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シェリーに口づけ


ストーリー Story

 華燭の典と書けば大仰だが、ようは結婚式である。
 長い歴史を持つフトゥールム・スクエアで、婚礼が行われるのはこれが初めてではない。
 といっても、舞踏会も開催できる格調高き講堂や、野外パーティにもってこいの風光明媚な湖畔、あるいは霊樹前に即席のチャペルを設け厳粛に……というスタイルではなく、普段づかいの学食を会場にするというのは学園史上初ではなかろうか。
 ここは日夜とりわけ昼食どきには、喧騒が支配し料理が競り市のように飛びかい、食事と団らん、おしゃべりにも討論にも満ちる一種の戦場だ。ときに決闘沙汰ときに恋愛、決起集会や悪だくみ(=【メメ・メメル】のいたずら)が醸成されることもある。よそ行きの化粧をほどこした学園名所ではなく、いわばスッピンの日常生活拠点、それが学食なのだ。
 柱は油汚れでテカテカ、床には変なシミができておりテーブルは落書きや彫り物だらけ、扉の蝶番もキイキイ鳴る。もちろん祝宴を迎えるにあたり掃除はしたけれど、口が裂けてもゴージャスな結婚式場とはいえまい。
 でもこれがいいのだと花嫁――【ヒノエ・ゲム】は言う。
「だってここが、 あたしの職場なんだからね!」
 ウェディングドレスとて学園有志による手縫い、真っ赤な髪に純白のベールを重ね、花嫁ヒノエはその父【アーチー・ゲム】にエスコートされ入場する。会場も衣装も質素だけれど、それでも目が覚めるような晴れ姿だ。コブだらけ眇(すがめ)にして禿頭という悪人づらのアーチーだが、今日ばかりはお仕着せながらタキシードを着て、娘の門出に感極まった様相(というかすでに半泣き!)ゆえか、それなりに人のよさげな親父に見えた。
 祭壇、といっても普段はキッチンカウンターとして使われる場所にしつらえた即席のものにて彼女を待つ花婿は、リーベラントからの留学生【パオロ・パスクヮーレ】だ。白いタキシードだがフトゥールム・スクエアの学園章を胸にあしらい、やはり学園カラーのネイビー、さらにはリーベラント国を象徴するパールレッドをアクセントラインとして配しているのは、学園とリーベラントの永き結びつきを体現したいという意味だろうか。もともと貴公子然としたパオロだが、今日はいちだんと輝いて見えた。
 本日は大切な席ということで、今年いっぱいで学園長を退くメメ・メメル、二代目学園長就任予定の【コルネ・ワルフルド】はもちろんのこと、リーベラント王【ミゲル・シーネフォス】、その兄にして王を補弼(ほひつ)する【アントニオ・シーネフォス】、前王の養女だが今では王家の一員として溶けこんだ公女【マルティナ・シーネフォス】も列席していた。
 もちろんおヒゲのダンディ【メフィスト】も異世界交流代表としてかしこまっているし、最近では『大ドーラ』と呼ばれることも多い【ドーラ・ゴーリキ】(怪獣王女)も、魔族と学園の両方に籍を置く身としてこの場にいた。なお大ドーラの呼び名は、本人もけっこう気に入っているそうだ。
 つつがなく式が進みそのまま披露宴、すなわち立食パーティへと移るやすぐに、マルティナは貴賓席から降りて、
「みーつけたっ」
 ある学園生の袖を引っ張るのである。
「ちょい抜け出さへん? うちな……胸キュンの式を見てたらなんか暑うなって」
 外の空気にあたろうとマルティナは誘う。
 同じころやはり、ふたりの女性に左右の袖を引かれている学園生もいる。なぜなのだろう左右の女性いずれとも、図書館でよく見る顔だ。

 外はもう夜だ。
「はあぁ~」
 日ごろは屋内が満席のときにつかう屋外テラスも、いまは披露宴会場の一部と化しており、ほうぼうで飲めや唄えやのいいアンバイとなっているが、離れた席ならまだ静かだ。屋外テラスのもっとも暗い席、テーブルに突っ伏してコルネは尻尾で床をこすっている。
「疲れる~」
 もうギブアップしたいと弱音をはくと、慣れる慣れると言ってメメルが笑った。
 コルネは次期学園長と決まった身の上、結婚式ではコチコチに緊張しながらスピーチをして、大量の汗を額と背にかいた。スピーチライターなんて便利なものはないから、当然文面も何時間もかけ自分で書いたものである。おかげで今日は寝不足でフラフラだ。なのにリーベラントの王族はもちろん、その他諸国からの代表もこの式に訪れたものだから、その一人一人に会ってあいさつをして、苦手なよもやま話までした。いっぽうで学園生たちからも次期学園長の意気ごみを聞かれたりするものだから、茹ですぎたスパゲッティ並にくたくたなのだった。
「学園長、よくこんな大変な役目ずっとやってましたねぇ……」
「オレサマの偉大さがわかったろう? ま、さっきも言ったがいずれ慣れるさ」
「慣れませんよぅ……アタシ、そんなに器用じゃないモン」
「だったら器用なパートナーに頼ったらよかろーて☆」
「……えっ?」
 コルネが顔を上げたとき、すでにメメルの姿は席になかった。

 この日の結婚式がきっかけであったかのように、学園にロマンスの花が咲きはじめた。
 つのる想いを打ち明けるとき、唐突にやってきた一目惚れ、すれちがいや散る恋だってあるだろう。秋を彩る恋模様だ。
 けれどハートフルの波はただ、恋愛にだけとどまるものではない。
 別種の切ない感情が降ることもある。
 ある人は、旧友の墓をたずねるかもしれないし、
 ある人は、長く絶縁関係だった親元を訪(おとな)うかもしれない。

 あなたに訪れた心の変化を、映し出す物語になるだろうか。


エピソード情報 Infomation
タイプ EX 相談期間 5日 出発日 2022-10-26

難易度 簡単 報酬 ほんの少し 完成予定 2022-11-05

登場人物 6/6 Characters
《終わりなき守歌を》ベイキ・ミューズフェス
 ローレライ Lv27 / 教祖・聖職 Rank 1
深い海の色を思わすような、深緑の髪と瞳の彷徨者。 何か深く考えてるようにみえて、さして何も考えてなかったり、案外気楽にやってるのかもしれない。 高価そうな装飾品や華美な服装は好まず、質素で地味なものを好む。 本人曰く、「目立つということは、善きものだけでなく悪しきものの関心も引き付けること」らしい。 地味でありふれたものを好むのは、特異な存在として扱われた頃の反動かもしれない。 神には祈るが、「神がすべてをお救いになる」と盲信はしていない。 すべてが救われるなら、この世界に戦いも悪意もないはずだから。 さすがに口に出すほど罰当たりではないが。 ◆外見 背中位まで髪を伸ばし、スレンダーな体型。 身長は160センチ前半程度。 胸囲はやや控えめBクラスで、あまり脅威的ではない。 が、見かけ通りの歳ではない。 時折、無自覚にやたら古くさいことを言ったりする。 ◆嗜好 甘いものも辛いものもおいしくいただく。 肉よりも魚派。タコやイカにも抵抗はない。むしろウェルカム。 タバコやお酒は匂いが苦手。 魚好きが高じて、最近は空いた時間に魚釣りをして、晩ごはんのおかずを増やそうと画策中。 魚だって捌いちゃう。
《運命選択者》クロス・アガツマ
 リバイバル Lv26 / 賢者・導師 Rank 1
「やあ、何か調べ物かい?俺に分かることなら良いんだが」 大人びた雰囲気を帯びたリバイバルの男性。魔術師であり研究者。主に新しい魔術の開発や科学を併用した魔法である魔科学、伝承などにある秘術などを研究している。 また、伝説の生物や物質に関しても興味を示し、その探求心は健やかな人間とは比べ物にならないほど。 ただ、長年リバイバルとして生きてきたらしく自分をコントロールする術は持っている。その為、目的のために迂闊な行動をとったりはせず、常に平静を心掛けている。 不思議に色のついた髪は生前の実験などで変色したものらしい。 眼鏡も生前に研究へ没頭し低下した視力のために着けていた。リバイバルとなった今もはや必要ないが、自分のアイデンティティーのひとつとして今でも形となって残っている。 趣味は読書や研究。 本は魔術の文献から推理小説まで幅広く好んでいる。 弱点は女性。刺激が強すぎる格好やハプニングに耐性がない。 慌てふためき、霊体でなければ鼻血を噴いていたところだろう。 また、魔物や世界の脅威などにも特に強い関心を持っている。表面にはあまり出さねど、静かな憎悪を内に秘めているようだ。 口調は紳士的で、しかし時折妙な危険性も感じさせる。 敬語は自分より地位と年齢などが上であろう人物によく使う。 メメル学園長などには敬語で接している。 現在はリバイバルから新たな種族『リコレクター』に変化。 肉体を得て、大切な人と同じ時間を歩む。  
《勇者のライセンサー》フィリン・スタンテッド
 ヒューマン Lv33 / 勇者・英雄 Rank 1
「フィリン・スタンテッド、よ……よろしく」 「こういう時、どうすれば……どうすれば、勇者らしい?」 (※追い詰められた時、焦った時) 「黙って言うこと聞け! 殴られたいの!?」 「ぶっ殺してやる! この(お見せできない下劣下品な罵詈雑言)が!!」   ###    代々勇者を輩出してきた貴族スタンテッド家(辺境伯)の令嬢。  一族の歴史と誇りを胸に、自らもまた英雄を目指してフトゥールム・スクエアへと入学する。  愛と平和のために戦う事を支えとする正義感に溢れた性格で、『勇者らしく人々のために行動する』ことを大事にする。  一方で追い詰められると衝動的に罵声や暴力に訴えてしまう未熟な面もあり、自己嫌悪に捕らわれる事も多い。 『彷徨う黄昏に宵夢を』事件で対峙したルガルとの対話から思うところあったのか、頑なな勇者への拘りは少し角がとれたようだ。 ※2022年8月追記 全校集会『魔王の復活』後、昨年クリスマスに結ばれたルガルとの子供を身籠っていた事が判明 (参考シナリオ) 恋はみずいろ L’amour est bleu https://frontierf.com/5th/episode/episode_top.cgi?act=details&epi_seq=649 ◆口調補足 三人称:〇〇さん(敬語では〇〇様) 口調:~かな、~ね? その他:キレた時は『私、アンタ、(名前で呼び捨て)、(言い捨て)』 ◆Twitter Sirius_B_souku
《マルティナの恋人》タスク・ジム
 ヒューマン Lv36 / 勇者・英雄 Rank 1
村で普通に暮らしていましたが、勇者に憧れていました。 ここで学んで一人前の勇者になって、村に恩返しをするのが夢です。 面白いもので、役所勤めの父の仕事を横で見聞きしたことが、学園の勉強とつながり、日々発見があります。 (技能はそういう方針で取得していきます) また「勇者は全ての命を守るもの、その中には自分の命も含まれる」と仲間に教えられ、モットーとしています。 ※アドリブ大歓迎です! ※家族について デスク・ジム 村役場職員。縁の下の力持ち。【事務机】 (※PL情報 リスクの子) ツィマー・ジム おおらかな肝っ玉母さん。 【事務室・妻】 シオリ・ジム まじめできっちりな妹 【事務処理】 チェン・ジム のんびりマイペースな弟 【事務遅延】 ヒナ・ジム 可愛い末っ子 【事務雛型】 リョウ・ジム 頑固な祖父 【事務量】 マーニー・ジム 優しい祖母。故人 【事務マニュアル】 タックス・ジム 太った叔父。【税務事務】 (※PL情報 リョウの子) リスク・ジム マーニーの元婚約者でリョウの兄。故人【事務リスク】 ルピア・ジム 決まった動作を繰り返すのが大好きなグリフォン。【RPA事務】 ※ご先祖について アスク・ジム 始祖。呼吸するように質問し、膨大なメモを残す。【事務質問】 「あなたのお困りごと、お聞かせいただけませんか?」 セシオ・ジム 中興の祖。学園設立に向けて、土地や制度等に絡む諸手続きに貢献。【事務折衝】 「先祖の約束を今こそ果たす時。例え何徹してもやり遂げる!」
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《人たらし》七枷・陣
 ヒューマン Lv18 / 賢者・導師 Rank 1
異世界:情報旅団テストピアという所に住んでいたが、とある仕事の最中に、この世界に強制転移してしまった。 普段は一人称おじさん。真面目、シリアスな場合はオレ。 本来は50手前のアラフィフおじさんだが、何故か30歳以上若返ってしまった。強制転移した経緯が原因と思われるが真偽は不明。 普段はいかに自分の得意分野だけで楽出来ないかを考えているダメ親父的な人間。 自分や同行する仲間が危機に陥ると気合いを入れて打開しようと真面目モードに。 厄介事に巻き込まれるのは嫌い。お金にならない厄介事はもっと嫌い。でも一度関わってしまったら何だかんだ文句言いながら根気よく取り組む。 やれば出来る人。でも基本ダメ人間。 恋愛事は興味をあまり示さない枯れ気味な人。超若返っても現状は変わらず。 どうにかして元の世界へ戻る為、フトゥールム・スクエアに入学。 転送、転移関係の魔法や装置を徹底的に調べる事が目下の目標。 魔法系の適性があったらしいので、雷系を集中的に伸ばしたいと思っている。自前で転移装置の電源を確保出来るようにしたいのと、未成熟な体躯のフォローとして反応速度メインの自己強化が主な理由。理想は人間ダイナモ。 転移直前まで一緒にいた仲間の女性3名(マナ、マリア、マルタ)の安否を心配している。 「はぁ~…どうしてこんな事になったんだ?…おじさん、ちゃんと元の世界に戻れるんだろうか…こんな厄介事は前代未聞だよ…トホホ」

解説 Explan

 ロマンティックを基調としていますが、『ゆうしゃのがっこ~!』の終わりが見えてきたということもあり、恋愛にとどまらない『気持ちの整理』をするエピソードという側面も持たせたいと思います。

 エピソードガイドはご覧のように、学園生同士の結婚式ですが、アクションプランはこの日に限定するものではありません。数日後や数日前でも大丈夫です。場所だってどこでも大丈夫です。
 これまでロマンティックな話なんてなかったー! というあなた、まだ間に合いますよ!
 あの伏線回収してなかったー! というあなたも、心残りがあるんじゃー、というあなたも!
 このエピソードが初参加なんじゃー! というあなたもです! YES!

 すべてのNPCが登場可能です。たとえ死んでいてもなんとかします。


作者コメント Comment
 お世話になっております。桂木京介です。

 個別描写が基本となるでしょう。アクションプランの内容に制限はありません。
 やりたいことが思いつかなければ、「こんな感じで」とイメージを羅列してくださっても大丈夫です。
 やりたいことがあっても文章にできなければ、箇条書きでも。
 
 あなたのご参加をお待ち申し上げております。
 つぎはリザルトノベルで会いましょう。桂木京介でした。



個人成績表 Report
ベイキ・ミューズフェス 個人成績:
成績優秀者

獲得経験:74 = 24全体 + 50個別
獲得報酬:2700 = 900全体 + 1800個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
◆目的
アントンさんとジルダさんの縁結び
そして……?

◆行動
それとなく、アントンさんとジルダさんが二人になるように仕向けて、とんとん拍子で話が進んで……二人が予想以上に親密になってたりして

そうなると、こちら(ミゲルさんとの)も……という話に

かつて(シチュノベ)のことを思い出し、いつの間にか(衣装合わせの前)に逃げ出して、気がついたら相討ち果てた息子達の墓標の前に

このまま、菩提を弔い果てるのも……と思ったら、予想外の方が!?

どうやら、先回りされてたみたい
でも、私が思ってた以上に大人になって

私なんかには勿体ない位に

◆そして……?
帰ったら、ジルダさんにこってり絞られて、サボった分を取り戻す強行日程に
衣装合わせから華燭の典の準備

しかも、3組合同の式なんて案も
「兄上や妹がいいと言うなら、一度に済むし問題ない
私も学生だしね」

なんて言われそうですが

ここまで来たら、腹を括って……貴方に一生、お供しますよ陛下

クロス・アガツマ 個人成績:

獲得経験:37 = 24全体 + 13個別
獲得報酬:1350 = 900全体 + 450個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
ヒノエ君とパオロ君との結婚式に参列。しっかり祝ってあげよう

で、その後にコルネ先生と今後のことを話し合いたい
二人の結婚式を見て、改めて思うところもあったからね
結婚式が終わった数日後、折を見てコルネと二人きりになろう

話し合いたいのは、これから先のこと
口説いておいて今更なのは理解しているが……生者と死者であることは紛れもない現実で
ヒノエ君たちの結婚式を見ていたら、憧れる反面、内心弱気も溢れてしまった
流れる時間の違いへの恐怖。新たな命も望めないのだ

だからこの場でコルネに確認したい
それでも共にいてくれるのか、と

……互いの想いを確かめられたなら、もう恐れるのは止めよう
俺と、結婚してほしい

フィリン・スタンテッド 個人成績:

獲得経験:29 = 24全体 + 5個別
獲得報酬:1080 = 900全体 + 180個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
●行き先
ヒノエとパオロの結婚式をルガルと祝福へ
共に関わり深い二人ですし、また卒業後にともなう別れの挨拶にも

●行動
産んだばかりのドクトリア(娘、以下『ドーラ』)の事もあるので、出席者やルガル、ドーラ本人の負担にならない範囲で
(ブロンシュの一件でも方々に無理を聞いてもらってますし)

二人の行く末に祝福と、パオロと今後の事を聞いておく
「だって…住まいがわからなかったら、手紙も出せないじゃない」

聞かれたら近いうちに卒業して、ルガルと家督を継ぐことを
「卒業するの、私…スタンテッド領に帰るわ」

また会いたいし、会いに行けるよう頑張るけど、会えなくても幸せを祈っていると
ドーラと自分たちのようにと、感謝と祝福を

タスク・ジム 個人成績:

獲得経験:37 = 24全体 + 13個別
獲得報酬:1350 = 900全体 + 450個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:0
獲得称号:---
以下の準備を整え、数日前にマルティナ様にプロポーズ

・彼女持ちの【白尾 刃】先輩にアドバイスを乞うたところ、最高難度のデストラップが満載でな遺跡で伝説の宝石をゲットして指輪作ればイチコロやで、との教えで、愚直に実行する。
・人生経験豊富なメメタン理事長に教えを乞うたところ、意外にまともな策(例:「事前にペアリングをプレゼントし、指輪のサイズをリサーチしておく策」「メメタン行き付けのレゼント一のお店を「プロポーズにピッタシだゾ☆」と教えてくれる」)を授けられ、愚直に実行する。
・ただし、お礼にメメタンの縁結び作戦の仲間になるよう迫られ、ノリノリで協力を約束

そしてストレートに
人生を共に歩みたいと求婚する

返事は急がない
マルティナ様は王族ゆえに色々クリアすべき壁があるのは承知だし
なにより彼女自身の気持ちを大切にしたいから

そして待っている間はヒノエさんの式の全力サポート
司会進行に立候補
事前調査で万全の準備





仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:29 = 24全体 + 5個別
獲得報酬:1080 = 900全体 + 180個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
結婚式にてヒノエくん質を祝いに行こうと思う。
式場は学食で参列者がすごいことになってるはそれはそれとしてとりあえず盛大に祝おう
・・・場を盛り上げるために何かした方がいいか?

それとは別に何かメメたん達が計画というかいろいろ動いてるみたいだけど
まぁ、悪いことはしな…いといいなぁ。
いや、ほら、良かれと思っても本人にしたらってのはあるし、ね?
何かあった時のためにフォローできるように準備だけはしておこう

メメたんを支えていくことは勿論だけどコルネ先生の手助けもしていきたいとこだな
その、ほぼ同時期に立場が重くなった者同士だし
手伝っていくうちにここの教師業のことも覚えられるだろうし

アドリブA、絡み大歓迎

七枷・陣 個人成績:

獲得経験:29 = 24全体 + 5個別
獲得報酬:1080 = 900全体 + 180個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:0
獲得称号:---
【目的】
グイグイくる二人を諭しつつ
異世界代表メフィストに、自分の居た世界への転移の渡りをつける

【行動】
リリィやエミに何度となく語った、自分以外のいい人を見つけるべきではとやんわりと諭す
メフィストに自分が飛空船団の世界から来た経緯や事情を伝え、どうにか転移を手助けして貰えないかを掛け合う
ヌルに盟約で取引した経緯も報告書越しで最近把握したので、それを破らずに何とか割り込めないか相談
それに加えて多少の時間遡行も絡むから…もしかしたらヌルの飛んだ時期より前がおじさんの求める転移なら盟約の違反にならないかも

時間遡行で使えそうな文献も見つけたんだ
後は触媒として奇運ルビーモンドに類する鉱石もあると思うんだわ

リザルト Result

 あと三日。
 あと三日しかないのだ。【マルティナ・シーネフォス】が学園を訪れるまで。
 宝石を入手できたとしても加工し指輪にはめるのに一日はかかる。そもそも事務作業を手伝うと言った手前、前日も前々日も作業に追われることは確実だ。
 だから事実上、今日一日しかない。それもタイムリミット寸前だ。日は没しつつある。
 あせるなと自分に言って聞かせたいが、あせらずにはいられない【タスク・ジム】だった。
(まだこんな遺跡があるなんて)
 やはり世界は広い。つくづくそう思う。
 昨日、タスクはある決意を胸に先輩【白尾 刃】の元を訪ねた。前口上はなし、単刀直入に教えを請うた。
「恋人にプロポーズしたいんです……アドバイスをください!」
 このとき得たアドバイスを愚直なまでに実施しているタスクなのである。
 すなわち、最高難度の罠満載の遺跡で伝説の宝石をゲットして指輪を作ればイチコロ――とのありがたい教えだ。
 単身、挑戦したこのデストラップダンジョンだ。本当にすさまじかった。吊り天井、落とし穴の下に針の山、矢の降りそそぐ回廊に有毒ガス、油断すれば酸の海が口をあけ、坂道から巨石が転がり落ちてくる。当然タスクは埃まみれ傷だらけだ。左手の指はしびれ毒でじんじんと痛み、右頬は飛びナイフでざっくりえぐられた。重石を受けた膝は感覚がなくなってきたし、刺激臭のある霧をくぐり抜けてから涙が止まらない。
 だが事前調査と推測をつきあわせ、タスクは目指すものが近いことを確信していた――。  

 学園長室にたどりついたタスクはまさしく満身創痍の状態だった。カーペットに倒れこんだタスクを、【メメ・メメル】は驚いて助け起こす。
「オイオイっ! 死ぬぞタスクたん。早く医務室へ!」
「……どうかこれを、指輪に加工できる人を紹介してもらえませんか……」
 残念ながら日付は変わってしまったが、寝ない限り当日、と無茶な理屈をつけ挑戦日にタスクは目的を果たしたのだ。メメルが宵っぱりで幸いだった。
 腰の小袋から緑色の宝石を取り出す。豆粒くらいなのに部屋が明るくなるほどの輝きだった。
「バルサスじゃないか! どこでこれを!?」
「バル……?」
「純度の高いグリーンダイヤモンドの通称だよ。バルサス・ダイヤってな」
 事情を聞いてメメルは宝石を受け取り、灯火に透かしてじっくりと眺めた。
「ふーん、これくらい地色がはっきりしてるのは貴重だな。売れば馬小屋付きの大邸宅が買えるぞチミィ」
「本当ですか!?」
 瀕死の重症を忘れタスクは目を輝かせた。ところが、
「悪ぃ、それ二百年くらい昔までの相場だったわ♪」
 メメルは舌を出して笑ったのだ。
「最近はけっこう見つかっとるし、流行は緑よりピンク系なんで馬小屋買うのがせいぜいだろうな。あ、でも馬も買えるぞ。腐ってもバルサス☆」
 どうやら相当に古い遺跡だったようだ。がくりと伏すタスクだが、気にするなとメメルは笑った。
「目的はわかっとる。大切なのは価値より気持ちだ。明日朝すぐ、一日でペアリングに仕上げる細工師のところにもっていこう」
 メメルはタスクの手を取った。
「安心せよ、彼女の指輪のサイズなら調査ずみだ。……こんなこともあろうかと、ってな♪」
 彼の指輪サイズを測るためである。



 日常的な空間、けれど非日常な催し。
 今日の結婚式および披露宴のことだ。なじみ深いボロ学食が、新たな人生の門出を祝う式典会場なのだから。
 いやむしろ、なじみ深い場所だからこそ感慨もひとしおといえようか。【フィリン・スタンテッド】は会場を見わたす。
(魔王の脅威は去り平和が戻った……現実として、ようやく肺腑(はいふ)に落ちた気がする)
 考えてみれば魔王決戦が終わったところで、一夜にして世界がきらびやかな場所になったわけではない。現在の学食と同じだ。世界は変わらぬまま、汚いところも古びたところも残したまま、祝祭の晴れやかさ、そして希望に満たされている。
「それではご歓談ください」
 タスクが告げると、いささかかしこまった披露宴はここまで、あとは気楽な立食パーティへと姿を変えた。
(大役は果たし終えた……)
 タスクは深く深く息を吐いた。指輪の加工をメメルに任せると、つぎの朝からタスクは結婚式の準備に全力でとりくんだのだ。
 勝手知ったる学食での開催、といっても勝手の分からぬ結婚式と披露宴、飾り付けから食材準備からVIPの宿案内から、当日のスケジュール設定にいたるまでおおわらわであった。しかも当日は司会進行役も務めたのだから、腕が六本あってもまだ足りないほどの大活躍である。花嫁が父にスピーチしてちょっと涙ぐむ演出、赤ちゃん休憩室の準備(そういえば学園は現在、まさかのベビーラッシュ中だ!)など、表舞台も舞台裏もタスクの企画だった。
 もちろんくたびれ果ててはいたが、大役をやり終えたという充実感は疲労を上まわった。
(あとは――)
「みーつけたっ」
 まるでタスクの意図を読んでいたかのように、マルティナが背後からタスクの袖を引っぱったのである。
「ちょい抜け出さへん? うちな……胸キュンの式を見てたらなんか暑うなって」
 外の空気にあたろうとマルティナは言う。
(来た……!)
 おそらくタスクにとって、生涯もっとも緊張するであろう時間が訪れようとしている。

 おや、とフィリンは思ったが口には出さないでおく。タスクとマルティナは主座、つまり【ヒノエ・ゲム】と【パオロ・パスクヮーレ】のテーブルに立ち寄り短く会話を交わすと、連れ立って外に出て行ったのだ。
(彼もいよいよ正念場、ってところかしら)
 微笑がこぼれた。
「そろそろ新郎新婦にあいさつに行こうぜ」
 赤い葡萄酒を飲み干して【ルガル・ラッセル】が言う。つぎつぎと訪れ祝賀を述べる客に新郎新婦は応対している。おかげで全然料理を手に付けていないようだが、時間があったとしても緊張でそれどころではないだろう。
「あ、うん……」
「どした? 俺はあの男前とはあまり面識がねぇが、花嫁とその親父とは危ねぇ橋を渡った仲だ。遠くで手を振っておしまいってのもなぁ」
 けど、とルガルは軽く咳払いした。
「フィリンが気が乗らねえってんなら遠慮しても……」
「ちがう。もちろんあいさつには行くつもり。でも私はふたりとは……その、色々ありすぎてなかなか考えがまとまらなくて……もうちょっと考えさせて」
「おいおい、らしくもねぇな、フィリン」
 からからとルガルは笑った。人相の悪い男ではあるが、こうして笑うと少年のような可愛さがある。
「行こうぜ。考えるより先に行動するのがいつものおめーだろうがよ」
 ルガルは立った。すでに半罇ほどは飲んでいるであろうにふらつく様子はない。ぽつりと付け足す。
「俺はフィリンの、そういうとこに惚れたんだからな」
「えっ!?」
 はじかれたようにフィリンは席を立った。
「今……今なんて言った?」
 ぎょっとしたのかルガルは硬直する。
「いや何も」
「『俺はフィリンの……』からよ」
「何も言ってねーって」
「言ったでしょ! ほらもう一回、ワンスアゲイン!」
「わ、わかんねーってばよっ。行こう。あんま大きい声だすとドーラが起きちまうからよう」
 照れ隠しするような早口で、背を丸めてルガルは木造の乳母車を押すのである。小さな手押し車のなかにはこれまた小さな、【ドクトリア・ラッセル・スタンテッド】が眠っている。丸いフォルムのこの乳母車は、案外器用なルガルが自作したものだった。

「めでたいよねぇ……若いふたりがまぶしいよ」
 もすもすとバナナを頬張りながら、叔父みたいな気分にひたっているのは【七枷・陣】だ。見た目こそ少年だが陣の中身は、新郎新婦の親であってもおかしくない年齢なのだから。
 陣の言葉は独り言だったが、聞き流さなかった人物がいる。
「七枷さん、もしかして里心がつきましたかー?」
 カトンボみたく黒く細長い口ひげ、かっちりてっかりオールバックヘア、ひょうひょうとした足取りで【メフィスト】が近づいてくる。
「里心……おじさんが?」
 メフィストもフルーツ籠からバナナを取った。人差し指と親指だけでつまんでブチッと房から外すという妙なやりかたで。
「Desde luego(=もちろん)、ホームシックということですー。聞けば七枷さんはー、大地のかわりに飛空船団の上で生活する世界からおいでになったとかー」
 陣はうなずいた。
「つまり、魔王軍幹部だったあの【スチュワート・ヌル】が盟約を締結して出ていったところだよ」
 バナナをもう一口する。
「……あ、そか、ヌルはおじさんと同じ世界の出身だから、帰郷したところと言うべきかな?」
「七枷さんがどんな経緯をたどってこちらに転生されたのか知りたいですー」
 と言うメフィストは、もうバナナを一本平らげていた。
「食べんの早っ! おっと、転移しちゃった経緯だったね」
 陣は事情を明かした。かつていた世界、ある浮島の遺跡を探検して伝説の宝石にたどりついたこと、同行者のひとりが無造作に宝石にふれようとしてその秘められた力を発動させたこと、琥珀がかった赤い光につつまれたこと、そして気がついたときには周囲の光景も、自分の年齢もすっかり変化していたということを。
「奇運ルビーモンド?」
 話に出てきた宝石に、メフィストは興味を抱いたらしい。
「これが小さな特異点をひらく触媒の役目を果たしたんじゃないかなとおじさんは推測してるんだ。ていうか本当に食べるの早いね!」
 いつのまにかメフィストは、二本目のバナナを皮だけにしていたのである。
「ありえる話ですー、しかもかなり希望が持てそうですねー。こっちでは、強い触媒効果をもたらすマジックアイテムには事欠きませんからー。うまく使えば七枷さんのいた世界への道がひらけるかもー」
 それだけじゃ困るんだ、と陣は首を振った。
「さっき里心って言ったね? 白状するよ、その通りさ。もうずっとね」
 悲しい笑みが唇に浮かぶ。
「飛空船じゃなくて家族が恋しい。ルビーモンド探索に行ったとき、一緒に暮らしてる三人も同行していた。うちひとりは、おじさんと一緒にこっちに飛ばされてたけど……」
 陣の視線が前方にむかった。カルマの少女がヒノエとパオロにあいさつしている。少女はとりたてて笑ったりしていないが、新郎新婦は喜んでいる様子である。
「あとふたりね。血のつながりはないけど大切な家族なんだ」
 テイク・イット・イージー――妥協して気楽にやるのが陣のモットーではあるがこればかりは譲れない。いまだって身が裂かれるような思いにさいなまれている。
「陣さーんー!」
「……はい? うわ!」
 陣は跳び上がりそうになった。メフィストが白いハンカチを噛みしめ、目をウルウルさせていたからだ。
「気の毒すぎまーすー!」
 ハンカチを口にしたまま器用に話して涙もふく。あとついでにもう一本バナナをむく。マルチタスクなメフィストである。
「う、うん、ありがとう。協力してくれると嬉しいよ」
 陣は自分の考えを説明する。
「なので元いた時代の百年後とか千年前とかに帰還できても意味はないんだ。あと、もしかしたらヌルの飛んだ時期より前がおじさんの求める転移時期なら盟約の違反にならないかも、って思ってる」
「わかりました、時間遡行ですねー」
「そうなんだ。使えそうな文献も見つけたし、今度見せるよ」
「お願いしますー!」
 メフィストが手を伸ばしたので陣は彼と約束の握手をかわした。吹き流しみたいな言動のメフィストであるが、握る手はがっちりとして熱かった。

「あのはねっ返りがなあ……綺麗な花嫁になりやがって」
「あんただって立派なパパになりやがったよね」
「バカヤロ、俺が立派であってたまるかよっ」
 憎まれ口の応酬のようで、これがルガルとヒノエの親愛表現なのだとフィリンは知っている。だから苦笑するにとどめ、自分はパオロに顔を向けた。
「祝福するわ。おめでとう、パオロ」
 かつてパオロはフィリンに熱を上げ、しきりと彼女を口説こうとしたものだ。恋にやぶれた末、魔王軍の術にかかって手先となったこともある。その彼がいま、新たな幸せを見つけ花婿と呼ばれている。
「僕こそお礼を言いたい、フィリン。紆余曲折はあったけど、こうして素晴らしい伴侶とめぐり逢えたのは君のおかげだ」
「ふたりはどこに住むの?」
「気になるかい?」
「だって……住まいがわからなかったら、手紙も出せないじゃない」
「ありがとう。僕は留学生としてあと二年は学園にいる。彼女……ヒノエも、学食の仕事をつづける考えだ。赤ちゃんができたりしたら、また話は変わってくるかもしれないけどね」
 でも、とパオロの瞳が翳(かげ)った。フィリンの言葉に込められた意味を察したらしい。
「つまり君は、いや、君たちは、学園を去るということだね」
「うん、近いうちに卒業するの。私……スタンテッド領に帰るわ」
「寂しくなるな……」
 嘘のつけない男パオロは、本当に哀しそうな顔をしている。
「最低でもあと二年は君たち夫婦、それに可愛いドーラちゃんと友達づきあいができると思っていたから」
「ごめんね。話し合って決めたの」
 家督を継ぐ者がスタンテッド領には必要だとフィリンは告げた。
「だからこれがたぶん別れの挨拶になる……どうか幸せに」
「君たちこそ」
 フィリンはルガルに視線を向けた。ルガルはヒノエの父、【アーチー・ゲム】とゲラゲラ笑っている。ヒノエとその父、自分の三人で禁制品の密輸をもくろんでいたころの思い出話だろうか。
「私……」
 ルガル、そして乳母車で眠る娘ドーラを見つめてフィリンは言う。
「正直、まだ怖いの……色々な人に迷惑をかけて、謝ることもせず、ひとりで幸せになって……いつか戒めがあるんじゃ、って」
「あたしにはよくわからないけどさ」
 フィリンを見上げてヒノエが告げた。
「脛(すね)に傷もつ身なのはあたしもパオロも、っていうかうちの父もルガルもみんな一緒さ。つぐないが必要なら、これからの行動で世の中に返していくしかないって思う」
 ヒノエはウインクするのである。
「だろ? 未来の領主様」
 それに、とパオロも妻に言い加えた。
「『ひとりで幸せに』というのはおかしいよね? 君には彼がいるじゃないか」
 そうねとフィリンは口元をほころばせた。
「ルガルがいてくれた。守ってくれて、話を聞いてくれて……うん」
 自分には、話を聞いてくれる人間が必要だったのかもしれないとフィリンは思った。心の中の『フィリン』は話し相手ではあったかもしれないが、すでに故人だったから。
「ひょっとして俺の話してるか?」
 そのルガルが地獄耳ならぬ狼の耳を立てて会話に加わったので、フィリンは胸を張り腕組みしてみせた。
「してない」
「うっそだろー、聞こえたぞ」
「してないったらっ」
 意地悪ではない。これはさっきの彼の『惚れた』発言への意趣返しだ。わかっていてルガルは眉を八の字にするし、わかっていてフィリンはフンと鼻息するのである。いいコンビではなかろうか。
「ところでルガルとフィリンはしないのか? 結婚式?」
 花嫁ヒノエが問いかける。そうだそうだとアーチーが言う。顔はまったく似ていない親子なのに、こういう呼吸はそっくりだ。
 あー……とフィリンは頬を人差し指でかいた。ルガルは視線で『コメントは任せた』と言っている。
 仕方ない。
 フィリンは告げた。
「はは……私はほら、ドーラの世話もあるし」
 ゼロ歳児を連れての式は難しいと肩をすくめるのである。ドーラはあまり夜泣きもせず健康で、空腹、排便、退屈など赤ちゃんらしい要求はするものの、満たされればわりとすぐ寝てしまう。おおむね育てやすい子といえるかもしれない。それでも新生児である。今後どうなるかはわからないだろう。
「それに実家に帰ったら大騒ぎでしょうし……そりゃあ盛大な式をさせられるでしょ」
「だったらその日を待ちたいな。仮に式がなくても、いつか必ず行くよ」
「あたしも」
 パオロにあわせてヒノエが言い、
「わしも」
 アーチーも言った。
「お前もかいっ!」
 ルガルが言うと皆一斉に笑った。しかしそれがまずかったのか、
「う……」
 と乳母車のドーラがぐずりはじめたのである。
「任せろっ」
 さっと娘を抱き上げるとルガルは、あばよと告げてその場を去る。
「じゃあ」
 パオロが言った。
「また」
 フィリンは応じてルガルの背を追うのだ。
 さらりとした別れだがこれくらいでいい。
 さよならは言わないでおこう。きっとまた、会えるはずだから。

 黒いスーツに白いタイ、正装の似合う男【クロス・アガツマ】だ。フィリンとルガルと入れ替わるようにして主座に姿を見せた。
「おめでとう、ヒノエ君、パオロ君」
 温かい気持ちをこめて伝える。
「まさか君たちがこうなるとはね。予想外だった」
 若返りの泉を求めヒノエとダンジョン探索をしたこと、パオロとチャリティバザーで売り上げを競ったこと、いずれもクロスには大切な思い出だ。
「知恵者クロスにも読めなかったか?」
 くすくすとヒノエが笑うとクロスも頬を緩めた。
「驚いたのは本当だ。それに」
 声に出して笑い、つづける。
「知恵者と言われて悪い気はしないが、それは褒めすぎだよ。せいぜい策士で結構だ。それも二流のね」
 とんでもないとパオロが言った。
「超がつくほどの一流でしょう。なぜかって? 僕も聞いていますよクロス殿、あなたが射止めた相手は……」
「おっと」
 思わず声がもれるクロスである。
「射止めただなんて身に余る評価だよ。もちろん想いはあったとはいえ俺と彼女の気持ちが重なったのはむしろ偶然、今思い返しても頬が熱くなるような僥倖だったと思ってる」
 本当に頬が熱くなってしまう。新郎新婦を照れさせるくらいの気持ちで祝福を告げにきたクロスだったのに、自分が照れてしまうとは意外だった。
 ヒノエもパオロも返答せず、意味深な笑みとともに顔を見あわせている。
「そうか、君たちも言いたいんだね。自分たちが結ばれたのも偶然であり僥倖だったと。これは一本取られたかな」
「いえ、僕らは運命だったと思っています。きっとクロス殿たちも――」
「そう願うよ。ありがとう」
 末永くお幸せに、と告げてクロスは主座を去った。
(運命か)
 歩きながら考える。
 だとしても前途が約束されているわけではない。重要なのは行く末だ。
(この先の道を、切り拓かねばなるない)
 たとえそれが、荊(いばら)たちこめる悪路だとしても。

 メフィストと話もできたし、と陣は一息ついた。彼女をひろって帰ってもいいだろうか。
 このとき陣の制服右袖が右斜め後方に引っ張られた。
(ん?)
 同時に左袖も。左斜め後方へ。
(んんっ?)
「陣さん」
 と呼びかける声は左右同時でユニゾンとなった!
 右を振り返れば陣の右腕を、図書館司書【エミ・バナーマン】が両手で抱えこんでいる。
 左を振り返れば左腕には、【リリィ・リッカルダ】がすがりついているではないか。
 甘い香りがする。やわらかい感触も。両者とも胸を押しつける格好になっているのだ。陣は困惑するばかりだ。
「結婚式……素敵ですよね? やってみたいと思いませんか?」 
 私と、とまではさすがに言わないもののエミの言いたいことはビンビンに伝わってくる。
「ダメです! 七枷さんはそういうところに収まるお方じゃないんです!」
 リリィは口をとがらせ抗議する。陣のことをどんな人だと考えているのだろう。
 周囲の視線耳目を集めてしまう。エミもリリィもメイクして礼服で、ちょっとどころではなく目を惹く華やかさだからだ。文字通り両手に花といえようが陣からすれば、花は花でも両手に破裂型花火をもたされている心境だ。
「とにかく外で話そう……!」
 むせたように陣は言葉を絞り出した。

 すごいことになってるな! というのが【仁和・貴人】の率直な感想だ。
 いつもの学食のはずなのに、ありえないほどの顔ぶれがそろっている。リーベラントやミストルテインなどの国賓級ゲストは言うまでもなく、少年木人【フォレストボーイ】、謎の時空紳士メフィスト、ケンタウロス族の代表や異世界薔薇十字教団からの使節まで参列しているではないか。
(もちろん結婚式であることは尊重しつつも、国家や種族間交流の場としてもとらえているわけだな)
 次期学園長、さぞかし大変だったろうと貴人は思った。メメルにとってはこういうイベントの主催も日常の延長線上かもしれないが、コルネのほうは初体験だ。そういえばさっきのスピーチも、コルネはガチガチに緊張しているように見えた。
(……待てよ)
 なんだか他人事みたいに考えていたが、自分にとって無関係な話ではないと貴人は思い至った。
(学園長の座から降りるとはいえ、メメたんって理事長職には就くんだよな。これからメメたんと付き合うってことは、公的な仕事にもかかわらなきゃならないってことか……!)
 今日はお客さん気分で、というか本当にお客さんとして気楽に式に参列した貴人だが、メメルと添い遂げるのであればいずれは公人として、このような席ではホスト側の役割を果たすことになるだろう。
 できるのか、と自問する。
 だがそこで悩んでしまったり、変な重圧を感じたりしないのが貴人である。
(ま、なんとかなるだろ)
 と泰然としているのは若さゆえか、それともさすがメメルに『好き』と言わせただけの人物だからか。
 新郎新婦のあいさつを終え、クロスが戻ってきたので貴人は、どうだった? とでも声をかけようと思ったのだが、クロスが何か思い詰めたような顔をしているので控えておくことにした。かわりに自分も、主座に声をかけにいくことにする。
 やあ、と気軽に切り出した。
「おめでとう! 幸せを願ってるぞ」
 思えばヒノエとは、なんともかかわりの多かった貴人である。ヒノエが自分に興味というか並ならぬ関心というか、率直にいって好意を抱いていることにはなんとなく気づいてはいた。それでも自分のメメルへの気持ちがぶれることはなかった。ヤキモチを焼いたとおぼしきヒノエに、問答無用でひっぱたかれたことも今では愉快な(?)記憶だ。
「貴人には感謝してる」
 ヒノエは目を細めて言った。
「おかげで彼と……パオロと知り合えた」
「気持ちは嬉しいけど、オレなんにもしてないよ? ひたすらマイペースだっただけだし、うん」
 同意してくれるかと思いきや、ヒノエは首を横に振ったのだった。
「本当に立派なヤツってのは、自分の価値に気づいてないもんさ」
 ヒノエはパオロに視線を送った。
「とにかく、礼をさせてくれ」
 ヒノエの言葉にパオロはうなずき、何やらテーブルの下をさぐりはじめたのである。どうやらあらかじめ計画していたものらしい。
「いや、礼なんて受けるほどのもんじゃないって。いやホント」
 ところがヒノエは聞いていない。パオロが取りだしたものをすぐさま、
「ほら、パス!」
 と投げてよこしたのだ。貴人は反射的に両手を伸ばして受け取っている。
 軽い。
(花束……?)
 白い薔薇と桃色の薔薇、あざやかな緑の葉で飾られた花束――ブーケだった。
「ブーケトス、って言うんだろ、これ。こいつを受け取った人が次に結婚するっていう……」
 ニヤリと不敵な表情、言い換えれば『ドヤ顔』でヒノエは言うのである。なんというサプライズ!
 このたくらみは一部ゲストには告知されていたのだろう。どっとはやす声に拍手が貴人を囲んだ。なんだなんだと寄ってくる者、めでたいことらしいと拍手する者、ひきもきらず、とうとう貴人は会場全体に祝福されてしまう格好となった。
「待て待て待て!」
 さすがの貴人もこれにはうろたえるほかない。
「それって新婦がうしろむきの体勢からたくさんのゲストに対して投げるものであって、こんな真っ正面から、しかも直接パスするもんじゃないって!」
「カタいこと言うな。ほら、あの人もきたぞ……」
「ひょえー!」
 この叫び声は貴人のものではなかった。離れた場所にいてこの一部始終を目撃していなかったので、騒ぎを聞きつけ様子を見にきた『あの人』、つまりメメ・メメルのものだった!
 メメルにとっても寝耳に水だったにちがいない。なぜならメメルはフォークと皿を手にしていたからだ。皿には切り分けられたウェディングケーキが乗っている。食べていたのだろう。サイズは一切れの約半分になっていた。
 口にクリームをつけたまま、フォークも皿ももったまま、メメルは貴人の前にまろび出た。
(え? これもしかしてオレ、プロポーズする状況になってる……のか!?)
 メメルはぼかんとした表情のまま貴人を見ている。ケーキと皿とフォークも一緒に。メメルはいたずらは大好きでそのための悪だくみには労を惜しまない人間だが、自分が俎上にのせられるのははなはだ苦手なのである。
(メメたんとの結婚式? もちろん上げたいけど、まだまだオレは半人前だからなぁ……)
 それにこの場面だ。沈みゆく夕陽を眺めながらビーチでとか、年明けのカウントダウンが終わると同時にとか、ロマンティックなシチュエーションを夢見ていたわけではないが、盛り上がった結婚式で勢いで、というのはさすがに拙速すぎはしないか。おまけに当の相手メメルが、いまひとつピンときていない条件下でだ。
 しかしここで窮地からの僥倖が働いたというのか、それとも単に冷静になってきただけというのか。
(いや、待てよ)
 貴人は気がついたのである。
(ヒノエくんは『次に結婚できるくらい頑張れ』とハッパをかけてくれたにすぎない。いますぐプロポーズしろとか言われてないぞ。驚きすぎて気が動転してたな。オレひとり先走ってどうする)
 貴人の心は決まった。熱い衆目の集まるなか、
「メメたん!」
 進み出て彼女の目を見た。
「お、おう……」
「メメたんにはこのまえ打ち明けたけどさ。みんなにも宣言していいかな?」
 ここでようやくメメルも脳が回転しはじめたか、にぱっと笑ってうなずいたのである。
「許す。言ってやれ☆」
 ある意味魔王決戦のときなみに勇気の必要な場面であった。しかしメメルの言葉に背を押され百人力だ。貴人は堂々と声をあげた。
「みんな聞いてほしい。オレ、メメたんにつり合う人間になりたいと思ってる。だからフトゥールム・スクエアを卒業して学園の教師を目指す! 理事長メメたんをフォローできるようになったとき、そのときまで彼女へのプロポーズは取っておきたい!」
 思い切ってメメルの肩に手を置く。そして抱き寄せた。抵抗するかもと思ったがそんなことはなく、メメルは素直に貴人に身を任せたのである。
 温かい拍手が貴人とメメルを包みこんだ。立派になったなとか、応援してるぞとかいった声も飛ぶ。プロポーズではないが、必ず一人前の教師になってプロポーズしますという宣言だ。皆の前で誓った約束である。あとはもう有言実行、頑張るしかないだろう。
(なんとか……)
 額の汗を拭おうとして、ぽろりと貴人の仮面が落ちてしまう。
 まあいいだろう、もうしばらく喝采を受けようじゃないか。
(……なんとか、場を盛り上げたではあるな)
 見ればヒノエがこちらを見てピースサインしている。参った参ったと貴人は思うのである。まさかこんな形で自分が、盛り上げ役になってしまうとは!
 貴人を称え拍手するなかに【ベイキ・ミューズフェス】の姿もあった。
(結婚式場は花ざかり、ですね)
 半年遅れで春になったようではないか。そこにもここにも花が咲いている。
 新郎新婦は言うまでもない。貴人とメメルも仲睦まじいではないか。フィリンとルガルは花だけでなく娘という実りをさずかっている。タスクと公女マルティナは手を取りあって出ていった。出ていったといえば陣も、女性ふたりに言い寄られ式場を出た様子だ。きょろきょろしているクロスはきっと、パートナー【コルネ・ワルフルド】を探しているのだろう。見かけることがあったら教えてあげたい。
 そして蕾はベイキのお目付役【ジルダ・ジルヴェストロ】のところにも――。
(まさかこれほどとんとん拍子に進むとは)
 期待以上でした、とベイキはしみじみするのである。ベイキの視線に気がついたのかそこへ、
「いい感じよのう」
 メメルがやってきた。ベイキと並んでジルダを眺めニヤニヤする。メメルはもう酒はほとんど飲まなくなったので、このとき形ばかりもっているグラスも白ワインではなく炭酸水で満たしていた。
「いやー、あの陛下がなあ……あ、【アントニオ・シーネフォス】殿下って呼ぶべきだったっけ、いまは」
 顔に仮面を戻して貴人も加わる。三人で楽しくジルダとアントニオを見守る。
 そう、ジルダは今日ずっと、アントニオと一緒なのだ。
 メメル命名の『Don’t ask me why. 』作戦は首尾よくいった。先日アントニオが学園を訪れ会談を終えた後、宴席でベイキは積極的にアントニオに話しかけにいった。しかし自分が話すのが目的ではなかった。付き人として従うジルダをアントニオとかかわらせるのが目的だ。さりげなくメメルも周囲から人払いして、やがてジルダとアントニオをふたりきりにするよう仕向けた。
「やってみてびっくりだったよな☆」
「ええ、まさかアントンさんとジルダさんが旧知の間柄だったなんて」
 はじめは怪訝な視線をかわしあったアントニオとジルダだった。相性が悪いのかとベイキは気を揉んだ。
 しかし……まったくの逆だった!
 ずっと昔の幼少期、お忍びのアントニオと街に遊びにきていたジルダは出会っており、森を越え川を渡って山で昆虫を集めるという、短くも楽しい一夏の冒険を経験していたのだ。このとき互いに名乗りそびれていたことを、そろって心残りにしていたそうだ。ロマンティックな思い出ではないか。認識しあうやふたりは、じゃれ合う子犬のように夢中で思い出をわかちあったのである。
 恋の炎がふたりに宿ったことは明らかだ。成功どころか大成功だ。
 ついでにベイキは以後ジルダからの指導が緩むと期待したものの、こちらは見事に裏切られた。アントニオが帰るやすぐにジルダは生真面目すぎるお目付役へと戻ったのである。教養に礼儀の指導は峻厳につづき、ベイキがどこへ行こうとも彼女はついてきた。
 ――とはいえ今日のジルダはすっかり恋する乙女で、ずっとアントニオとべったりだ。これはベイキが『アントンさんと話されては?』と、けしかけたおかげでもあるが。もちろん彼も同様で、あのしかめ面の主がもう骨抜きで、ひたすらジルダだけを見ている。

 少し間を置いて、ベイキはヒノエたちのところへ行った。
「おめでとうございます。うらやましいですね」
「そんなことはないでしょう。ベイキさん、いえ、ベイキ様、あなたもいずれ……」 
 リーベラント王妃となる人です、とパオロが言いたいのがわかった。立場上軽々しく動けないようだが、貴賓席から若き国王が視線を送ってくるのも感じていた。だがベイキは笑みだけを返して席を離れ、逃げるように学食を後にしたのである。
 途中、連れだって走る子どもたちに追い抜かれた。ともに知っている。【ブロンシュ・シュバルツ】と【テジ・トロング】だ。ひとりは魔王軍幹部の落とし胤(だね)、ひとりは霊玉を宿した少年、ともに自分で選んだ業(ごう)ではなかったが、学園の活躍でその重圧からとかれた。年齢の近い子ども同士、すぐに仲良くなったものらしい。さっきまで披露宴にもいたが、退屈して外で遊ぶことにしたようだ。歓声をあげながら走っていく。背丈が近いこともあり双子のようにも見えた。
 遠ざかる子らの背を見送りながら、今日ずっとこらえていたものがベイキの両眼にあふれた。
 ベイキが見ているのは学園の、そして世界の未来を象徴するふたつの背中ではなかった。
 彼女が喪ったたくさんの背中だった。腹を痛めて産み育てたのに、ひとりとて残らなかった我が子たち。
(私は、幸せになってはいけない……)
 花に囲まれながらも今日、ベイキが明るくなりきれなかったのはこの念(おも)いをひきずっていたからだ。
 禁忌は解呪されたという。
 だが本当なのか。年老いることなく、勇者の子を腹に宿しまた喪うだけの永劫の苦しみが終わったというのか。
 たとえ禁忌がとけていたとしても、死んだ我が子たちの不幸に目をそむけていいのか。
 ベイキはグリフォンの停翼場へとむかう。
 行こう。あの場所へ。  

 式にはかつて、蛟(ミズチ)の水塞で剣を交えたブッフ隊のメンバーも出席していた。もちろん遺恨はないので、クロスは友人として対応する。クロスを驚かせたのは、かつてバンダナを巻き匕首(あいくち)で武装していた少女との再会だった。ドレスの淑女に変身していたのである。クロスは彼女にダンスのパートナーになることを求められ、あともう一曲もう一曲とやたら長く相手をさせられてしまった。
「そろそろ失礼するよ。友人と約束があってね」
 口実をこしらえ、逃げるように屋外テラスに出たクロスは、
「……パートナーに頼ったらよかろーて☆」
 という声を聞いた。紫のカクテルドレスを着たメメ・メメルである。
 メメルが話していた相手、それこそがクロスの運命の女性(ひと)――コルネ・ワルフルドだった。意地でもドレスは着ないというのか、パンツ姿のフォーマルだが、スリーブは透けるレースでネックレスもしているため、そこはかとない華やかさがあった。
 だがコルネ自身は華やかな気分ではないようだ。テーブルに突っ伏している。
 無理もない。次期学園長としてコルネは婚儀の立会人をつとめ、結婚式ではスピーチをして各国VIPたちとの歓談もつとめたのである。元来社交的でパーティ好きなメメルとはちがい、休日はスポーツウェアで野山をかけまわっているほうが好みのコルネには、すさまじい重圧だったろう。
 メメルがクロスに近づいてくる。すれちがいざまに、
「あとは任せた♪」
 意味深に告げると、そそくさと行ってしまった。
 だからコルネが顔を上げたとき、
「……えっ?」
 彼女のかたわらにいたのはクロスであった。
「クロスくーん」
 地獄に仏を見たような顔で、クロスの手が置かれた場所に我が手を重ねるコルネである。クロスがリバイバルゆえの悲しさ、本当にふれあっているわけではないが、これだけでもコルネは楽になったらしい。
「お疲れさま。大変だったろう?」
「大変だったよ~」
「でも、君のがんばりのおかげで、式はつつがなく終わりそうだ」
「ありがと~」
 コルネは目をウルウルさせている。可能ならばそのまま、クロスにもたれかかりたいくらいの様子だ。
 ところで、とクロスは言う。
「暇ができてからでいい。半日ほど、時間をもらえないかな?」
 視線を会場にいったん流し、ふたたびコルネに向けて告げる。
「今後のことを話し合いたいんだ。彼らの結婚式を見て、あらためて思うところもあったからね」
「今後の……!」
 コルネの表情が真剣なものに変わった。もしかしたら彼女も、同じ心境だったのかもしれない。 



 会場からなるだけ離れ、校舎のかげで七枷陣は足を止めた。
 陣の左右から腕をとる女性ふたり、エミとリリィも足を止める。 
「そろそろはなしてよ」
 という陣の発言をどう受け取ったか、エミもリリィもくっついたまま、
「陣さんは結婚を考えたことはおありで?」
「エミさん、彼を家庭に拘束するのはよくないと思いますっ!」
 なんだか勝手なことを言いはじめた。『話して』だと思ったらしい。
「だからその手を離して! いますぐ!」
 ゲットアウトしてくれればもっといいのだが、そこまで無情な言葉は吐けない陣である。
 落ち着いてと陣が呼びかけたのは、ようやく離れてくれたエミとリリィはもちろん、自分に言い聞かせる目的もあった。
「おじさんに好意を持ってくれるのは嬉しいよ? でもね」
 噛んで含めるように言い聞かせる。
「メフィスト氏とのやりとり、聞いてたよね? おじさんは何としても元いた世界に帰るんだ。それはきっと一方通行で、戻ってこられない」
 咳払いして腕組みした。
「つまりおじさんと一緒になるってことは、これまでの人生の基盤・職・縁なんかを何もかも全部捨てるってことだよ? ……後々で後悔すると思う」
 冷や水をぶっかけるような話だが言うしかない。
「おじさんにもそれなりにそういうものはここにもあるけど……天秤にかけたら前者が勝っただけの話なんだわ」
 それにと言って陣は腕をといた。
「マリアたちの代わりにとか言ってたけど、君らは君らだ。誰かの代わりになんてならないし、なっちゃいけない。もし本気でそれでもいいなんて思ってるなら、オレぁ本気で怒るよ?」
 陣は深々と頭を下げた。
「だからごめんなさいと言うよ。まぁおじさんみたいな宿六より、もっと優良物件なんて探しゃたくさんいるさ、うん」
「わかりました」
 エミが静かに言ったので、おおと陣は内心つぶやいた。
 あきらめてくれたのだろう。まったく寂しくないと言えば嘘になるが、まちがいなくこれでよかったのだ。
「考える時間をください。愛しい人」
「え?」
 エミは真顔だ。リリィを見ると、やはり毅然とした表情でうなずいたのである。
(ど、どうなるの……?)
 どうなるだろう。



 タスクとマルティナは手をつなぎ、夕陽を浴びながらレゼントの石畳を歩く。
「ええ式やったな……」
 恍惚とした表情のマルティナだ。いっぽうでタスクは安堵を浮かべている。
「なんとかトチらず、司会をつとめあげることができました」
「タスクはんカッコ良かったで。でもな」
 誇らしげにマルティナは胸を張る。
「司会だけちゃうよね? 今日の式、気持ちよく進んだのはタスクはんのおかげやろ? 会場のきめ細かい心くばり、スケジュールとか、うち、ぜーんぶタスクはんが計画したんやとわかった。最高やったもん♪」
 お見通しか。タスクはたちまち赤面する。
「ぼ、僕だけの功じゃないです……! みんなの協力があったからこそで……」
 謙遜ではなく本当にそう思っているタスクである。でもマルティナの言葉は、砂漠に降る雨のように沁みた。
「ところで少し休憩しません? 近くにいいお店があるんです」
「ええねえ」
 カフェバーに誘導する。たまたまを装っているがじつは、事前にメメルが『ピッタシの場所があるゾ☆』と紹介してくれた店だった。
 何に『ピッタシ』かは言うまでもなかろう。
 朱色は彼方、西の端へと後退し、空はグラデーションを描きながら、透き通る群青色へと変貌してゆく。
 ウッドフロアのテラス席、眺望は抜群だ。周囲のテーブルは無人で、動いているのは珈琲からのぼる湯気だけ。この宇宙に、ふたりきりになったかのように錯覚してしまう。
「マルティナ様」
 大切な話があるんです、と告げタスクは椅子から降りてひざまずいた。
「え?」
 綺麗やねぇ~、とうっとりしていたマルティナは事態を悟って、
「ええーっ!?」
 椅子から転がり落ちそうになる。
「それって……もっ、もしかして!?」
「そうです」
 タスクはリングケースをポケットから取りだし、開いて彼女に捧げ示した。
 グリーンダイヤのエンゲージリング、今朝メメルから渡されたものだ。想像以上の完成度に仕上がっている。
「結婚、してください。僕はあなたと人生を共に歩みたい」
 マルティナは両手を伸ばしタスクの手とエンゲージリングをつつんだ。
「ど、ドッキリと……ちゃうやんな?」
 温かい手だった。だけど震えていた。声も。 
「はい」
「でもドッキリとしたで」
「驚かせてすみません」
 お返事は、と問うタスクの声も震えている。
 マルティナは床に両膝を落とし、タスクの首にむしゃぶりついた!
「イエス、イエスイエス……イエスの百億倍やっ!」
 なのに彼女はひしと抱きついたまま、
「けど……」
 と言葉を濁らせもした。



 グリフォンの背からベイキは滑り降り、首をなでて大きな杉に係留した。行きがけにたんと餌をあげてきたから、おとなしく休んで待っているだろう。
 昼なお暗い木立を歩む。すでに夜ゆえ星あかりも届かない。カンテラだけをたよりにベイキは進んだ。
 木立を抜けた先は殺風景な場所だ。石造りの墓標にたどり着く。
 ふたつの名前が刻んである。花束を飾った。
 双子の兄弟、それぞれの道は勇者と魔族に別れ、死闘のすえ相討ち果てたふたりだ。ともにベイキの息子である。
 冷たい石にふれ涙をこぼした。
「私に、老いて死ぬゆく肉体が戻ったのなら……」
 嗚咽する。花束にぽとぽとと雫が落ちゆく。
「このままあなたたちの、いいえ、あなたたちを含めた私の子どもたちの、菩提を弔い果てるのもいいかと……」
「そんなことだろうと思ったよ」
 思いがけぬ方向から声がかかった。墓標のかげからリーベラント王【ミゲル・シーネフォス】が姿をあらわしたのである。
「陛下!」
 ミゲルは未成年のような童顔であり、背もベイキより低いくらいなのだが、それでもどこか巨(おお)きく見えた。
「自分も献花させてほしい。彼……弟君は闇に墜ちたと聞いた。しかしその前の善行は消えない」
 ミゲルの手にも花束があった。途中花屋に寄ったベイキとちがって、野草を摘み集めたもののようである。花を置くとミゲルは黙祷をささげた。
 どうしてここが、とはベイキは問わなかった。ジルダと訪れたことがある。由来も話してある。
 だからかわりにこう質問した。
「いつからここに?」
「一時間ほど待った。花を摘んだよ」
 でも寒かったとミゲルは肩をすくめた。婚礼の間も披露宴になっても一度もベイキが自分に話しかけず、ついには暗い目をして立ち去ったのを見て、会場を抜け出し先回りしたのだという。
「ベイキ殿、私はこの墓地周辺を治める国と交渉して、ここの管理者をリーベラントから派遣する協約を結んだ。期限はない。永久にだ。よければ他の子のものの含め、慰霊塔も建てよう」
「なぜそこまで」
 ミゲルはごく当然のように言った。
「あなたの子なら私の子でもある。子の墓所が荒れるのは、耐えられない」
「陛下……」
「ミゲルと呼んでくれ。私の求婚を受けてくれるのなら」
 このとき、ベイキはついに心を決めたのである。
「わかりました。ミゲル」
 ミゲルは笑んだが、しかし快哉を叫ぶでもなくつぶやいたのである。
「だが我々は王族、自由に結婚できる身ではないのだ。あとは国民議会と……厄介な貴族議会の承認を受けなければならぬ」
 国民議会はきっと賛成してくれると断じたミゲルであったが、そこで口をつぐんでしまった。
 

 
 クロスは緊張している。
 この日彼は、コルネの自室に招かれたのだ。居住区域レゼントに借りた部屋だという。コルネも学生時代は寮に暮らしていたが、教職についてからここに移ったそうだ。
 古い建築物だった。しかし何度か塗り直されているのか水色の壁はあざやかで、小さいながらも花壇にコスモスが咲いており居心地は良さそうである。
 その印象はコルネの部屋に通されてからも変わらなかった。家具付きのアパルトマンというやつだろう。全体的に古びているが、よく掃除されていて陽当たりもいい。壁には賞状や盾、生徒が描いたとおぼしき絵などが飾られていた。
「場所わかった?」
「ああ、うん」
 天板の厚いテーブルに向かい合って座る。今日のコルネは顔色がいい。結婚式の夜の青白さとは対称的だ。あのときはきっと、心労と寝不足で消耗しきっていたはずだ。
「何か飲む?」
「いや……いい」
 ところがクロスのほうは、コルネとは逆に声に力がなかった。まるで彼ひとりだけ、暗い影を背負っているかのように。
「ヒノエ君たちの結婚式……」
「いい式だったよね♪ アタシは疲れたけど」
 ふふふとコルネは笑ったが、クロスには覇気がない。
「式を思いかえすと憧れを感じる反面……これまで目をそらしてきた事実をつきつけられた気分にもなっている」
「どうして?」
 コルネは眉を曇らせた。
「口説いておいて今さらなのは理解しているが……俺たちの間には越えられない壁がある。生者と死者であることはまぎれもない現実だ」
「だったら気にしないで。アタシもそりゃ最初は悩んだよ。肉体的な意味じゃ、アタシたち結ばれることはないよねって……でもそれでいいって思った。そのぶん強い精神的な結びつきがあるから♪」
 例がないわけではない。実際、学園にもリバイバルと他種族のカップルはあるのだ。
「だが俺たちは流れる時間が異なる。新たな命も望むことは……」
「アタシのこと好きなんでしょ?」
 クロスをさえぎってコルネが言った。
「アタシもキミのことが好き! クロスくん、いや、クロス、それでいいじゃない♪」
「……いいのか?」
「いいよ。っていうか、キミみたいな物好きがいなかったらたぶんアタシ、一生結婚どころか彼氏も作らなかったと思うし」
 あっけらかんとしたコルネの言いようだが、これはきっとコルネなりにずっと悩んで出した結論だとわかった。だからよどみなく言葉がスラスラとでてくるのだ。迷いがないのだ。
「アタシ、これから学園長っていう重い荷物をかつぐことになるけど……でもクロスがそばにいて、半分もってくれたら嬉しいな」
「もちろんだ」
 霧が晴れたようにクロスは即答した。
「もう恐れるのは止めよう。……俺と、結婚してほしい」
「うん、わかった」
 コルネが十分の一秒も迷わなかったのは、この答えもすでに決めていたからだろう。
 磁石がひきあうようして、ふれない口づけをふたりは交わした。



課題評価
課題経験:24
課題報酬:900
シェリーに口づけ
執筆:桂木京介 GM


《シェリーに口づけ》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 1) 2022-10-21 22:54:25
勇者・英雄コースのフィリンよ…って、名乗りもそろそろ最後になりそうね。
改めてよろしくお願いします。

やる事はまぁ順当にルガルと結婚関係で…け、結婚…こん(ぷしゅー)
(結果的にデキ婚になっちゃったので派手な式あげるかは考え中です)

《メメルの婚約者☆》 仁和・貴人 (No 2) 2022-10-22 06:15:56
魔王・覇王コースの仁和だ。
ヒノエくんを祝うのとメメタンを支えるためにできることを考えようと思っている。

・・・幸せな結婚式はいいものだよな。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 3) 2022-10-23 09:37:50
遅刻帰国、御無沙汰瘡蓋~♪
勇者・英雄コースのタスク・ジムです。
よろしくお願いいたします!

早速ですが、自分の動きの報告と、もしよかったらのご提案をさせていただきます。

まず、自分の動きとしては、
「数日前にマルティナ様にプロポーズしていて、当日に呼び出され返事を受ける」
というのを考えています。

そこで、「タスクのプロポーズへの協力や茶々入れ」という要素を、協力依頼というよりネタやフックとしてご提供します。
プランが余ってしょうがない時や、プランに遊びを入れたいときなどにご利用ください。

また、PLがどうしてもプロポーズに関するアイデアが貧困なので、この会議室にアイデアを書き込みいただければ嬉しいです。
今、自分で思い付くアイデアはこんな感じです
・事前にペアリングをプレゼントし、指輪のサイズをリサーチ
・何かすごい困難を乗り越えて得た最高の宝石をでっち上げる(メタ)
・レゼント一のお店でプロポーズ
・以上のアイデアにはメメタンの協力があり、お礼にメメタンの策謀(後述)にタスクも協力を約束している

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 4) 2022-10-23 16:19:25
さて、ここからは本気のご提案になります。

前述のメメタンの策謀とは、前のエピソードでベイキさんがメメタンに協力依頼をされていた、アントニオ様の縁結び大作戦です。

そこで、個人的には、アントニオ様とジルダ様、ミゲル様とベイキさん、そして成功の暁にはマルティナ様とタスクの、3組合同結婚式を、メメタンの仕切りでブチ上げてみたい!!

ついで扱いしちゃダメですが、フィリンさんとルガルさん、何らかの決着があるなら陣さん、もうみーんなまとめてお祝いパーチーだ☆
と、あのメメタンなら言い出しかねないいややるに違いないそれがSSM(そのへんにしておけよメメタン)だ!

ただし実施には明らかに紙幅が足りないので、今回はそんな計画をブチ上げる描写があればいいな!!

…というようなことを考えています。

つきましては、お手数ですが、上記案に対してどう思われるか、
「乗ってもいいよ」か、「いやそういうことじゃない」か、皆様に教えていただけたら助かります。

「違うよ」の回答があった方、回答が無い方については、巻き込まないような形で、自分のプランは調整いたします。

もしよろしければ、ご検討いただけたら嬉しいです。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 5) 2022-10-24 12:10:24
明日いっぱいで出発ですね!
上記提案については、今夜9時を目処に締め切りとさせていただきたいと思います。
ご回答が無ければ、タスク個人だけのプランにしますので、大丈夫です。

なお、メインはヒノエさんとパオロさんの結婚式ですので、僕も全力でお祝いします!
具体的には、司会進行に立候補する旨、プランに書いておきます!

《勇者のライセンサー》 フィリン・スタンテッド (No 6) 2022-10-24 23:41:23
もう出発まで1日ってところね。
合同式はいいと思うし、盛大に乗らせてもらうわ

私の方は、うんまぁ、ちょっと途中スキップしちゃったから…
でもできる限り顔は出させてもらうわ。
(註.悩みましたが、自分たちの結婚式は今回お預けにしようと思います。生後半年足らずの娘を連れて式というのは、剣と魔法の世界でも無茶が過ぎますし…どうせ地元が盛大にやるだろうしで)

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 7) 2022-10-25 08:27:38
フィリンさん、ありがとうございます!
乗っていただけるということで、ありがとうございます!

他にご回答がなかったので、こちらの動きとしては、
「メメタンの縁結び作戦に協力を申し出つつ、自分の結果を報告し、(自分の結果によっては)どうせなら合同とか素敵じゃないですか、と(控えめに)提案する」というアクションにしてみます。

時間が時間なので詳しい打ち合わせは難しいと思いますが、上記を参考に、何かしらやりやすいところで乗っかってくれれば嬉しいです!

フィリンさんとルガルさんにも、お祝いの言葉をプランに書きたいと思います!

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 8) 2022-10-25 12:28:17
ご挨拶が遅れ申し訳ありません。教祖・聖職コースのベイキ・ミューズフェスです。よろしくお願いします。

そう言えば、アントンさんのこと……散々焚き付けてたんだった。
まだまだひと悶着あるかもしれませんが、すべてがうまくまとまれば……合同もいいかもしれませんね。

《終わりなき守歌を》 ベイキ・ミューズフェス (No 9) 2022-10-25 12:31:07
(直前になって、色々と過去のことを思い出して逃げ出してしまうかもしれませんが、「そんなことだろうと思ったよ」と、相手のほうが上手で大人になっていたとかいう感じで)

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 10) 2022-10-25 12:46:57
ベイキさん、合同、是非やりましょう!(ぐっ)
時間が時間なので詳しい打ち合わせは難しいですが、
各々が思う、合同結婚式への計画を書けば、プランはバラバラでも、GM様がうまくまとめて下さるかもしれません!

僕個人のプランとしては、メメタンさんの企みに一枚噛む、という形で
合同結婚式構想(実施される「だろう」くらいにリザルトに書かれれば御の字)に取り組みたいので、
前回から続くベイキさんの「密約」に、味方として参入を許していただけたらありがたいです。

ベイキさんとミゲル様のご関係についての、タスクの認識としては…
「なんだかいい雰囲気だなあ、ワクワク。でも、実際のところはどうなんだろう…」
とこんな感じなので、ベイキさんとミゲル様も巻き込んだ三者結婚式構想にまでは、強引には踏み込まないつもりです。
(ただし、メメタンにこっそり様子を聞いたりするかもしれませんが)

もし、ベイキさんたちが、上の( )内のとおりの結末なら、大いに驚き、同情しますが、ミゲル様が器が大きいなら、大いに見直すのかもしれません。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 11) 2022-10-25 12:49:56
(あ、3組合同結婚式で進むけど、式の直前でベイキさんが逃げ出され、ミゲルさんは大きく構えているが、果たして戻ってくるのかこないのか!?という物語も素敵ですね!いずれにせよこのリザルトでは紙幅が足りないかもしれませんが!)

《運命選択者》 クロス・アガツマ (No 12) 2022-10-25 23:19:55
賢者・導師コースのクロス・アガツマだ。よろしく頼む。
締め切り間際の挨拶になってしまい、申し訳ない。

俺は例のごとくコルネ先生と結婚式を眺めつつ少々話を……
他のみんなのことにも、可能な状況なら顔を出して祝うと一文を加えておこう。
何がどうなるかは個人のことだから、もし顔を出したら困るといったことにならないよう配慮の意味も込めてこのように。

しかしタスク君と貴人君の称号……付いているのを見るとやっぱりいいものだね。

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 13) 2022-10-25 23:59:17
クロスさん、いいでしょう~☆
クロスさんももらえてもおかしくないと思いますけどね~!

僕も、ヒノエさんの式の前は仲間と交流すると書きました。
一緒にお話しましょう~。

いよいよ出発ですね。
皆さん、今回もご一緒いただき、ありがとうございました!

《マルティナの恋人》 タスク・ジム (No 14) 2022-10-25 23:59:27