【遥か昔】

 遥か昔、神様によって世界が想像され、命が生まれた。
 神様は世界に精霊を放ち、生き物に魔法の力を授ける。

【魔王出現前まで】

 精霊から授けられた魔法の力により、生き物たちは様々な成長を遂げる。
 中でも特に力の強い精霊に愛された「七選」と、多様な精霊や種族と友好を築いた人間族は、
 着々と成長を加速させていった。
 この時代における明確な記録はあまり残されていないが、一部の歴史学者からは、
 平和と発展の時代「妖精暦」と呼ばれている。

【魔王出現】

 魔王出現に関して記録は一切ないが、その出現の前後に嫌な胸騒ぎを感じたという者が多数出たらしい。
 魔王は、瞬く間に多数の魔物を生み出すと同時に、世界各地に侵略を行った。
 それに対し各々抵抗を行うも、劣勢に追い込まれる。
 この騒乱は、後に『魔王事変』と呼ばれるようになる。
 

【勇者出現】

 魔王による脅威にさらされる中、人間族の中で、武芸や魔法の力に突如目覚めた者が現れ始める。
 それぞれが、各地に赴き、各地の種族と共同して魔物討伐を行う。
 各地で救済された者達が、彼らの事を「勇者」と呼んでたたえる様になった。
 

【魔王と勇者の最終決戦】

 七選の戦士達と勇者一行は、ついに魔王討伐に乗り出す。
 魔王城での戦いは苛烈を極め、勇者のほとんどを初めとする多くの犠牲を払いながら、
 何とか魔王と一部の魔族を魔法の宝玉に封印する事に成功した。
 生き残った者達は、各所に魔法の宝玉を持ち帰り、その土地で代表的な一族が
 代々宝玉を守り継ぐ事となった。
 魔王の封印を記念して、この年から暦を「勇者暦」に改める事となる。
 

【ギルド設立に向けた動きと復興】

 後の学園となるギルドの設立と、魔王による被害は平行して行われました。
 学園の設立が急務であったため、中々復興が及ばず、最終決戦後も勢力拡大を続ける
 一部の魔族・魔物達によって、幾つかの集落は、代々の土地を放棄せざるを得なかった。
 そうした事実により、ギルドの設立を忌み嫌う者も少なからず生じてしまった。
 

【ギルド設立後】

 ギルド設立後、各種族の代表者やヒューマン達は、互いの能力や魔法における研究を行い
 魔物に対する対抗力を高めていった。
 だが、逼迫する残存勢力への対抗を行う必要もあり、未熟なままの者が闘いに赴き、
 返り討ちにあってしまうケースも散見された。
 

【勇者歴1000年前後】

 この頃になると、魔族や魔物に対する対応に一定の成果が見られるようになり、
 「フトゥールム・スクエア」で研鑽を積んだ者であれば、
 ある程度の脅威には対応出来るようになっていた。
 この頃から、ギルドを抜け、自身の失われた土地を取り戻しに向かったり、
 自身が世話になった種族の集落に身を落ち着け、様々な戦闘指南などを行う者が増え始めた。
 

【勇者歴1800年前後】

 この頃になると、魔族や魔物の脅威は、いわゆる天災のように扱われるようになる。
 つまり、脅威として魔物達の存在が認知され、それを理解した上で生活を行う様になった。
 ある程度平和を取り戻したため、人々はそれぞれの生活をより豊かにしていく事に
 精を尽くす事となる。
 こうなれば、「勇者」という存在は、「強い傭兵」といった側面が大きくなり、
 世界的にもフトゥールム・スクエアに対して、「勇者として優れた者」よりも
 「魔法の扱いに優れた者」を求める傾向が強まってきた。
 そうした時勢の流れを組み、フトゥールム・スクエアも、戦闘に秀でた者の育成から、
 魔法に対して素養のある人物の教育を重視していく事となり、
 ギルドという形式を廃し、名称を「魔法学園フトゥールム・スクエア」に改めた。
 

【勇者歴2018年(現在)】

 現在では、「フトゥールム・スクエアを卒業する
 =安定した地位と職業、いざという時に魔物の脅威に対抗する力を得られる」
 という認識が強まり、主に若者を中心に入学希望者は後を絶たない。

 そうしたある種平和に慣れきってしまっているところから、物語は始まっていく。