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【体験】メメ・メメル誘拐じけ……んん?


ストーリー Story

●???
 ある日の学園長室にて。
 そこではあどけない容姿をした銀髪の小柄な少女が執務を執り行っていた。
 彼女の名は【メメ・メメル】。見た目こそ女の子だが何を隠そう、この学園の学園長を務める才媛である。
「んー……今日も穏やかでいいのだが、少し退屈だな」
 そんなことを言って、メメルがゆったりと背もたれに身を逸らし、うんと背筋を伸ばしたその時だった。
「それじゃァ、少し遊んでみるか?」
「およ?」

●そいつはやってきてしまった
 それは、少しばかり肌寒さを感じてきたある日の事だった。
 その教室では新入生の歓迎を終えたばかりだった。志を持って学園に入った新入生と、少しばかり先輩になった生徒達が交流していたが、日も沈む時刻となってそろそろ解散しようと思っていた。
 その時だ。
 何事にもそれなりに前触れというものはあるものだが、それは唐突にやってきたのである。

「大変だよ! 学園長が『メモワール・ド・コスプレ』という怪人にさらわれちゃった!!」

 ……えっ?
 ちょっと何を言っているか分からない。
 飛び込むように教室に入ってきた【コルネ・ワルフルド】は肩で息をしながらそれを伝えに来た。気さくで優しく、またよく新入生のお世話をしてくれる、素敵な狼のルネサンスの先生である。そんなコルネの狼狽え方は尋常ではなかった。
 だがちょっと待て。どうか落ち着いてもう一度言ってほしい。
「だから、学園長がメモワール・ド・コスプレにさらわれたんだって!」
 ……。
 彼女は何を言っているのだろうか。学園長がさらわれるなど……いや、過去にそんな話があったような、そうでもないような? どっちにしろその時はそんな大した話ではなかった筈だ。
 それに『メモワール・ド・コスプレ』とは何だ。
 聞いた話では確か怪傑を自称する、よく変な格好をして現れるおかしな先輩がそんなのではなかったか?
「あれは【ミロワール・ド・スクレ】で、出たのはメモワール・ド・コスプレだって! こっちもあまり詳しい事情は知らないんだけど、えっと、学園長室にそういう内容の置手紙があって、実際に変な格好をした怪人に小脇に抱えられる学園長を見たっていう教師がいたの!」
 何かしら奇妙な格好をした人物の小脇に抱えられる学園長を想像してみる。うん、実にシュールな光景だ。
 だがそれはつまり、学園長でも手も足も出せない相手という事なのだろうか? いや、流石にそれはにわかには想像しがたい。何か逃げ出せない理由があるのだろうか?
 また、そのような存在が、学園長をさらった理由とは何なのだろうか?
「置手紙には、こう書いてあったんだよ」

『学園長は私、メモワール・ド・コスプレが誘拐した。ふふふ、生徒たち諸君の驚く顔が目に浮かぶようだ。だが、私が求めるのは学園長ではない。この学園のどこかにあるとされるヨ・スデソ・ウ水晶を持ってくるがいい。さすれば学園長を返してやろう。はっはっはっ、楽しみにしているぞ!』

 なんとツッコミどころだらけの文面だろうか。笑い声なんて紙に書かないだろうに。少々うんざりしそうだが、とりあえずこの怪人の目的は分かった。
 然し、コルネは怪訝とした様子で首を傾げながらこんなことを言った。
「けど、ヨ・スデソ・ウ水晶なんてもの、アタシも初めて聞く代物で……初めから悪党に渡すものなんてないけど、知らないものは渡しようがないんだよね……」
 無論、自分達もそんなものは聞いたことがない。コルネが知らないとなると、教師たちでも一部しか知らないような貴重品なのだろうか?
 すると、ここで新たな小さい人影が教室に入ってきた。見た目はとても幼い少女で学生の一人のようだが、実際には薬学の先生をしている【パールラミタ・クルパー】だった。
「はーい聞いて聞いてーボクが説明するんだねー。その水晶はー学園の敷地内にある『初心者の遺跡』にーあるんだよー」
 パールラミタの発言に、コルネも思わず目を丸くした。確かに何故、パールラミタが例の水晶の事を知っているのだろうか?
「そうだねー『初心者の遺跡』はー主に僕も管理している施設でー、なんて言うかなー物置というか倉庫みたいな風にも使っててーそこにヨ・スデソ・ウ水晶がー保管されているんだよー。でもー今は閉鎖してるからーボクも一緒に行って開けるんだねー」
 それを取りに行けば、怪人と接触することができそうだ。それにパールラミタがついてくるなら、遺跡の中でも他でも頼りにして良さそうだ。
 だが、学園長がさらわれるという非常事態だ。これは本当に自分達に手に負える事態なのだろうか? 経験を積んだ上級生や先生達に任せればいいのではないか?
 するとコルネ先生は首を真横に振りながら答えた。
「それが、メモワール・ド・コスプレは正体不明の多くの配下を従えてて、学園長を助けに行こうとした上級生たちやアタシ達教師はその配下の迎撃に追われていて、助けに行けないんだよ! だから……その、いざって時に頼りにならなくてごめん! だからお願い、みんなで学園長を助けて!」
 事態は思った以上に深刻なようだった。まさかコルネ先生を始めとする学園の教師まで動員する事態になっているとは。
 だが、ここで狼狽えているだけでいいのだろうか? ここで自分たちが必要とされているなら、将来の勇者として助けに行くべきではないだろうか。
 無論諦めて傍観していてもいいが、さて、どうする?

●その一方
 夜の第一校舎『フトゥールム・パレス』の広場は、沢山の生徒がクラスやコースの垣根を越えて談笑・交流する憩いの空間である。
 つい先ほどまでは生徒達で談笑する平和な空間だった。だが今は、怪人の配下が唐突に現れたことで、事態は混迷を極めていた。
 逃げ惑う大勢の生徒、武器を持って侵入者を迎え撃つ少数の生徒の喧噪だけがこの広場を支配していた。
「……」
 その刹那、広大な広場の一角で無数の銀の閃きが奔った。血潮を噴き出すことなく、悪しきものだけを貫く正義の一閃が、奇妙な格好をしている怪人の配下を容赦なく貫いていった。
 その剣筋の主は激怒していた。それはもう、顔を仮面で隠しているにもかかわらず、近くにいる他の生徒を怯ませるほどに。
「あ……あの、幾らベタな真似をされたからって……」
 大剣を携えた生徒が震えた声で、『彼女』に話しかける。
 だが、
「真似って、あんなふざけた女とあたしとが、どこがどう似ているのか、詳しく説明してくれる?」
 そう言って、倒したばかりの適当な配下をヒールでぐりぐりと踏みつけながら彼女は言った。そんな彼女の黒いツインテールが隙間風にゆらりとそよぐ。
 溢れんばかりの怒気に大剣の生徒は怯み、下手な事を言えないまま沈黙してしまった。どうやら彼女の怒りの矛先は、怪人の配下とは別に向いているようだ。
 誰もが取り付く島がないと思っていたその時、窓の外から明らかに場違いな嬌声が聞こえてきた。

『くははははっ、学園長はここだぞ諸君!!』
『キャーイヤーダメーたーすけてー☆』

 片方はここにいる生徒達には聞きなれた声で、そして少なくとももう片方は、おそらく学園の誰もが知っている銀髪の少女の声なのだが、誰もが聞かないふりをした。生徒と教師だけでなく、何故か侵入者たる配下すらも諦観の面持ちになっていた。
「……ちょっとぶちコロがすくらいで済ませられるかしらね?」
 その一方でツインテールの彼女は、声が聞こえてきた方向の窓の手すりを握りしめ、深くひびを入れながら独り言ちた。


エピソード情報 Infomation
タイプ マルチ 相談期間 8日 出発日 2020-11-24

難易度 簡単 報酬 通常 完成予定 2020-12-21

登場人物 13/16 Characters
《新入生》リンカ・ナツキ
 ヒューマン Lv4 / 武神・無双 Rank 1
「お前はボクの仲間を傷つけたんです、絶対に許しません!」 野生児の様な雰囲気を持つヒューマンの少女。 その目には強い使命を宿しているようにも見えるが…? どうやら学園には強くなって使命を果たすために入学したらしい。 ●外見 手入れのされていないボサボサの長い髪、顔を含めて全身擦り傷だらけなどあまり清潔な印象は受けない。 ただし顔つき自体は整っており、その目は宝石のように奇麗な緑色をしている為、磨けば光りそうではある。 ●服装 夏冬問わず、裾丈が膝上程まであるぶかぶかのセーターを1枚着用しているだけ。 袖は長いと邪魔なのでちょうどいい長さで引きちぎられている。 ●性格 警戒心が強く、簡単には人を信用したりはしない。 一方で仲間意識はそれ以上に高く、一度仲間と認めた相手に対する信頼は非常に強い。 その為か、仲間を傷つけた相手には引くほど容赦をしない。 ●戦闘スタイル 素手による体術、と言えば行儀が良いが、実際はとびかかかる、噛みつく、引っ掻くなど獣の様な戦い方をする。 ●その他 一般常識がやや欠落していたりズレていたりする為、トラブルを起こす事も少なくない。 ただヒューマンらしく知能自体は高く、本人の好奇心もありその辺りの吸収力は高い。
《新入生》フュソメイ・ザクリョーシノ
 カルマ Lv4 / 芸能・芸術 Rank 1
 瞳色:右:浅黄色 左:菫色  髪:プラチナブロンド、毛先のみ桜色。地面にはつかないがくるぶしくらいまで。普段は簪で結ってあるがそれでも腰まである  口調:大正の大和撫子/怒ると大和言葉になる  性格:のんびり 怒らせると怖い  生誕:だれがいつどのように作ったのか全く分からない。姿におよそ似つかわしくない日本の高貴な女性に見える。  目的:多くは語らない。薄く儚い目で名勝を眺めては彼女にすら出自の知らない独特の音階やリズムを持った歌を歌っている時がある。  理由:決して見ることのない創造主が住んでいる幻の桃源郷を探し求めるため。   魔法陣は左手にあり、シンボルは桜の花。  出力を上げる必要がある場合は5枚の花びらの上から順に反時計回りで出力準備状況を表す。  普段着は着物。日本の四季に沿った着物を着ている。  攻撃手段は刀(片手剣)。暗器として簪(短剣)。  魔法は自らが追い込まれない限りほとんど使わない。  彼女が口ずさむ短歌 長唄 日本の童謡などは彼女の創造主が刻んだものだが、彼女が目を覚ます前に創造主は着るものと学園までたどり着ける魔力のみを残してどこかへ行ってしまった。  彼女はルーチンとして刻まれた歌を歌い、茶をたしなみ、花を活け、舞を踊る。刀や簪を扱うとき、彼女はどんな存在にも礼をする。余裕があれば戦闘前後に。余裕がなければ戦闘後のみ。殺した場合は合掌低頭を行う。彼女はこれが何なのかは知らない。  これらはところどころ間違っている。  
《新入生》アーリア・フェブルウス
 リバイバル Lv11 / 教祖・聖職 Rank 1
■容姿■ 見た目:優し気な青年 髪:珊瑚色 目:露草色 ■年齢■ 24歳 ■性格■ 面倒見がよい、お節介、怒ると怖い ■趣味■ 料理、演奏 ■好き■ 音楽、演奏、料理、運動 ■苦手■ ピーマン ■サンプルセリフ■ 「ぼくが、嘘ついたことあった?」 「困ったな…そんな顔しないでほしいな」 「こらっ、ちゃんと手を洗ってこないと食べちゃダメだよ」 「ぼくの大事な仲間に手を出すな…死よりつらい目に合わせてやるッ!」 ■仲良くなると■ 呼び方:あだ名/キミ
《人間万事塞翁が馬》ラピャタミャク・タラタタララタ
 カルマ Lv22 / 魔王・覇王 Rank 1
不気味で人外的な容姿をしたカルマの少女。 愛称は「ラピャ子」や「ラピ子」など。 名前が読み難かったらお好きな愛称でどうぞ。 性格は、明るく無邪気でお茶目。 楽しいと面白いと美味しいが大好き。 感情豊かで隠さない。隠せない。ポーカーフェース出来ない。 そしてちょっと短気なところが玉に瑕。 ギャンブルに手を出すと確実に負けるタイプ。 羞恥心を感じない性質で、露出度の高い衣装にも全然動じない。 むしろ前衛的なファッション格好いいと思ってる節がある。 戦闘スタイルは我流の喧嘩殺法。 昔は力に任せて単純に暴れるだけだったが、 最近は学園で習う体術を取り入れるようになったらしい。 しかしながら、ゴリ押しスタイルは相変わらず。 食巡りを趣味としているグルメ。 世界の半分よりも、世界中の美味しいモノの方が欲しい。 大体のものを美味しいと感じる味覚を持っており、 見た目にも全く拘りがなくゲテモノだろうと 毒など食べ物でないもの以外ならば何でも食べる悪食。 なお、美味しいものはより美味しく感じる。Not味音痴。 しかし、酒だけは飲もうとしない。アルコールはダメらしい。 最近、食材や料理に関する事を学び始めた模様。 入学までの旅で得た知識や経験を形に変えて、 段々と身に付いてきた…と思う。たぶん、きっと、おそらく。
《メメルの婚約者☆》仁和・貴人
 ヒューマン Lv33 / 魔王・覇王 Rank 1
「面倒にならないくらいにヨロシクたのむ」                                                                                                                                                 名前の読みは ニワ・タカト 身長:160㎝(本当は158cm位) 体重:45kg前後 好きなもの:自分の言う事を聞いてくれるもの、自分の所有物、メメたん 苦手もの:必要以上にうるさい奴 嫌いなもの:必要以上の労働、必要以上の説教 趣味:料理・・・だが後かたづけは嫌い    魔王っぽく振る舞っている    此方の世界の常識に疎い所がある キャラとしてはすぐぶれる 物理と科学の世界からやってきた異邦人だが、かの世界でも世界間を移動する技術はなくなぜここに来れたのかは不明。 この世界で生きていこうと覚悟を決めた。 普通を装っているが実際はゲスで腹黒で悪い意味でテキトー。 だが、大きな悪事には手を染める気はない。 保護されてる身分なので。 楽に生きていくために配下を持つため魔王・覇王科を専攻することにした。 物欲の塊でもある。なお、彼の思想的には配下も所有物である。 服装は魔王っぽいといえば黒。との事で主に黒いもので固めていて仮面は自分が童顔なのを気にして魔王ぽくないとの事でつけている。 なお、プライベート時は付けない時もある 色々と決め台詞があるらしい 「さぁ、おやすみなさいの時間だ」 「お前が・・・欲しい」 アドリブについて A  大・大・大歓迎でございます 背後的に誤字脱字多めなので気にしないでください 友人設定もどうぞお気軽に
《新入生》アウィン・クロキ
 ルネサンス Lv4 / 魔王・覇王 Rank 1
「はぁ~い、私はアウィンっていうの。よろしくねぇ~」 「あれぇ?魔王コース…?……まぁいいやぁ」 間延びした口調の兎のルネサンス 糸目のおかげかいつもにこやか、それは戦闘でも変わらず 容姿 ・藍色の髪、長い髪をクラウンブレイドにしている ・糸目、おかげで何もしてなくても微笑んでいるように見えるとか ・瞳の色は紫、瞳孔は×型。普段ずっと糸目なので中々お目にかかれない ・同年代と比較してもかなり背が高い方。背も高ければ胸も大きい(身長は180cm代) 性格 ・普段はおっとりのんびりした性格、のんびりさが口調にも出ている ・可愛くて小さいものが好き、妹はもっともっと大好き ・戦闘時はのんびりした口調のまま、積極的に前線に出ていくスタイル ・末の妹を溺愛している、溺愛しすぎて避けられてて悲しい ・のんびりしすぎてコース間違えた、まぁいっかぁ 好きなもの 家族、妹、かわいいもの、お野菜、追いかけっこ 嫌いなもの、苦手なもの 寒さ、辛いもの 二人称:あなた、名前+くん、ちゃん(年下)、名前+さん 敵にはあいつ、呼び捨て 口調:語尾によく「~」が付く、真剣なときには取れる
《新入生》モニス・ショトケ
 ヒューマン Lv4 / 賢者・導師 Rank 1
(未設定)
《幸便の祈祷師》アルフィオーネ・ブランエトワル
 ドラゴニア Lv23 / 教祖・聖職 Rank 1
異世界からやってきたという、ドラゴニアの少女。 「この世界に存在しうる雛形の中で、本来のわたしに近いもの が選択された・・・ってとこかしらね」 その容姿は幼子そのものだが、どこかしら、大人びた雰囲気を纏っている。  髪は青緑。前髪は山形に切り揃え、両サイドに三つ編み。後ろ髪は大きなバレッタで結い上げ、垂らした髪を二つ分け。リボンで結んでいる。  二重のたれ目で、左目の下に泣きぼくろがある。  古竜族の特徴として、半月型の鶏冠状の角。小振りな、翼と尻尾。後頭部から耳裏、鎖骨の辺りまで、竜の皮膚が覆っている。  争いごとを好まない、優しい性格。しかし、幼少より戦闘教育を受けており、戦うことに躊躇することはない。  普段はたおやかだが、戦闘では苛烈であり、特に”悪”と認めた相手には明確な殺意を持って当たる。 「死んであの世で懺悔なさい!」(認めないとは言っていない) 「悪党に神の慈悲など無用よ?」(ないとは言っていない)  感情の起伏が希薄で、長命の種族であった故に、他者との深い関りは避ける傾向にある。加えて、怜悧であるため、冷たい人間と思われがちだが、その実、世話焼きな、所謂、オカン気質。  お饅頭が大のお気に入り  諸般の事情で偽名 ”力なき人々の力になること” ”悪には屈しないこと” ”あきらめないこと” ”仲間を信じること” ”約束は絶対に守ること” 5つの誓いを胸に、学園での日々を過ごしている
《新入生》リーゼ・ガルシュタイン
 カルマ Lv12 / 武神・無双 Rank 1
ん~~とね。リーゼはかみさまになるの。だって、パパがいってたんだよ。『おまえは神になるのだ。神となって魔王を打ち倒し、世界を救うのだ』って。 でも、まおうってやつ、もういないんだよね・・・リーゼずっとねてたから・・・みんな、なにもいわないけど、パパも、もういないってわかってる。リーゼにだってそれぐらいわかるよ。 _________________________________________________________ とある廃墟で、培養液に満たされた、巨大な水槽の中で眠り続けていた。建物の腐食が激しく、放置すれば下敷きになってしまうため、学園所属の研究員に保護された。 その廃墟は、魔王事変発生時、忽然と姿を消した、高名な魔導師、ゲオルグ・ガルシュタインの研究所であり、長らく、その所在は不明であった。 資料となりえるものはすべて朽ちてしまっているが、彼が創造したものと推測される。 ”父”の英才教育の賜物か、幼い見た目にかかわらず、知能は高い。だが、経験がなく、精神年齢が低いため、それを十分に生かせないようだ。天真爛漫で、ちょっとわがままな、甘えん坊。駄々をこねだすと大変なことになるが、甘いものをあげれば、すぐ大人しくなる。 『神となって、世界を救う』という意思は強固であり、どんな敵にも物怖じすることはない。 武神コースを選んだのは、武神が何かわからずに聞いたら、武術の神様と返答を得たため
《ビキニマン》ソフィーア・ル・ソレイユ
 ドラゴニア Lv12 / 武神・無双 Rank 1
生き別れたパートナーを探して、学園にやってきた、ドラゴニアの少女。 金髪ゆるふわカールのロングヘアー。前髪をひまわりのヘアピンで左にまとめている。褐色肌の筋肉質で、無駄な肉は一切ないのにバストとヒップはかなり豊か。大きな翼と長い尾。火柱のような角。後頭部から下顎、鎖骨辺りまで、サンライトイエローの鱗が覆っている。 いかにも女の子らしい容姿だが、性質は男性的で、なぜ、胸に目が入らないのか、よく、男性に間違えられる。 実直で騎士道精神にあふれている。だが、敵にたいしてはわりと容赦ない。闘争本能が強く、戦いを、とくに強者との対峙を好む。そのため、いつでも戦えるよう、入浴中以外は、ビキニアーマーを着込んでいる 武器収集癖があり、手入れを決して怠らない かなりの大食漢。なんでもおいしそうに食べるが、中でも『地球』で食べた、ラーメン、炒飯、餃子が大好き。彼女曰く、『”食”の宇宙三大至宝』であるとか。 ”力なき人々の力になること” ”悪には屈しないこと” ”あきらめないこと” ”仲間を信じること” ”約束は絶対に守ること” 5つの誓いを貫くために、日々鍛錬を欠かすことはない 諸般の事情で偽名 ある人物に、ずっと片思いをしている。勇気がなくて、告白はしていないが、それとなくアピールはしている。 酒乱なので、酒を飲ませてはいけない
《熱華の麗鳥》シキア・エラルド
 ヒューマン Lv25 / 芸能・芸術 Rank 1
音楽と踊りが好きなヒューマンの青年 近況 自我の境界線が時々あやふやになる みっともない姿はさらしたくないんだけどなぁ 容姿 ・薄茶色の髪は腰の長さまで伸びた、今は緩く一つの三つ編みにしている ・翡翠色の瞳 ・ピアスが好きで沢山つけてる、つけるものはその日の気分でころころ変える 性格 ・音楽と踊りが大好きな自由人 ・好奇心>正義感。好き嫌いがハッキリしてきた ・「自分自身であること」に強いこだわりを持っており、自分の姿に他者を見出されることをひどく嫌う ・自分の容姿に自信を持っており、ナルシストな言動も。美しさを追及するためなら女装もする。 好きなもの 音楽、踊り、ともだち 苦手なもの ■■■■、理想を押し付けられること 自己犠牲 二人称:キミ、(気に入らない相手)あんた 初対面は名前+さん、仲良くなると呼び捨て
《新入生》ヒナ・ジム
 アークライト Lv11 / 勇者・英雄 Rank 1
ヒナ・ジムです!【事務雛型】 ひよこがだいすきです! おすとめすはみたらわかります! ひよこがすきすぎて、はねがはえちゃいましたあ! そしたら、にぃにが、がっこうにつれてきてくれました。 かっこいいおにいさん、かわいいおねいさんがいっぱい…! みんな、なかよくしてね! *** ガンダ村の事務職の家系であるジム家の末っ子。 ひよこを愛する普通の子であったが、村の学校で飼っていたひよこをいじめた男子にたいする怒りをきっかけに、アークライトに覚醒! 知らせを受け慌ててタスクの発案により、学園に入学することとなった。 アークライトとしての力と生き方を学び、そして外の世界を知るために…。 ひよこが大好きで、好きすぎて羽根が生えたという本人談もあながち間違いではない経緯ではある。 ひよこのオスメスの区別がつき、人間の顔と同じ精度で個体識別できる。 鶏に対する気持ちは普通で、ひよこの時から可愛がっている個体に対してはその愛着を維持する。 覚醒時のほかにも、夜店のひよこを全員脱走させ親が全額弁償などひよこに関する逸話に事欠かない。 また、覚醒前から同年代にあり得ない怪力で、祖父のお下がりのバトルアックスの素振りが日課である。 とにかく甘えん坊。誰彼構わず甘え、兄タスクをやきもきさせる。 【勇者原則】決め台詞 通常時「ヒナ、負けないもん!」 覚醒時「○○ちゃんを虐める悪い子は、絶ぇっ対に許さない!」
《1期生》アケルナー・エリダヌス
 ローレライ Lv20 / 勇者・英雄 Rank 1
目元を仮面で隠したローレライの旅人。 自分のことはあまり喋りたがらない。適当にはぐらかす。 ふとした仕草や立ち居振舞いをみる限りでは、貴族の礼儀作法を叩き込まれてるようにもみえる。 ショートヘアーで普段は男物の服を纏い、戦いでは槍や剣を用いることが多い。 他人の前では、基本的に仮面を外すことはなかったが、魔王との戦いのあとは、仮面が壊れてしまったせいか、仮面を被ることはほとんどなくなったとか。 身長は160cm後半で、細身ながらも驚異のF。 さすがに男装はきつくなってきたと、思ったり思わなかったり。 まれに女装して、別人になりすましているかも? ◆口調補足 先輩、教職員には○○先輩、○○先生と敬称付け。 同級生には○○君。 女装時は「~です。~ですね。」と女性的な口調に戻る。

解説 Explan

 大変です! 学園長が奇妙な怪人にさらわれてしまいました!!
 怪人の目的は『初心者の遺跡』の奥にある『ヨ・スデソ・ウ水晶』です。初心者の遺跡で水晶を手に入れ、怪人と接触し、学園長を救い出しましょう。
 初心者の遺跡とは、新入生向けのダンジョン攻略を目的に考案された学園の設備です。迷路のようになっていますが、それほど難解な構造にはなっておらず、パールラミタも同行するので迷うことは無いでしょう。遺跡はパールラミタ曰く倉庫も兼ねており、そこに例の水晶が置かれています。まずはこれを取りにいきましょう。
 遺跡で行えることは主に、罠の発見と解除、ゴブリンとの戦闘、水晶の探索となります。唯、今は罠は殆ど稼動しておらず、怪我を負うような罠も少ないです。これは探知系の技能を持参するといい結果になりやすいでしょう。但し、ゴブリンの数は増えていますので、戦闘の準備は怠らないでください。尚、本格的に危なくなった時にはパールラミタが回復の薬などで手助けしてくれます。
 水晶を手に入れた後は、それを持っていることを宣告すれば怪人の方からやってくることでしょう。差し出すもよし、怪人と交渉するもよし、手渡さずに戦いを挑むもよしです。
 唯、この水晶には何かしらとても強い力が込められているようです。

 またミロワール・ド・スクレは、プラン次第で参加者に係わってくるかもしれません?

※登場する公認・個人NPC一覧
【メモワール・ド・コスプレ】
 学園長をさらった(?)人物で、偽名です。その言動はとある女性教師に似ているようですが……?

【ミロワール・ド・スクレ】
 知っている人は知っている、正義の怪傑です。見た目によらず、結構頼りになるツインテールのお姉さんです。然し、今は怒り心頭のようです。

【パールラミタ・クルパー】
 見た目は少女というより幼女ですが、れっきとした薬学の先生で、菩薩の如き慈悲の心の持ち主です。


 それでは、後悔なき選択を。


作者コメント Comment
 久々に筆を執ったシナリオは、初マルチシナリオでした。そしてひどい戯れでしかありません。

 どうも。始めましての方は初めまして、またはお久しぶりです。機百です。よろしくお願いいたします。
 事態は深刻そうに思えますが、少なくとも皆さんはそこまで大変なことにはならないでしょう。
 やることに関してはそれほど難しくはないと思います。どうか、気楽且つ適当に付き合っていただければ幸いです。
 パートとしては、前半に『初心者の遺跡』の探索、後半で謎の怪人と向かい合う形となります。
 但し、最後にどうするかは敢えて皆様に一任していますので、それ次第で結末が変わるのは間違いありません。最終的には皆様の決断にお任せします。少なくとも、バッドエンドだけはあり得ませんので、そこはご安心ください。


個人成績表 Report
リンカ・ナツキ 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:1
獲得称号:---
トラップや怪傑との交渉は他の奴らに任せましょう

ボクはゴブリンと交渉してみますね
【肉体言語】や【語学】を用いて敵意が無い事を伝ますが、交渉が失敗し危害を加えてきた場合は皆と戦います
ある程度ダメージを与えた所でもう一度交渉し撤退を促してみますが、駄目ならそのままトドメですね
撤退するなら深追いはしません

フュソメイ・ザクリョーシノ 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:1
獲得称号:---
戦闘前
 決行当日の早朝に女子寮内のとある一室の窓に便箋を差し込む。
 内容は以下の通り。
 ・便箋
  怪傑様へ
 ・カード
  頃合いを見計らって学園内の茶室へお越しくださいませ。
  フュソメイ・ザクリョーシノ

戦闘
 処女戦闘。動じることは一切ない。
 曲目は「さくらさくら」。

怪傑様との接触が可能な場合
 水晶を持参する。
 その後は任せる。 


アーリア・フェブルウス 個人成績:

獲得経験:146 = 97全体 + 49個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:1
獲得称号:---
●心情
「面倒な…」

●行動
1.遺跡内
後方支援。
「推測」で罠の位置などを予想しながら、進む
戦闘時は、クレセントムーンでの通常攻撃
「応急処置」「祈祷」での回復
「生気喪失」で防御

2.対怪人
まずは「説得」で対話を試みる
目標は無事に奪還
対話に応じない場合は、交戦もやむなし

万が一、お遊びだった場合は説教もやむなし

ラピャタミャク・タラタタララタ 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:1
獲得称号:---
■目的
遺跡の踏破

■行動
ゴブリンとの戦闘なら任せるのじゃ。
前衛として前に出て、斧を振って蹴散らしていくぞ。
敵の攻撃には通常反撃で切り返す。
ダメージは無痛のいたみで耐えたり、身代わりうさぎや浴衣で肩代わりじゃ。
隙あらば絶対王セイッ!でトドメじゃ。
伊達に魔神を名乗っておらん!そう簡単に止められると思うな!

仁和・貴人 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:1
獲得称号:---
メメたんがさらわれた?
……いや、今回のはいつものおふざけじゃないのか?
それにしても大掛かりだが
犯人もわかってるし要求してるものも難しくないもの(だと思う)だし素直にアイテムと交換で良いだろ


初心者の遺跡の調査、いざとなったら犯人との戦闘だが基本的に後輩の手助けだな
多分危険じゃないし

アドリブA 絡み大歓迎

アウィン・クロキ 個人成績:

獲得経験:146 = 97全体 + 49個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:1000
獲得努力:200
獲得希望:20

獲得単位:1
獲得称号:---
えぇ~!?メメル校長せんせいが誘拐!?
みんなで先生を取り戻すわよ~!

・事前準備
パールラミタ先生に遺跡の構造を聞いておく

・目的
メメル先生を取り戻す
同じ仲間を守る

・行動
頭を使った行動は苦手だから、戦闘がメインになりそうねぇ
向かってきたゴブリンには【魔牙】
敵が向かってくる方向を見て挟み撃ちにならないように

モニス・ショトケ 個人成績:

獲得経験:97 = 97全体 + 0個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:300
獲得努力:50
獲得希望:5

獲得単位:1
獲得称号:---

アルフィオーネ・ブランエトワル 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:1
獲得称号:---
同行者:ソフィーア・ル・ソレイユ

直接、参加はせず、後ろで新入生たちを見守る。ダンジョン攻略後は一時休憩を勧めるため、お茶会の準備。ハーブティーとパンケーキを用意

ダンジョン攻略組に怪我人がいれば、治療を行う。【応急処置/医学/リーライブ】

万が一、犯人と戦闘となり、新入生に手に負えないと見たら、参戦する

リーゼ・ガルシュタイン 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:1
獲得称号:---
めいろかぁ・・リーゼよくわかんないから、みんなのあとについていくよ。ごぶりんがでるってきいたけど、だいじょうぶ!リーゼ、ごぶりんどういうやつか、しってるもんね!【魔物学】こっちくるなら、ぱんちでやっつける!【真中正拳突き】にげたって、リーゼ【ラド】つかえるもんね

わなは、がまん!する!【無痛のいたみ】

ソフィーア・ル・ソレイユ 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:1
獲得称号:---
同行者:アルフィオーネ・ブランエトワル

基本的に参加はせず、後ろから見守る。アルフィオーネと共にお茶会の準備をする

ただし、万が一、犯人と戦闘となり、新入生には荷が重いと、判断された場合は参戦する。

戦闘では、挑発で敵を引き付け、防御に徹する。

「我が相手だ、ちんどん屋ごとき、我の敵ではない!」

アドリブA

シキア・エラルド 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:1
獲得称号:---
メメル先生が攫われるなんて…っ!(「演技」中)
んじゃ、行こっか

・目的
新入生及び味方のサポート

・行動
前衛の子が多いから俺は中衛で
道中は【動作察知】【危機察知】で罠の探知を
発見時は味方へ伝達

戦闘は【演奏】で回復
及び【マド】で援護攻撃

怪傑とは交渉を
戦闘は最終手段
穏便に行こうねセンパイ?

ヒナ・ジム 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:1
獲得称号:---
ごぶりんさんがいっぱいでるんだよね。
ヒナの斧でばったばったきるよ!

こうちょうせんせい、ヒナ、だいすき。
かえしてもらえなかったら…ヒナ、ゆるさないんだから!

ということで、主に前衛担当で頑張ります!

アケルナー・エリダヌス 個人成績:

獲得経験:117 = 97全体 + 20個別
獲得報酬:0 = 0全体 + 0個別
獲得友情:500
獲得努力:100
獲得希望:10

獲得単位:1
獲得称号:---
私は初心者の遺跡で戦う後輩諸君の援護に回るよ
光源にキラキラ石を用意

メインは後輩諸君に頑張って貰うけど、死角から狙われたり、突出してピンチになってる仲間が居たら、盾を構え衝撃享受で庇ったり、槍を構え全力防御

攻撃を凌いだら、二連突きで敵に痛撃を
止めは後輩に譲ろう

適度に援護したら、先輩に捕まる前に退散だね

リザルト Result

●手紙
 それは、女子寮での小さなワンシーンだった。
「ねえちょっと、これってあんたに向けた手紙じゃない?」
 級友から声をかけられ黒いツインテールの少女は振り向くと、便箋を見つめた。
 便箋には『怪傑様へ』と記されていた。それを見て少女は少し思案すると受け取り、懐にしまった。
「成程ね。じゃ、あたしがその怪傑様に渡しとくわ」
「はいはい」
 立ち去る少女の背を、級友は苦笑いを浮かべて見送った。

●非常時?
 学園長が『メモワール・ド・コスプレ』なる怪人にさらわれた。冗談であってほしい話だが、それは確かに事実として生徒達に伝えられた。

「そんな。メメル先生が攫われるなんて……っ!」
 その事実に【シキア・エラルド】に衝撃が走り、小さく仰け反って後ずさった。口元を押さえ、端正な顔は血の気が引いて青ざめきっている。
 『まさかそのようなことが、いやでも』と顎に手を添えて考え込むシキアだが、【アーリア・フェブルウス】が彼に向けるまなざしは優しさだけでなく少し呆れを含んでいた。
(まったくもう、悪い癖が出た)
 シキアとの付き合いが長いアーリアは、彼の驚嘆は全くの演技だと見抜いていた。シキアには、楽しそうなことがあるとすぐに首を突っ込みたがる好奇心がある。今回は敢えて状況に乗ってみたのだろう。
 今回はどのようなことをやらかしてしまうのか。それでシキアに危害が及んでしまわないか、アーリアは気が気ではなかった。

「パールラミタせんせぇ~? 初心者の遺跡のことなんですけどぉ」
 【アウィン・クロキ】は早速、【パールラミタ・クルパー】に声をかけていた。目的のものが『初心者の遺跡』にあるというのなら、そこを管理している人物から話を聞いておいた方がいいと考えたからだ。
「はいはーい、遺跡だねー?」
「そうですよぉ~」
「うーんとねー初心者の遺跡はー今はねー?」
「はい~」
「今はー閉鎖しているからー罠はー少なくてねー」
「まぁ~」
 パールラミタの間延びした口調にアウィンは相槌を入れる。お互いの間延びしたような口調が見事に噛み合い、2人の間には実にゆるゆるでぽわぽわな空間が生じていた。
 そんな2人の会話を傍目に、【アルフィオーネ・ブランエトワル】は顎に手を添えて今起きている状況を推察していた。
(メメタンがさらわれる? こんなタイミングでこんな大掛かりに?)
 そんな神妙な表情のアルフィオーネを見た【ソフィーア・ル・ソレイユ】は、彼女に小声で話しかけた。
「なぁ、レーヌ。この騒動ってもしや……」
「ええ、多分考えてる事は一緒。被害者が実は主犯なんて、手垢まみれの手法だわ」
 アルフィオーネはきっぱりと言い切った。学園長の人柄を少なからず知っているなら、そのような結論に行きつかない方がおかしいくらいだ。
 だが、単独犯ではなさそうとすると、一体誰が学園長を誘拐したのだろうか。
「……ネオネ先生?」
 ソフィーアは購買部の仕入れを担当している黒幕・暗躍コースの先生を思い浮かべた。確かにあのミステリアスな先生にならやれそうな気はするが、確証はなかった。
 何にしてもこれが質の悪い彼等なりの歓迎だとしても、先輩としては新入生を後ろから見守るだけにしようとアルフィオーネは思った。

 この異常事態に疑問を抱く者は他にもいた。
(今回のはいつものおふざけじゃないのか?)
 学園長に振り回されることに定評のある【仁和・貴人】(にわ たかと)の表情は、仮面の上からでは窺えない。然し、深く考え込むその姿から、複雑な心境には違いなかった。
 確かに学園長はいつもいつもふざけたり戯れてばかりで、シリアス成分など控えめに言って塵芥程度しかない。今回は、何者かは知らないが大人数を動員しているとは言え、やはりシリアスが足りないように感じたのだ。
(何を考えているんだ……)
 とりあえず、事態が収束したら軽く窘めに行こうと貴人は思った。
 また、ある事に気が付いて確信した先輩もいた。薄紫の異質な肌を持つカルマの【ラピャタミャク・タラタタララタ】である。
(『ヨ・スデソ・ウ水晶』とは、またとんちきな名前じゃな)
 この妙な名前の水晶は、メモワール・ド・コスプレが学園長の身柄と引き換えに要求した謎の品物である。実際、コルネ先生は知らなかったらしい。
 実在するらしいからいいのだがこの水晶、逆から読んでみたことでラピャタミャクはこの事態がSSM(そこまでにしておけよメメたん)案件だと悟ったのだ。
 とりあえずはあまり難しく考え込まず、皆で頑張って終わらせようとラピャタミャクは思った。
「ぷっ……コスプレ先輩、か。そいつはいい」
 異質な仮面をつけたローレライの麗人【アケルナー・エリダヌス】は、何故か咽ぶように笑っていた。
 この異様な事態や、明らかな茶番であることに笑っていたのではない。何の冗談で現れたか、メモワール・ド・コスプレという偽物がツボにはまったらしい。本物と面識があるだけに、尚の事おかしかったのだろう。
 因みにその本物、誰が名付けたか『コスプレ仮面』なる不名誉なあだ名がある。実際のところ的を射ているのだが、偽者が因んで名乗ろうとは思わなかったのだ。
 ここでアケルナーはハッとして、笑うのをやめて周囲の気配を探った。まさか本物が背後に立っていないかと思ったが、どうやら杞憂だったようだ。

「はーい、それじゃーみんなーそろそろ行くんだねー」
 やや時間がかかったものの、パールラミタはアウィンに説明を終えると、生徒達に移動を促した。
 新入生達は気合が入っていたり、また不安そうだったり、今一つ状況を把握できていなかったりと様々だが、少なくともやる気は十分に感じられた。
「きっちり、報いを受けてもらいます」
「……」
「それでは参りましょぉ~」
 そしてまた彼もすっかり切り替えていた。
「んじゃ、行こっかリア兄」
「行こっかって……はぁ」
 先程の狼狽えぶりはどこへやら。シキアはけろっとした表情で、先輩としてアーリアを先導した。
 アーリアは一目見て分かっているし、すっかり慣れているとは言え、こういうところがシキアの少し困ったところだと思っていた。それでも、この事態を楽観視するわけではないが、アーリアはあまり深く心配する必要は無いだろうと思った。

●探検
 それから一行は、パールラミタに連れられて初心者の遺跡の前まで来た。
 遺跡と一くくりに言っても多々あるが、石造りの大きな岩屋といったところだろうか。学園の設備であるにもかかわらず、その外観は実際に何か歴史を感じられる本物の遺跡のようだった。
 パールラミタは遺跡の石段を登り、一枚岩でできた扉の前に立つと何かを唱え始めた。聞きなれない言葉を唱えているようだが、暫くするとパールラミタは扉を両手でぐっと押して開けた。
「おまたせーだねー。開錠が終わったからーみんな入っていってねー」
 学園の施設だけあり、魔法か何かの特殊な錠前が施してあったようだ。そうしなければ生徒が勝手に入ってしまうからだろう。
 準備が整ったところで、パールラミタはついてきた生徒の1人を見て『まあ』と口をあんぐりと開けていた。
「んーやっぱりちょっと待ってー。キミはーリーゼちゃんだねー?」
「はいっ、リーゼはリーゼだよ?」
 パールラミタに呼ばれた【リーゼ・ガルシュタイン】は、小さく首を傾げつつ元気に返事をした。そんなリーゼをパールラミタは後ろに退きながら見上げていた。
 最初は遠近法の悪戯だと思っていたが、今になってやっとパールラミタはリーゼの背丈に圧倒された。初心者の遺跡はそこそこの広さがあるはずだが、ここまで背が高い人物が挑むことは想定していないのだ。
「えっとー……しっかり屈んでー頭に気を付けて進んでねー? 危ないからねー。もし打って怪我をしたらーすぐに先生に見せるんだよー」
「わかりました!」
 元気よくリーゼは返事をした。多少の罠なら痛くないから我慢して突き進もうと思っていたが、パールラミタに特別に気にかけてもらえて嬉しくなったのだった。

 小さなトラブルがあったものの、程なくして一行は初心者の遺跡に入っていった。
 作戦という程のものはなく、主に新入生が先行し、先輩達とパールラミタが後ろからサポートする形で遺跡を探索することとなった。無論、例の水晶の場所はパールラミタしか知らないため、分かれ道などに出くわしたらその都度どちらに行けばいいか教えていく感じとなる。
 普段の初心者の遺跡ならちゃんとそれなりに用心して進まなければ、すぐに入り口に強制転移されてしまう場所だ。しかし今回は罠は殆ど稼動していないし、踏破に失敗した際の安全目的で作用する強制転移魔法もない。
 念のため、アケルナーはキラキラ石を持参してきていたが、遺跡内部が純度の高いキラキラ石を光源にして通路を照らしていた。そのため今は必要ないだろうと、懐のそれの感触を確かめた。

 新入生の歓迎から奇妙な事態となってしまい、少しの不安を胸にする生徒がいた。ここ最近入ってきた新入生の【フュソメイ・ザクリョーシノ】だ。
(怪傑様……)
 柳眉を低くしているが、その表情は固まっているようでフュソメイの心情を窺えるものはこの場にいなかった。
 今朝、学園にいるという噂の怪傑に手紙をしたためたが、それは無事に届いただろうか。この事態に片が付いた時、怪傑は茶室に来てくれるだろうか。唯、待ちわびるしかないという不安で胸で一杯だった。
 また、その怪傑に名前が類似した奇妙な怪人が現れたが、それは果たしてどのような人物なのだろうか。もしかしたら、本物の怪傑がやってきて偽物を倒すかもしれない。然し、もし彼女が負けることがあるとしたら……?
 フュソメイは小さく頭を左右に振って、想像をやめた。

 また一方で、【リンカ・ナツキ】の心境はただ真っすぐにものを見ていた。
(ここでゴブリンを何とかして 早くガクエンチョーを助ける……!)
 ぼさぼさに伸ばした長い黄色の髪、裾丈が長くぶかぶかしたセーターを1枚だけ着込んだ姿は少々異様だ。然しその両目に曇りはなく、宿る強い使命が光となって輝いていた。
 リンカがこの学園にやってきた理由は、学園に入って強くなることを目指したから。強くなったその先にある使命が彼女の動機だが、その使命は彼女しか知りえない。
 リンカがこの事態を乗り越えた先に何を見出すのか。それはリンカ自身にも分からなかった。

 やがて、通路を少し進んできたところで、ラピャタミャクが新入生達に塞がるように立ちはだかって振り返った。
「さて。ここで敢えてズカズカ進んで、どんな罠があるのかを見せてやろう」
「わあ~ラピャt、ラパ、ラピュっ……あぅぅ」
「ラピ子でいいのじゃ」
「はい、ラピ子ちゃんすごいかっこいいです!」
 ラピャタミャクの思いがけない提案に、【ヒナ・ジム】は感激した。何しろ、体を張って罠を作動させて道を開こうというのだ。それはしっかりと経験を積んだ先輩でなければ到底できない芸当だ。
 そこで、頭を両手で押さえて屈みながら進んでいるリーゼが割り込んできた。
「リーゼもカルマだから、いたくないからやってみる!」
「それはーちょっと待ってだよー」
 リーゼも張り切っていたがこれはパールラミタに阻止された。何しろ遺跡に入り今に至るまでに、3度天井に頭をぶつけたのだ。運よく怪我らしい怪我はないが、移動自体がおぼつかない生徒にそのような真似をさせるわけにはいかなかった。
「うむ、ここはあちきに任せて、見て学ぶのじゃ」
「はい!」
 リーゼが納得したところでラピャタミャクは先陣を切って遺跡の通路を突き進んだ。
 通路を突き進んだ。
 突き進んだ。
 進んだ。
 進む。
 進めば、
 進もう!
「……」
「……」
 一行の間に奇妙な沈黙が漂う。特に言い出しっぺのラピャタミャクは、薄紫色の顔を少し赤くしていた。
 それは気まずさや気恥ずかしさというべき、筆舌しがたいデリケートな感情だった。誰かが悪いだのと言ったものではないが、ラピャタミャクに声をかけられる雰囲気ではなかった。
「……まあー運がよかったんだとー思うんだよー?」
「ラピ子ちゃん、すごいのです!」
 パールラミタはフォローを入れ、ヒナは嘘偽りなく感激していたが、ラピャタミャクは暫く振り向くことができなかった。

●初戦闘
 閑話休題。
 パールラミタの案内もあり遺跡探検も奥まってきたところで少し開けた部屋に出た。ここなら天井が高くリーゼも問題なく立てた。
 そこにいたのは大量のゴブリンだ。これらを倒さない限り、先に進むのは難しい。
「ここは少し任せてもらえませんか」
 各々が武器を構え始めた時、リンカが止めてきた。それを不思議に思ったアウィンが尋ねる。
「リンカちゃん、どうしたのぉ~?」
「ここはゴブリンと交渉してみます。上手くやれれば、戦闘を回避できるかもしれません」
 リンカの提案に誰もが目を丸くした。誰もが戦って通り抜けようと思っていただけに、話で解決を図ろうとは。
 果たしてそんなのが通じる相手なのかと先輩の誰もが思ったが、パールラミタが助け舟を出した。
「やるだけやってみてもーいいと思うよー? でもーすっごく難しいと思うんだねー」
「ダメだったら、その時はやむをえません。戦います」
「それならいいよー」
 全員を納得させたリンカは、近くにいたゴブリンにゆっくりと近づいた。
『ギャッ?』
 思わぬ珍客にゴブリンもついぞ呆気に取られてしまったらしい。ここでリンカは身振り手振りを交えて言葉を交わした。 
「ボク達に敵意はありません。この先に向かいたいだけなので、どうか見逃してください」
『ギャギャッ?』
「この先にある品物を手に入れないと大変なことになります。その為にも、無駄な血を流さないのがお互いの為だと思います」
 リンカは頑張って、更に大袈裟なジェスチャーや誠心誠意を込めてゴブリンを説得するが……。
『ギャッハーッ!』
 説得は虚しくも通じず、ゴブリンは雄たけびを上げて目の前のリンカに飛び掛かってきた。ゴブリンという魔物の知能は低く、本能のままに動き、己の欲望に忠実なのである。こちらの都合など知ったことではなかったという事だろう。
 やむなくリンカは反撃にゴブリンの腹に正拳を打ち込んで退けた。これが、ゴブリンとの群れとの戦闘の合図となった。
 次々と殺到するゴブリンに対し、生徒達一行は迎え撃つ準備はできていた。

 そこそこに経験を積んだ生徒には、ゴブリンはもはや敵ではない。その為、新入生を迎えた先輩達は適度に援護する形をとっていた。
「わたしたちが全部お膳立てしたのでは、訓練にならないでしょ?」
「ぼくらだって、新人のころ、先輩に手助けしてもらったりしてただろう」
 少し突き放すようにアルフィオーネの言葉に、ソフィーアが言った。変わった事態に巻き込まれているとは言え、ここが『初心者の遺跡』という場所であり、新入生と共に入ったのならまさにいい機会である。
「危うくなったらすぐに駆け付ける。だから落ち着いて戦って」
 アケルナーはそう言って新入生達ににこりと笑いかけた。頼りになる先輩が援護してくれるし、更に薬学の先生をしているパールラミタもついているのだから、敗北する方が難しいだろう。
 ならば、無理をせずやれるだけの事をやって、ゴブリンを倒すことに専念すればいい。

「え~いっ!」
 アウィンの肥大化した右手の爪が、近くのゴブリンを容赦なく引き裂いた。その掛け声はゆるいものの、アウィンは問題なく戦えていた。
「モニスちゃん、そっち~」
 同様に前に出て戦っている【モニス・ショトケ】に、アウィンが注意を促した。今この部屋にいるゴブリンの総数からすれば、新入生に任せられる範囲とは言え、油断は禁物だ。
 また、あらかじめパールラミタから聞いた話では、ゴブリンは主に今いるような大部屋にたむろしており、通路で遭遇することは稀だということらしい。アウィンは行き止まりや挟み撃ちなどを懸念していたが、気にする必要がなくなった為、存分に武器や杖を振るうことができた。

「見わたす限り、かすみか、雲か」
 フュソメイの繊細な歌声と弦楽器の音色が空間に響き、ゴブリンから戦う力を奪う。彼女にとって初めての戦闘となるが、これもただ1つの過程に過ぎず、大した意味などないのかもしれない。
 そもそも、大変な無口であるフュソメイが戦闘で歌を披露することにどんな意味があるのか。
 誰かのため? 自身のため?
 それとも、自らを作り上げた……?
 少なくとも、目の前で斃れるゴブリンに答えなど無かったのは確かだった。

 少し後方では、アーリアが水晶で作られた杖を握りしめて祈りを捧げた。
 願いが届くのには少し時間がかかるが、これもまた確実な癒しの力であり、前に立つ仲間には必要なものだ。
 暫くして祈りはヒナに届き、彼女が負った傷をある程度癒した。 
「おにいさんありがとう!」
「どういたしまして」
 戦闘中ながら律義にシンプルなお礼の言葉を述べたヒナに、アーリアもにこりと微笑んで言葉を返した。
 ヒナは新入生というにはもっと早くに学園に来ていた。だが、初めて受けた課題で武器を振るったことは無く、これが初めての実戦だった。
(みんなとこうちょうせんせいををいじめるのは、ヒナ、ゆるさないんだから!)
 ヒナが振るう斧は皆の為に。
 恐ろしいものから守ろうと願う純粋な優しさ故に。
 ただそれだけでヒナは、どれほど恐ろしいものとも戦っていく覚悟があった。

「こっちからいくよ、えーいっ!」
 リーゼは右腕をぐるぐると振り回すと、ゴブリンに近づいてばしっと正拳突きを叩きこんだ。受けたゴブリンは仰け反る間もなく吹き飛んでしまった。
 周囲にいたゴブリンは及び腰になりながらリーゼを見上げていた。
 それはそうだろう、何しろ自分達よりもはるかに背の高い、建物の如き『少女』など見たことがないのだ。そのような存在に打ちのめされた結果が、先程のゴブリンだ。ボロ雑巾のようになって吹き飛ばされるだろう。
 明らかな不利を悟ったゴブリンは逃げようとしたが、リーゼは電撃の玉を放って追い打ちをかけていく。

 やがて、最後のゴブリンが力尽き、石の床に伏せた。
 前に出て戦っていた新入生達にシキアは声をかけた。
「みんなお疲れ様。よく頑張ったね」
 笑顔を見せてねぎらうと、シキアは横笛を吹き、澄んだ音色を部屋中に広げていく。穏やかで懐かしさを感じる優しい旋律が皆の気力を満たしていった。
「これじゃあまだまだ……早く、シアを支えられるようにならないとね」
 横笛を奏でるシキアをアーリアは真摯に見つめていた。2人の過去は期待されるという苦痛によって、あるべき幸福を奪われるだけの日々だった。だからアーリアは、今の沢山笑うシキアを見て心から安堵すると同時に、これからもシキアを不幸にしないのだと心に決めていた。

「これで―良しだねー」
 それから、パールラミタは生徒達が受けた傷を治療し終えた。他にも治療を請け負おうとする生徒がいたが、皆は余力を残してほしいというパールラミタの提案により、彼女が1人で全員の治療を行ったのだ。
 多くの新入生にとっての初めての戦闘だったが、大きな怪我を負った者が出なかったことに安堵していた。それも先輩達の支援のおかげだろう。
 そして準備を整えたところで、一行は再び遺跡の奥へと向かった。今回はラピャタミャクに強行させるのではなく、アーリアとシキアが罠を察知しながら進んだ。

 それから、パールラミタが指示したとおりに道を進んでいくと、唐突にパールラミタが声をかけた。
「はいーここでちょっと待ってねー」
 ここは何だろうか。何の変哲もない通路のようだが……?
 するとパールラミタは、一見して何の変哲もない壁に向かって何かを唱え始めた。この遺跡の扉を開けたのと同じような感じだが、詠唱を終えると壁だった場所が霧が晴れていくように消え、隠れた通路が現れた。
 先も見たとはいえ、本格的な探検のような光景に新入生達から感嘆の声が漏れた。
「みんなーついてきてねー? 倉庫はー非常用の脱出口にも繋がっているからー」
 パールラミタが先行し、現れた通路を進んでいくと、少し埃っぽい開けた場所に出た。何に使うのか分からないが、物干し竿のような棒が立てかけられていたり、何だかよく分からないアイテムが置かれていた。
 パールラミタは奥の方でごそごそと何かを探っていたが、やがて何かを手に取ってきた。
 大きさは手のひら大といったところだろうか。その水晶は洗練されていない六角柱のような形だった。
「これがー『ヨ・スデソ・ウ水晶』だよー。それじゃーえっとー近いからキミに預けるねー?」
「……!」
 パールラミタはそう言ってフュソメイに近づき、背の高い彼女に掲げるようにして水晶を手渡した。思いがけず重要な役を担うことになったフュソメイの表情がより硬くなったように見える。
「それじゃーあっちの方の階段を上っていったらー外に出られるからー先に行っててねー。ボクはー後片付けとか色々やってからー出るからねー」
 どうやら、パールラミタはここまでとなるらしい。どの道、怪人との交渉は自らの力でやることになっていて頼ろうとは考えていなかった。
「こうちょうせんせいは、かえしてもらいます……!」
 脱出用の階段をのぼりながら、ヒナは決意を胸に独り言ちた。

●お茶会と茶目っ気と茶番
 一行が階段を上りきると、初心者の遺跡の近くの広場に出た。最後の1人が上りきった時、階段が跡形もなく消えていたが、それは今は気にする必要はなかった。
 するとここで、
「さてと、急ぎたいのは分かるけど、休憩も必要よ」
 思いがけないタイミングでアルフィオーネが提案してきた。それに続くようにソフィーアが地面にシートを敷き始めた。
「な、何……!?」
「わあ、ねーねのおちゃかい!!」
 アルフィオーネ達の思わぬ行動にリンカやモニスは思わず狼狽えたが、リーゼは目を輝かせて喜んだ。
 またしても奇妙な流れになったが、確かに遺跡を潜って少し疲れが溜まってきていた。少し休んでから、あの怪人と接触しに行っても遅くはないだろう。
「いいね、俺も手伝うよ」
「待って、ぼくもやるよ」
 乗り気になったシキアもお茶の準備を手伝い始めた。その切り替わりようにアーリアは一瞬目を丸くしたが、すぐにシキアに倣った。

 それから程なくして、広場にはお茶と焼き菓子の香りが漂っていた。その香りが、遺跡で溜まっていた疲れを解きほぐしていく。
「あちし、そのマドレーヌをいただくぞ!」
「あらぁ~先に取られちゃったぁ」
「では、半分個ずつなのじゃ!」
「ありがとぉ~」
 ラピャタミャクはマドレーヌを半分にちぎり、アウィンに手渡した。
「おいしいクッキーなの!」
「……っ」
 また一方でヒナがクッキーを手に取り、フュソメイも続けて手を伸ばした。
「リーゼがんばったよ。ねーね、あたまなでなでして?」
「ええ。リーゼの頑張りはしかと見ていたわ。でも、頭はちょっと高いわね……」
 リーゼはぐっと頭を下げたところで、アルフィオーネは小さく羽ばたいてリーゼの頭をそっと撫でた。

 弛緩した時間がここにはあった。実際には高学年の先輩達も総動員の大騒動になっているはずだが、急いでも成功することはそうそうないのだ。
 だが、仮面で表情はうかがえないが、貴人は何かを考え込んでいた。
(こんな状況ができたのは偶然だ。然し……こういった状況で、メメたんが何もしない筈はない)
 学園長に振り回されてきた貴人の勘が冴えわたる。今は学園長は人質という立場にある。然し、本当にそんな理由で今のような楽しい状況を逃すだろうか。
「こらこら貴人たん、呆けていたらお茶が冷めてしまうぞ?」
「済まない、少し考え事をしていたんだ」
「んも~☆ 相変わらず貴人たんってば生真面目だな♪」
「誰がそうさせて…………ブフォッ!?」
 貴人は口につけていた紅茶のカップに盛大に噴き出した。更に紅茶が肺に入り、暫くゴホゴホとむせてしまった。
 他の生徒も貴人の異常に気付き、やっと初めて想定外の事態に気付いた。
「いいお茶だな☆ ソロヴィたん、ちょっとそこのチョコクッキーを取ってくれんか?」
「今は『仮装の記憶』に過ぎんのだがなァ、学園長。はい、あーんだ」
「むしゃむしゃ……おぉ、結構いけるな!」
 そこには、確かに誘拐されたはずの学園長【メメ・メメル】と、大胆な意匠の旗袍(チーパオ)を着込んだ黒髪のツインテールの少女がいた。
 状況が突飛すぎて頭が付いてこれていないが、メメルの隣にいる人物は、衣服を除けばあの怪傑とよく似ていた。
「いや、何かが……」
「ちょっと、いつの間に!?」
「コスプレ先輩……!?」
 だが、一度は面識のある貴人とアルフィオーネとアケルナーは、ここにいる怪傑と思わしき人物に違和感を感じていた。漂う雰囲気や口調が、あの怪傑とまるで異なっていたからだ。
「さて学園長、栄養補給が済んだところで本来の役目に戻らないか?」
「おっと、忘れてしまうところだったぞ」
 そう言うと、怪傑と思わしき少女は、メメルを小脇に抱えながら、広場の高台に跳躍した。
「ははは、私こそがメモワール・ド・コスプレ! 学園長を返してほしくば、ヨ・スデソ・ウ水晶を渡してもらおうではないか」
「きゃーいやーたーすけてー☆」
 唐突に唐突が重なって一同は一瞬呆気にとられるが、メメルの棒読みの悲鳴にヒナの怒りが爆発した。
「校長先生を虐める悪い子は、絶ぇっ対に許さないんだから!」
「おォ? 無垢なのがいたものだなァ」
 アークライトの光の力を覚醒させたヒナが戦斧を構え、メモワール・ド・コスプレと自称した怪人に突撃する。が、怪人は何処から出したか細長い宝剣を右手に握ると、抜きもせずその鞘でヒナの一撃を受け止めた。
「果敢なのは素晴らしい。が、安易に怒りに衝き動かされるようではなァ」
 そして宝剣をくるりと捻ると、ヒナは容易く弾かれてしまった。
「くうっ……!」
「とっとっと……このちんどん屋……!」
 弾き飛ばされたヒナの小さな体を、ソフィーアがぐっと受け止めた。
 それはまさに赤子の手を捻るかのようだった。おかしな姿をしているが、この怪人は間違いなく強い。
「さて、もう一度言うが水晶を渡してもらうだけで済む話なのだがなァ」
「あーれーオレサマに構うなーやれー♪」
「くくっ、学園長も人が悪い。割を食うのは私なのだがなァ」
 緊張感のない会話をする怪人とメメル。だが、確かにこのままではらちが明かない。
 例の水晶はフュソメイが持っているのだ。だが、本当にここで渡そうとしてもいいのだろうか? まだ何かやれることがあるのではないか?
(怪傑様……っ!)
 どうするのが正解なのか分からないフュソメイは、懐の水晶をぐっと握りしめていた。
 一先ず状況を仕切り直すため、アーリアが出て交渉しようとしたその時だった。
『!』
 背後から雷鳴の如き銃声が鳴り響いたと同時に、怪人の眉間が撃ち抜かれ仰け反る。
 突然の事態に、その場にいる誰もが銃声の方に振り向いた。
 そこには狼の顔を削ぎ落したような仮面を被り、赤い冬服を纏い、赤いケープを羽織り、葡萄酒と林檎を入れた籠を携え、赤い頭巾を被った少女が立っていた。大鋏と猟銃を組み合わせた異様な武器の先端から、微かに煙が立ち上っていた。
「舞台装置のカミサマが来てやったわよ」
 絶妙なタイミングで来た彼女こそ、本物の【ミロワール・ド・スクレ】だった。意外にも静かな口調だったが、異様に感じる服装と武器から、シキアは彼女の猛烈な怒りを感じとった。
 生徒達は唖然としていたが、メメルは怪人の腕の中で『てへっ』と舌をぺろりと出した。
 すると、メメルを抱えたままの怪人がくつくつと笑い出すと、メメルを抱えたまま向き直り、スッと旗袍を脱ぎ捨てた。
 そこに立っていたのは、肉食獣のようにほっそりとした目と三日月のように吊り上がる不敵な口角、薄い亜麻色の長髪、山の如き背丈と褐色の肌を大胆なイブニングドレスで纏った女性だった。だが、その額は少し赤くなっていた。
「くくっ、流石に痛かったぞ」
「痛くしてやったのよ。ソロヴィ先生」
 僅かな挑発を含めてスクレは言った。
 怪人と怪傑の意外な関係にアケルナーは少し驚いたが、少し推測してすぐに納得出来た。
(同族嫌悪?)
 この師匠にしてこの弟子あり、か? おかしさが込み上がり、アケルナーは必死に堪えた。
「ふぅ、誰もがソロヴィソロヴィと……私には【ヴィミラツィカ・サラヴィシチェ】という名があるのだがなァ」
 怪人ことヴィミラツィカは少々悲観したように言うが、
「読みづらいのよ」
 スクレはバッサリと切り捨てた。
 生徒達は完全に置いてけぼりになっていたが、そこでスクレが助け舟を出した。
「あなたはそのまま抱えて渡さないで。あたしはちょっと、あの女をコロコロしに行ってくるから」
 後半の一言が過激だが、水晶を抱えていたフュソメイは勢いで頷いた。
「それと、素敵なお誘いありがとね♪」
「!」
 そう言うと、大鋏を大きく開いたスクレが、ヴィミラツィカに一気に詰め寄った。
「やれやれ、人質を抱えたままではなァ。悪役としてここは退かせてもらおう」
 そう言うとヴィミラツィカはメメルをそっと下ろし、即座に宝剣で大鋏を受け止めると、そのまま暗闇に紛れるように退散していった。
「待ちなさい! 今度という今度は……!」
 そして追いかけていくスクレもやがて暗闇に消えていった。

 何たる結末だろうか。結局は茶番で終わってしまった。
 生徒達に虚しいだけの疲れが残った。が、それでも貴人はメメルの肩をポンと叩く。
「はしゃぐのはいいとして、周りにちゃんと説明してからやろうぜ、メメたん」
「むぅ。オレサマは、抜き打ち訓練として関係者に色々伝えておくように、ソロヴィたんに頼んどいたぞ?」
 思わぬ言葉がメメルから飛び出た。つまり、あの先生が余計な事を考えた為にこの珍事となったのである。
 更にどっと疲れが押し寄せてきた。少なくとも、あの先生に関わる時は気を付けた方が良さそうだ。

 尚、リーゼだけはお茶会の最中にうとうとして、既に小さな寝息を立てていたのだった。



課題評価
課題経験:97
課題報酬:0
【体験】メメ・メメル誘拐じけ……んん?
執筆:機百 GM


《【体験】メメ・メメル誘拐じけ……んん?》 会議室 MeetingRoom

コルネ・ワルフルド
課題に関する意見交換は、ここでできるよ!
まずは挨拶をして、一緒に課題に挑戦する仲間とコミュニケーションを取るのがオススメだよ!
課題のやり方は1つじゃないから、互いの意見を尊重しつつ、達成できるように頑張ってみてね!

《新入生》 アーリア・フェブルウス (No 1) 2020-11-16 01:58:17
あの学園長が誘拐される…明日は槍の雨でも降るのかな…?

っと、アーリア・フェブルウスだよ。
得意なことは回復かな…?

さて、水晶を取りに行ったあとどうするか考えたほうがいいかな?

《新入生》 リンカ・ナツキ (No 2) 2020-11-16 07:09:40
おはようございます、ボクはリンカ・ナツキです。
お前らよろしくお願いします。

水晶取ったら怪人をおびき出して殴るんじゃないんですか?

《新入生》 フュソメイ・ザクリョーシノ (No 3) 2020-11-16 16:26:26
……(片手剣と簪を左側に置き、正座をして三つ指をつく)
……(名前を書いた書簡を見せる。フュソメイ・ザクリョーシノと書かれている)

……(首をかしげたて少し考えるそぶりをし、自らの髪でツインテールを形作ってお願いする仕草を見せる)

《新入生》 アーリア・フェブルウス (No 4) 2020-11-17 06:01:27
殴る…拳と拳とでの会話だね。
あとは、えっと、そのジェスチャーは、怪盗さんに、お願いをするでいいのかな?

できれば、穏便に行けたらいいなと思っているよ。
なんで攫うの学園長だったのかすごい気になるし

《新入生》 リンカ・ナツキ (No 5) 2020-11-17 07:42:51
いえ、違いますよ。
仲間かどうかはともかく、ガクエンチョーにはお世話になった恩がありますからね。
ボクの恩人にちょっかいをだした報いを受けてもらおうと思っただけです。

お願いして聞いてくれるでしょうか?
怪人が求めているのは水晶の様ですから、水晶を人質にとってガクエンチョーと交換するように脅すのはどうですか?

《新入生》 フュソメイ・ザクリョーシノ (No 6) 2020-11-17 20:48:43
……(こくこく)

人はいさ 心も知らず 押す波は 身のいたづらに なりぬべきかな

《新入生》 フュソメイ・ザクリョーシノ (No 7) 2020-11-17 20:50:42
……(身振り手振りで茶番は茶番で終わらせたいと伝えようと努力している)

《新入生》 アウィン・クロキ (No 8) 2020-11-17 21:42:11
こんにちは~魔王コースのアウィンっていうの。
みんなよろしくねぇ。学園長せんせいが攫われちゃったって聞いたんだけど………?(首傾げ)

うんうん、できればわたしも穏便にいけたらなって思うぁ?
その為にも、それまでの道中でもなるべく怪我しないようにしなくっちゃ~

《新入生》 フュソメイ・ザクリョーシノ (No 9) 2020-11-18 01:45:54
……(こくこく)

《新入生》 リンカ・ナツキ (No 10) 2020-11-19 05:34:58
穏便ってどういう事でしょう?
殴りも脅しも無しでお話だけ、という事でしょうか?
それならそれでどういうお話をするのか決めておいた方がいいかもしれませんね。
お前らは何か案はありますか?

《新入生》 アーリア・フェブルウス (No 11) 2020-11-19 06:08:01
んー…ベタベタだけど、水晶と同時に引き渡してもらうとかかな。

水晶も渡したくないなら、交渉班と奪還班に別れて、片方が交渉している間に、
学園長を背後から奪還…とかじゃないかな?

脅すという手段を取って逆上が一番怖い流れな気がするよ

《新入生》 フュソメイ・ザクリョーシノ (No 12) 2020-11-19 14:25:02
…蛇の道は蛇。

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 13) 2020-11-21 21:18:38
新入生のみなさん、入学おめでとう。

わたしはバックアップに回るので、安心してダンジョンアタックしてね。

ダンジョン攻略後は一旦休憩して、ティータイムにしましょう。ハーブティーとパンケーキを準備して待っているわ。

《新入生》 リーゼ・ガルシュタイン (No 14) 2020-11-21 21:30:48
ねーねのぱんけーきたのしみだな~リーゼがんばるっ!

《ビキニマン》 ソフィーア・ル・ソレイユ (No 15) 2020-11-21 21:55:39
やぁ、ぼくはソフィーア・ル・ソレイユ。専攻は武神・無双コースだ。

ぼくも今回はバックアップに回って、レーヌ(アルフィオーネ)の手伝いをするつもりだ。だが、万が一、助けがいるときは遠慮なく頼ってくれ

《新入生》 アーリア・フェブルウス (No 16) 2020-11-21 22:03:54
おや、頼もしい援軍だね。よろしくお願いするよ。

さて、方針がまだ定まってない訳だが…どうしようか?

《新入生》 フュソメイ・ザクリョーシノ (No 17) 2020-11-22 01:24:54
……(三つ指をついて礼をする)

……(フュソメイ・ザクリョーシノと書かれた書簡を取り出して見せる)

……(新しい書簡に筆で個人の方針を記述しスッと差し出した。そこには妙な達筆でこう書かれている)

「戦場では楽器を用ひて補助をいたしましょう。水晶を手に入れたのちには、それをもって怪傑様にご協力を依頼しにお伺いしたく存じます。」

《幸便の祈祷師》 アルフィオーネ・ブランエトワル (No 18) 2020-11-22 05:00:07
怪傑メモワール・ド・コスプレさんとやらは、水晶と引き換えに学園長を返すと言っているから、それに従えばいいのではないかしら?

もし、返してもらえなければ、実力行使しかないわね。学園長がちょっと怪我をするかもしれないけれど、無傷で取り返せとは言われていないから、問題ないわ

《新入生》 リンカ・ナツキ (No 19) 2020-11-22 10:10:05
方針は水晶との交換を申し出る、という方向で良いのではないでしょうか?
先にガクエンチョーを離さなきゃ水晶を叩き割ると脅した方が確実かと思いましたが、どうやら危険の様ですしね。

ゴブリンと遭遇した場合はボクが交渉してみますので、怪傑との交渉はお前らに任せていいですか?
当然ですが、どちらも確実に成功するという保証はないので戦闘の準備はしっかりしておきましょう。

そういえばコルネが「悪党に渡すものはない」と言っていましたが、そっちは大丈夫ですか?

《熱華の麗鳥》 シキア・エラルド (No 20) 2020-11-22 20:54:42
え?何?メメル先生、今度は何を企nあー……(ミロワール先輩の怒り心頭姿を見かけて色々察し)
…えーっと、気を取り直して
新入生の皆、改めてこの学園へようこそ!
俺は芸能・芸術コースのシキア、よろしくね

俺も前に出て…っていうよりは、皆のサポートに回ろうかな
探知技能を多めに持って、戦闘時は楽器のサポートを

>方針
水晶を手に入れたのち、メモワールと交渉
水晶と交換を申し出て、学園長を返してもらわなければそのまま戦闘へ
基本的には穏便に、実力行使はあくまで最終手段
……って感じで合ってる?

水晶は渡す前に観察してみても、いいかもしれないね
…直接、怪傑殿に聞くのもありかも?

《新入生》 フュソメイ・ザクリョーシノ (No 21) 2020-11-22 23:02:23
……(三つ指をついて礼をする)

……(フュソメイ・ザクリョーシノと書いた書簡を見せる)

……(先ほど使った書簡の続きに妙な達筆で追記した)

「私が怪傑様の下へ参りましょう。」

《新入生》 ヒナ・ジム (No 22) 2020-11-23 17:34:01
おそくなってごめんなさい!
ヒナ・ジムです!

ごぶりんさんがいっぱいでるんだよね。
ヒナの斧でばったばったきるよ!

こうちょうせんせい、ヒナ、だいすき。
かえしてもらえなかったら…ヒナ、ゆるさないんだから!

(PL ということで、主に前衛担当で頑張ります!
ギリギリになり恐縮ですが、よろしくお願いいたします!)

《人間万事塞翁が馬》 ラピャタミャク・タラタタララタ (No 23) 2020-11-23 20:16:08
らぴゃたみゃくたらたたららた!
遅くなったが、よろしくなのじゃ。

あちきも戦いでは前衛に出るのじゃ。

《1期生》 アケルナー・エリダヌス (No 24) 2020-11-23 22:44:11
ははは……コスプレ先輩か。そいつはいい。
おっと、やあ。私は勇者・英雄コースのアケルナー。締め切り間際だけど、よろしく頼むよ。
今回は、賊に捕らわれている学園長の救出みたいだね。

まあ、今大笑いしてたのがコスプレ先輩に知れたら、私も大目玉喰らいそうだね。
戦闘で適度に援護したら、あとは先輩に捕まる前に退散しておくよ。