは十束さん狙い

視界不良は【気配察知】で対応
見えてないフリを装い
味方に相手の位置を知らせ事を有利に運ぶ

霧が長時間続いたり状況が深刻な場合は【フムス】で吹き払う
(可能なら相手も吹き飛ばす)

ここぞという時は【基本杖術V】と
レーネさんに声をかけ手を取らせてもらい
【エンチャライズ・ボンズ】で能力底上げ

攻撃はフドやミドガトル
【エンチャライズ・ボンズ】使用時は杖の通常攻撃の魔法弾で攻撃するが
エーデンユートの力で毎回属性を変えて放ち
相手の苦手属性を見つければ味方に知らせ、みんなで弱点を突く

相手の大技はわざと受け【みがわりうさぎ】で死んだフリ
油断させて不意を打つ

回避は【妖精の踊り】

味方の回復は【生命の息吹】

タスク・ジム 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:495 = 165全体 + 330個別
獲得報酬:15000 = 5000全体 + 10000個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:露払いの剣客
前衛の仲間と連携して波状攻撃をかけ
以下の優先順位で気を配る
1.中衛・後衛に攻撃を行かせない
2.自分含め誰かが鈴を奪取する隙を作る
3.自分たちの実力を示す
【勇者原則】【挑発】で大先輩方の注意を引き付け
【晴天灰陣】でガードを固め
効果的なカウンターで【月下白刃】で繰り出す
刃先輩と黒崎先輩も参加する場合は、連携して波状攻撃

霧で視界不良の時は【聴覚強化】で鈴の音を頼りに相手の動きを追う

仲間の攻撃で大きな隙が出来た場合
ヒ8で相手の頭を飛び越え背後に回り
隙がより大きい方の鈴を取りに行く
相手が自分に反応し奪取失敗の場合
全力で攻撃を仕掛け
仲間が奪取するための隙を作る

特級薬草は自分か仲間の危機に使用

アドリブA

アケルナー・エリダヌス 個人成績:

獲得経験:198 = 165全体 + 33個別
獲得報酬:6000 = 5000全体 + 1000個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
◆目的
二時間以内に金剛・刀利、銀鏡・十束の腰の鈴を奪い、実力を示す

◆分担
私は中衛に位置取り、槍と魔法での援護と、前衛が抜かれた場合の後衛のカバー等を中心に動く

仲間が畳み掛ける隙を作りたいね

◆応戦
基本は盾を構え後衛を庇い、痛撃は衝撃享受で受け流し後衛を攻撃させない
攻撃は槍は牽制程度に考え、隙を見てアクエラで仕掛ける感じで応戦
乱発はできないし、仲間が鈴を取りに行く時や立て直す時間稼ぎの際等、使いどころは考えて

深手の後衛が狙われそうなら、我が身を盾にで後衛への攻撃を代わりに受けて

味方の隙に乗じ、相手が味方複数を巻き込む大技を繰り出しそうな場合等のここぞの時には、高貴たる行いでダメージ軽減を狙い凌いで

ビャッカ・リョウラン 個人成績:

獲得経験:198 = 165全体 + 33個別
獲得報酬:6000 = 5000全体 + 1000個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
■目的
刀利達に挑む

■行動
私は前衛。主に刀利さんを相手取るよ。
前衛の仲間と連携して波状攻撃、龍の翼で飛び回りながらの立体機動で撹乱しつつ斬りかかる。
止められてもいい。まずは兎に角攻めて隙を作りだす。

防御は重点的に。
気配察知で間合いに入られたことを感じ取り、流水の構えと部分硬質化で受ける。
傷ついたら特級薬草で回復。
少しでも軽減して耐えて、そして受け止めてみせるんだ。
リョウラン家の剣、真価は守りにある!私は、折れない!

皆とタイミングを計り、勝負に出ると決めたら、仕掛ける。
龍の翼を広げて前に飛んで全速力、そして必殺の耀閃斬!
風が如く、雷が如く、雲耀に届け!ブレイジングキャリバァァァーーーーッ!!!!!

レーネ・ブリーズ 個人成績:

獲得経験:198 = 165全体 + 33個別
獲得報酬:6000 = 5000全体 + 1000個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
基本的にはエルオンタリエさんの横に立って、
楽器「天使の歌」で仲間のみなさんを回復します。

音程はできるだけ単調にして、刀利さんと十束さんのだす物音を
聞き取るのに邪魔にならないようにしますね。

わたくしのしらべはみなさんをささえるためのもの。
それをきかせたいわけじゃないから。

それから事前に調合した「魔法薬生成キット:B」と
種族特性の「言の葉の詩:ラブ・キャロル」もつかって
回復をさらにささえますね。


刀利さんと十束さんの攻撃については「聴覚強化I」と
「気配察知Ⅰ」でかんじとってかわします。

聞き取りにくいようでしたら
「絶対音感Ⅰ」と「調律」で、お二人がつけた鈴に
わたくしのしらべを共鳴させて鳴り響かせます。

フィリン・スタンテッド 個人成績:

獲得経験:198 = 165全体 + 33個別
獲得報酬:6000 = 5000全体 + 1000個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
●方針
優先1:鈴奪取
優先2:撃破

●事前準備
装備・技能は仲間以外の関係者にはから秘匿
作戦の不明点や対立は仲間に従う

●行動
※種族特性は【】で記載
基本は驟雨から変わらず盾(タンク)役。
相手は選べる状況なら十束担当。

『グロリアスブースター』で包囲するよう機動して
『レイダー』に【ヒ10】で射程を伸ばし、『還襲斬星断』の無視できぬ攻撃で誘引。
物理は『衝撃享受』、魔法は【ヒ18】で軽減。

皆と連携し攻撃は常に複数人で重ねるように。視界を遮られたら『動作察知』で対抗。
皆の牽制やペナルティで封じてチャンスを作れたら『電結変異』からの『スプリーム・クラッシュ』で勝負。
属性がはまれば『PnN』も重ねていく

クロス・アガツマ 個人成績:

獲得経験:198 = 165全体 + 33個別
獲得報酬:6000 = 5000全体 + 1000個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
俺は後衛で支援と援護攻撃を主軸に動く

魔導書の魔弾と仲間に連携してのヒドガトルで攻撃
更にアン・デ・カースで動きを阻害し隙を作ろう
また、もしも迫力に圧され萎縮状態になる人が出たら菖蒲湯と声掛けで解く
しばらく交戦した後、折を見てピケセ・イ・ヌムの力で仲間達を強化。相手が慣れたところへギアを上げて攻める
俺もアン・デ・フィアで更に強く敵を束縛しよう

魔法の霧を使う十束には重力思念で妨害を仕掛ける
霧が薄まれば十分、思考力を落とせるなら十分以上だ

刀利が俺を狙う場合は後退し距離を取る試みをする
ブラフだ、詰めて来たところに合わせダートガを放つ
だがこれも罠、ダートガを囮にし電結変異でその着弾より速く動き鈴を奪い去る

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:198 = 165全体 + 33個別
獲得報酬:6000 = 5000全体 + 1000個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
先輩の兄弟子から鈴を奪う実戦か・・・
正直、荷が重いような気がするが参加させてもらうからには全力を出させてもらおうか

基本的には基本鎌術、千代古令糖の守り 、ヒ10、ヒ17、ヒ18を使い前衛よりの中衛を担う
一人では互角に戦えるわけもないのでじっくりとチャンスを狙っていくので防御的に動いて行こう
基本的に相手方の攻撃を受け持ち後衛に攻撃を通さないようにするのがメインの仕事だな

チャンスが出来たら、繋りの意味、エンチャライズ・ボンズ、立体機動、ヒ19、ヒ20、ヒ8、を使い、尚且つ攻撃時の呼吸、動作のタイミング、癖を意識してずらして鈴の奪取を狙う

なんにせよ連携第一で動いて行こう

アドリブA、絡み大歓迎

リザルト Result

 ひたすら、背中を追いかける。
 今回の呼びかけに一番に手を挙げた【タスク・ジム】は、他七人よりも前を進み、二人の背中を息を切らしながら追いかけていた。
 登るのは名も知れぬ山。十歩先の景色さえ見えない濃霧の中。
 霧が結界の作用を齎しているのか、エリアルである【エリカ・エルオンタリエ】と【レーネ・ブリーズ】の二人も、右も左もわからない。
 ついて行けばいい、などと軽んじていた【フィリン・スタンテッド】と【ビャッカ・リョウラン】も、先を歩く先輩二人の背中を見失わぬよう、付いて行くので精一杯。
 仮面を被る【仁和・貴人】(にわ たかと)は登る毎減っていく酸素濃度にやられ、【クロス・アガツマ】と【アケルナー・エリダヌス】両名の助けを借りなければ、とっくにダウンしている状態だった。
 辛うじてながら、二人の背中を追いかけられているタスクを動かす物は、他七人とは比較にならない敬意と敬愛か。
 【黒崎・華凛】(くろさき かりん)に助けられ、【白尾・刃】(しらお じん)の下で稽古を受け、共に雨の怪物と戦い、他二人の兄弟子らとも親しくして貰って、何とも奇妙に――いや、不思議にも繋がった縁が、彼を他より先に進ませていた。
「みんなもう少しやでぇってもう少しか……うち、もう帰りたい」
「まだ、着いてもいないじゃないですか……先日、ケルベロスを引き摺り回したばかりの先輩が、何を、弱気な……」
「そら怖いわぁ。その地獄の番犬を斬り捨てて、蘇った様な爺さんやで」
 突如、濃霧を抜けて、開けた場所に出た。
 周囲を見渡せば、他の山を沈めたかのように広がる雲海が、ゆっくりと流れている。
 目的の山頂に着いた事はすぐにわかったが、突如天を衝く黒い火柱が上がった事については、呆れ顔の先輩を除く八人の酸欠気味の頭では、とても理解が追い付かなかった。
「誰がピザを焼けっつったぁ! 俺ぁ言ったのはピッツァだ! ピザとピッツァの違ぇもわからねぇのか、あぁん?! 袈裟切りと逆袈裟切りくらい違ぇぞ、コラぁ!」
 見間違いだろうかと、フィリンは目をこする。
 ミイラかマミーか。全身に巻いた包帯の下、わずかに見える土色の肌。微かに姿が透けているが、唯一ハッキリと曝け出された双眸は、学園でもそう見る事のない覇気と気迫を伴って、鋭い眼光を放っていた。
 そして、生粋の剣士ではないアケルナーや貴人でさえ、それの立ち姿に脅威を抱く。
 エリカやレーネ、クロスら魔法主体の使い手には伝わりづらいやもしれないが、立つ。歩く。基本的一挙手一投足からでさえ、わかってしまうレベルの違い。
 仮に背後から気配を殺しながら接近して襲い掛かったとしても、確実に返り討ちに遭うだろう光景が浮かぶ。
 剣を使うビャッカ、フィリン、タスクはより強くその光景を想像しており、刃らが恐れる理由を理解した気がした。
「し、師匠。お久し振りです。白尾刃と黒崎華凛、ただいま戻り――」
「誰がぁ……死に損ないミイラ男だぁ!」
「言っとりません! ってぇ伏せぇ!」
 刃が叫んで伏せた皆の頭のすぐ上を、黒い炎が真一文字に走る。
 濃霧の中に呑まれて消えて行ったが、一体どこまで走って行ったのか。ずっと遠くで、放たれた斬撃が何かを両断した音が聞こえた気がした。
「殺す気かいな!」
「愚図が! 今ので死ぬ程度の弟子に、色を与えた覚えはねぇ! だってのにいつまで経ってもたらったら、たらったら……俺の弟子なら、さっさと斬り捨てねぇか!」
 血気盛ん。
 苛立っているにしても、町の半分以下の酸素濃度だろう山頂で、よくずっと頭に血を登らせて、ずっと叫んでいられるものだ。血の気が多い事この上ない。
 ただ、刃から度々聞かされる話だと随分高齢なお爺さんとの事だったが――疑問はすぐ解消された。タスクは身内にいるし、クロスは自分自身がそうだからだ。
 リバイバル。
 この世に留まりし魂を核とした、魔力の塊からなる過去の幻影。どうやら死んだ時のではなく、若かりし頃の姿らしい。
 だからと言って、体にはもう血液など通っていないはずだが、鬼気迫る迫力の中に、凄まじい血の気を感じてならない。
「で? そいつらが、てめぇらが選んだ学園の連中か」
 視線が向けられる。
 息が詰まりそうになりながらも、この旅路に一番乗りに手を挙げた時のように、タスクが声を振り絞ろうとした、その時。黒い炎が刀を這い、目の前で大きく振り被られていた。
「愚図がぁっ!」
 全員、辛うじて避けられた。いや、避けられる速度だった。
 酸欠で息も絶え絶えの貴人でも、一人でギリギリ回避出来る大振りは、誰も斬る事なく霧の奥に呑まれて消えて行き、数秒後に何かしらを斬った音を届かせた。
「あ、危ないじゃないの!」
「危ない? 敵にもそうして訴えんのか」
 徐々に、いやすぐに、あやふやな理解が確信に変わっていく。全員の体内で、本能が発する危険信号が大音量で鳴り響いている。
「こっちは刀持ってんだ。なのにどうして、揃いも揃って構えねぇ。俺がこいつらの師匠だから? 師匠なら味方か違ぇだろ! 連れて来いとは言ったが、面倒を見るなんて一言も言ってねぇだろうが。ここで俺に見限られて、二人を取られたらどう帰るつもりだったんだ? それが嫌ならさっさと示せ! 愚図だ鈍間だと言われたくねぇなら、てめぇの実力さっさと示して俺を認めさせやがれ! それが、てめぇの武器を担いで来た奴らの挨拶だろうがよ! さぁ、亀ども! 引っ繰り返される前に、噛み付くぐらいはしてみせな!」

 その後の結果は、言うまでもない。
 惨敗だ。本当に、言い訳の余地もないくらい負かされた。正直、何がどうなって負けたのか、鮮明に覚えている者は誰もいなかった。
「タスクさん! よかった」
「エリカ部長、レーネさん……」
「よかった。なかなか起きないので、心配しました」
 レーネが言うには、フィリンとビャッカ、タスクの三人は特に手酷くやられていたそうだ。
 剣士だったからの洗礼か。手荒い歓迎か。いずれにせよ、全く憶えていない。
 全員倒れた後で包帯師匠の家に運ばれたらしく、居間に行くと、先ほど怒られていた弟子が焼いたらしいピザ――いや、ピッツァを食べる男の姿があった。
「やぁ、タスク君。無事で何より」
 一応は客人扱いなのか、先に起きたクロスとアケルナー、貴人の三人が座っている。
 刃と華凛の姿もあったが、弟子は座ってはならない決まりでもあるのか、部屋の隅で手を後ろに組んだまま立ち尽くしていた。
 そして二人の正反対位置に、あの二人もいた。
 【金剛・刀利】(こんごう とうり)。【銀鏡・十束】(ぎんきょう とつか)。
 今回、この男の前へと、一同を招いた張本人。二人も刃や華凛と同じ形で、壁際に立ち尽くしている。
「三人とも、座って。お師匠さんがお話してくれるって」
 ビャッカに促され、レーネとエリカに支えられる形でタスクが座る。
 同時、男はピッツァを平らげて、注がれていた水を一気に飲み干した。口元を覆う包帯が濡れている上、色々と付いているが、気にする様子はない。
「……及第点だな。俺に勝てるはずはねぇが、件の怪物相手なら勝機はある。判断やら反応やら遅い部分はあったが、あいつには追いつけるだろ。後は例の刀を扱えるか否か、だな」
「あの……」
 と、アケルナーが質問を挟もうとしたとき、男は一瞥を配った。
 静止を促し、何かに気付いたらしい呟きを漏らす。
「さっきから師匠師匠と、いつ弟子にしたのかと思ったが……まだ名乗ってなかったな。仕方ねぇ、挨拶は終わったが自己紹介だ。【色神・斬羅】(しきがみ きるら)、壁際のガキ共に、剣を教えた。言っておくが、死神だのキラキラネームだの言ったら、容赦なく斬るからな」
 それはもう、絶対に。
 口には出さなかったものの、全員が胸の中で思う。それこそ神に誓う信徒より固く、自分の信念を賭す思いで誓った。
 ビャッカなんかは忘れていたはずの恐怖を思い出して、尻尾が震えて垂れ下がる。
「で、だ。途中だったな。続けろ」
「……色神様は、私達が戦っている怪物――驟雨について何かご存じの様子。先ほど話を窺いましたが、金剛さん、銀鏡さん両名の刀も、類似の怪物から作った代物とか。教えて頂けませんか。驟雨について。私達は奴を倒すため、奴の正体を知らねばならないのです」
 驟雨? と聞き返しながらも、斬羅はアケルナーの質問を受けて、刀利。十束。両名の腰に差さる刀に一瞥を配る。
 頬杖をつき、明後日の方向を向いたかと思えば、自分とクロスを指差した。
「奴らはな。死んだ魔物の魔力と怨念、魔物版リバイバル――要は俺とそいつみてぇな存在だ。違うとすれば、多数の魔物の魔力と怨念の集合体である事。殺された時の記憶を、鮮明に憶えている事だ。おまえらの相手は、剣に強いらしいな。なら、剣に殺された記憶を強く持つ魔物の怨念、恩讐の集合体って事だ。剣士を狙うのも、つまりは復讐って訳よ」
「では、驟雨の他にもあのような怪物が?」
「無論だ」
 クロスの質問に斬羅が間を置かず頷くと、驚愕のあまり立ち上がったビャッカがゆっくりと座り直す。
 確かに二人の刀が、驟雨と類似する怪物から作った物だと判明した段階で、他にもいる可能性は濃厚だったが、無論と返されるとやはり驚きで、ビャッカのように立ち上がりこそしなかったものの、他の七人も気持ちは同じであった。
「驟雨は雨の日に現れます。他も同じなのでしょうか」
「それはそいつの特性だろ。雨の日に斬り殺された怨念か、自分を斬り殺した奴が雨を嫌ってたか。こればっかりは想像するしかねぇし、しても意味ねぇ。別に、勝つヒントがある訳でもねぇしな。後ろの二人が仕留めた奴は、霧の中にだけ現れた。体を透明化する、龍みたいな、トカゲみたいな、とにかく変な奴だった」
「俺達は、奴の刀から奴を退治するための武器を作りました。そのように進言したのは、色神さん、あなただと聞いております。何故ですか。倒すためとはいえ、わざわざそのような曰くの品を用意しなければならないと言うのも、理解し難いのですが」
 これはクロスだ。
 クロスは今回ここに来る前から、斬雨(きりさめ)の存在を怪しんでいたし、理解に苦しむと言っていた。
 実際、刀を手にした生徒が一人、刀の恩讐に呑まれて暴走した事件が起きている。これ以上の被害が出ると言うのなら、別の方法も考慮すべきではないかと言う考えも、無くはなかった。
「何故? 今の話で理解出来ても良いようなもんだが……殺すだけ、倒すだけなら、別にそんな物は必要ない。ただ、いちいち面倒だろうと言ったまでだ」
 周囲の表情を窺い、斬羅は大きく吐息する。自分の刀を手に、戦争でも始めんばかりの勢いと気迫を伴って立ち上がった。
「金、銀、尻尾取りだ。今夜は丁重に、お客様をおもてなしして差し上げなぁ」
「師匠の命とあらば」
「はぁい。ってあれ、師匠、刃くんは?」
「白と黒には用がある。一度色を与えた以上、奪いはしないが、なぁ?」
 顔面蒼白になる刃と華凛。
 だが、二人の心配をしている場合ではなかった。
 おもてなしと言ったが、刃が最も嫌がっていた尻尾取り。
 十束の方はともかくとして、刀利が手加減してくれるとは思えない。
 だが、臆するなど以ての外。散々言われたまま、おめおめと帰るだなんて真似は出来ない。
 全力で、受けて立つ。

「刀利くん、鈴付けるね」
「……あぁ、すまない」
 腰に付けられた鈴を尻尾と呼ぶのは十束には似合っていたものの、刀利には可愛過ぎて似合わないと思ってしまった。
 実際、その尻尾を取られんとして繰り出される刀は、彼らが仕留めた魔物の遺骨から作られたらしい曰く付きの代物。怨念と恩讐の化身から作ったと言うのだから、可愛らしいとはますます遠のいていく。
 だが、そんな事はどうでもいい。
 タスクはこれまで以上になく、今回の展開に滾るものを感じていた。
「いつぞやの夜だな」
「貴人さん。もう体は良いんですか」
「あの包帯男の言う客には、オレも含まれているだろうからな。かれこれ半日近くいたし、低酸素にも慣れつつある。問題は無い。それより、だ。タスクくん。思い出しているんだろう? 攻守こそ逆転しているものの、まるで、あの日の夜だ」
「……えぇ。今でも鮮明に思い出せます」
 学園長主催の実力テスト。貴人とエリカを含めた今回と異なる他五人の計八人で、タスクは白尾刃と初めて対峙し、対決した。
 その日も向かい合った状態からで、白き月光輝く夜の森が戦場だった。
 月を背負った白銀の風。一直線に穿つ刺突一貫。不敬ながらも、その技を真似た自分を引き摺り、教えると言って稽古を付けてくれた彼を尊敬する事となった日。
 忘れようもなく、忘れるはずもない。
 タスクにとって、第二のオリジンとでも言える日なのだから。
「だけど今日は、攻守が逆転していますね」
「あぁ。そして言っては悪いが、先輩より確実に強敵だ……怖いか」
「緊張はしますが、怖くはないですよ」
「そうか」
「二人とも、そろそろ」
 エリカに呼ばれ、皆と共に二人と対峙する。
 前以て聞いた最低限の情報から、ある程度の戦術は組んで来た。
 尻尾取り――要は二人の体に括られた鈴を取れば勝ちという趣向性の高い試練。刃はこれを酷く嫌がっていたが、詳細はこれから明らかになるだろう。
「準備完了ですかね。じゃあ始めて良いかな、刀利くん」
「……客らは初めてだろう。最低限の掟は説明せよ」
「はぁい。ってなわけで、ルール説明ね。制限時間二時間以内に、私達二人についたこの鈴を取ってね。二時間以内に一つでも取れてたら、そっちの勝ち。もし二つとも取ったら、その時点で終了ね。舞台はこの森の中。広いから、はぐれないようにね。二時間経った時点で、刀利くんが信号弾を打ち上げるから、そしたら戻って来てね。えぇっと……刀利くんからは何かある?」
「……特にない。が、手加減して欲しい奴は今、この場で乞え。加減なく相手して、後で文句を言われても迷惑だ。片腕斬り落とされて困る者は、今のうちに進言しておく事を勧める」
 冗談だ。と付け足される気配は、まるでない。
 奥底でまったく笑っていない目が、誰にも冗談だと思わせなかった。
 やるからには本気でやるから、腕の一本は失うつもりで来いと言う宣言は、刀利と生徒らとの間にある距離を示していたが、実際、生徒達からしてみれば、それがどうしたと言う話である。
 そういう類の威圧なり挑発は、今まで散々受けて来た。
 まったく気圧されないなんて事もないが、それと同じくらい、姿勢が前傾に変わる。やれるものならやってみろ。やられるのはあなたの方だ。それぞれの目が力強く訴えて、誰も名乗り出なかった。
「宣言無し……銀の許嫁、開始の合図を」
「はい。そんじゃ、全員位置について……」
 十束が手を叩く姿勢を取った。
 全員、一斉に身構える。刀利は余裕か様子見か、動きは無い。
 前以て練った作戦を各々頭の中で再確認。手が叩かれた瞬間には動けるよう、瞬間的に出来る限り反芻する。
「ようい――どん!」
 開始の合図である乾いた音が響く。
 直後、十束が叩いた手をそのまま丸め、息を吹き込むと、真白の濃霧が広がって、一瞬にして視界を奪う。
 二人の位置を把握出来ていたのは、絶対音感と聴覚強化を駆使していた、レーネだった。
(銀鏡さんの鈴の音が遠ざかっていく……金剛さんは――)
 澄ましていた耳よりも早く、霧の中で鈍っていた目の方が先に金剛を見つけ出す。
 他のみんなはどうしたのか、とにかく一直線に自分へと迫りくる金剛が抜刀する刀の柄に腹を抉るように押し飛ばされ、そのまま柄を上げる形で下顎を撃ち抜かれ、高々と持ち上がった華奢な体を、身を捻って繰り出された居合が薙ぎ払う。
 レーネの体は隣にいたエリカを巻き込んで、二人揃って転がって木にぶつかる。
 気配察知で直前に察知したエリカが何とか受け止めていたものの、レーネは完全に昏倒し、気を失っていた。
「レーネさん! レーネさん!」
「何?! 何が起こったって言うのさ!?」
 ビャッカの問いに、答えられた人はいなかった。
 霧が晴れてみればエリカに抱かれる形でレーネが倒れており、十束の姿は霧と共に霧散したかのように消えていて、前衛のビャッカ、タスク、フィリンの三人。後衛を守るため構えていたクロス、アケルナー、貴人の三人。計六つの壁をすり抜けて、レーネを戦闘不能へと貶めた刀利が刀を収めているこの状況。
 何が起きたのかはわかる。が、理解が追い付かない。
 一体何がどうなれば、こんな状況になるのだろうか。
「いつまで固まっている。我が師にまた、愚図と言わせる気か」
 刀利の視線がエリカへと向く。
 ほぼ同時、背後に回って魔導書を開いたクロスのアン・デ・カースが刀利に回避行動を促し、意識を伸びる鎖へと向けさせる。
 呪詛の鎖を躱して飛び上がった刀利へとヒドガトルを放ったが、次の瞬間、抜刀と共に繰り出された斬撃に、鎖諸共両断された。
 鎖を両断した斬撃の直後、翼を広げたビャッカが地表スレスレを滑空するように疾走。再び鞘に収まってから繰り出された居合と衝突し、繰り出した剣撃と共に弾かれた。
「っぅぅ! 手が痺れる!」
 自分で剣を握っていた腕を叩き、硬直を和らげたビャッカへと一歩進む刀利の背後から、ウィズマ・アーダでリーチを伸ばした鎌で貴人が斬りかかる。
 迫る刃をわずかに抜いた刀で受けた刀利は、身を捻りながら抜刀。弾いた貴人の胸倉を足蹴に宙返りしながら跳び上がり、未だ片膝をつくビャッカの前に降り立った。
 が、視線はビャッカより上を向く。
 俺の真似でもしてるつもりかと無言で見上げる刀利を、木に突き立てた番傘の上に乗るタスクが見下ろしていた。
 長身の刀利を見下ろすべく、二段ジャンプまで駆使して真似した苦労は見せない。愚図だの鈍間だの亀だのと、散々言われてばかりのまま済まさないための、一つの虚勢。
「魔法学園、タスク・ジム。お相手願いますか、金剛大先輩」
「白の弟の弟よ」
 風を切って繰り出された正拳が、番傘の柄に叩き込まれる。
 より深く刺さった番傘の刃が木の芯を捉え、乗っているタスクの重さを受けて木を両断しながら落ち、危うく下にいたビャッカの脳天にぶつかるところだった。
 バランスを崩したタスクは、何とか着地しながらもその場で尻もちをつく。見上げると、猛禽類の双眸があるべき視線からタスクを見下ろしていた。
「おまえが俺を見下ろすには、まだ早い。弁えよ」
 だが、どうやら愚図ばかりでもないらしい。刀利は評価を改める。
 見渡す限り、この場にいるのは刀利を除いてはタスクとビャッカ、貴人の三人だけ。
 一時的にだが一人意識を奪っているので、護衛に一人か二人付いているとして、残りが十束を追っている――と言うのが妥当。
 ここで全滅するよりは、確かにまともな戦術と言える。が、試練はまだ始まったばかりだ。
「仲間達が再度合流するまで、おまえ達三人で耐える、と?」
「耐えるんじゃない。そうだろ、二人とも」
「もちろん!」
 貴人、ビャッカが立ち上がる。
 番傘を引き抜いたタスクも立ち上がり、深く腰を置く形で構えた。
「あなたの鈴、取らせて頂きます。金剛大先輩」

「気が付いた! レーネさん!」
「わ、た……わたくし、は……! 時間は?! どれだけ経ちましたか?!」
 意識が途切れる数秒前、刀利の連撃の前に為すすべもなくやられた事を思い出し、跳ね起きたレーネを静かに制す。
 エリカに薬草を食べるよう促されたレーネは、苦そうに噛み締めながらも何とか飲み込んだ。
 二人の護衛を務めていたアケルナーが、現状を知らせる。
「現在、試練開始から四〇分くらい。あの人の剣をまともに受けたように見えたけど、どうやら峰打ちだったみたいだね。それでも中々意識が戻らないから、心配したよ」
「……ごめんなさい。わたくしのせいで、大分後れを取ってしまって。すぐに戻りましょう」
「いえ、私達は十束さんを。残念だけど、刀利さんとは相性が悪いわ。あの人、楽器を見るなり、真っ先にレーネさんを狙っていたから……出て行っても、また狙われちゃう」
「でも――!」
 エリカの言う事もわかる。
 自分の犯した失態は自分の手で取り戻したい気持ちもあって、作戦を無視してでも行きたかったが、肩を叩くアケルナーの仮面越しに見える眼差しを受け、どうにか堪えた。
 何もかもが作戦通りとは行かずとも、自分に出来る事を考え、出来る範囲の事をする。それが、仲間のためだ。
「今、十束さんは誰が追っておられるのですか?」
「フィリン君とクロス君が、追っているよ」

 刀利と対峙するタスク、ビャッカ、貴人のいる場所が試練の会場となった森の中心であり、そこからやや北西の位置で、エリカとアケルナーがレーネを匿う形で隠れている。
 そして、それらから東に離れた方で、フィリンとクロスは逃走し続ける十束を追っていた。
「ちょっと! いつまで逃げるつもり?! 正々堂々戦いなさいよ!」
「そちらの勝利条件は鈴を奪う事。なら私の勝利条件は、鈴を取られない事」
 剣撃を躱した十束は木の上に飛び移る。
 先ほどから十束はほとんど木の上におり、クロスの魔法を躱した時と、二人が見せた隙を小突いて来る瞬間しか、地面に降りて来ようとはしなかった。
 まるで、刀利とは真逆の戦闘スタイル。
 刀利は己が速度を誇示するが如く、一直線に来たが、十束にそんな真っ直ぐさは無い。
 開始の合図を魔法発動の印にした辺りも含め、狡猾だ。悪く言うと、ずる賢い。良い言い方をするのなら――。
「見たところ、眼鏡の彼はリバイバル。気力と体力を奪われて、消耗したところを君が仕留める……風の民エリアルの子が一人でも加勢に来たら、更に厄介さを増すでしょう。なので、一時間と三〇分、つまりあと三〇分。私からは仕掛けない」
 頭の回転が速い。
 種族特性まで理解した上で、更に手の内を見切ってから仕留めようと言うスタイルには、弟の型にハマらぬ剣技以上の柔軟性を感じられる。
 つまり、フィリンのような相手にはこれ以上なく相性が悪い。
「クソ! さっさと降りて来い、チキン! ビビってんじゃねぇよ!」
「フィリン君、落ち着いて。冷静さを欠いては、あの人の術中にハマるだけだよ」
「構いません。師匠にもよく言われますから。でも、チキンにはチキンの戦い方がある。死なないために死ぬほど準備する。殺す工夫ではなく殺されない工夫をする。死ななければ次があり、敵を殺せばそれで終わる。ただし、怨念でなければ、ですが」
 十束が再び霧を吹く。
 クロスの重力思念が働いて魔力生成を阻害。霧散させるが、一瞬だけ広がった霧さえも利用した十束に姿を消されてしまった。
 暗闇の中をあちこち飛び回っているらしく、右から左から枝が揺れ、木々がざわめき、土が擦れ、石が削れる音が聞こえる。
 フィリンもクロスも振り回されるばかりで、不意打ちを避けるため背中合わせにはなったものの、まるで捉え切れていなかった。
「あなた達が私達から鈴を取る算段を付け、臨む事は当たり前。ですが、あなた達は忘れている。これは試練であり、試験。どう鈴を取るか、見出すかを見つけるもの。よく見て、よく考えて、理解して、動いて。そうでなければ、あなた達は一生、敵の何も理解出来ないまま斬り続ける事になる」
「だったら姿を出しなさいって――!」
「正面右! 木の上です!」
 走りながら放たれるフムスが枝葉を揺らし、貫く様にアクエラが走る。
 枝に脚を引っ掛けて逆さにぶら下がる十束は、危ない危ないとわざとらしく額を拭った。
 彼女からしてみれば招かざる客。後十分は遅れて来てほしかった三人が、到着する。
「遅れてすみません!」
「待ってたわ! だけど大丈夫なの!?」
「はい!」
 とは返したものの、実際は辛い。
 本当に手加減無しで撃ち込まれた腹部が、未だ鈍痛を訴えている。声を張るだけでも痛い。
 戦闘に直接参加は出来ないが、強化した聴覚と気配察知とでサポートは出来る。それが今、レーネが出来る最大の応援。風と音こそ彼女の武器。
「五対一……しかもエリアル二人にローレライ。魔法戦では分が悪く、数的にも不利。刀利くんの方に戦力を割くと思っていたのですが……私も理解が足りなかった様ですね。と言う訳で、予定変更です」
 腹筋で起き上がった十束は枝に乗り、抜刀。妖しく輝く刀剣、鏡花水月が晒される。
「二時間フルで、防衛、防御に徹します」
 などと宣いながら、降りて来た十束は距離を詰めて来る。
 応戦したアケルナーの繰り出す槍の下を抜け、槍を持つ腕と脇の下を掬うように峰で跳ね上げた十束は、すぐさま引き下がった。
 クロスの教本の力を受け、電結変異で向上させた身体能力で斬りかかるフィリンの剣を躱して走ると、放たれるミドガトルを抜けてエリカの背後に回り、正面から来るフィリンを止めた。
 硬直する両者の間に入った十束の手刀が二人の腹を突き、その場に跪かせる。目の前の木を登って翻り、束縛せんと追いかけて来た呪詛の鎖と手の群れから脱し、斬られると覚悟したクロスの頭の上を跳び越え、後方にいたレーネへと走る。
 すぐさまアケルナーが防衛に入ろうとするが、十束は突如跳び上がり、アケルナーの首に脚を絡め、締め付けて来た。
 反撃しようとしていたフィリンは、再び味方を盾にされて動けない。
 と、アケルナーを足蹴に跳び上がった十束は掴んだ枝を自ら斬り、見上げていたフィリンのすぐ側を横切るように落ちる。
 咄嗟に剣で薙ぎ払うため体を捻ったフィリンは、十束を捕えるためクロスが伸ばしていた呪詛の鎖を叩き斬ってしまった。
 十束はまたエリカの魔法を掻い潜り、背後に回って首に剣を突き付けている。エリカに応じる形で手を伸ばそうとしていたレーネに、無言で牽制した。
「エンチャライズ・ボンズ……それは少し厄介だから、やめてね。さて、試験だからまさか首は斬らない、と思った人は忘れている。殺してしまえば、鈴を取られる心配が無い事に」
 殺気は、感じられない。
 しかしその気にさえなれば、いつでも仕留められる位置。下手には動けない。ただ一人、人質のエリカ本人を除いては。
「舐めないで、下さい!」
 下に向けた杖の先から放ったフドが、エリカ諸共、十束を吹き飛ばす。
 枝を掴んでぶら下がる十束は、初めて不意を突かれた顔を見せた。
 教本の強化を受けた状態で、自分諸共フドで吹き飛ばす自滅行為など、予測出来るはずもない。そして、共に飛んだエリカはみがわりうさぎにダメージを受けさせ、ぶら下がる十束の背後から手を伸ばして鈴を取ろうと手を伸ばしていた。
 さすがの十束も動揺を見せ、懸垂する形で体を持ち上げてエリカの手から逃れると、体を大きく揺さぶって飛び退き、五人から距離を取った。
 フィリンが大きく舌を打つ。
「惜しい!」
「じゃないです! エルオンタリエさん、無事ですか?!」
「大丈夫! アケルナーさんは無事?!」
「あぁ、何とかね……」
「とりあえず、エリカ君はもうその手は使わないように。俺の魔法が捉え切れてないからとはいえ、さすがに推奨しかねる」
「……えぇ、ごめんなさい」
 だが、一泡噴かせる事は出来た。
 頭の回転も早ければ、状況判断も反射速度も早く、対応も柔軟。そんな彼女の不意を如何に突けるか。そこが勝負だ。
 なら、とここまで弄ばれ続けていたフィリンが口角を歪める。
 グロリアスブースターにて十束へと突撃――と見せかけて直前で迂回。周囲を包囲するように疾走し始めた。クロスの教本と電結変異もあって、恐ろしく速い。
「かの勇者! 勇ましき心に従い、己が力を解き放て!」
 レーネの言の葉を受け、力を増したアケルナーのアクエラ。クロスのダードガ。エリカのフドガが、同時に十束へと襲い掛かる。
 回避を余儀なくされた十束へと、限界まで加速したフィリンが肉薄。武器のリーチをウィズマ・アーダで伸ばし、高速の還襲断星斬の応酬にて、今回の試験で初めて、十束の剣をまともに抜かせ、応対させた。
 そして、十束の意識が剣撃へと向いた瞬間を狙い、掠め取る。手の中には確かな感触。確実に取った――と思い、手の中を見たフィリンは絶句した。
「木の、実……?!」
「念には念をと用意してたけれど、使う羽目になるとは思わなかったな……連携良し。佳境に陥った時の爆発力も良い。あとは敵を知る理解力、かな」
 今の一手に対する消耗で、全員反応が遅れた。
 広がった霧に視界を塞がれ、周囲の枝を斬り落とされた事で、レーネの聴覚も惑わされる。
 五人の不意を的確に突いた十束はまた、何処ぞへ隠れながら逃げて行った。

「ブレイジングぅっ! キャリバァァァッッッ!!!」
 龍の翼を広げて急降下。
 振り下ろした剣撃を真正面から受けた刀利は、自身も弾き飛ばされながらビャッカ渾身の一撃を弾く。
 弾かれた反動を受け流す事もせず、力の限り踏ん張って止まると、直後に襲い掛かって来た貴人の斬撃を打ち払い、下から掬い上げるように繰り出された一撃を一歩引いて躱すと、引いた一歩を踏み出して突き出した正拳で胸倉を抉り、殴り飛ばした。
 横からタスクが不意を突かんと斬りかかるが、ノールックで躱され、剣を持つ腕を掴まれて流される。
 態勢が崩され、何とか転ばされそうになったのを堪えて振り返ったタスクへと抜かれた抜刀術を、タスクは渾身の力で踏ん張って耐えた。
「白の弟か」
「ここに来る前に扱いて貰いました……お陰で、ここまで付いて行けています」
「その意気や良し。他二人も、よくぞここまで目を死なせず付いて来た。褒めて遣わす」
「仮にも魔王となるオレに対し、傲慢な」
「仮に将来の魔王だとして、現在は俺が上だ。故に見上げよ、この背を追いかける事を許す」
「じゃあ、遠慮なく!」
 ビャッカが走る。
 翼を広げ、走った勢いのまま地上数センチを滑空。タスクを蹴り飛ばした刀利へと、真正面から向かって行く。
 剣撃を受け止められ、突進の勢いを殺されても攻め続けるビャッカだが、突如重くなった剣撃に払い除けられる。
 今まで片手で握っていた刀を両手で握っただけの話だが、それを確認するより前に刀利は刀を収めており、居合の構えを取っていた。
 隙を窺っていた貴人とタスクも含め、容易に間合いに入れない。
 入れば斬られる。今までの戦いが、三人の直感にそう訴えかけてくる。
「……驟雨、と言ったな。そこまで強いのか」
「――はい。学園で何年も倒そうと試みていますが、未だ倒す見込みさえなく……唯一頼りにしていた刀も、制御出来る生徒がいなくて……大先輩の刀も、そういう怪物から作ったんですよね。どうやって制御しているんですか」
 タスクが訊くと、刀利は深く息を吸って、止め、抜いた。
 フィリンのスプリーム・クラッシュを思わせる衝撃と風圧が、三人の体を軽々と吹き飛ばす。
「……怨念から毀れた欠片を集め、作り上げた刀にもまた、念がある。物言わぬ鉄の塊とは、そも、在り方が異なるのだ。必要なのは、理解」
 貴人とビャッカを一蹴し、背後から迫るタスクをも薙ぎ払う。
 三人を圧倒する抜刀術。その際必ず刀を収めるはずなのに、何故ここまで速いのか。抜刀の際、繰り出される刀身が見えない。
 刃曰く、刀身が見えるのは師匠だけと言う触れ込みだったが、速過ぎやしないだろうか。
「想像せよ、斬られる恐怖。己が身に、刃が突き立てられる様。両断され、一部分でも失い戻らぬ光景。そして、その力を己が手に握る感覚。斬るも斬られるも、己が腕次第――泣け! 喚け! 震えろ! 臆せ! すべて許す! しかし拒むな理解しろ! 例え異形の怪物に成り果てようと、それは恐怖! それは畏怖! その力は、特別な者にのみ与えられる力ではない! 誰だろうとこの手に握り、掴み取れる力! 力を御し切るより前に、揮う力の強大さを理解しろ! 恐ろしさを理解しろ! その理解が、刀に籠る念をも動かす!」
 両腕を硬質化するビャッカ。千代古令糖の守りで身構える貴人。晴天灰陣でガードする姿勢のタスク。
 全員が刀利の間合いの外にいながら、防御の態勢を固める。未だ間合いの外と間抜け面を晒していればどうなるか、直感的に察した本能が描く光景が、三人をそうさせていた。
「――心刀滅却(しんとうめっきゃく)・天照(あまてらす)」
 金色の軌道を描く剣閃が、三人の予想を超える距離まで伸びて、体を両断――したと思ったが、胴はしっかり繋がっており、斬られてはいない。しかし約二秒遅れで、鈍い痛みが体の奥底へと沈殿して、立ち上がる力を奪っていく感覚に襲われ、全員、その場に倒れ伏した。
「強力な武器で以て対峙するのではない。恩讐の根源たる苦痛を理解し、同情ならぬ同調を示して、同じ苦痛を弔い伏せる。倒す殺すで恩讐は消えぬ。強いだけでは、誰も救えぬ。殺すだけでは、誰も焦がれぬのだ。勇者の卵達」
 立っている者は、誰もいない。
 寂しそうに言葉を残し、刀利は十束の下へ向かおうと背を向けて、また、振り返った。
「刃先輩が、大兄弟子と呼ぶ訳だ……強い。そして、何だかんだと、ちゃんと質問に答えて下さるのだから、優しい人だ……」
 時間は二〇分を切った。
 皆、最後まで気付けなかった様だが、戦場にした森は下界と比べて酸素が薄い。それでも二時間、よく食いついた方だ。褒めるべき点こそあれ、貶すような点は無い。
 何より刀利の一撃をまともに受けた。もう立ち上がる力は残っていないはずだ。
 それでもタスクを立ち上がらせるのは、気力以外にない。己の中に立てた誓いを守らんとする気持ちの力。それだけだ。
 薬草を噛み締めているが、一撃でも与えればもう終わる。
「言うは易く、行うは難い。恩讐を理解し、その霧、露を払えるだけの技量が無ければ出来ぬ。おまえに出来るか」
「やって、見せます……僕はいつか、絶対! あなた方と同じ地平に並び立つ! この世界を、守るために!」
 月下白刃。白き月を浴びる渾身の刺突。
 風を穿つ螺旋を作る一撃は、金色の一閃に両断される。
 そのまま力尽き、倒れるタスクにもはや立ち上がる力無く、時間はまだ少しばかり残っていたものの、決着はついた。
 決着は、ついていたのだ。

「ジムさん」
「……レーネ、さん」
 察しはついた。
 皆に回復の演奏を聴かせて、疲れ切った様子のレーネが膝を貸してくれている現状が、試験中だとは思えなかった。
 視線を配れば満身創痍の皆も見えたし、十束と刀利が話しているのが見えて、試験の終わりを悟ったタスクは歯噛みした。
 負けた。
 全身全霊を賭して、全力を尽くして挑んで負けた。完敗だった――と、悔しさから地面を叩いた手の中で、小さな音が籠りながらも響く。見ると、手の中にあるはずのない物があった。
「最後の一撃が、我が腰からそれを斬り落とした。取れば勝ちならば、落としても変わりあるまい。今後とも精進せよ、露払う者。弟らを、頼んだぞ」
 嘘か誠か。勝負に勝ち、戦いに負けた。
 何とも、歯切れの悪い決着。胸の中に、霧が掛かったかのような感覚。
 だが、次に繋がる戦いでもあった。
 そしていつしかの再戦を誓う。この胸の中の霧を晴らして、かの怪物の露を払った、その後で――。



課題評価
課題経験:165
課題報酬:5000
露払う者達
執筆:七四六明 GM


《露払う者達》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 1) 2021-06-08 00:05:29
賢者・導師コースのエリカ・エルオンタリエよ。
よろしくね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 2) 2021-06-08 02:47:36
勇者・英雄コースのタスク・ジムです!
よろしくお願いいたします!

先輩方のお師匠さま、どんな方なんでしょう…
認めてもらえるよう、頑張らないとですね!

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 3) 2021-06-08 22:09:03
十束さんの視界を奪う霧は風の魔法で吹き飛ばせないかしらね?

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 4) 2021-06-09 05:45:56
有効そうですね!

次善の策としては、視覚以外の感覚系技能を積むことでしょうか。
霧に風が効かない、吹き飛ばせてもすぐまた湧いてくる、などの可能性もなくはないので(^^;

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 5) 2021-06-09 07:35:56
芸能・芸術コースのエルフ、レーネです。
よろしくおねがいします。

わたくしは「青嵐」の射程延長か「天使の歌」の回復をかんがえてます。
「青嵐」でも「魔法薬」や「言の葉の詩:ラブ・キャロル」で回復のおてつだいはできます。
どなたかのリクエストいただけましたらうれしいです。

風の魔法につきましては、刀利さんという方が「魔法をも斬る剣技と風を切る俊足を誇る」というのが気になりますね。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 6) 2021-06-09 17:19:15
>魔法をも斬る剣技
自分に対して放たれた敵対的な魔法を刀で斬ることで、
無効化ないし効果減少させる事ができるといったところかしら?
対魔法防御能力が高いという事だと思うけれど、
例えばきりょくを消耗するとか制限はあると思うので、
なんとか勝機を見つけていきたいわね。

>風を切る俊足
単純に考えると、移動や行動(攻撃や回避)が早いということかしら?
わざわざ『風』とあることから考えると、
風属性に対して有利な特性を持っているかもと想像しちゃうわね……

《1期生》 アケルナー・エリダヌス (No 7) 2021-06-09 21:44:18
挨拶が遅れて申し訳ないね。私は勇者・英雄コースのアケルナー。よろしく頼むよ。
具体的にどうするかは検討中だけど、真正面から向かって勝てる相手じゃあなさそうだね。

こちらが有利なのは数の利くらいか……そこをうまく活かしたいね。

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 8) 2021-06-10 07:39:30
数の利を活かす……そうですね、わたくしの楽器はもうひとつ、
きりょくを回復できるリトラヴェルソもあります。
最近、校庭でおしえていただけるようになった
つよいけど消費もいっぱい必要な技能とかを
みんなでどんどんつかってみるのでしたらこっちもいいかもしれません。

たとえば、回避がたかい相手にはエルオンタリエさんでしたら
エンチャライズ・ボンズとかがあたりやすそうですけど、
まりょくが50も必要になっちゃいますし。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 9) 2021-06-10 08:27:00
今回も心強いメンバーがそろってきましたね!
皆さん、よろしくお願いいたします!

さて、魔法を斬るといったら、驟雨もそうでしたよね!
そこで、個人的には、今回の【大先輩】方の課題も、
対驟雨戦に役立つ、またはつながる、ヒントになる!
そんな結果にできればいいな、と思っています!

さて、今回は、おそらくはバケモノ級に強い大先輩方から
【鈴を奪取】するのが課題なので・・・
まずは、陽動と鈴奪取に役割分担をすることが思いつきますね。

その場合、僕は壁役かな、と思っています。
ただ、この課題に関して言えば、もう一つの課題として
【実力を見せること】というのがあると思うので、
防戦一方の壁役ではなく、全力で攻めていって相手の関心を引き付ける
役割をイメージしています。
・・・一人では荷が重いかも(^^;)

あと、「互いに向かい合った状態」「制限時間」という状況は
僕の尊敬してやまない白尾刃先輩初登場回でもある
「月夜の狩人」に似ていますね。
あのときは、開幕で煙幕等で視界を妨害することからスタートしました。

今回との違いは、課題が【護衛】(逃げ切り)ではなく、
【奪取】(こちらが追う)であること、
相手側が【霧の魔法】(視界妨害)という手段を持ち、
積極的に使ってくるであろうことです。

はてさて、今回はどのように戦術を組み立てましょうか(腕まくり)

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 10) 2021-06-10 08:34:01
レーネさんが、回復手段のついて提案してくださってますね。
ありがとうございます!

「たいりょく」と「きりょく」いずれを回復するかは、
レーネさんもご指摘のように、使う技能が何になるかによります。

僕のざっくりしたイメージでは、みんなのメイン特技や切り札が
回数制であれば、リソース残量がそこまで重要でないので、「たいりょく」回復
きりょく消費であれば、「きりょく」回復
・・・を、優先することが良いのかな、と。

当然、回数制なのかきりょく消費なのか、色々だと思うので、
多数決か、もしくは「戦局を左右しうる超有効な特技」があれば
そちらに合わせて決める、ということが必要になってきます。

そこで、現時点のざっくりでいいので、ご自分が使うと思われる
メイン特技と、そのコストを、いくつか書き込んでいただければ助かります。
そうすると、レーネさんはどの特技を積むのが良さそうか考えやすいし、
僕も、出来るだけ意見を出すようにしてみます。

お手数ですが、もしよかったらご協力いただけると助かります。
言い出しっぺの僕も、今日中には自分のを書き込みたいと思います。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 11) 2021-06-10 09:44:22
今回のルールを考えれば、鈴さえ奪取できれば、必ずしも先輩を撃破する必要はない。
ということね。
もちろん、先輩が簡単に奪取させてくれるはずはないから、相応の策は練らないとだけど。

>エンチャライズ・ボンズ
わたしが触れた味方のプラン値を7も上昇させる事ができるのは魅力的ね。
ここぞという時の行動のブーストで役に立ちそうだわ。
忘れずに装備していくわね。

>自分の装備
前述の【エンチャライズ・ボンズ】(まりょく:50)を味方の能力向上用に。
必殺技の【妖精の踊り】(きりょく:10)は自分が攻撃された時の回避用。
【生命の息吹】(まりょく:10)は味方・自分のたいりょく回復用。
霧にまかれた時用に【気配察知】(コスト:なし)を持って行くのはほぼ決定よ。

ダメージコントロールやリカバリー用に、特級薬草と身代わりうさぎを予定しているけれど
そっちはこれからの相談で変更するかもしれないわ。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 12) 2021-06-10 18:51:28
自分のも、現時点の予定ですが、開示しておきます。

【職業技能】(予定)
勇者原則 きりょく30 先攻
聴覚強化 消費なし 耳を澄ますプラン値1
不滅の希望 エピ1回 条件発動 プラン値1D30
わが身を盾に きりょく20 攻撃対象変更(カバーリング)

【必殺技】
月下白刃 きりょく15 ダメージ+すばやさ加算
晴天灰陣 きりょく30 頑丈増加

結構きりょく消費が激しそうな感じですね。

ポケットには、僕も特急薬草と身代わりウサギを予定しています。

グリフォンがいるので、お肉を持っていけば飛行できるんですが、
今回は、グリフォンに乗るのは何か違う気がするので、止めておきます。
ルームアイテムからは外さないので、ステータス補正は受けるんですけどね(笑

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 13) 2021-06-10 20:30:08
ジムさん技能関係の呼びかけありがとうございます。
とってもたすかります。

エルオンタリエさん、エンチャライズ・ボンズは
「射程内にいる味方単体を指定し、身体の一部に触れることで発動可能。
『自身の属性を』、効果時間の間、対象の種族が持つ属性に変化させる。
この技能の効果中、全ての通常攻撃/通常防御/物理攻撃/物理防御は、
技能で変化した属性で判定する。自身と対象の属性が同じ場合、
効果時間の間、技能値分のプラン値を増やして判定する」
ですから、ブラン値が増えるのはエルオンタリエさんご自身になります。

相手の方のプラン値が増やせるのでしたらわたくしは問答無用で
エルオンタリエさん相手につかってたとおもうんですけれどね。
ブラン値がたかまる効果をいちばん活用できるのはおそらく
「エーデンユートをつかった属性自在の通常攻撃」だとおもいます。
両手杖の通常攻撃は「魔法攻撃」に分類されますから、
かしこさがやくにたちますし。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 14) 2021-06-10 21:46:06
勘違いしてたのね。危ない所だったわ。訂正ありがとう。

それじゃ、わたしが通常攻撃する前に同じ風属性のレーネさんを触らせてもらって
プラン値を上昇させてから、さらにエーデンユートで相手に対して有利な属性にするという感じでいいかしら?

きりょくの消耗が危なそうなら、リーソルを持って行くわよ?

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 15) 2021-06-11 05:37:34
レーネさん、お役に立てたなら良かったです。
それにしても、正確な技能解説が冴え渡ってますね!

部長さん、まさかの両手杖でダイレクトアタック!?
これは、僕も負けちゃいられませんね~!

例えば、後衛から急に殴りに来た部長さんとスイッチするように
前衛の僕が急に外れて、背後に回って鈴を取りに行く、
なんてのは、奇策としてありうるかもしれませんね。

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 16) 2021-06-11 07:26:15
はい、エンチャライズ・ボンズのつかいかたはそうなるとおもいます。
もうひとつ、「銃」とも相性がいいんですけど、
エーデンユートとくらべられる銃ってなかなかないですし。
リーソルはむずかしいですね。どちらかというと「聴覚強化」とかがいいかもしれません。

あ、あと「両手杖」の「通常攻撃」は「詠唱をして振ることで、
魔力弾を生み出して敵に魔力攻撃を加えることができます。
 敵を殴打し、物理攻撃を加えることもできますが、
ダメージは基本的に望めません」となっていて
射程も5ですから長距離攻撃になるとおもぃます。

《大空の君臨者》 ビャッカ・リョウラン (No 17) 2021-06-11 19:27:19
勇者・英雄コースのビャッカ・リョウランだよ。
よろしくね。

私は前衛かな。剣士として、向かい合うつもりだよ。
斬時雨を受けられるだけの奴が現れなければ驟雨は倒せない…か。
なら、挑まないとね。

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 18) 2021-06-11 21:03:38
ちょっと迷ったけど…最後まで付き合わないとね。
勇者・英雄コースのフィリンよ。よろしく。

私も前衛になるけど、射程延長は種族特性と武器であるし、そう問題ないかな。
問題は防御だけど…盾も強化されているし、うん

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 19) 2021-06-12 05:56:22
なるほど、杖の通常攻撃は殴りではなく「通常魔法」でしたね!
切り払われないように工夫して当てるか、銀色先輩を狙うか、
というところでしょうか。

フィリンさん、よろしくお願いします!
これで6人、ますます戦力充実ですね!

そこで、現在の状況をまとめてみますので、プランの参考になれば幸いです。

前衛 ビャッカさん、フィリンさん、タスク
奪取 
感知 エリカ部長さん(気配感知)、タスク(聴覚強化)
回復 レーネさん(たいりょくかきりょくか検討中)
魔法攻撃 エリカ部長さん

前衛が引付けてる間に誰かが鈴を奪取する、という想定ですが、
前衛が3人と充実しているので、戦いながら隙をみて取りに行く、
ということでもいいのかもしれません。

あと、今回はNPCの参戦が不透明です。
ストーリーには「白の弟と黒の妹と学園の面々を揃えて来い」とあるので
刃先輩と黒崎先輩が同行するのは間違いなさそうですが、
解説文にお二人の説明がないので・・・。

まずは、先輩方がいないものとして作戦を組んだ方がいいかもしれません。

あとは、
「刃先輩と黒崎先輩も参加する場合は、連携して波状攻撃をかける」
みたいなことを、僕の方で書いておこうと思いますが、良いでしょうか?

《1期生》 アケルナー・エリダヌス (No 20) 2021-06-12 10:33:31
発言に間が空いて申し訳ないね。
現状、前衛3に後衛2って感じかな?

じゃあ、私は中衛という感じで槍と魔法での援護と、前衛が抜かれた場合の後衛のカバー……といった感じで動こうかな。
具体的にどの技能を持っていくかは検討中だけど、前衛・後衛ともに火力は高そうだし、守り優先がいいかなとも思ってるところだよ。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 21) 2021-06-13 08:43:40
アケルナーさん、ありがとうございます!
カバー寄りの中衛がいてくれたら、前衛としても心強いですね!

それでは、前・中・後ときれいに役割が分かれたので、
後は戦いの中で、隙が出来れば誰かが鈴奪取に行く、という展開で
良いと思います。

そこで、僕の案としては、こういう作戦を考えてみました!

・前衛の仲間と連携して波状攻撃をかけ以下の優先順位で気を配る
1.中衛・後衛に攻撃を行かせない
2.自分含め誰かが鈴を奪取する隙を作る
3.自分たちの実力を示す
刃先輩と黒崎先輩も参加する場合は、連携して波状攻撃

・霧で視界不良の時は【聴覚強化】で鈴の音を頼りに相手の動きを追う

・大きな隙が出来た場合、二段ジャンプで相手の頭を飛び越え背後に回り、隙がより大きい方の鈴を取りに行く
相手が自分に反応し奪取失敗の場合、全力で攻撃を仕掛け仲間が奪取するための隙を作る

皆さんのアクションの参考になれば幸いですし、
ツッコミどころがあればご指摘いただけたら助かります。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 22) 2021-06-13 13:00:58
レーネさんのプランに関わると思うので、
回復を「たいりょく」「きりょく」のいずれにするか、について意見します。

今回は「たいりょく」を優先、に1票です。
きりょく消費の大きい技や、連続で使う必要がある技があれば、きりょく重要ですが、
今話題に出てる技能をざっと見ると、きりょくよりまりょくの方が大きそうですし、
僕個人でいうと、きりょく技は開幕もしくはここぞというときに使いますが
乱発はしないと思うので。

そうなると、まずはダメージコントロールかな、というのが僕の意見です。

《運命選択者》 クロス・アガツマ (No 23) 2021-06-13 13:37:45
賢者・導師コースのリバイバル、クロス・アガツマだ。
最終日での参加になってしまったが、よろしく頼むよ。

俺は装備している魔導書の効果で、皆の能力を引き上げよう。短時間だが、つよさ、がんじょう、すばやさを60上昇できる。
また、重力思念で霧の魔法を妨害して、視覚を確保しやすくできないか試してみるよ。
他には、アン・デ・カースやアン・デ・フィアで援護に徹しよう。
配置としては後衛、ということになるかな。

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 24) 2021-06-13 17:33:28
魔王・覇王コースの仁和だ。
ギリギリの参加になったがよろしく。
前衛よりの中衛として動こうと思う。


《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 25) 2021-06-13 18:07:33
うわお!さらに心強い援軍の登場で満員御礼!
ありがたいことです!

後衛援護、前衛よりの中衛と、現状の布陣をバランスよく強化してくださるチョイスも素晴らしいですね。
そしてクロスさんの魔導書すごすぎませんか・・・能力値60上昇とか。
ここまで手厚くしてもらっては、前衛組ますます奮起するしかないですね!


《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 26) 2021-06-13 18:07:45
個人的に、残った課題と感じてるのが・・・
「二人の師より、驟雨に関する情報を得る機会があります。」
「驟雨の正体について深く踏み込んだ物語となる予定」
とプロローグに記載があることから、プランの工夫次第では
驟雨の情報をより多く引き出せる可能性を感じます。

しかし、僕は残念ながら戦闘、作戦、師&大先輩方についての事前調査で
文字数がいっぱいいっぱいになってしまいました!
もし、文字数が余ったり、行動に迷ったりした場合は、良かったら
検討して頂けたらありがたいです。
(もう埋まってる、決まってる方は、どうぞそのままで!!m(__)m

《1期生》 アケルナー・エリダヌス (No 27) 2021-06-13 20:09:00
とりあえず、現状で用意する技能は、衝撃享受、我が身を盾に、高貴たる行い、第六感Ⅰにしようかと思ってるよ。
攻撃は槍は牽制程度に考えて、隙を見てアクエラで仕掛ける感じかな。乱発はできないし、使いどころは考えておくよ。

イメージ的には、相手が味方複数を巻き込む大技を繰り出しそうな場合に、高貴たる行いでダメージ軽減を狙ったり、我が身を盾にで後衛への攻撃を代わりに受ける感じで動きつつ、隙があればアクエラで攻撃。
仲間が畳み掛ける隙を作りたいね。

《奏天の護り姫》 レーネ・ブリーズ (No 28) 2021-06-13 20:26:30
いらした方々ありがとうございます。

ご意見もありがとうございます。
それではたいりょくを回復する天使の歌にしますね。

《グラヌーゼの羽翼》 エリカ・エルオンタリエ (No 29) 2021-06-13 21:52:39
>情報収集
話せる機会があったら、刀利さんや十束さんに驟雨や同類の魔物と戦った時の話や、
刀を作った時にどうやって刀の精神支配に打ち勝ったかなど、聞いてみるわね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 30) 2021-06-13 23:24:07
部長さん、ありがとうございます!
その切り口は、かなり具体的な追加情報がもらえそうですね!

いよいよ出発ですね!今回もご一緒いただきありがとうございました!
お互いに、ご武運を!